フィエスタの谷 山行記録

【福島県勤労者山岳連盟所属】フィエスタの谷は山に登る事が好きな仲間の集まりです

秋分の日沢宴会 2012年9月22~23日

2012-09-27 | 山行記録

場所 飯豊連峰 白川
メンバー 笑壱、武さん、猪さん、沼ちゃん

24時間量販店で箱買いした、
ペットボトルコーヒーで眠気を払いながら沼ちゃんカーは会長との待合場所に向かった。
20万キロオーバーのビッグホーンは、沼ちゃんの諸々事情で、今月で乗り収めになる。
想えば、この車には随分お世話になった。
山道、高速、悪路等々、凍てつく山岳道路。
老体に鞭打たせた。
オイルも漏れ、タイヤもすり減り傷だらけの身体。
いっぱい無茶をさせた。
汚れた窓ガラスも満足に閉まらない。
ラジオアンテナは今も根元から折れたまま。

冬の氷点下の車止めでは、下山をじっと待っててくれた。
バッテリーは凍ってしまっていた。
ずいぶん寒かったべえ。
本当に色んな山に一緒に行った。

今まで、ほんとーにありがとー。

すこしセンチな気分で会長の待つ健康センターに着く。
広い駐車場の奥に、これもまた、ずいぶん走りこんだであろう、
欧米独逸名車ポルシェ930が、会長と一体化して止まっている。

もう引退間近の30年物、
20万キロ超車の巨大なテールウイングが羽を休めている。
面倒見のいい、会長の手によりヘタった椅子なぞ、
新品とはいかないまでも、
程度のいい中古品なぞをネット購入セルフ交換して大切に乗っている。


暑かった夏も終り、やさしい秋風が吹きはじめた米沢の町はずれのセブンで、猪さんと合流。

来春、目出たく定年を迎える彼は、会の最年長だ。
でも先週は北アルプスを縦走した。

これで、アベレージ50ちょいすぎオジサン4人がそろった。
さあ、みんなで元気に出発だ。
少しくたびれた車に乗った、すこしサビついてきたオジサン達は、
街の大通りを抜け、ダリヤの西川町から長井街道、
小国街道と繋ぎ走り、源流の森白川ダム方面にハンドルを切る。

ダム湖畔をひた走ると、やがて飯豊集落、飯豊登山口、
そして車止めの大日杉小屋にたどり着く。

 

 

鉄筋コンクリートの立派な山小屋脇を
よろり歩く大きなザックを背負った中高年4人組が見えるだろうか? 

キャッキャッと吊り橋を渡り、杉の森をふーふー歩く。

 

 

「1本!」出発して30分。
リーダーの声が森に響いた。
約1名を除いて素直にザックを降ろした。

眼下には三国岳を源とする白川が滔々と流れている。
ガスかかる稜線が晴れ渡り薄青色秋空に
スカイラインを際立たせる。

再び、ザックを背負い歩きだす。
辿る山道が森に消える頃、急斜面を慎重にトラバースして、沢に下降。

降り立った沢床は透明感溢れる白い花崗岩が敷き詰められて光っていた。

ああ、きれいだなあ~。

心が洗われるようだなあ~。
やっぱり、来て良かったなあ~。
うれしいなあ、みんなの笑顔。

群青色の深い淵に落ちる姿のいい滝に出合う。
早速、蚯蚓(ミミズ)をエサに竿を伸ばす。
が、住人は不在のようだ。。。

 

 

遡行続行。
本流が左に曲がると、ここにも素敵な滝が大岩をえぐってドドーンとそびえている。

太蚯蚓(太いミミズ)を1匹掛けに4Bオモリで底を流す。
ふーん?ここも留守のようだ。
大岩を乗っ越すと、さあ、今日のテン場はもうすぐ。

やがて右岸に緑のテン場が現れた。
不意の増水にも平気。
傍には豊富な沢水。
飲み水、炊事に使い放題。
焚火流木にも事欠かない。

タープを2枚重ねて張って、雨露しのげる屋根を作って、
一夜限りの山の住処ができたら、空身になって少し上流の魚止滝を見てこよう。

 

 

本当に、ここは白くて、明るくて、水も岩も木々もきれいで森の緑も鮮やかでとってもいい沢である。
だから、イワナは釣れなくたって、別にかまわないのだった。
それでも、一応この滝でも蚯蚓(ミミズ)をエサに竿を出したのだった。
そして、静かに竿をたたむ。

よし!、テン場に帰ろう!

青と緑のタープの下、車座になって4人のオジサン達は、
しっかり冷えたビールを開け放つ。

プシュ、プシュ、プシュ、プシュウ!

 

 

刻は午後の2時。少し早くね?いいやこれでいいのだ!!!

ぷはーっ!はぁ、うまいなぁ。
お酒はイッパイ持ってきた。
ビール1ダース、日本酒2升。

肴はステーキでしょう、ブタばら1kでしょう、おう!ウタマロ!ウインナー。

 


あとはもう色々たんまり。

焚火の煙とはぜる火の粉が薄暮の空に立ち昇り、森の夜が更けて行った。
呑んで、食べて、歌って、語って時は無限の彼方に流れていった。

そして、やがてオジサン達は疲れて眠りの底に落ちていった。
白々と夜が明け始める頃みんなのろのろ起きだす。

喉の渇きで目が覚める。
重い瞼をこすりながら、お湯を沸かし珈琲の用意。

朝食はなつかしいサッポロ一番ゴマラー油だ。
昨夜の残り物と一緒に沸騰沸き立つ鍋に投入。

ざっくり切った白ネギなぞも入れちまおう。
最後に生タマゴを撹拌。

ふと、足元草の茂みに目をやると、まだ未開封の黒カンビールが転がっている。
おやおや、これは困ったなあ。
皆さんの目がどうぞどうぞと言っている。

いやぁ、スミマセンねえ。とむかい酒。

わずかに底に残る大七大吟醸は、猪さんお持ち帰り。
会長持参清酒の残りはテン場中央に鎮座する、御神木へのささやかなお神酒に相成り候。

焚火を始末し、ゴミを拾って、テン場と御神木に手を合わせる。
朝もや漂う、森のなか、帰路につく。

と、「ありました!」朝露に濡れ光る銀マットが、
辿道の真ん中で猪さんの帰りを待っていた。
(注:猪さん、行きに落としてしまってたんです。)
安堵の表情を浮かべながら、猪さんはそれを回収した。

よしよし、良く頑張った。(銀マット・・・)
トラブル無く無事車止めに戻った。
時間にもだいぶ余裕があるので予定通り、ダム湖畔温泉に入ろう。
そして、米沢のラーメンで〆っぺえ。


大きく、広い窓ガラスの外にはダムバックウオーターが流れる貸し切り状態の源流温泉で温もる。
風呂上がりは、眼鏡美人の受付嬢が勧める、
ずっしり重く、濃厚で、甘いどぶろくソフトクリームを舐める。
うーむ、どぶろくラーメン?どぶろくカレー?もあるらしい。

すっかりドブロクにハマってしまった猪さんは、
おみやげの冷凍どぶろく酒を持って、ニコニコ顔だ。

沼ちゃんは、しみじみと、乾燥シジミ袋入りを眺めている。
会長は、昆虫箱のカブトムシに興味を示しながらコーラの一気飲みで、ゲップを連発している。

オラもなんか買うかあ。

なんやかんやで、目当てのラーメン店に滑り込んだのは、もう正午寸前であった。
現地米沢はもちろん、山形県内はおろか、
平日にかかわらず他県からもわざわざ食べにくるという、
知る人ぞ知るか隠れもしないどうぞいらっしゃーい!の名店なのである。

だから、日曜のお昼どきわらわらやって来たオジサン達が、
上がり小間畳敷きにやれやれっ、ふ~っ。と座る事が出来たのは幸運であった。
「中華、4つ!」店のおばさんに高らかに注文。
わずかな魚介の香りが鼻腔を泳ぐ醤油ベースの半透明スープに
上品な白肌の細いちぢれ麺がしっとりまとわり付いてもう、たまらん!

はあ~、うまかった!ごちそーさん。

リーズナブルな550円。ぜひどうぞの熊文であった。

 

 

猪さんとは、ここでお別れ。
んじゃ、また。と再会を誓う。
雨の西、東栗子トンネルをくぐり抜け郡山インターで降りる。

愛車ポルポルちゃんに乗り込んだ会長は、
福島復興シンボルフラガールが待つ、いわきハワイアンへ帰って行った。

さあ、俺達も帰ろう、沼ちゃん。

少し憂いを見せ始めた四十を越えた彼はもう来年の今頃は、
日本にはいない。
スピードラーニング、
ロングぶれす、
週3のジム通いをこなし、
ヨセミテ完全制覇の旅に出かける。

こっちにいる間、いっぱい酒呑みに行こうぜ。山にもねえ。
とても楽しい2日間だった。
いい沢、いい酒、そしていい仲間達。みんな!ありがとー!

By 笑壱

コメント (3)
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