もちろん家計は火の車

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BD版『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』に関する、感想など ……その(2)

2010年06月08日 | 映画

え~それでは、BD版『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の感想、続きです。
前回のエントリでは、難解な物語を「解読する」……という部分で、
TVアニメ版『エヴァ』が、単に「アニメを見る」といった次元を超え、
ひとつの「体験として」いかにエキサイティングだったか、について触れました。

そうなんです、かつて放映されたTVアニメ版『エヴァ』は、
その謎に満ちた物語を読み解くため、関連する資料本を読んだり、
同じく『エヴァ』にハマった仲間と議論したりと、
とにかく、全体としてひとつの大きな“体験”となっていたのでした。
そういった意味で、TVアニメ版『エヴァ』は
「ひとつのイベントのようなものだった」……と呼ぶべきなのかもしれません。
(本当にね、あの頃を思い出すと、なんだか「毎日がお祭り騒ぎ」だったような気が……w)

さらに加えて書くと、アニメ史に名高い
TV版『エヴァ』の“あのエンディング”ですよ……。
みなさんご存知の通り、TVアニメ版『エヴァ』のラストは、
「最終回でありながら完結していない」という、あまりに前衛的、
ぶっちゃけ言えば「無責任にすべてを放り出した」エンディングとなっていました。

すでに明らかにされている通り、あの終わり方の裏側には
“予算&スケジュール的”にギリギリで、もう他に「どうしようもなかった」
……という現実があるわけですが、とにもかくにも、
あのアニメ史に残るエンディングのおかげで、TVアニメ版『エヴァ』は
「本来、どのようなお話になる予定だったのか?」という部分で、
無限の可能性を生み出すこととなってしまいました。
ある意味、番組を見た人の数だけ“オレの『エヴァ』”が存在しているような状態です。

これね……あらかじめ計算していたわけではないにせよ、
1つの物語のまとめ方としては、非常に「うまい」やり方ですよ(笑)。
なんたって、「あ~なったかもしれない」けど、
ひょっとしたら「こ~なってたのかもしれない」、
いやいや「本当は○○になる予定だったんだぜ」……って、
こういった状況に持ち込めれば、お話としては「最強!」ですよねw
(ある意味、大理石像“ミロのヴィーナス”の「両手がない」のと同じ理屈かもしれない。
両手が存在しないからこそ、鑑賞する側が
それぞれ勝手に「完成したヴィーナス像」の姿を思い描き、
そこに“最高の美”を投影する、っていう……)

私に言わせれば、『エヴァ』という作品が
このような図式になっている以上
(ある意味、“未完成”という状態で“完成してる”みたいなもんです)、
劇場で公開された『旧劇場版』にせよ、一連の『新劇場版』にせよ、
本来は「無限に存在していた『エヴァ』の物語」を、
ある1つの形にまとめてしまうという部分で、どうしたって不利なんじゃないか、と……
なんだか、そのように思えてしまうのです。

実際のところ、同じような登場人物&舞台設定を踏襲しながら、
かつての『旧劇場版』にせよ、今回の『新劇場版』にせよ
“微妙に”ストーリー展開が異なっているのは、
それら「無限に存在していた『エヴァ』の物語」の中から
一体“どのパターン”を本採用すればいいのか、
製作サイド自身も決めかねているからではないか……?
なんだか、そんな気さえしてしまうんですよね。

そういった意味で、少なくとも「私にとっては」、
やはり旧TVアニメ版の『エヴァ』が、なんだか
一番しっくりくるような、そんな気がしています。
あらゆる可能性への扉を開いたまま完結していた
旧TVアニメ版の『エヴァ』は、さまざまな未来への展開を
予感させる“懐の広さ”があった分、やっぱり最強だったのっではないか、と……。
(もちろん、「1つの“あり得た可能性”」としての
今回の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を否定するものでは
まったくないので、そこのところはお間違いのなきよう!)

……なんだか、えらく長くて退屈なエントリになってしまいました(笑)。
本当は、今回の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』における
音楽の使い方だとか、アスカの描き方について
いろいろと思うところを書きたかったんですけど、
なんだか疲れちゃったんで、もう、これくらいでいいやw

あ、でも最後に1つだけ……。以前、このエントリ
今回の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』初回限定版に同梱されている
生フィルムについて書きました。
(私の場合、入ってたのはコレ(↓)です)


あのときのエントリでは、まだ映画本編を未見だったこともあり、
このフィルムに映ってるのは「葛城ミサト?」……と書いてましたが、
結論から言うと、これ、アスカでしたね(笑)。しかも、このシーンって
アスカが碇シンジの部屋に入っていく“あのシーン”の冒頭だったわけで……。
個人的には、これ立派に「アタリ!」ですよ。いや~、よかったァ(笑)。


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