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先週、中国・厦門を視察した。味の素冷凍食品の自社管理農場や冷凍野菜加工工場を見せていただいた。これから、何回かにわたって紹介する。
まずは枝豆、いや、ごみの山の写真をご覧いただきたい。
これは、味の素冷凍食品が中国の自社管理農場で栽培収穫し冷凍してあったもの。本来であれば日本に輸出され、家庭やレストラン、居酒屋さんなどでおいしく食べられたはずだった。だが、今年1月の冷凍ギョーザ事件を契機に、中国産というだけで売れ行き激減という事態に陥ってしまった。冷凍され長く倉庫に保管されていたが、時間が経って商品として出せなくなり、これから堆肥になる運命だ。
枝豆だけでなく、青々としたいんげんも山と積まれていた。これらの野菜は、同社が種子の生産からかかわり自社管理農場で農薬などもしっかりと管理して栽培し、収穫やブランチングなどの加工、冷凍、包装まで完全に把握して、トレーサビリティが確保されている。はっきり言って、国産より品質はよい、と思う。しかし、「中国産は危ない」という報道に踊らされた消費者や流通、外食産業などが拒絶した。在庫はまだあり、さらに堆肥にしなければならない。見せてくれた同社の社員がつぶやいた。「身を切られるような思いだ」。
中国産にも、当然のことながらピンからキリまで食品がある。日本に入ってくる中国産の食品のかなりの部分は、日本の食品メーカーや商社などが指導して、作ってもらったピンの食品だ。その中に不幸にも、犯罪が仕掛けられた食品が混じってしまった。それが、ギョーザ事件である。また、犯罪品の微量混入を防げなかったのが、(日本国内の)メラミン混入事件である。
思い起こせば、日本でも食品犯罪はあった。70年代の青酸コーラ事件、80年代のグリコ森永事件、90年代の和歌山カレー事件…。そんな時に、外国人から「犯罪が起きたから、日本の食品は怖い。絶対に拒否する」と言われたら、日本人はどう反応しただろう?
そんなことを考えながら、堆肥になる枝豆を眺めた。
堆肥にするよりも、生ごみとして処分を中国側に任せた方が、はるかに安上がりだそうだ。だが、まとめて堆肥にして畑に戻したいと同社は言う。
新聞や週刊誌などでは、未だに中国に詳しいと自称する「識者」が「危ない中国産」を語っている。そのエピソードは概して古い。そして、日本向けの食品の話なのかどうか、不明のままだ。そんないい加減な識者に騙されるな、まじめな日本企業や中国人の取り組みを見ろ、と記者たちに言いたくなる。
だが、中にはあやしい識者を利用して自分の署名記事をインパクトのある読み物に仕立てている確信犯の全国紙記者もいる。そんなもくろみは行間ににじみ出るから、私はひどく苦い思いを味わうのだ。
<注>私が、メラミン混入事件と書いたのは、あくまでも日本国内で消費される食品において起きたメラミン混入事件です。ご指摘を受けて、(日本国内の)を追加しました。2008年11月13日
まずは枝豆、いや、ごみの山の写真をご覧いただきたい。
これは、味の素冷凍食品が中国の自社管理農場で栽培収穫し冷凍してあったもの。本来であれば日本に輸出され、家庭やレストラン、居酒屋さんなどでおいしく食べられたはずだった。だが、今年1月の冷凍ギョーザ事件を契機に、中国産というだけで売れ行き激減という事態に陥ってしまった。冷凍され長く倉庫に保管されていたが、時間が経って商品として出せなくなり、これから堆肥になる運命だ。
枝豆だけでなく、青々としたいんげんも山と積まれていた。これらの野菜は、同社が種子の生産からかかわり自社管理農場で農薬などもしっかりと管理して栽培し、収穫やブランチングなどの加工、冷凍、包装まで完全に把握して、トレーサビリティが確保されている。はっきり言って、国産より品質はよい、と思う。しかし、「中国産は危ない」という報道に踊らされた消費者や流通、外食産業などが拒絶した。在庫はまだあり、さらに堆肥にしなければならない。見せてくれた同社の社員がつぶやいた。「身を切られるような思いだ」。
中国産にも、当然のことながらピンからキリまで食品がある。日本に入ってくる中国産の食品のかなりの部分は、日本の食品メーカーや商社などが指導して、作ってもらったピンの食品だ。その中に不幸にも、犯罪が仕掛けられた食品が混じってしまった。それが、ギョーザ事件である。また、犯罪品の微量混入を防げなかったのが、(日本国内の)メラミン混入事件である。
思い起こせば、日本でも食品犯罪はあった。70年代の青酸コーラ事件、80年代のグリコ森永事件、90年代の和歌山カレー事件…。そんな時に、外国人から「犯罪が起きたから、日本の食品は怖い。絶対に拒否する」と言われたら、日本人はどう反応しただろう?
