フィエスタの谷 山行記録

【福島県勤労者山岳連盟所属】フィエスタの谷は山に登る事が好きな仲間の集まりです

2016晩夏・穂高リベンジ(2016/8/22~24)

2016-08-31 | 山行記録

メンバー:生田目(記)・Kさん

Kさんから13連勤開け3連休取れると連絡が入り、それなら6月の穂高リベンジとなった。6月穂高メンバーの勝見父さんは用事があり不参加。2泊3日で穂高か?ルートは?

前穂北尾根も考えたが私もKさんもお盆の繁忙期の疲れがピークだったので移動の時間も考慮し、西穂→奥穂→白出沢下降と決めた。このルートは日本最難関縦走路と言われていて死亡事故等も多いが、クライミングの経験がある人にとっては最高に楽しいルートだ。

【8/22】
朝5時に生田目宅を出発、台風が3つも近海にあり逸れる事を期待し松本経由で岐阜・新穂高に向かう。途中、思ったより天気も良く浅間山も頂上までハッキリ見えた。

11:30 新穂高着、12:30発のロープウェイで西穂高口まで一気に上がる。雲の上に笠の稜線が見えた。台風の影響でロープウェイの運転中止を危惧していたが運転中で安心した。安心して気が抜けたのが悪かったのか入山祝のビールを飲んで登山開始となった。西穂山荘までは1時間程度なのだが、私はアルコールの影響か大汗をかいての苦しい登りになった。Kさんはダメおやじを待ちながら先導してくれた、情けない。鳥の声も聞こえず、嵐の前の静けさとはこの状態を言うんだと2人で話した。

14:00 西穂山荘着 台風の影響で宿泊者は20人程度か。夕食までグダ愚タイム。
17:00 4人用テーブルで女性3名に囲まれて夕食になったが私の体調はすこぶる悪く食事に手を付けられない状態だった。折角美女3人との食事なのに、さっきのアルコールと大汗で風邪ひいたようだ。それでもむりくり胃袋に納め込み早めに寝た。

【8/23】
3時起床、4時出発。星が見えている天気は大丈夫一安心、体調も2人共OK。小屋から西穂独標までは、Kさんの早いペースで引っ張ってもらい40分で着いた。西穂山頂あたりからガスってきたが雷鳥がいた。ここからが楽しい?Up・Downが続く。間ノ岳あたりで、Kさんは高度の影響なのか頭痛と生あくびの表情が出始めたが特効薬(鎮痛剤)で10分後には元気になった。

  

有名な逆層スラブの登りで先行パーティー(ガイドパーティー)に追いついた。ガイドパーティーは終始ザイルを結んで行動していた。私達2人はフリーで乗っ越すが核心部は濡れていた。Kさんビビりもなく快調だった。天狗の頭(天狗岳)で朝食を取る。最高の展望が開け、槍まで見えてテンションがあがる。天狗のコルからコブ尾根の頭までの登りが長く辛い。時間の記憶がないが疲れが出てきた。ジャンダルムに続く岩壁・岩稜が素晴らしい。キツイ登りが終わり少し下るとガスの中に岩に打たれた鉄棒が見えた。ジャンダルムの基部に着いたのだ。先行パーティーが降りてくるのを待ってジャンに登った。ガスで展望は無かったが有名な天使の頂標があった。

 

ロバ耳の鎖場下りも問題なくクリアーしてブタの背を登り馬の背を越え奥穂の登りになる。馬の背ではいつもの言い合い(ブチ切れ会話)をしながら登りきる。奥穂山頂は目の前。Kさんに先を譲り13:00頃、奥穂高山頂着。握手し長い登りが終わった。上高地や西穂から長かった岩稜を眼下に見て達成感に浸りながら、穂高リベンジ完了。30分程下り穂高山荘着。今日は台風の影響で今シーズン一番空いていると小屋のスタッフが話していた。今回強行したのは正解だった。Kさんも仕事で疲労した身体でよく参加したものだ。部屋の窓越しに前穂北尾根を見ていたが夕方にはガスに隠れた。夕飯まで暫し休憩、穂高山荘は草野さんと渓と泊って以来だ。ロビーでコーヒーを飲む。5:00夕食、外国人も数名いた。昨夜と違って食が進んだ、Kさんも満腹の様子。消灯前に床に就き長い一日が終わった。

