明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

厚労省のパワハラ定義は不明確

2019-01-31 22:53:59 | ニュース
パワハラの定義が厚労省から発表された(労働施設総合推進改正法、今年通常国会に提出予定)とニュースに出てたので読んでみたが、どうもよく分からなかった。原文を厚労省のホームページから転載すると、「同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義している。こんなに大げさな言葉を連ねて表現しているにも関わらず「適正な範囲を超えて」というあたりに定義の曖昧さがあって、このままでは余計面倒なことになるなと思った。このような曖昧な表現になってしまう辺りが、いかにも非論理的思考の日本人らしいとも言えるが。そこで私も「パワハラの定義」を考えてみることにした。以下は私なりの定義である。

1 パワハラとはどういうハラスメントか
業務上のことに「かこつけて」自分の優位を示そうという「マウンティング行為」である。相手が自分を下位だと認めている状態で、さらに相手を人格的に貶めることで「自分が素晴らしく優位である」ことを自身が再確認すること。または「ナルシスト的感情」である。

2 どういう事をすればパワハラになるのか
パワハラとは実際の行動ではなく「感情を指す」のであるから、対象行動が指導や注意や譴責などの業務上必要な行為であるかどうかに関わらず、やった方に「自分の優位を示す気持ち」があれば、パワハラである。

3 実際にパワハラを受けた時はどうするか
一番良いのは当人に「これパワハラになりませんか?」と聞くのが正しい。これは当人と受ける側との間にコミュニケーションが上手く取れてないわけだから、話し合いで解決するのがベターだ。それが気まずいというのであれば、第三者に間に入ってもらってヒアリングして貰うのが良い。パワハラだったら法律で処理し、そうでなかったら「自分の受け取り方を治す」必要があるだろう。

何だか実に簡単に思えてきた。要するに「言われても言い返せない環境が問題」という気がする。こないだのニュースでどこかの市長が「火をつけて燃やしてこい!」と怒鳴っていたが、もう個々の事例がどうこう言う前に「職場環境がパワハラの温床」である。パワハラが常態化する職場の雰囲気というのは、要するに言われやすい人は「徹底的にパワハラされる」のである。自分の優位が示されることで満足するのであるから、いつでも気分次第でパワハラしまくる。別に相手が何か失敗とか間違いとかした時に限らず、いつでも機会があれば「即パワハラしちゃう」のだ。

人によっては、パワハラの難しい所が「指導」と区別がつかない、というのがある。指導というのは「怒られた理由・根拠が自分の不適切な行動・態度・言動」にあって、それにより業務の進捗にマイナスの影響を与えたことが「本人にも理解されていて初めて」怒った効果が出てくる。反省とは「原因がわかっているから反省する」、そういうものだからである。だから間違いを「正確かつ具体的に指摘する」ことが必要なのだ。勿論、指導には「こうやるんだ!」という、方法についての明確な指示がつくのは常識である。ダメだダメだばかりでは、聞く方もどうして良いか分からず「怒りに耐えてばかり」では嫌になる。

これは例えばゴルフのレッスンを思い出すと分かりやすい。昔は「こうやるんだ」と手本を示しても、そのとおり出来ない生徒に「何で出来ないのかなぁ」などと平気で先生が愚痴をこぼしていたものだ。今なら「それを出来るようにするのがアンタの仕事だろ!こっちは金払ってんだ!!」とでも言われるのがオチである。要は、相手に合わせて指導するのが上司、ということに最近はなっているようである。思い出せば「昔は先輩から何かを教わった」ということは無かったように思う。上から下まで「無知」だった時代の名残りである。

パワハラの根本原因は「相手を見下ろすマウンティング」にある。相手の人格を「自分より劣っている」と見ることで、優越感に浸る姿勢がパワハラである。だから同じことをやっているのに一方ではパワハラと言われ、一方では熱血指導と言われるという不満が出てくる。これは行動マニュアルでなど解決できる問題ではない、意識の問題である。だが本人はその事を気付いていない場合がとても多いのだ。眼の前の事例に対して怒っているだけだと思いこんでいるので、自分の優位性を相手に向かって示しているという感情が自覚できていない。これを本人に分からせるには、「どこが悪かったか」と「どうすればいいか」を説明させれば良い。たいていパワハラをする人は、きちんと答えられない。先ほどのパワハラ市長も答えられないであろう。もし怒られる側に立った場合は「この2点」を質問すると、「真の解決」に至ることが出来る。1つは「それじゃ言ってやるから良く聞け」と言って説明する場合。これは会話が成り立っているから、パワハラではない。で、2つ目は・・・「ふざけんなコノヤロー!」である。最悪だ。

まあ、そうなったら私は責任は取れないが、サッサとそんな会社を辞める事をお勧めする。問題の原因はパワハラ上司であるが、そんな人間を「やりたい放題にさせて部下を見殺しにする会社」では、じっと耐えていてももろくな事がないのは明らかではないか。パワハラ問題は人間性の問題である。今は労働者不足の世の中、「世の中からパワハラ人間を追放する」良い機会だと思うがどうであろう。年金暮らしのお気楽老人がいう言葉ではない、とも言うけど。

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