フィエスタの谷 山行記録

【福島県勤労者山岳連盟所属】フィエスタの谷は山に登る事が好きな仲間の集まりです

2013年7月29日~8月1日 穂高・屏風岩 右岩壁ルンゼ状スラブ

2013-08-15 | 山行記録

メンバー:鈴木CL(会友)・草野SL・生田目
*登攀中詳細は下記の草野さんのブログを参照下さい。

その1その2その3


29日

朝、出発地の上高地から土砂降りの中、
横尾までひたすら歩きテント設営。

雨は夜半過ぎまで降り続いた。


30日

午後からは晴れそうなので右岩壁の取付きまで偵察することにした。
途中、岩小屋跡から東壁のアプローチである渡床ポイントを見るが増水していてた。

岡山から登りに来ていた人達が雨の前日、川底に大量の石を投下して渡りやすくしたとの事だったが
今は水量が多く跡かたも見えなかった。

登山道に戻る。

右岩壁は本谷橋を渡って少し登ると、目立つ石に赤丸印があり、
その先5mぐらいに大きなダケカンバの木が左側にあり、
そこから登山道と分かれて藪に入る。

アプローチのポイントの大きなダケカンバの木

 

登山道からわかれて薮の中へ

 

近年あるガイドさん達により整備されており解りやすかったが、

今期は誰も入っていない様子で多少自分たちも枝はらい&マーキングをした。
20分程度で、明瞭なルン・スラ基部に続く岩溝に出れる。


岩壁基部へ続くルンゼ


それを10~15分登ると岩壁の基部に出る。


ここは見晴らしが良い所で眼下に横尾~涸沢を歩く登山者の確認できた。
肝心な壁の状態は滝状態で最悪。多少の不安が残るが明日に期待して横尾に戻る。

 

30日の夕食風景~東京からのご夫婦と

 

いりいろ濡れたので、閉鎖中の冬小屋をフル活用させて頂きました。

 

 

31日

暗いうちに起きると星が出ている。明るくなると快晴だった。

 

朝日に照らされる前穂高北尾根


早速準備をして取付きに向かう。

壁を見たが黒い水の濡れた跡が壁の半分を占めていた。
普通は登らないレベル。

でも今日しかない、行ける所まで行こうと皆に話し先を急ぐ。

前日の偵察・整備が効いて横尾から一時間半で取付きに着いた。

屏風岩は貸切状態。
そういえば、この前の烏帽子奥壁も雨の後で一ノ倉貸切だった。

雲ひとつない素晴らしい天気の中、まだ水が流れているスラブをスーさんトップでスタートした。

 

【1P目】
取付きから少し右上し、傾斜が緩くなったら左上してビレーポイントへ。
あちこち濡れていて浮石多かったが、スーさん余裕でランニングなし?でこなす。

【2P目】
本来のルートは水が流れていて滑るので、

スラブの右端の灌木目指してトラバースぎみに右上し灌木にランニングを取り、

90度反転してスラブを左にまたトラバースしピッチを切った。

トップのスーさんはザイルアップ大変でした。

草野さんに灌木のランニングを外してもらったおかげで、

私は乾いたVぐらいのスラブを大声をだして活を入れながら登って自分的には楽しいピッチだった。

 

【3P目】
草野さんトップ

このピッチも本来のルートが濡れていて無理なので

スラブの左端のブッシュとスラブの境にある滑り台状のリッチを登った。

相変わらずピンはなし、クライミングシューズの泥と水をタオルで拭きながらも

非常に悪い(たぶん隣の鵬翔ルート?)このピッチをリードした草野さん、

お疲様でした。

滑り台が終わった所に1ピンあってビレー、ここで蜂にチクされた。

 

【4P目】
スーさんトップ、出だしから嫌な草付きを3m登り、

灌木でランニングを取りスラブ中央にピン1本打ちこみ、

キャメ1はめ込み*展望台テラスへ上がって行った。

スラブを右にトラバースするのだが、途中抜けそうな草を掴み2人は超えて行ったが、

体重のある私は草を掴んだら根っこがもげて落ちそうになった。

あわてて1mほどジャンプして鉛筆ぐらいの灌木をつかみ

細引きをかけてやっとスラブに戻れた。いやぁ怖かった。

スラブ中央の流水を口にあて一息つけた。(自分だけすいません。)

快適なスラブとリッチのコンタクトラインを登る。

ビレー点からは終了点まで良く見えた。

次のピッチは流水状態でビレーポイントまで続いていた。

核心のトラバース部分にはボルト2本確認出来たし

雲行きを見ると天候悪化の兆候が出てきたので下降を決める。

横尾谷はまさに夏の景色だった。


問題もなく懸垂下降をして本谷橋経由で横尾に13時頃着。

*展望台テラスの名称は景色が抜群だったんで勝手につけました。

尚、壁が濡れていた為本来のルートから外れて登りましたのであまり参考にしないで下さい。

各ピッチのビレーポイントは整備されていますし懸垂用ビナも一部あります。

屏風にあってはあまり登られていない右岩壁ですが

ルンスラは十分楽しめるルートだと思います。

それと渡歩がないのと比較的アプローチが楽です。

この山行を終えて二つの事を決めた。

①更に5Kg減量する事、

②80Lのザックを手に入れる事。

あの壁の状態にしては頑張ったと思うし、

良き仲間と屏風に登れて記憶に残る山行でした。

スーさん・草野さん、ありがとうございました。

生田目

コメント (3)
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