フィエスタの谷 山行記録

【福島県勤労者山岳連盟所属】フィエスタの谷は山に登る事が好きな仲間の集まりです

剱岳・北方稜線(裏剱縦走)2019/9/12~2019/9/15(3・4日目)

2019-09-28 | 山行記録

R1年9月14日(3日目)

メンバー I堀(単独)

コースタイム 5:30池の平小屋 → 6:42小窓雪渓終了地点 → 8:21小窓の王・直下 → 

     9:06池の谷乗越 → 10:23劔岳山頂 → 12:41剣山荘 → 13:38剣沢キャンプ場

 

 この山行の主目的、北方稜線にアタックする日がやってきた。不安と緊張の中、道迷いを防止するために明るくなってから行動を開始する。後でわかったのだが、北方稜線にチャレンジした人達の中ではドンケツのスタートだった。 

 鉱山道の途中からモルゲンロート。

 道は明瞭。困難な個所も特にない。

 小窓雪渓。先行者が7名ほど見えた。

 

 鉱山道は明瞭で迷うことはなさそう。ガレていて危険な個所もあると聞いていた気もするが、特にそんなことを感じることなく通過した。朝の雪渓は硬いため、チェーンアイゼンを履いて通過。ただの荷物で終わらなくてヨカッタ。

 6:42 雪渓終了地点

 自分的に核心だったトラバースまでの登り。下のコルが小窓雪渓の稜線。

 トラバース道にあった古いシュリンゲ。

 トラバース途中からの小窓の王。

 

 雪渓を登りきると、目の前がガレ場。最短距離で真っすぐ登り稜線の踏み跡にたどり着いたが、登ってから振り返ると、右のほうに明瞭な踏み跡がつづいていた。落石に気を使いながら登ったため、右の踏み跡をたどった方がいいだろう。

 稜線からこれから行く小窓の王方面を見ると、どこを登るの?という岩壁が立ちはだかっている。先行者はすでに全員いないため、自分でルーファイするしかない。登りは小さな沢筋を登るといったカンジで、踏み跡はあまり期待できない。しかも、以外と傾斜もありテント泊の荷物と合わさり体力を消耗する。特にトラバースに移る手前の傾斜が強く、これは道に迷っているのでは?と不安になり後続者がいないか探してしまう始末。雪渓上を見渡しても登ってくる人がいないため、意を決してザックを下ろし偵察する。幸い、トラバースの踏み跡が明瞭で道に迷ってないことを確認出来て一安心。不安と緊張感はここが1番強かった気がする。同じような沢筋が何本もあるが、右へ右へ行くのが正解だったと思う。

 しかし、このトラバース、途中から登りになりハイマツのヤブに突入する。しかもだんだんと濃くなっていき、まさにヤブ漕ぎになる。踏み跡もうっすらとなり、やはり不安が付きまとう。我慢して10分ほどで開けた稜線に出ることができホッと一安心。先が見えないためここもなかなか不安になってしまった。

 開けた稜線から小窓の王の下にあるガレ場にトラバースする。

 最初のガレ場で、先行者の1パーティに追いつき追い越した。

 ガレ場を上から。落石注意だが、ザレザレ&ガレガレ&浮石だらけで気が抜けない。

 

 開けた稜線から小窓の王の下に向けて踏み跡が伸びているので、それをたどって行く。時々踏み跡が不鮮明になるが、8割がた踏み跡があるので迷うことはないだろう。ただ、1か所稜線に向かう踏み跡があるので要注意。トラバースする踏み跡を進むのが正解だ。このトラバースに有名な急斜面の雪渓があるそうなのだが、阿曽原温泉のスタッフさんの言った通り、今年は雪渓の「せ」の字もなかった。バイルは完全にただの荷物になってしまった

 トラバースを歩いていると、ガレ場からこれまで聞いたことのない、恐ろしい音が聞こえてきた。見えなかったが落石のようで、音だけで死を予感させるほどの不気味かつ大きな音だった。どうも先行者の落とし物だったそうだが、このガレ場は浮石しかないといってもいいくらいで、落石をおこさないように登るのは大変だった。両手足をつかい、体重を分散させながら慎重に登った。

 ガレ場上から池の平ガリー。

 取りつきから池の谷ガリー。

 

 やっとの思いでガレ場の上に出ると、池の谷乗越が目の前に姿を見せる。真正面から見るとどうやって登るの?というかんじだが、取りつきからみると傾斜はさほどでもない。ガレ場上から取りつきまでは、これまたガレ場でけっこう下る。この下りはどちらかというとザレの方が強いカンジ。下りの途中に1パーティいたので、落石しないように注意しながら下る。しかし、登り→下り→登りとザレ場の連続でいやらしい。池の谷ガリーは3つのガレ場の中では1番安定していると思う。しかし、3つの中で浮石の大きさがダントツででかいので、落石は絶対に注意だ。しかも標高差もあるのでよけいに疲れる。

 9:06 池の谷乗越の岩壁

 岩壁の上から今日歩いたコースを見返す。中央が小窓の王。

 岩壁の上はいよいよ岩稜帯となる。ようやく本山が見えた。

 池の谷乗越に到着すると岩壁をガイドを伴い登山者が下ってきた。正直、このガレ場は下りたくない。劔岳方面からよく来るものだと感心してしまった。この岩壁、写真でとるとやたら傾斜があるように感じるのだが、劔岳を別山尾根で登れるなら問題ないレベルのもの。サクッと登ると、ここから岩稜帯だ。

 稜線にあったピッケル。モニュメント?

