もちろん家計は火の車

読書と映画、クルマにゲーム……いろんなものを愛しつつ、怠惰な日常を送るオッサンのつぶやき。

ウワサの映画『2012』を、見てきました ……(後)

2009年12月13日 | 映画

毎度のことながら、長らく引っ張っております
『2012』の感想、第3弾であります。
あ……一応、念のために書いておくと、
私自身は、本作『2012』をdisっているつもりは、
毛頭なかったりします。
むしろ、大画面での映像体験・エンタテインメントとして、
払った料金分は、十分楽しませてもらったと考えています。
そういう前提の上で、気になった点などを
ツラツラ書いているだけですんで、
そこんとこは、一応ヨロシク! であります。
(あと、クドイようですけど
ネタバレとかイヤな人は、読んじゃダメです~!)

では、本題。前回は、
例の「箱舟計画」を例にとって、
「この映画、ちょっと軸がブレてない?」と書きましたが、
実はこの傾向、登場人物の描写についても、
バッチリ当てはまってたりします。
何というか、すべてにおいて「首尾一貫性がない」んですよね……。

例えば、主人公一家とともに
命がけの脱出劇を繰り広げる
「ロシア人の大富豪」がいるんですが、
この人なんかが、典型的。
要するに、いい人なんだか悪い人なんだか
見ていて、サッパリわからないんですよ。

この富豪、登場時のイメージは最悪で、
「あ~、いわゆるひとつの“悪役”ね」と思ってたら、
中盤、けっこう“いいヤツ”っぽいところも見せるわけ。
で、「あ~、悪役と見せかけておいて実は……ってやつ?」
なんて思ってたら、終盤近くになって悪役キャラ全開。
で、「実はいいヤツと思わせておいて、やっぱり?」
なんて思ってたら、最期は最期で、
けっこう「英雄的な死」だったりして……(笑)。
ここらへん、文字で書いちゃうとアレなんですけど、
見せ方がコロコロ変わるんです、ほんと。
それも、「人間の多面性を見せる」とかいうのではなく、
ただ単純に「首尾一貫してないだけ」というw

同じく、主人公と行動をともにする
“ゴードン”という人物がいるんですが、
この人なんか、もっと悲惨w
要するに、主人公の別れた女房の
「現在のパートナー(同居中)」って役どころ。
ところが、大スペクタクルな脱出劇を繰り広げる中で、
例によって主人公&別れた女房の関係が
けっこう“いいカンジ”に戻っちゃったりして、
「おいおい、ゴードンの立場はどーなんのよ?」とか思ってたら、
終盤近くになってゴードン、あっけなく「惨死」っていう……。
(それも、なんか不必要なまでに無残な死……)
このゴードンも、登場時のイメージは最悪で、
「主人公の(別れた)カミさんは、何だって
こんな嫌味な男とくっついてんだよ……」なんて
気がしていたんですが、その後、けっこうな
“いい人”ぶりを発揮して、ゴードンめきめきとイメージアップ。
最終的には、主人公とも心が通じ合うような感じになっていたところへ持ってきて、
最期は、あっけなく惨死(笑)。こうなるともう、
「人間が描けてない」とかいう次元を通り越して、
ゴードンって、結局、何のためのキャラだったのよ、と……。
とにかく、伏線の回収とかは、ぜんぜん関係なし。
ある意味、「究極の“行き当たりばったり”」です。

この手の迷走ぶりは、本作の至る所にうかがえます。
なんかもう、『2012』って
「各パートごとに、異なる脚本家が分業でシナリオ書いたの?」
って疑いたくなるくらい。

そこへもってきて、エメリッヒ印の
大作パニック映画でお約束の“トンデモ”の嵐ですよ。
ま、これについては、
『2012』のタイトルのネタにもなっている
“マヤの終末予言説”からしてアレですから、
いちいち突っ込んでいたら、キリがありません。

ただ1つ、本作には
「下記のようなシーンがある」とだけ申し上げて、
本稿の締めとさせていただきます。
それでは、どうぞ心してお読みください。

(『2012』のここがスゴイ! あらすじ)
箱舟が建造されている事実を知った主人公たち。
「それに乗ったら、助かるやんけ!(意訳)」というわけで、
箱舟の基地であるところの、中国奥地・チベットへ向かいます。
ロシアの巨大輸送機・アントノフに乗って、
北米大陸から太平洋を超え、はるか中国を目指す一行。
ところが、途中で燃料切れ。太平洋上に不時着です。
「こんなところに降りちゃって、どーすんのよ!?」
主人公一行、絶体絶命の大ピーンチ……!!
……いいえ、ご安心ください。
地軸を揺るがす“大地殻変動”の結果、
世界中の地盤が大移動。
たまたま
主人公たちが不時着した太平洋上の地点には、
驚くべきことに
チベットの山々が聳え立っていたのでした。
見上げればホラ、そこに巨大船が……(めでたし、めでたし)
……って、そんなん、あるかーい!!

だいたい、極点すら移動するという
全地球的大異変の中、
(たしか、「ただいまの南極は、米・ネブラスカ州です」……
というようなセリフを、聞いた覚えがw)
いったいどうすれば
「アメリカ→ユーラシア大陸」という長距離飛行が
可能になるのかと、小一時間……(ry
そうなったらもう、緯度も経度もあったもんじゃないだろう、と(笑)。

でも、でもね……。
何度も書くようですけど、
とにかく、映像は大迫力でスゴイんです。
だから……『2012』のこと、どうか悪く思わないでください。
(っていうか、個人的には
このテのノリは大好物なんで、
やっぱ『2012』すげぇ……と。エメリッヒ最高!!!

<関連リンク>
映画『2012』、ブルーレイ&DVD版が発売中なのであります へ


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