(Nikon D80 + Tamuron AF18-270mm F/3.5-6.3 DiⅡ VC)以下すべて
さてさて、先日の購入報告での予告どおり、タムロンB003での撮影テストのレポでございます。
例によって撮影地は神戸ワイン城、天候はほぼ晴天でございました。
基本的な撮影条件は以下のとおりです。
ISO:100
WB:晴天
F値:8もしくは開放
露出補正なんかはときどきいじってましたんで、詳しくはExifをご参照くださいまし。
まずトップ絵は望遠端(270mm)での開放ショット。
よく似たアングルの写真を
ニコン純正の70-200で撮ったこともありましたが、それと比べるとシャープさというのはいかんともしがたいものがあります。まあね、画質優先ならこういうレンズはチョイスしてはいかんのですよ。
このB003の売り物であるファクターのひとつが手ブレ補正なんですが、この機能はかなり優秀です。ニコン純正と比べても遜色ありません、というかヘタするとこっちの方がいいんじゃないのかと思うほど。シャッターを半押しにするとファインダーの中の景色がビシッと止まってくれます。
つぎにこのレンズのもうひとつの売り物である高倍率(18-270mm)能力をひとつ。
駐車場に愛機パッソを停めてそこからやってみましたよ。
18mm
70mm(純正キットレンズだとこの絵になります)
200mm(純正高倍率だとこの絵になります)
270mm
ぶっちゃけ200mmと270mmにどれほどのアドバンテージがあるのかというと少々疑問ではありますが、ほぼ広角18mmから300mmに匹敵するレンジまでを1本でカバーできるというのはかなり訴求力があると思います。
従来であれば、間違いなくレンズ2本で補うべきレンジをカメラボディにつけた1本だけで賄えるというのは機動力が問われるシーンでは間違いなく有利といえます。
運動会などのイベントだとシャッターチャンスは一瞬です。もたもたレンズ交換してる間に撮りたいものが目の前を通り過ぎてしまったのでは本末転倒ですからね。撮りたい時に撮りたい焦点距離で撮れるというのはオイラにとって非常に魅力的な要素です。
お次はちょっとレンズには意地悪な撮影をしてみました。
いつもの銅像をバックに太陽を入れてパチリ。
高性能な(値の張る)レンズだと、いわゆるパープルフリンジなるものとは無縁だったりしますが、普及品レンズだと条件しだいでどっぷり出てしまったりします。オイラの手持ちレンズの
タムロンA17だと盛大にこのフリンジが出てびっくりしたものですが、さてこのレンズだとどうなるのか?
ちょっと望遠にして撮ってみたのが次のショット。
ほぼ皆無といってよろしいのではないかと思われます。
さすが最新設計のレンズ。いろいろ対策してますね。タムロンGJ!
もうひとつ意地悪撮影をしてみました。フレアやゴーストはどうなのか?
画面の端に太陽を入れてみました。
さすがにゴーストが出てますが、そんなに大きくないんじゃないかな。ていうかこのレベルなら味付けとして積極的に使っていけばいいのではないかと思ったり。
フレアらしいものはあんまりわかりませんでした。
お次は手ブレ補正の能力がそれなりにわかるかもしれないショットを。
絞り優先にするとかなり明るくなってしまったのでマニュアルで撮影。
広角端ですがちなみにSSは、1/15sになってます。B003のカタログには望遠端で1/15sの作例が載ってますから、普通の人が撮影すればこのSSだと問題なく撮影できる感じですね。
もう1枚いってみよう。
これもマニュアル撮影、焦点距離は32mm、SSはやはり1/15sです。
こういった静物なら被写体ブレもないですから、風景などをスローシャッターで撮るなら手ブレ補正はかなり有効です。既存のレンズだとかなりの確率で手ブレしちゃうパターンですね、これ。
暗い室内撮影をもう少し。
煉瓦造りの壁に灯りがぼんやり灯る程度の階段。
見た目とほぼ同じ明るさを再現するためこれもマニュアルで撮影。SSは1/5s。
手ブレ補正がなければ間違いなく撮れません。
最後にスロー撮影の限界に挑戦した1枚を。
SSは1/2s。もはや三脚が必須な条件です。でもコレは手持ち撮影。
手ブレ補正機能が生まれた背景には、諸事情で三脚が使えない場所でもスローシャッターが使えるように、ということがあるそうです。そうしたニーズに各メーカーが対応してきて、今のこのレベルにまで辿り着いたわけですね。
手ブレ補正に頼ることを邪道と考える人もいたりしますが、いくら脇を絞めても人間が持つ以上限界があるわけで、プロが使うような超望遠レンズに各メーカーが手ブレ補正をつけている現状を考えれば、この機能で撮影の幅が広がることのメリットがいかに大きいかを実感させられます。
広角側に手ブレはいらない、というのはかつてオイラも思っていたことではありますが、機動力を追求すれば高倍率&手ブレ補正というのは画質を少し我慢してでも手に入れたい要素だと思います。
その画質にしても、ひと世代前のレンズとくらべれば隔世の感があります。
撮る目的に応じて、最適なレンズをチョイスする。
これって一眼レフのもっとも魅力的な要素ですから、そこに機動力や身軽さを優先する撮影だってあるんですよね。オイラはこのレンズ、積極的に使っていこうと思います。