フィエスタの谷 山行記録

【福島県勤労者山岳連盟所属】フィエスタの谷は山に登る事が好きな仲間の集まりです

鳥海山(2020/9/5)

2020-09-15 | 山行記録

メンバー:NT目隊長、I下姐、Toちゃん、H賀さん、A井先輩、M崎(記)
※山行から大分時間が経ってすみません…時が経ち、更には呑まなきゃ書けなかった(-_-メ)
約15km 12時間

今回は久々にI下姐も一緒で女子率高めワクワクドキドキの山登りである。

思えば、私のフィエスタ初山行は2018年5月、スーさんとI下姐との出会いでもあった。懐かしいなぁ。
ハイキングすらしたことがなかったが、当時、予定では天気が良ければ那須朝日岳東南稜ルートだった。
だが風が強く、藪漕ぎして別ルートから朝日岳へ登ったのだ。

今だから言うけれど、初っ端から東南稜だったら、私は今、フィエスタには居ないだろう。
後日、だいぶフィエスタに慣れてから実際にスーさん案内の元、東南稜へ行ったが………
高い場所が苦手なM崎にとってはビクビクの山行だった。
スーさんのパーフェクトなサポートのおかげで、安全&楽しかったが、少々怖いところもあった。

今ではいい思い出である。

AM6:00 湯の台口から滝ノ小屋経由出発

湯の台口から滝ノ小屋へはすぐだった。本日のお宿でもあるので、不要な荷物は置いて出発。
この時、Toちゃんがヘッドライトを車に忘れてしまったことが発覚。
これが後に、大影響を及ぼすことになろうとは誰も予想していなかった………大波乱の序章であった。

八丁坂を上る。相変わらずH賀さんはマイペースに先頭を突っ走る。我らはI下姐を筆頭にToちゃんと楽しく登る。

鳥海山は花が沢山だ。春はもっと花が咲き乱れるらしい。さすが花の百名山、次はその頃行ってみたいな。
確か、以前の山行記録でT田さんは海抜0メートルコースから登っていたはず。さすが山○○っす。

雪渓が残っているらしく、スノーボードを担いで登る人に先を譲る。私達は格好から男性だと思っていたが、H賀さんが言うには女性だったらしい。
H賀さんは彼女に先を譲るものかと必死で後をついて行ったが、かなりの強者だったようで、自身の脚が限界を迎えたようだ。

そんな事は知らず、私たちはマイペースに雪渓で涼をとったり、バナナの皮を記念に残したり楽しく登っていた。
七高山手前あたりで待っていたH賀さんとI下姐、M崎が合流して七高山へ

AM11:22七高山
後続が来ないので折り返す。どうやら新山へ直接向かったようだ。

後を追い新山を目指す。さすがI下姐、Toちゃん達を発見するやいなや、めちゃめちゃ早く追いついたー
私は苦手な下りで悪戦苦闘。もう焦らず行くしかない。

皆と合流して新山山頂を目指す。下界でI下姐が教えてくれた通り、新山の周りは別世界であった。
昨年行った前穂を思い出した。なかなか登りがいのある、これぞ頂上って感じ。


下りは別ルートで滝ノ口小屋を目指す。鳥海湖経由、千畳ヶ原ルートだ。
この日は天候にも恵まれ、気持ちが良かった。ただ、なかなかの気温に水分を多く摂っていた。特にToちゃん。私もここで失敗をした。
普段なら余分に水分を持って来たのに、この日に限って少なくしてしまった。H賀さんとI下姐はしっかりしていた。さすがである。

鳥海山は舗装された道が多く、とても歩きやすかった。途中、大雨や台風で流れて壊れた場所もあたけれど、全体的には歩きやすい登山道だ。

PM14:44 七五山掛
この時点で15時。ちょっとのんびりしすぎた感…。少しペースを上げて今夜のお宿、滝ノ口小屋を目指す。

少しずつ沈む夕陽に照らされ、千畳ヶ原が黄金色に見えた。黄金色の間に横たわる木道が輝いていた。
人の目に映る景色を携帯で撮ろうと思っても難しいものだ。残念。

小屋番さんに連絡を入れる。途中、涸れ沢を登るようだ。時間が無いため鳥海湖を素通りし、先を急ぐ。

今だから言うが、M崎、2回ほど道を誤ったのだ。
一つは左に進むはずが、沢をそのまま下ろうとした。先に降りていたI下姐のおかげで左の登山道を発見。
二つ目は別な沢を下った途中に目印があったのに見落として、30メートルくらいそのまま沢を下ってしまった。
あれ?何か変かも…そう思い直し来た道を戻ると、しっかり目印がついていた。私は×印を進んでいた。
不安になり、そこでToちゃん達を待ち、正しい道をすすむ。やはりI下姐のように地図の読み解きと、GPSは必須だ。

月山森の手前、大きな岩の連続する涸れ沢を登る。遠くから見ると圧巻である。だが不思議なことに、取付くとそうでもない。長さはあるが、なんとかなりそうだ。
I下姐が先頭を軽快に進む。私はH賀さんの後に続く。

