松永和紀blog

科学情報の提供、時々私事

山田農林水産副大臣のメッセージ

2009-11-14 00:37:35 | Weblog
 13日に届いた農水省のメールマガジン第368号に、山田副大臣のメッセージがあった。驚愕したので、全文引用してしまおう。
 
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懐かしい日本の農漁村集落の風景を再び甦らせたい


のどかな朝があった。
母は米のとぎ汁を納屋の牛に飲ませる。少年の私は裏の畑の菜、ヒヨコ
草を集めてきて細かく刻んで鶏の餌をやる。産み落とされた卵を探す。
そのうちに朝餉の味噌汁の匂いがしてくる。
大きな甕から醤油の上澄み液を掬って母に渡す。すべて手作りだった。
いつしか懐かしい日本の農村の風景はなくなった。

米国の農家も変わった。遺伝子組み換えのキングコーンをアンモニアの
液肥を大量に振りまきながら大型のトラクターで耕作を続けている。
できたトウモロコシは不味くて、農家でも自分の作ったものを口にする
ことは無いと言う。

農業はおかしくなった。
今や、日本の農業は65歳以上の高齢者で61%も担っているというい
びつな形になった。
自給率は下がる一方で、世界の人口は急増、10億人の人が飢餓に苦し
み1日に2万5千人の人が飢えで亡くなっている。
すでに世界の食糧危機は現実のものになっている。

中国、インド、ブラジルの台頭で、日本はテレビや自動車を売って、安
い食糧は買えばいい貿易立国の時代は終わった。

日本も政権が交代した。
これから、内需を中心とした農漁林業にも配慮したバランスの取れた国
家を目指さなければならない。
若い人が新しく農漁林業に参入して食べていける世の中を。
そのための戸別所得補償制度に全力を尽くしたい。
懐かしい日本の農漁山村の集落風景を再び甦らせたい。
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 うーん、なにを言いたいのか、よく分からない。書いてあることが、見事に脈絡がない。
 それに、もしかしてこの人はスイートコーンとデントコーンの区別がついていないのかもしれない。

 このところ、「飼料米を作れば、アメリカのトウモロコシは必要ない、と本気で信じているらしい」とか、「食品のリスク管理について説明しようとすると、『国産は安全・安心なのに、なぜこんなことが必要か?』と言う」とか、いろいろと気になる情報が漏れてきていた。農水省の官僚が困り果てている、という話も聞いた。官僚だって、農水省の恥にはしたくないから説明をしたいのだけれど、聞こうとしないというのだ。

 私は半信半疑だったのだけれど、やっぱり本当なのかもしれない。

 まず、日本に農地がどれくらいあるのか、トウモロコシやダイズ、ナタネなどをどれだけ輸入していて、その穀物を栽培するのにどのくらいの農地面積が必要なのか、計算した方がいい。
 山田副大臣が、日本人に「肉と油は食うな。これからは、米とイモの生活だ!」とちゃんと言うならそれも結構だが、そんな内容はメッセージには入っていない。これからこの人は、どうするつもりなのだろうか。