『ベースボール不要論』

[副題]~大マスゴミと野球(よきょう)/現代日本の致命傷~
[副々題]~がんばれ日本! なくなれ読売!!~

第4章 ちょこっと脱線 なぜ世界は野球をしないのか?[1]

2005年04月11日 | 第4章
[1]

 それでは、ここでちょこっと脱線しましょう。

 日本のみなさまがこよなく愛し、そしてとても熱烈に取り組むベースボール──。でも、世界の人々にはあまり受け入れられていないようです。なぜでしょうか? 探ってみましょう。

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〈やはり、ベースボールは散漫に過ぎるっ!〉

 サッカーや自転車競技などが盛んなヨーロッパ諸国にだってベースボールはあります。たとえばイタリア、フランス、オランダ、ロシア……。最近、ドイツ人も野球を始めたと聞いています。

 でもこれらの国々が、私たち日本人のように「とても熱烈に」野球に取り組むことは、まずないでしょう。なぜって、ベースボールはあまりにも散漫、スロー、退屈ですから。

 ベースボールがとても不活発で散漫なボールゲームであることに異論はないと思います。他のさまざまな人気スポーツと比較すればわかりますね。アイスホッケーやラグビー、サッカーやバスケットボールなどとは比べものになりません。雲と泥ほどの差があります。

 野球でもしばしば「激闘」や「死闘」などの言葉が使われます。たとえば「5時間にも及ぶ死闘を制したのは……」などとみな軽々しく言うのですが、それは異様に時間が掛かったというだけでしょう。実態は「死」にも「激」にもどちらにも該当しないのではないでしょうか?

 試合中、パジャマのような服を着た選手たちがほとんどジーッとしているボールゲーム、それが野球です。「激」や「死」や「闘」などという字に少々失礼ではないかと思います。「野球はボーリングよりは活発だよ」。はい、そうですね。「ゴルフよりは激しく動くぞ!」。はい、そのとおり。「ゲートボールよりは活発だぜっ!」。うん、まあ、そうだね。その程度でしょう。

 1試合を3時間とすると、そのうち2時間半ぐらいは試合が止まっていると言われます。

 3時間という試合時間──。もうこれだけで私なんぞは逃げ出したくなるのですが(もし私が野球をしたら、おそらく3回裏ぐらいで帰ってしまいます)、そのうちのおよそ5/6が「休憩時間」なのです。ですからテレビの野球中継は、試合が動いているところだけを編集して放送すれば「30分番組」になりますね(そうしてほしい!!!)。ホント、優雅な競技です。若さを吸いとられそうです。

 極端な話ですが(そうでもないかな?)、たとえ寝不足や二日酔いで試合に臨んだとしても、試合中に休む時間がいくらでもあるわけです。

 で、ゲームが動くときでも、それは出場している選手全員が目まぐるしく、激しく動き回るわけではありません。ごく一部の人がちょこっと動くだけ。まあ、NHK『のど自慢』の出演者みたいなものでしょうか? 真っ赤に燃え上がっているのはピッチャーの肩だけで、「『スポーツ』と呼ぶにはちょっとなぁ……」とイチャモンをつけたくなるほど、不活発をきわめる散漫なボールゲームです。

 不活発なスポーツはけしからん!!! そんなことは決してありません。不活発なスポーツもおおいに「あり」です。おおいに「あり」なのですが、でも、世界の元気な人々は、このボールゲームを「スポーツに準ずるもの」程度にしか感じていないのではないでしょうか? つまり「準スポーツ」「レクリエーション」といった感じ。

 ベースボールはまさに、だれにでもできるお手軽な「レクリエーション」。広大なグラウンドを使うわりには、全然走らない、全然疲れない「準スポーツ」。世界の平均的な見方はきっとそんなところでしょう。(つづく)

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