だんだん高さが増す。あぁ、早く登り切ってしまいたい。でも煽ってしまうのも申し訳ない。小雨も降ってきた。大人しく後に続く。
だが、高さの限界に達した。もう終わりは見えた。申し訳ないが、先に行かせてもらうことにした。
高いところは苦手である。いつまでも無理にゆっくり進んで、集中力を切らせたくなかった。

H賀さんを追い越し、I下姐の元へ。急で大きな岩もなくなり、なだらかな岩場になったのでH賀さんを待つ。しばらくしてひょっこり現われたので私たちは先に進んだ。
月山森の分岐あたりでH賀さんが追いついた。そのあたりは湿原になっていて、靄がかかっていた。
靄のせいで不安になったが、さすがI下姐。冷静な判断で進む。格好いい。クライミングも出来て、山にも強くて、精神面も大人な女性。
憧れる。私も大人な彼女のように近づきたい。(後の事件時に、本気でそう思った。)

河原宿小屋まで来ると、H賀さんは止まらず先へ進んでいった。I下姐とM崎は後続隊を待つことに。
ここのトイレは感動した。水洗だし、綺麗だったのだ。有難い。30分くらい経ったろうか。だんだん不安になる。Toちゃんあの涸れ沢を越えられたろうか。

靄と夕陽の中、風に揺れる葉っぱの影が人影に見えてしまう。「あっ、見えました!」と、3回くらいToちゃん達の人影と間違えた。すみませんI下姐。
何回か間違えたころ、I下姐が笛を吹くと、笛が返ってきた!姿は見えないが、私は良かったと安心した。

合流し、まだ明るいがヘッドライトを装着。じきに陽が沈む。ここでToちゃんがヘッドライトを忘れてきたことが仇となる。
I下姐のヘッドライトをToちゃんに渡し、姐さんと私は先に進む。

八丁坂をやや早めに下る。小屋付近まで来た頃には暗くなり、私は初めてヘッドライトで下山した。小屋の電動音が聞こえ、小さな灯が見えた。
小屋番の人に言われたらしく、H賀さんが懐中電灯を持って待っていてくれた。
さらに時間が経ち、やっとToちゃん達が到着した。どうやらNT目隊長のヘッドライトだけで3人は降りてきたらしい。電池切れのようだ。後に聞いたところ、怒号の下山だっらしい。

何はともあれ、遅くなってしまったが全員無事に小屋へ到着した。全員集合で事件発生。あぁ、なんということでしょう。
小屋には私達以外に夕方着いた若者チームと、ソロ2名が居た。

Toちゃんにご馳走になった缶ビールは、格別の味がした。冷え冷えのビールは、熱くなった私の頭を冷やしてくれた。
小屋で事件があったのだが、というか次の日の柳沢小屋でもそうだったが、ここでは書ききれないドラマがあった。本気で書いたら終わらないと思うので止めることにする。

世の中には沢山の人が居て、沢山の考え方、沢山の生き方があると思う。そのどれもが正しいし、自分の考えだけが正しいとは限らない。
普段の生活で垣間見える性格や考えが、山では顕著になるのではないだろうか。
危機に瀕したとき、想定外の出来事に直面したとき、自分の許容範囲外の事態が起こった時、、人の本性が現れる、と私は思う。その人の根っこの部分が見えた気がした。

逆を言えば、私も同じである。自分の予想もしない出来事が起こったとき、その人の本性が見えたとき、冷静な対応ができるかどうか。
I下姐さんやA井先輩のように大人な対応をしたいと思う。また、ふだん愛すべきToちゃんだが、その考えは大人で、思うより深く物事を考えていることを改めて知った。

今回も笑いあり、衝突あり、涙あり、三途の川がすぐそこに見えた人も居たりと、沢山学ぶことが出来た山行でした。
特に、久々に一緒に行けたI下姐さんには沢山教えていただきました。今回に懲りずにまた同行させて頂けると嬉しいです。
以上、凸凹登山記録でした。

【編集後記】 I下(記)
余談を聞いてみたい方は、フィエスタの福島登山集会(11月末土日予定)の宴会で~

さて、鳥海山の翌々日(9/7)は、山寺の岩場に行ったのでした。
一部の山林が切り開かれ見晴らしが良くなったアプローチを歩き、久しぶりの山寺はやはり圧巻で、夏にクライミングをサボっていた私(=I下)にとって更に難しそうに見えた。

どこか皆で登れそうな易し目のラインを探す。ヌン掛けしようかと思っていたところ、Mちゃん(=M崎)がトライしてくれると
ピン位置や終了点をしっかりオブザベし、緊張のスタート。そして初岩場でのマスターリードは本当に素晴らしかった ビレイできて幸栄でした。

かなり疲れた様子だったのTooちゃんも、いつもの「ダメだ―」を連発しつつ元気に登る姿を見て、本当にクライミングが好きなんだなぁと思いました。
A井先輩の脅威の粘りトライに刺激を受け、H賀さんもチャレンジと、それぞれに山寺で有意義な時間を過ごせたのでは…
最近はグレード更新に程遠いヘタレだけれど、1本1本のルートトライを大切に自分と向き合うクライミングをしたいなと改めて感じ、シーズンINに向けて良い刺激となりました。


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