吉川泰弘・東京大学大学院教授の食品安全委員会委員人事不同意について、民主党のウェブサイトにいつのまにか、『次の内閣』ネクスト農林水産大臣の談話が出ていた。しかも、6月2日付。私は、6月30日頃、民主党のウェブサイトで関連する談話等が出ていないか、さんざん探したのだが、出てこなかったのだ。だが、今は簡単に見つかる。不思議だ。
本当は7月2日に出しているのに、と「ホームページ改ざん疑惑」を主張する人もいるようだけれど、私にはよく分からない。だって、「なかった」ことを証明するのは不可能だもん。どなたか、このページを民主党がいつ出したか、教えてください。
私は実は、民主党の政策調査会に6月30日付で質問状をファクスしている。連載している月刊誌「栄養と料理」の記事執筆のための質問として、吉川教授の食品安全委員会委員任命人事を、党でまとまって同意しなかった理由/その根拠は、中西準子・独立行政法人産業技術総合研究所安全科学研究部門長の論文なのか/日本学術会議の会長談話に対する党の見解――の3点を尋ねた。
ファクスを送った後、担当者にアポをとろうと政策調査会に何度か電話を入れた。だが、たった一人しかいないという農林水産の担当者は常に不在という返事だった。ただ、電話に出た人はこう言っていた。「担当者はファクスを見たようで、『回答しなきゃならない』と言っていたようです」。
本来なら、専門調査会の部屋の前で担当者を待ち、帰ってきたところをつかまえて確認すべきなのだろうが、私もそう暇でもないので、そこまではできなかった。
ファクスを送る前、私は民主党のウェブサイトに関連する談話等が載っていないか、検索してかなり調べた。最初に書いたように、見つけられなかった。民主党からは今もって、質問状に対する回答はない。まあ、民主党にとって私は、無視していい相手だったということだろう。
今、民主党のウェブサイトに出ているネクスト農林水産大臣の談話と、その談話が委員人事不同意の根拠としている中西準子先生が、ご自身で書いた6月30日付雑感を読み比べていただきたい。談話をアップした関係者は、中西先生にここまで批判されていることを果たして知っていたのか、知らなかったのか?
ちなみに、6月5日に開かれた参議院議院運営委員会の議事録によれば、民主党の議員は不同意について、こう発言している。
「言うまでもなく、食品安全委員会は、規制や指導等のリスク管理を行う関係行政機関から独立して、科学的知見に基づき客観的かつ中立公正にリスク評価を行うべき機関です。しかしながら、政府が二〇〇五年十二月、米国産牛肉輸入再開を決定した際には、食品安全委員会は、科学的評価は困難だとしながらも、輸入再開に事実上お墨付きを与える内容の答申をまとめました。
今回、食品安全委員会委員の候補者となっている吉川泰弘氏については、当時、食品安全委員会プリオン専門調査会座長として問題の答申をまとめた重大な責任があります。特に、その答申を出したことについて同専門調査会のメンバーの半数に当たる六人が辞任されるに至ったことを考えれば、民主党としては、同氏について同意することはできません。
今後、食品安全委員会は原点に立ち返り、国民の健康と安全のため自らの職責を果たされるべきことを改めて申し上げ、意見表明とします」
うーん、ネクスト農林水産大臣の談話とかなり違う。いずれにせよ、これが民主党だ。
本当は7月2日に出しているのに、と「ホームページ改ざん疑惑」を主張する人もいるようだけれど、私にはよく分からない。だって、「なかった」ことを証明するのは不可能だもん。どなたか、このページを民主党がいつ出したか、教えてください。
私は実は、民主党の政策調査会に6月30日付で質問状をファクスしている。連載している月刊誌「栄養と料理」の記事執筆のための質問として、吉川教授の食品安全委員会委員任命人事を、党でまとまって同意しなかった理由/その根拠は、中西準子・独立行政法人産業技術総合研究所安全科学研究部門長の論文なのか/日本学術会議の会長談話に対する党の見解――の3点を尋ねた。
ファクスを送った後、担当者にアポをとろうと政策調査会に何度か電話を入れた。だが、たった一人しかいないという農林水産の担当者は常に不在という返事だった。ただ、電話に出た人はこう言っていた。「担当者はファクスを見たようで、『回答しなきゃならない』と言っていたようです」。
本来なら、専門調査会の部屋の前で担当者を待ち、帰ってきたところをつかまえて確認すべきなのだろうが、私もそう暇でもないので、そこまではできなかった。
ファクスを送る前、私は民主党のウェブサイトに関連する談話等が載っていないか、検索してかなり調べた。最初に書いたように、見つけられなかった。民主党からは今もって、質問状に対する回答はない。まあ、民主党にとって私は、無視していい相手だったということだろう。
今、民主党のウェブサイトに出ているネクスト農林水産大臣の談話と、その談話が委員人事不同意の根拠としている中西準子先生が、ご自身で書いた6月30日付雑感を読み比べていただきたい。談話をアップした関係者は、中西先生にここまで批判されていることを果たして知っていたのか、知らなかったのか?