 

【8/24】
6:10朝食を済ませてすぐ下山開始。展望がないので涸沢岳はパス、ガスの中地獄へ引き込まれる感覚で降りて行く。途中ガスが切れて谷が見えたが雪渓は皆無だった。約2時間弱で鉱山小屋跡、樹林帯から林道までは走るよう降りた。だるい林道をバカ話をしながら歩き11時頃新穂高着。まずはソフトクリームを食べる天国だ。近くの温泉に入り汗を流し往路を戻る。途中の安曇野サービスエリアで昼食?を食べて20:30いわき着。

  

【雑感】
台風等の天候不安・連勤の疲れをおしての山行だったが結果的には充実した山行となった。女房からもKさんに怪我させたらダメだよ、との強いお達しの中、無事帰れて良かった。Kさんは生まれて一番の筋肉痛だったようだ。(本人は若いからすぐ筋肉痛が出るとのことホントかな?)厳しい岩稜では、いつもの激しい?会話応酬もありましたが怪我一つなく下山出来たのもKさんの成長の結果だと思う。更なる飛躍を期待します。

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2016夏合宿・剱岳チンネ(2016/7/24~28)

2016-08-01 | 山行記録

メンバー:草野CL・鈴木(慎)SL・勝見・生田目(記)

北アルプス・剱岳は岩と雪の殿堂と呼ぶにふさわしい山だ。
今回で夏冬合算で7回目?となり、主な目的はチンネ左稜線の登攀と北方稜線の概要把握とし、若手メンバーのスキルUPを第一とした。
結果としては記録的な豪雨で2日間剣沢停滞を余儀なくされたが、余った時間で黒部峡谷・下ノ廊下を通り国内最大岩壁の奥鐘山西壁を見れたのは良い刺激になったと思う。
以下簡単ではあるが行動記録を残す。

【7.24】
19:45いわき生田目自宅出発→新潟経由にて12:30頃立山駅駐車場着(仮眠) 

【7.25】
7:00始発にて室堂へ、初めて剱岳を目指す方にとっては室堂のターミナルビルから出てどちらへ行けばよいか解らない。(後日談で益子さんも迷った様子)

観光客と混在する石畳の周遊道を雷鳥平へ降りる。帰りの核心部になる所だ。
称名川支流にかかる木橋を渡ると別山乗越への急登が始まる。皆重い荷物に耐えて登る。
 
2/3登ったあたりで小休止、雨がポチポチ落ちてきた。
登り始めて約1時間半で別山乗越に着くが、お決まりの剱岳の絶景は見えない、残念。
少し休んで40分の下降で剣沢キャンプ場着。テン場はいつものトイレ下の定位置。
この場所はテーブル・椅子代りの石があり便利だが大雨時はトイレの上がり付近が、川に変身するのが弱点。(今回も朝起きたら小川になっていた)
 
管理事務所にテント代を払い隣にある富山県警山岳派出場で雪渓の状態を聞く。
7月としては異例の雪の少なさで剣沢も平蔵谷出会まで夏道を使うように言われた。
長次郎谷は一峰下あたりで切れているのと上部右股は亀裂ありとの事。なお昨日八ッ峰の頭付近で滑落死亡事故(道迷い?)あった事も教えてもらった。
少し下の剣沢小屋では食事が出来ず不満だったがビール等を仕入れてキャンプ場へ戻る。
天候の悪化の兆しが現われて来たので熊ノ岩までの行程を中止し剣沢泊とした。
草野・慎也組のテントは慎也君が最近買った15万のヒルバーグ、勝見・生田目組は15年前のエアライズ。この違いが2日後天国と地獄の分かれ目になった。
夕食を取り早めに寝たが雨が激しくなって来て夜間何度も起きた。

