フィエスタの谷 山行記録

【福島県勤労者山岳連盟所属】フィエスタの谷は山に登る事が好きな仲間の集まりです

2016秋合宿・裏剣山行(2016/9/22~25)

2016-09-29 | 山行記録

メンバー: Tリーダー(記)・Sさん・Mさん・Iさん

9月22日~25日の日程で裏剣に行って来ました。
同行してくれた栃木組の三名(Sさん、Mさん、Iちゃん)に感謝します。
長い行程と悪天候を乗り越えての思い出深い山行となりました。ありがとうございました。

余りにも美しく有名な仙人池からの裏剣の絶景と、それに北方稜線からの剣岳登頂を加えて一粒で二度おいしいグリコのような山行計画ではありましたが、如何に...

【9/21】
夜8時過ぎに栃木組三名がT宅に集合し、一路立山へ。深夜2時に立山に到着し、軽く乾杯して仮眠。

【9/22】
立山駅--(電車)--宇奈月温泉--(トロッコ電車)--欅平--水平歩道--阿曽原温泉小屋

T車を立山にデポして立山5:30発の始発列車に乗り込みました。
宇奈月温泉までの約2時間の富山のローカル線とそこから乗り換えての欅平までの1時間20分のトロッコ列車で旅気分が否が応でも盛り上がります。
しかしながら、天気が良くない。カッパを着込んで欅平駅を後に阿曾原温泉へ向かいます。

  

断崖絶壁の水平歩道に、はじめのうちは「すげーっ」とか「怖~い」とか言ってはいましたが、いい加減にそんな状況にも慣れてきたころ奥鐘山が姿を現し、さらに歩みを進めるとその西壁が大迫力で深く切れ落ちた渓谷のすぐ隣に見えるようになります。

 

「どこを登るんだろう?」などと各々が勝手にルートを想像しながら進んでいきますが、水平歩道が山肌に沿って大きく蛇行しているため奥鐘山がいつまでもすぐ隣にあって「なかなか進まないなあ」と思いつつ、奥鐘山が見えなくなる頃になるとと阿曾原温泉はもうそこです。
阿曾原温泉に到着し、小雨の中露天風呂へ。雨に冷えた身体に温泉は正に最高!でした。

  

さっぱりしたところで、夕食前に軽く飲み始めようかと食堂へ行くと小さなギターが置いてありました。
まさかないよなあ~と思っていたらそのまさかでした。そうです。Sさんが隠し持って来たものだったのです。
ザックも70リットルと小屋泊にしてはやたらにデカイと思ってはいましたが、彼をあなどっていました。やられました。

そしてこうも思うのです。「まあ担ぐの俺じゃねえし。好きにすれば。もう知らねえ」と。
そうこうしているうちに夕食となり、大好きなカレーをお代わりして満腹になってそんなあきれた気持ちをリカバリーして就寝しました。

【9/23】
阿曽原温泉小屋--仙人谷ダム--雲切新道--仙人池--池の平小屋

しっかり雨が降ってます。今日の累積標高差1600mの行程が思いやられます。
特にギターを背負っている人が心配ですが、自業自得です。
出発の踏ん切りがつかずにいましたが、「生田目さんなら絶対に行くにきまってるよな」と、意を決して阿曾原温泉小屋を後にしました。

  

ぬれねずみになって仙人ダムから雲切新道の急登へと入り、ギターを背負うその人は「もう二度と来ねえ」と悪態をつき始めますが、無視つつ、長い樹林帯を抜けて仙人温泉へ到着。
そこからは沢沿いの道の徒渉を何度か繰り返しながら登って行くと辺りがすっかり紅葉してきているではありませんか。
程なくして待望の仙人池に到着です。ヒュッテのお姉さんが暖かいお茶をふるまってくれました。
古くて趣のある素敵な小屋でした。紅葉は今が最高とのこと。

 

そして待ちに待った眺めを期待し池の畔へ。
雨のせいで期待していた裏剣は見ることはできませんでしたが、仙人池と周りの紅葉は実に見事でした。
今までのこの地への憧れとこの二日間の長い行程を振り返ると、天気の悪さを差し引いても大変美しく感慨深い景色でした。

ギターを背負って悪態をついていた人にさえも「一緒にここまで来てくれてありがとう」という気持ちになってしまうんですから不思議なものです。
そして今宵の宿池の平小屋へ。
池の平小屋は小さいながらも小屋の人たちはとても優しく親しみやすい人たちばかりでとてもリラックスできる大変よい小屋でした。
食事もおいしく今晩も満腹になって就寝しました。

【9/24】
池の平小屋--北方稜線--剱岳--剣山荘

雨は上がりました。朝焼けです。見事に八ツ峰、チンネ、ジャンダルム、小窓など裏剣が一望です。
できることなら仙人池からとは思いましたが、もうこれ以上の贅沢は言いません。
見事な絶景に感動しつつ、今回の山行のハイライト北方稜線へと歩みを進めます。

 

すっかり氷化してカッチカチになった氷河小窓雪渓を詰めて行きます。
そしてはっきりしない踏み跡に右往左往しながら小窓の王の肩からは急なザレた斜面を下り三の窓へ。
チンネや剣尾根をIちゃんはしっかり偵察し、来年の山行へ思いを巡らせていたようでした。



私は一昨年のチンネ左稜線を思い出しておりましたが、三の窓雪渓の雪が三の窓からはほとんど見ることができないのには、びっくりしました。
長次郎谷も雪渓がほとんどありません。熊の岩の周りなどにはまったくありません。
びっくりを通り越して愕然とし、悲しみすら覚えました。
 

話が前後しますが、小窓の王の手前ではギターを背負っている人のペースが上がらず、とうとうMさん、Iちゃんがその人の荷物を手分けして持ってやることになりました。
ヒーヒー言いながらやっとこさ池の谷乗越しに着いて、これからの岩稜歩きが今日の核心です。
ギターを背負い、荷物を持ってもらった人も、「手を使い始めるとペースが上がるんだ」と鼻息が荒くなってきました。

 
 

前を行くガイドパーティにぴったりついていくと、ガイドさんは先をゆずってくれました。
「Tさん、先ゆずってくれたから早くいくぞ」とついさっきまでのヘロヘロの自分の姿などおかまいなしです。
「まったく現金な人だな」と彼に言ってはみたものの、そんなことを気にするようなSさんではありません。
でなきゃ、ギターなんか初めから持ってきてませんもんね。
 

 



そんなこんな気持ちを乱されながらも岩稜歩きはとても楽しかったです。
そして剣岳頂上へ無事到着。
 
 
あとは下山するだけと思うのもちょっと寂しくセンチメンタルな気持ちになりましたが、カニの横ばいを経て混み合う剣山荘に到着し、担ぎ上げたお酒を飲み切って就寝しました。

【9/25】
剣沢、雷鳥沢を経て室堂へ~真っ盛りの紅葉を堪能しました。
立山にはお昼前には到着して帰路につきました。
 

 



Sさんをダシに面白おかしく書いてしまいました。
少しは反省していますが、半分以上は正直な気持ちですので、Sさんも少しは反省してくださいね。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする