明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

春に訪れたい京都の名所8選

2023-11-30 22:24:00 | 歴史・旅行
この前、春の京都の「是非訪ねるべき名所8選」という2時間だか4時間だかの番組をやっていた。テレビ局も最近ネタ切れらしく、クイズと旅番組とお笑いにスポーツとだいたい決まって下らないものばかりだが、その中でも一番楽なのが歴史発見もので、取材費だけで1時間は取れる安価な番組である。何故か各局とも内容は同じ傾向があって、日テレが幕末新選組をやると朝日も土方歳三をやり、フジが真田丸をやるとTBSが大阪夏の陣をやるという具合だ。結局歴史の謎といった本格的な問題には切り込まない安直な作りだが、そこはテレビの武器である映像の力でなんとか持たせているという仕上がりになっている。出てくるタレントや先生と呼ばれる人も大して新説を披露するという訳でもないので、滑舌のいい耳障りのさほど気にならないのを選んで使っているらしい。要は歴史を題材にして楽しく時間を潰すカルチャーセンターみたいなものである。「ホォー」というような事実の解明は先だっての井沢元彦以来、とんとお目にかからない。でも他に番組がないから見てしまう、ああ情けない。で今回も、どうせつまらないんだろうなと思いながらも見てしまった訳である。結果、やはり時間の無駄だった。もともと無駄な時間を暇つぶしすつもりだったのだから文句を言えないが、なんかマシなものはないのだろうか?

これは私がテレビに依存しているからであるのは間違いない。ま、しばらくはこの状態は続くだろうが、いずれ外に出て、自由に精神を飛翔させる時が来るであろう、などと負け惜しみを呟きながらワインを傾けた。そう、私はこの頃は赤ワインをの飲みだしたのである。前は日本酒一辺倒だったが、どうも最近腹に中性脂肪が溜まって来てるようなのでダイエットすることにし、まず甘い物をぜんぶやめ、タンパク質中心に食事を改善する事にした。豆腐・納豆・野菜ジュースそれにコーヒーも砂糖なしにした。で、酒もポリフェノールがいいとされる赤ワインに替えて、一日300mlと制限したのである。効果は「当然だが、腹は凹んできた」。入ってくるカロリーが消費するカロリーを下回っているのだから当たり前である。これをダイエットと呼ぶのはおこがましいが、要は食事を不足気味にしただけである。だから腹が減る。それで赤ワインを飲んで酔っ払って寝てしまおうという作戦だ。それと、食事制限と共に腹筋運動を取り入れた。「5秒で出来る」の触れ込みの例のヤツである。これを一日3回やって寝る。今のところなんとか上手くいっているようである。バンザイ!

さて肝心の「春に訪れたい京都8選」であるが、1醍醐寺の垂れ桜、2天龍寺の枯山水の庭、3慈照寺銀閣の観月庭、4南禅寺の三門、5稲荷大社の千本朱鳥居、6平等院の鳳凰堂、7清水寺の檜舞台と、えーともう一つは、あー忘れた。いずれもそうそうたる観光名所である。だが、私はこのどれも、しっかりと見た記憶が無いのである。京都には何回も行っているのに訪れるべき8選と言うほどの名所を「一度も見ていない」とは!そういえば奈良でも京都でも、寺や庭や仏像などの「作品」に殆ど関心がなかった事に気がついた。世に国宝と呼ばれる物には、私は大方興味が無かったのだ。じゃ何を見て回っていたのか?それが困ったことに、人様に言えるほどのたいそうなものは見ていないのである。強いて言えば「道」であろうか、昔から変わっていないものの一つである。私は道をぶらぶら歩くのが趣味だったことに気がついたのだ。私の一番の美しい記憶といえば、奈良の名前も知らないある寺の墓所の裏手をぐるっと回って田んぼの畔に出た時の「風そよぐ稲穂の彼方に見えた三つの塔」の風景である。それは法起寺・法輪寺・法隆寺の三つの塔であった。私は奈良の三塔と呼んでいるが、優雅で静謐な古都の眼差しを感じ、しばし立ち止まってその風景の奏でる音楽を聴いていたのだった。

この前どうなっているかなぁと再訪したとは、その風景は駐車場と綺麗に整備された遊歩道に取って変わられていた。私はだからといって昔のままの「人知れず探し求めて」行く旅行が良いと言っている訳では無い。旅は人それぞれであるべきだ。今の京都8選を最高に美とする旅行会社のツアーも、決して的外れではない。ただ私は「道」が好きなだけである。そういう意味で京都の、人の手が入って念入りに作られた観光スポットを効率良く見られるように張り巡らされた観光バスの通る道路よりも、奈良の、まだ自然のままに残されて「今も人々が歩いている道」の方が好きである。次回の奈良旅では、聖徳太子が馬で通ったと言う法隆寺から飛鳥に向かう道や、古人大兄王子が板葺宮から逃げ帰った飛鳥寺への道など、在りし日の歴史の一コマを彩る場所に立って、往時の人々の思いを辿って見たい。そしてそこに昔ながらの喫茶店がポツンと建っていれば最高である。

マックやドトールやサンマルクカフェではなく「明日香」とかの、ありふれた地名をつけただけの喫茶店が良いのである。このブログも1年前リハビリを兼ねて始めたのだが、何だか私にとってライフワークになりそうな気がしてきた。その意味でも、丁度いい題名を付けたもんだなと自我自賛している。実際はしょうもない事ばかり書いているのだが、ほんとはもっと芸術的な物にしたいのである。だから、我慢して読んで下さる皆様には、たまには内容のあるものをお届けしたいと願っていることだけは声を大にして、というか「声は出せない」ので太字にでもして書いておきたいのである。来年ぐらいには「一週間くらい」の長めの奈良旅行に行きたいなと思っています。その時は、連日ブログを更新するので、宜しくお願いします。あーこれでなんかやっと胸のつかえが取れたようでスッキリした。しょうもないブログを書き続けている自分に、ちょっと情けない気持ちがあったのだ。言い訳もたまにはするもんである。これで新しい気分で再出発できるというもんだ。

さて唐突だが、ここで私の生涯の愛読書を紹介したい。堀内民一著「大和万葉旅行」と、町田甲一著「大和古寺巡歴」の2冊です。古い書物だが、興味のある方は是非読んでみて下さい。奈良の魅力が詰まった素晴らしい本です。私もこういう本を書きたいと願って今日まで生きて来ました。後15年、命ある限りこの道を訪ね歩き続けたいと思ってます。







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