くにたちの声

国立市の市政について、国立市民・納税者の立場から発言していきたいと思います☆ presented by Y.Suzuki

事実に反する関口市長のビラの内容(売られた喧嘩は買わねばならぬ) その1

2011年04月15日 23時13分53秒 | 国立市政全般
本日、関口市長の支援団体が発行しているビラを読んで驚きました。
何と、そのビラは私を名指しで非難しているうえに、内容には事実に反する部分があります。
私は、「売られた喧嘩は買う」主義なので、名指しで非難された以上、この際きちんと反論しておきたいと思います。

当該ビラのなかには、私たち国立市民有志が提起した住民訴訟(上原公子前市長への求償権行使請求)についての以下のような記述があります。
なお、これは関口市長の一人称で述べられているので、関口市長ご本人が執筆されたものであると思われます。

・・・・44メートルの高層マンションは完成し、建て主は営業妨害をされたと市を訴えました。建て主はこの賠償金を市に寄附して結局、市は金銭的な損害はしていません。にもかかわらず、鈴木雄一防衛大教授など住民4人が現市長に、『市が支払った損害賠償金を上原前市長個人に請求しないのはおかしい』という訴訟を起こし・・・

要するに、市には金銭的な損害がないにもかかわらず、私を含めた市民4名が訴訟を起こした、という非難がなされています。
しかし、上記記述は、全く事実に反しています。
建て主はこの賠償金を市に寄附して結局、市は金銭的な損害はしていません」という部分です。
まず、「損害はしていません」という日本語は文法的に誤っているので、この部分は「損害をうけていません」と置き換えることにします(本年1月10日付けのこのブログでも関口市長の日本語の文法的誤りを指摘したことがあります。文教都市の市長である以上、正しい日本語を使っていただきたいものです)。
さて、本題に戻ります。
当該ビラでは、「建て主が賠償金を市に寄附して・・・」とありますが、この部分がそもそも事実ではありません。
建て主の明和地所は、賠償金を寄附したわけではないのです。
明和地所は、賠償金と同額の寄附をしているものの、この寄附は、あくまで国立市民のための教育・福祉の施策の充実にあててほしいとの趣旨の一般寄附であって、国立市が明和地所に支払った損害賠償金を補填する趣旨でなされたものではないからです。
この寄附について、昨年12月22日の東京地裁判決は次のように判示しています。

本件寄附は、国立市による本件損害賠償金の支払を契機として行われたもので、本件損害賠償金と同額のものではあるが、①明和地所においては、本件損害賠償金に係る債権を放棄してこれを返還することは明示的に拒絶し、国立市における子供たちの教育環境の整備や福祉の施策等に役立ててほしいとの趣旨を明示して拠出されたものであり、②これを収受した国立市においても、本件損害賠償金の返還ではなく一般寄附として取り扱ったものであること、③明和地所は、本件寄附の申出前には、国立市が同社に対して本件損害賠償金に含まれていない前件訴訟の訴訟費用に係る請求をするのであれば、本件損害賠償金相当額から当該請求額を差し引いた額を寄附する旨述べ、結果的に、国立市が前件訴訟の訴訟費用に係る請求を放棄することを事実上の条件として本件寄附の金額が確定したことに照らすと、本件寄附は、本件損害賠償金を実質的に填補する趣旨でされたものとはいえず、これをもって国立市の損害が実質的に填補されたから本件求償権が消滅したと認めることはできない。」(判決36-37頁)

当該ビラで関口市長は、市は金銭的損害をうけていないと主張していますが、これも全く事実ではありません。
上原前市長の一連の行為によって国立市が被った金銭的損害は、合計約1億5000万円にものぼります。
すなわち、市が肩代わりして明和地所に支払った損害賠償金、上原市長の違法行為を弁護するための弁護士費用、本来なら明和地所から市へ納入されるはずの協力金を合計した額です。
これらについては、東京地裁も次のように認めています。

国立市は、①前件訴訟に関して、弁護士費用等の裁判費用として3918万904円を公金から支出したほか、②本件建物についての新指導要綱に基づく清掃施設協力金及び公園・緑地整備協力金を7881万2000円と試算していたが、明和地所との間の都市景観形成条例に基づく手続きが未完であったため、指導要綱の事前協議の完了及びその後の手続きである当該事業計画に対する承認ができず、上記協力金の納入手続きが実施できない状況にある。」(判決36頁)

東京地裁は、上記のような事実認定を行ったうえで、上原前市長への求償権行使を命じた理由の一部を次のように判示しています。

上原前市長は、普通地方公共団体の長として行政目的を達成する上での中立性・公平性が要請される立場にありながら、建築基準法に違反しない適法建築物である本件建物の建築・販売を阻止することを目的として、少なくとも重大な過失により、自ら主体的かつ積極的に一連の本件違法行為に及び、これにより明和地所に損害を与えたことから、国立市を相手とする前件訴訟を提起され、国立市において明和地所に本件損害賠償金を支払わなければならない事態を招いたものであり、上記一連の行為により国立市が受けた経済的不利益は本件損害賠償金にとどまるものではないことに照らすと、国立市が明和地所から本件寄附を受けたことや国家賠償法1条2項が公務員に軽過失があるにとどまる場合に求償権の成立を認めない趣旨等を考慮しても、なお国立市が上原前市長に対して本件求償権を行使することが信義則に反するとはいえないというべきである。」(判決37頁)

当該ビラのなかで、関口市長は「景観を守るための言動について、市長を辞めたあともおカネでもって責任をとらされる。そんな理不尽な攻撃は認められません。」と述べていますが、景観を守るためなら法を守らなくてもいいのでしょうか?

もちろん、私は、景観保護には大賛成です。
住民の景観利益も保護されるべきであると考えています。
しかし、法治国家において、目的達成のためには手段を選ばず、違法行為を犯しても構わないという考え方は論外でしょう。
こうした考え方は、鯨を保護するためなら人間を殺傷しても構わない、として日本の調査捕鯨船に危害を加えるどこかの国の無法者集団の考え方と通底しています。

上記判決は、「上原前市長は、普通地方公共団体の長として行政目的を達成する上での中立性・公平性が要請される立場にありながら、建築基準法に違反しない適法建築物である本件建物の建築・販売を阻止することを目的として、少なくとも重大な過失により、自ら主体的かつ積極的に一連の本件違法行為に及び、これにより明和地所に損害を与えた」(判決37頁)と明確に述べています。

違法行為を犯した者が、自らその責任をとらされるのは、法治国家の原則です。

(つづく)






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2 コメント

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コメントありがとうございます (くにたちの声)
2011-04-16 18:44:20
無党派市民 様

ありがとうございます。
売られた喧嘩は買います(笑)

これから適切に対応を考えていきたいと思っています。

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Unknown (無党派市民)
2011-04-16 15:49:28
関口さんの全戸配布用のちらしを、私も見ました。
市長は、市民のプライバシーを守らねばなりません。
どんなことがあっても、原告の氏名と職業を
不特定多数の市民に公表してはいけません。

これは、立派な名誉棄損罪です。
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