九段の母

●昨日のつづきです。

●ホームセンターまでの道すがら、久しぶりに聞きました『二葉百合子/岸壁の母』。

（私は、音楽はどんなジャンルでも聞いちゃう人でして、ヘビメタも、オレンジレンジも二葉百合子も基本的に“OK“です。）
ちなみに、このアルバムに収録されている曲のほとんどは、ベタな“泣かせの、母子もの”。
嫌いな人は、嫌いな、ド演歌ですけどね。曲自体は、なかなかに聴かせてくれますよ。
.....私は結構好きです。

●『九段の母』という曲があります。

上野駅から九段まで、かつて知らないじれったさ。

杖をたよりに、一日がかり

せがれ、来たぞや、会いに来た。

●年老いた母を持つ身と致しましては、この歌詞を聞くと、胸が熱くなります。
不覚にも、目頭が熱くなる瞬間さえ、あります。
だって、年寄りが、上野から靖国神社まで、歩くというんですよ。たまりません。

●ただ、昨日は、途中から聞いていてイライラしてきました。だってさ....

空を突くよな大鳥居

こんな立派なお社（やしろ）に、神とまつられ、もったいなさよ。

母は泣けます、うれしさに。

冗談じゃないよ。　大事な息子を、お国のためだか何だか知らないけど、ヒョイと持って行かれちゃったんだよ。誰が若い身空で、神さまなんかになりたいもんか。そんなものを、ありがたがってはいかんよ、おっかさん。


鳶が鷹の子産んだ様と、今じゃ果報が身に余る。

錦糸勲章見せたいばかり、逢いにきたぞや、九段坂。

と、ここまで来ると、呆れるばかりです。“勲章なんかクソクラエ”と何で本音を言えんのじゃい。
そんなもんで、ごまかされちゃいけないよ。

●教育も受けさせてもらえず、選挙権もない当時の女性が、大きな力の前に何もできず、ただただ翻弄されてしまっただろうということ。.....容易に察しがつきます。
所詮、歌だと思えばこそ、さほど意識もせず聞いてきたけれど、これはおかしい。もう、この先、こんな歌を作らせてはいけません。

もっともらしい理屈や大義名分のために、人は何度過ちを繰り返してきたことか。
頭で考えるから、洗脳されるんです。
子供の命を守るのが母の使命だとして、それを死守するのは、理屈ではなくて、ひたすらかぶりを振り続けること、それしかないのかも知れません。そんな時、決して『従順』である必要はありません。物わかりの良い知識人である必要なんてありません。

●あるもんか！　テヤンデ～～！

少なくとも、息子の代わりに勲章なんぞをもっともらしく送られて、それを“ありがたい”なんて言うのだけは、やめましょう。