そんなことを考えながら、堆肥になる枝豆を眺めた。
堆肥にするよりも、生ごみとして処分を中国側に任せた方が、はるかに安上がりだそうだ。だが、まとめて堆肥にして畑に戻したいと同社は言う。
新聞や週刊誌などでは、未だに中国に詳しいと自称する「識者」が「危ない中国産」を語っている。そのエピソードは概して古い。そして、日本向けの食品の話なのかどうか、不明のままだ。そんないい加減な識者に騙されるな、まじめな日本企業や中国人の取り組みを見ろ、と記者たちに言いたくなる。
だが、中にはあやしい識者を利用して自分の署名記事をインパクトのある読み物に仕立てている確信犯の全国紙記者もいる。そんなもくろみは行間ににじみ出るから、私はひどく苦い思いを味わうのだ。
<注>私が、メラミン混入事件と書いたのは、あくまでも日本国内で消費される食品において起きたメラミン混入事件です。ご指摘を受けて、(日本国内の)を追加しました。2008年11月13日
それと微量混入という表現も正しくないと思います。中国の商品も直接日本国内で販売されている事例もあり、運が良く粉ミルクが入っていなかっただけで、もし入ってきていたら日本でも健康被害は起こっていた可能性は十分にあったはず。中国産は安くて安全だと思っていれば起こるべき可能性ですよ。
マスコミの騒ぐポイントのズレにはあきれることも多い(16日の朝の番組も)のですが、松永さんの反論も少しズレているように感じます。
いつからなのか忘れたのですが、中国からの農産物輸出先は金額ベースでEUが第1位となったようです。国の調査でも中国は5年を目途に東南アジア圏に農産物輸出をシフトすると言っていました。
振り返って日本の農業はあと5年もすると、急速に生産力が落ちることは眼に見えています。
その対策たるや、何も中身がない状態と考えるしかない。
青果物市場はスーパーの言いなりで価格は安い。出荷量が減っても価格は安い。このままで農業をやれとは誰もいえません。
さて、10年後あなたはどこの国のものを食べられるのでしょうか?
批判は簡単ですが、少なくとも10年先を見た方向性を作るようなマスコミの姿勢が少しでもあれば救いとなるのではないか?
米あまりと言われていますが、60キロ単価が政府のわずかな売り渋りで、3000円も高くなった日本の米、本当に足りていると思っていますでしょうか?ありとあらゆる農業資材の高騰(農薬は12月に値上げしました。)は日本農業をつぶします。
中国批判だけではなく、そこから見えてくる日本農業のあり方を考えていただきたいと、つい思ってしまい、投稿します。
お読み下さった方、ありがとうございます。
餃子事件については、明らかに中国政府に落ち度があったわけで、こういう結果になったのは当然だと思っています。松永さんは、日本も同じことを言われたらどうするのかとおっしゃっていますが、決定的に中国と日本が違うのは、「事件の解決への努力の差」です。犯罪について恐らく中国ほど国家などのメンツなどこだわらないのが日本です。それが犯罪への抑止力として大事なことであって、安心につながると思います。中国はそれをせず、自国民の犠牲者を新たに産むという情けない失態をさらけ出したと言えるでしょう。
個々の企業がいくら努力されても、国家として他国民の信頼を得られるような努力をかの国はされたのでしょうか?私は信頼に足るとはみていません。
【社会ニュース】 【この記事に対するコメント】 Y! V 2009/07/13(月) 17:34
河北省石家庄市で6月中旬にニラ入りギョーザを食べた一家など17人が吐き気やめまいを訴えて相次いで病院で手当てを受ける騒ぎがあった。入院先の病院2カ所は「農薬メタミドホスがニラに残留していたことが原因ではないか」と話している。6月22日付で河北青年報が伝えた。
同紙によると、同市の陳香翠さん一家7人は6月17日午前に露店で購入したニラを使ってギョーザを作り、昼ごはんとして食べた。しかし間もなくして下痢や吐き気など中毒症状を訴えて病院へ搬送された。さらに同じ頃に別の家族ら10人も病院へ入院。いずれも昼食として同じ露店で買ったニラを調理して食べたと語っており、両病院は「農薬メタミドホスがニラに残留していたことが原因ではないか」と指摘した。これを受けて警察が捜査に乗り出し、現地の民家にあったニラを押収した上で詳しく調べている。(編集担当:麻田雄二)
いまだにメタミドホスが出回っている中国!!
他の記事には、農薬を飲料用のため池や水源地に投入する事件も発生!!(こんな悪質なのは日本でも記憶にない)
中国はコントロールのきかない国です。