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お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
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俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

●色彩俳句004・朱01・秋元不死男

2010-08-19 00:12:53 | 色彩俳句

色彩俳句04・01・秋元不死男01

 赤・黒・白に続いて今回の色彩俳句は「朱色」。朱は赤とも違います。朱を辞書で調べると「黄色味を帯びた赤色」とありますが、英語ではcinnabar (red), vermil(l)ion とあります。カラーチャートで一番近い色は  OrangeRed FF4500 ●■▲でしょうか。

 

○「冷麦にの一閃や姉遠し」(秋元不死男01)

○季語(冷麦・三夏)

【鑑賞】:冷や麦を啜っています。白い冷や麦のなかに淡い朱色のものが混じっています。それを「朱の一閃(いっせん)」と表現したところがこの句のポイントです。冷や麦を啜ると、いまは遠い場所にいる姉のことが思い出されます。



秋元不死男(あきもとふじお)(1901~1977)

○好きな一句「向日葵の大声で立つ枯れて尚(『万座』1967)02

○季語(向日葵・晩夏)

【Profile】:横浜市出身。1918年保険会社に入り1941年俳句事件にて検挙、投獄まで勤める。俳句は1930年に→嶋田青峰に師事。戦後、一時角川書店に在り、『俳句歳時記』を編纂。旧号地平線東(ひがし)京三。戦後不死男と改める。『天狼』創刊とともに同人参加、1949年、「天狼」東京句会を中心にして「氷海」創刊、主宰。1968年、句集『万座』にて第2回→蛇笏賞を受賞。

秋元不死男掲載句

03踏切を一滴ぬらす金魚売(金魚売・三夏)〈色彩87・金2〉2012/7/25

04蟬飛んで墓の古よ新しさよ(『瘤』1950)(蟬・夏)〈次元88・新しい(時間)2〉2012/7/29

05すみれ踏みしなやかに行く牛の足(『瘤』1950)(すみれ・三春)〈五体121・足2〉2013/3/19

06靴裏に都会は固し啄木忌(啄木忌・晩春)〈五感124・質感20=固3〉2013/4/13

07蛇笏忌やどすんと落ちて峡の柿(『万座』1967)(蛇笏忌・仲秋)〈方法142・オノマトペ12〉2013/10/3

08へろへろとワンタンすするクリスマス(『瘤』1950)(クリスマス・仲冬)〈方法154・オノマトペ15〉2013/12/25

09多喜二忌や糸きりきりとハムの腕(『万座』1967)(多喜二忌・初春)〈方法162・オノマトペ17〉2014/2/20

10雨着透く春分の日の船の旅(春分の日・仲春)〈色彩371・透明11〉2018/3/21

11煌々と夏場所終りまた老ゆる(『万座』1967)(夏場所・初夏)〈次元433・老い(時間)1〉2019/5/26

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