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切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

今更ながら、柳家三三独演会に行ってきた話(8月9日 イイノホール)

2013-09-03 22:00:41 | 新釈落語噺
実は、さる方のご厚意で柳家三三(やなぎやさんざ)の独演会に行ってきました。個人的にいうと、三三の落語を生でよく聞いていたのは、彼がまだ二つ目の頃で、末広亭の深夜寄席で三三が出ている回はだいたい行ったなあ~。というわけで、簡単な感想。


①道灌 小かじ

②壺算 三三

③団子坂奇談 三三

   仲入り

④唐茄子屋政談 三三


三三の落語を生で聞くのは、笑福亭鶴瓶と三三の二人会を三三の故郷(?)の足柄まで聞きに行って以来。

・本日、南足柄で鶴瓶の落語を聴いてました!

今回の会場は霞が関のイイノール。半端に駅から遠いということもあって、前座の途中での入場ということになりましたが、予想外に席がよくて恐縮でした(笑)!

さて、三三の最初の噺「壺算」というと、上方落語の印象が強くて、「この噺なんだっけ?」って、不覚にもなかなかわからなかったナア~。というか、上方落語もレパートリーにいれているんだな~と後で感心したのですが、完全に江戸前の落語になっていたからすぐわからなかったということでもある。「付き馬」でも聴くように聴けちゃったところが、さすが三三というところでしょうか。

そして、次の「団子坂奇談」は初めて聴いた噺。三三は自身の講談好きを二つ目の頃から高座で語っていたけれど、この不思議な怪談噺(?)の語り口にはまさに講談の影響を感じたなあ~。特に女を追いかけていくくだりが何ともよくて、ずっと聴いていたい感じがしましたよ。歌丸がやるような怪談物の大作もやれる人かもしれないという感想は持ちましたね。「怪談乳房榎」とか「真景累ヶ淵」とか。でも、柳家の系統でそういう芸風の人っていたんだっけ?

そして、最後の「唐茄子屋政談」は、志ん生、圓生の名演から、忘れがたい志ん朝、近年では大熱演のさん喬のCDに至るまで、聴き物の多い噺ですが、今回の三三の口演は誰とも違う味がありましたね。残酷さを好まない志ん生、志ん朝とは違い、むしろ実録調というかリアルっぽいところがある。ミニマリズムといってもいいかもしれないけど、いっぽうで、吉原田圃で花魁との思い出を語るくだりなんかは、マジメそうな噺家なのに妙な色っぽさがある。とにかく、トータルで前述の四人とは全く違う「唐茄子屋」だと思いました。

しかし、客席を見て思ったのは、うるさ型風の年配の落語ファンの多い事!客席に色気がないと思う反面、本格派という期待が向けられている人なんだと再認識させられました。たぶん、また行きますね。はずれの少ないタイプだと思うから。

ということで、満喫させていただきました!

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