○五感俳句003・触覚01(冷)・上田五千石
○五感の一つである触覚。まずは冷たさ。このところ関東では猛暑が続いております。35°越えがあたりまえの毎日ですが、ひんやりとした冷たさが欲しいところです。
○「水中に水より冷えし瓜つかむ」(『田園』1968)(上田五千石01)
○季語(瓜・晩夏)
【鑑賞】:水に冷やした瓜があります。水の温度以下にはなりえない瓜ですが、掌が水より冷えていると感じています。その感覚こそがこれから食べようとする瓜の存在感です。「よし、冷えたな」と。
○上田五千石(うえだごせんごく)(1933~1997)
○好きな一句「風船を手放すここが空の岸」(『琥珀』1992)02
○季語(風船・三春)
【Profile】:1954年→秋元不死男の「→氷海」に入り、かたわら「→天狼」にも学び、「子午線」にも加わる。1956年「氷海」同人。1968年処女句集『田園』上梓。これにより第8回俳人協会賞受賞。1973年「→畦」を創刊・主宰。
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上田五千石掲載句
03渡り鳥みるみるわれの小さくなり(『田園』1968)(渡り鳥・仲秋)〈次元8・俯瞰1〉2010/9/11
04聖人像の誰も吾見ず冬日澄む(冬日・三冬)〈五感23・視覚3〉2010/12/27
05たまねぎのたましひいろにむかれけり(『琥珀』1992)(たまねぎ・三夏)〈色彩24・心象色1〉2011/1/5
06新しき道のさびしき麦の秋(『上田五千石集』1989)(麦の秋・初夏)〈次元79・新しい1〉2012/5/27
07女来て庭草いきれしそめたり(草いきれ・夏)〈五感81・嗅覚13〉2012/6/11
08月の村川のごとくに道ながれ(『琥珀』1992)(月・秋)〈特集90・言葉2=道〉2012/8/17
09魚族みなまなこ険しき四月かな(『天路』1998)(四月・晩春)〈五体642・まなこ4〉2024/4/1
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