【7.26】
停滞日、テン場のテントも30弱あったが悪天予報の為に1/3に減った。
雨の中、勝見さんは外のテーブルで雨具を着ながら一人でお酒を飲んでいた(3時間程)
後姿が寂しそうに見えたが本人はアルコールの勢いからか通りかかる人に話かけていた。
夕方、今後の予定を決め明日朝天気の回復があれば八ッ峰Cフェースから本峰とした。
夜中~朝方にかけて雷+暴風雨になり年寄組のテントは水地獄になりゴアの雨具を着て寝袋に入ったがパンツまで濡れてしまう状態になった。それでも勝見さんは寝ていた凄い。
慎也君のテントは雨垂れ1滴も落ちてこない。ヒルバーグ恐れいった。
 

【7.27】
明るくなっても暴風雨は続き、もう少し粘りたい慎也君を説得し下山を決めた。
このまま帰れば剣沢への歩荷訓練で終わってしまうので、黒部・奥鐘山西壁・祖母谷温泉の3つのキーワードで皆を誘惑して黒部に誘った。
祖母谷温泉小屋は慎也君と勝見さんが先月登った後立山連峰・唐松岳の黒部側にあり慎也君も私も行きたかった所だ。
剣沢キャンプ場を8時に出て10時頃に雷鳥沢キャンプ場で、単独行の益子さんとスライドした。初めての剱岳・八ッ峰完全踏破を狙っていた。これまた凄すぎる。

情報交換して最後の核心石段上りに向かう。いつもはよれよれ状態でここを通過するが、今回は停滞のみなので比較的楽に登れた。みくりが温泉で小休止して室堂着。観光客多い。
1時半頃、立山駅駐車場にてパッキングし直して宇奈月温泉駅に向かう。途中直線の田舎道を走行していると富山県警のお巡りさんから通行料?の臨時徴収のアクシデントに襲われたが予定通りにトロッコ電車にて欅平駅に向かった。黒部川の景観に圧倒された。
 
駅からは、黒部川本流から左にそれ支流の祖母谷川沿いに舗装された道をヘルメットを被り40分登って行く。上から見る祖母谷川は水量も多く凄い迫力だった。3つ目の長い隧道を抜けると白馬からの祖母谷と唐松からの祖父谷の合流地点に立つ祖母谷温泉小屋に着いた。なんと良いロケーション&小屋の風情なのか。秘湯女子にも人気の宿らしい。
すぐに大きな露天風呂に入り汗を流す至上の一時、夕飯は天然イワナ+骨酒美味かった。
 
〆は慎也君の特製タレによる稲川うどん、これも美味。昨日の水地獄から天国の寝床で10時すぎには寝た。勝見さんは夜外で飲んでいた。(午後から天気は回復していた)

【7.28】
朝から温泉堪能、宿は父子2名でやっていて非常に人間味のある接客だった。
那須にある○○屋とは大違い、また来たくなる山小屋だ。

8時ごろに下山開始、30分で欅平駅着。駅広場から急登して40分程で水平歩道に入る。
水平歩道はアップダウンは殆どないが谷に突き出した部分は岩壁をくり抜いた状態でスリルがある。30分程進み奥鐘山西壁が見える場所で小休止した。谷が深いんで壁の大きさが実感出来ない。
  

昔の記憶が蘇って来て懐かしい、写真を取り来た道を戻る。途中パノラマ展望台にて山の展望を楽しみ、欅平駅12:50発のトロッコ電車にて宇奈月温泉駅に着いた。
下界は30度超す猛暑、黒部IC~北陸道~関越道~磐越道にて19:30いわき着。

【雑感】
やはり剱岳は別物で、チンネは遠い。
日本海に近くいきなり3000mの山なので天候の急変は大きい。
いわきメンバーもそれなりに休みの調整・トレーニングをしての合宿だったので残念だった。草野さんが言った一言が心に残った。
「トレーニングして来年また来ましょう、山は逃げないから!」
来年と言わず秋にまた来るかもね。

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