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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

雰囲気系の映画だけど、物語の軸はポピュラーだった『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』

2020年11月15日 22時00分31秒 | 映画


【基本情報】
 原題:The Last Black Man in San Francisco
製作年:2019年
製作国:アメリカ
 配給:ファントム・フィルム

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:161/173
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
サンフランシスコで生まれ育ったジミー(ジミー・フェイルズ)は、
祖父が建て、かつて家族と暮らした思い出の宿る
ヴィクトリアン様式の美しい家を愛していた。

変わりゆく街の中にあって、
地区の景観とともに観光名所になっていたその家は、
ある日現在の家主が手放すことになり売りに出される。

再びこの家を手に入れたいと願い奔走するジミーは、
叔母に預けていた家具を取り戻し、
今はあまり良い関係にあるとは言えない父を訪ねて思いを語る。

そんなジミーの切実な思いを、
友人モント(ジョナサン・メジャース)は、いつも静かに支えていた。

いまや都市開発・産業発展によって、
"最もお金のかかる街"となったサンフランシスコで、
ジミーは自分の心の拠り所であるこの家を取り戻すことができるのだろうか。

【感想】
感想が難しい(笑)
いや、話はわかるのだけど、完全に"雰囲気寄り"の映画で、
空気感は伝わってくるものの、
個人的には面白いかどうかの判断ができないジャンル。
これを好きな人がいるのはわかるし、面白いと言える気もするけど、
でもなんかちょっとわからないなーっていう(笑)

これ、PLAN B(ブラピの映画会社ね)とA24が作った映画で、
過去には『ムーンライト』があるんだけど、それも同じ印象だったんだよなー。
まあ、もともと真面目なLGBT系の映画は、
僕は面白いかどうかの判断ができないんだけど。
『リリーのすべて』然り、『キャロル』然り。

で、今作は、ジェントリフィケーションによって変わっていく
サンフランシスコの街並みの中で、自分が愛する家を守る、、、
というより固執する話。

とにかく、主人公であるジミーの家に対する愛がすごすぎる。
「いや、それ不法侵入だろ」って勢いで、かつての家に居座っちゃうから。

そんなジミーに付き合って、彼を支え、
時には彼の間違いをきちんと指摘する親友モント。
こういうただノリが合うだけじゃない、
メリハリのある友人関係ってのはいいよね。

この映画を観ている時点では、内容に集中してるから、
あんまり他のこと考えられなかったけど、
ちょっと落ち着いて思い返してみると、
時代が移り変わっていく中で"変わらないもの"に固執する話
っていうのは意外とポピュラーなんじゃね?って思った。

例えば、まわりが大人になっていく中で、
相変わらず子供のままでいたいと願う話とか。
土地の再開発で老舗がどんどん立ち退いていく中で、
先祖代々のお店を守る話とか。
そう考えると、ものすごい雰囲気系映画ではあるけど、
内容自体はシンプルとも言える。

だから、本当はもっと誰が観てもわかりやすい形にできると思うけど、
かなりアートっぽくなっちゃってるかな(笑)
あと、サンフランシスコに行ったことないから
土地勘がない分思い入れもないってのもあるけど。
多分、アメリカ人やサンフランシスコにゆかりのある人なら、
もっと共感できるんだと思う。
これが日本の街並みだったら、僕ももう少しわかったかもしれない(笑)

しかし、時代は現代のはずなのに、
街並みがレトロで哀愁漂う感じに見えるのは、
この映画の魅力のひとつかなと思う。
てっきり、監督はけっこう年上の人なのかなと思いきや、
まだ29歳という若さ!
感性が素晴らしい。

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ/The Last Black Man in San Francisco

映画『 ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ 』|2020年10月9日(金)全国ロードショー

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ/The Last Black Man in San Francisco

 

異例な映画化の早さ『THE CAVE ザ・ケイブ サッカー少年救出までの18日間』

2020年11月15日 19時34分06秒 | 映画


【基本情報】
 原題:Nang Non
 英題:The Cave
製作年:2019年
製作国:タイ、アイルランド合作
 配給:コムストック・グループ、WOWOW

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:90/172
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
2018年6月23日、練習を終えたサッカーチームの少年たちは
チームメイトの誕生日を祝うため、
チェンライのタムルアン洞窟に入る。
しかし、豪雨で洞窟内の水位が急激に上昇し、
身動きがとれなくなってしまう。

タイ国内外から集まった軍や経験豊富なダイバーたちが捜索にあたるが、
洞窟入口から4キロも離れた地点で少年たちを発見したのは、
遭難から9日も経ってのことだった。
彼らは洞窟の天井から滴る水を飲んで空腹をしのいでいたのだ。

一刻を争う救助が求められたが、洞窟内の経路は複雑かつ、
数か所は水没したままで、それは困難を極めていた。
次に雨が降る前に救出しなければ、少年の命は助からない瀬戸際で、
ダイバーたちによる決死の救出劇が始まった。

【感想】
実話ベースの映画としては、今年観た中だと、
一番直近の出来事を扱っているのではなかろうか。
日本でもニュースでやっていたから覚えている人もいるかもしれないけど、
2018年にタイで起きたタムルアン洞窟の遭難事故である。

1年(本国公開は2019年)で映画化してしまうのは異例の早さだと思うけど、
ドキュメンタリーに近い映画だった。
しかも、出演者の何人かは実際に救助活動に当たった人たちなので、
演技で言えば素人。
ただ、ちょっと不謹慎かもしれないけど、
緊急を要する救助活動ということもあってか、
緊迫感が強くて集中して観れるのと、
事故の全容を知る上では貴重な映画かなって。

正直、地元でも危険で有名だった洞窟に入ってしまったのは
不注意なのかなとしか言えないけれど、
全員無事に生還できたのは本当によかった。
運び出す際、途中でパニックが起こらないよう、
あらかじめ薬品を注射して眠らせていたっていうのは
ちょっとびっくりだったけど。

この映画を観て思ったのが、普通のダイビングと洞窟のダイビングは、
事情がかなり違うのかなということ。
洞窟ダイビングの専門家を海外から呼んでいたし、
酸素ボンベも2つ持っていくことが定石らしいけど、
それほどまでに活動量が多いのかなって。
現に、救助隊の一人は酸素の残量がなくなって亡くなってしまったからね。。。

あと、子供たちを助けたい一心で強力な排水ポンプを持ってきた民間人が、
許可がなくて現場に入れないっていうのはもどかしかった。
一刻を争う状況においてもそうなってしまうのは、
まあ仕方ないことではあるけど、
日本じゃなくてもそういうのは厳しいんだなと思った。

そして、タイの信仰心の強さ。
ただ「どうか無事に帰ってきますように」と個人が祈るレベルではなく、
僧侶がやってきて、お供え物をして、洞窟の女神に祈るってのは、
実際の救助活動において有益だったかは甚だ疑問だけれど、
そういう文化なんだろう。

ちなみに、ネトフリでも映像化の話が出ているらしい。

映画『THE CAVE(ザ・ケイブ) サッカー少年救出までの18日間』オフィシャルサイト

映画『THE CAVE(ザ・ケイブ) サッカー少年救出までの18日間』オフィシャルサイト