ちなみに、6月5日に開かれた参議院議院運営委員会の議事録によれば、民主党の議員は不同意について、こう発言している。
「言うまでもなく、食品安全委員会は、規制や指導等のリスク管理を行う関係行政機関から独立して、科学的知見に基づき客観的かつ中立公正にリスク評価を行うべき機関です。しかしながら、政府が二〇〇五年十二月、米国産牛肉輸入再開を決定した際には、食品安全委員会は、科学的評価は困難だとしながらも、輸入再開に事実上お墨付きを与える内容の答申をまとめました。
今回、食品安全委員会委員の候補者となっている吉川泰弘氏については、当時、食品安全委員会プリオン専門調査会座長として問題の答申をまとめた重大な責任があります。特に、その答申を出したことについて同専門調査会のメンバーの半数に当たる六人が辞任されるに至ったことを考えれば、民主党としては、同氏について同意することはできません。
今後、食品安全委員会は原点に立ち返り、国民の健康と安全のため自らの職責を果たされるべきことを改めて申し上げ、意見表明とします」
うーん、ネクスト農林水産大臣の談話とかなり違う。いずれにせよ、これが民主党だ。
http://www.dpj.or.jp/news/?num=16423
http://www.dpj.or.jp/news/?num=16425
学術会議の会長談話や松永さんのFAXでまずいと思って掲載したのでしょうか。
時々に突っ込みを入れていかないと、大変なことになりそうですね。
参議院での反対意見と民主党ウェブサイトにUPされた談話の趣旨が,異なる点も気になります。
上のコメントの方のURLに関する指摘は,非常に興味深いです。たしかに,URLのnum=がここまで大きくズレているのは,この談話だけです。
アップされたのが7月2日だからといって、談話が6月2日のものではないことの証明にはなりませんが、極めて黒に近い灰色ですね。
※引用元
JANJAN:無知なる野党の暴挙 食品安全委人事案否決
http://www.news.janjan.jp/government/0907/0907160155/1.php
>いずれにせよ、これが民主党だ。
7月1日付での新食品安全委員会の会合に当たって、野田大臣の「自らの言葉」による挨拶が議事録(http://www.fsc.go.jp/iinkai/i-dai292/dai292kai-gijiroku.pdf)に掲載されています。
だからと言って、現与党が素晴らしいとは言えませんが。
>通りすがりさん
成る程、ニュースのNo.から確認すれば「丸判り」でしたね。
ご指摘を見るまで気付きませんでした。
私も民主党の過去のニュース記事一覧(http://www.dpj.or.jp/news/index.html)で6月2日の部分に該当する「談話」の記載が無いことには気付いていましたが、No.を確認すれば記事作成時期が一目瞭然ですね。
自民党のおかげでポジティブリストってあほなわけのわからん悪法を押しつけられ、どれだけしんどかったか!!いまだに法律を変えようとしない自民党も民主党といい勝負。
既に立法府がその評価主体の座長の姿勢に大きな問題があり、当然その評価に重大な瑕疵があると決したわけであるから、その「でたらめな」評価を基に輸入再開の政策決定をした政府・両省の「責任」の重大さが吉川氏のそれの比ではないことは太陽が西に沈むこと以上に明白である。
これは、政権交代が視野に入った段階で、新たな親分が思う存分働けるように行政の政策の暗部をクリーンアップしようとする「ありえな~い」ほど幼稚かつ醜悪な企みである。
この評価を基に政策決定にかかわった両省官僚は、次期組閣時点においてすべて即時更迭されることを強く要求する。
民主党よ、リスク管理機関も切っときゃよかったな。
食品安全委員会の健康影響評価の付帯事項が火炙りにされる魔女の呪いの文句のように感じられる。
今回のリスク評価は日本向け輸出プログラムの遵守を前提に行った。従って管理機関が遵守を保証する必要がある。リスク管理機関は、米国及びカナダから日本向けに輸出される牛肉及び牛の内臓について実施されるリスク低減措置が適切に実施されることが保証されるシステム構築を行う必要がある。考えられるシステムとして、日本向け輸出牛肉等を処理加工する施設の認定制度及びそれら施設への行政による定期的な立入調査等を含む管理システムが有効なものとして考えられる。
もし、リスク管理機関が輸入再開に踏み切ったとしても、管理措置の遵守が十分でない場合、例えば出生月齢の証明が出来ない場合、SRM 除去が不十分な場合、処理・分別過程において牛肉等が21ヶ月齢以上のものと混合され得る場合など、人へのリスクを否定することができない重大な事態となれば、一旦輸入を停止することも必要である。
初めまして。私は食品専門紙記者の中野敏一と申します。民主党の筒井議員の『談話』の件ですが、私は同党政調会担当者との以下のやり取りから「7月2日」掲載と判断しました。
当方:「6月2日付の『談話』ですが、つい最近までなかってですよね」
政調担当者:「最近アップしました」
当方:「最近って、いつですか。6月30日前後ですか」
担当者:「そのぐらいです」
当方:「何だ、筒井議員の所には6月30日に、吉川氏人事問題で取材にお伺いしたのに、その時、この『談話』を渡してくれたら、取材がもっと楽だったのに。でも6月30日にもなかったような気がしますが、ひょっとして7月2日ですか」
担当者:「そんなところです」
当方:「そうですか」
以上、こんなようなやり取りがありました。結局、こちらが誘導した格好となりましたが、「7月2日」なのだな、と目星を付けた次第です。
個人的にはこの問題に興味があるとともに、今後も追及していく考えです。
中野敏一
単に「7/2と入力すべきところを入力ミスしたという」可能性も考えれる状況もあるような気が私は思いますが。