 岩稜帯で1番気を使ったところ。ロープがあったが、下降場所が切り立っていておっかない。

 

 岩稜帯は基本的に稜線をたどる。しかし、ときどき切り立っていて行き詰まり、2か所ほど長次郎谷方面にトラバースしてクリアした。池の谷側のトラバースは切り立っているため、やめた方がいいと思う。ちょっと微妙な稜線をへつって越えると、なぜかそこにピッケル。柄が木でできており古そうだ。誰かの遺品か?その後も順調に岩稜帯を突破し、いよいよ劔岳が目の前に見えると、なんと稜線が100mほど切り立って落ち込んでいる。なかなか簡単には終わらせてくれない。一応ロープは垂れているのだが、こんなところのロープなんて信用できるものではないので一歩一歩慎重に下った。岩がしっかりしていたのが救い。

 10:23 劔岳・山頂

 山頂から剣沢。来年の目標は源次郎尾根と八つ峰かな。

 

 切り立った稜線を下り終えると、いよいよ最後の登りだ。先ほどの下りとは打って変わって、いたって普通の登り。なんの苦労もすることなくにぎやかな山頂に到着するのであった。3連休の初日だというのに山頂はたくさんの人でにぎわっている。この3日間、人とほとんど会わない静かな山行だったため、にぎやかなのがうれしいような、うるさいような

 秋晴れの山頂を満喫し終えたら、剣沢へと下っていく。途中、渋滞に巻き込まれながら、剣沢へ行き、テントを張るのであった。

 剣沢から劔岳。いつみても圧巻。

 

 3連休ということもあり剣沢キャンプ場は色とりどりのテントで埋め尽くされていた。本当は雷鳥沢キャンプ場まで行き温泉に入りたかったのだが、テントが張れないとシャレにならないので、ここで行動終了。

 テント泊での初めてのバリエーションを、無事に達成できて素直にうれしい。次は源次郎尾根か八つ峰にチャレンジしたいものだ。

 

R1年9月15日(4日目)

メンバー I堀(単独)

コースタイム 6:11剣沢キャンプ場 → 8:55奥大日岳 → 10:24大日小屋 → 

     12:30大日平山荘 → 14:09 登山口

 

 4日目は車が置いてある立山駅に帰るだけ。あえてマイナーな奥大日岳を経由し帰ったが、以外と登山者とすれ違ったのには驚いた。昨日で達成感が満腹だったため、長い長い下りは肉体的・精神的に堪えた。4日ともに天候に恵まれ最高の山行でした。

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剱岳・北方稜線(裏剱縦走)2019/9/12~2019/9/15(2日目)

2019-09-22 | 山行記録

平の池から裏劔

R1年9月13日(2日目)

メンバー I堀(単独)

コースタイム 5:50阿曽原温泉小屋 → 6:40仙人ダム → 9:34仙人温泉小屋 → 11:15仙人ヒュッテ

       → 12:16池の平小屋

 

 昨日は温泉のおかげか、ぐっすりと眠ることができた。さっそく朝風呂に、といきたいが、テント泊ではそんな時間はない。ささっと朝食・撤収を行い、ヘッデンなしでも支障ない明るさになったら出発だ。

 写真を撮り忘れたが、いきなり急登で高度を上げ水平歩道のようにくり抜いた道をたどる。もうこういう道はお腹いっぱいです。この道はすぐ終わり、今度は急な下り。下りきるとそこが仙人ダムだ。

 突然どでかい建物が現れるため唖然とする

 建物の中を通らせてもらう

 

 仙人ダムには大きな管理棟が建っており、歩行者が通行するところがトラロープで区切られていた。建物を見ると、風呂場と食堂が見てとれた。ここで寝泊まりしているのだろうか?かなうことなら、冬がどんな景色なのか見てみたいものである。トラロープに導かれていくと扉があり、開けて進んでいく。時折、軌道と交差しており、この軌道からムワっと蒸し暑い空気が流れてくる。これが高熱隧道だろう。硫黄のにおいはあまりしなかったが、軌道や貨物車がそのまま置いてあり、傷まないのかな?と不思議だった。

 時折でてくる軌道。ムワっとする。

 

 入口から10分ほどで建物の外に出る。そこはちょうどダムの堰堤だった。下流を見るとえらい勢いで水が飛び出している。こんな山深い場所によく作ったものだ。

 橋の上にあるのはおそらく軌道。ダム以外に水路があり左からえらい勢いで水が放流されていた。

 6:50 雲切新道分岐。しばらくダム湖のほとりをトラバースする感じになる

 

 ここから今日の本番スタートという感じ。急登とよく聞く雲切新道だ。写真の通り右に行くのだが、建物の屋根に追いやられてしまい、いきなり道迷い。よく見るとハシゴがあったのでそれを使いダム湖のほとりに降りた。ここからは鎖がついてたりハシゴがあったりで迷う要素なし。分岐から30分ほど歩くと、これから急登との案内板に突き当たる。ここからが雲切新道の本番だ。

 

 いったん登るが、すぐにトラバースなり、けっこうな時間トラバースする。

 

 この登りは、たしかに急登だったがそこまでキツくはないかな、という感じ。とはいえ下りでは使いたくない。南会津の三岩岳や会津駒のほうがよっぽど急登である。1時間ほど登ると開けた場所に飛び出し、後立山連峰がよく見える。黒四発電所もバッチリで、日電歩道を歩いた時、対岸の崖にポッカリ人工物がある光景に度肝を抜かされたものだ。

 鹿島槍ヶ岳方面。黒四発電所が見えた。

 白馬岳方面。いつか祖母谷経由で日本海まで行ってみたいものだ。

 

 ここからは稜線も見えるようになり、もうすぐだろう。と思いながら登っていく。でも、見えているものって以外と遠い。30分ほどかかり尾根の頂上に到着し、分岐から2時間ほどで雲切新道をクリアすることができた。

 8:50 尾根頂上。標高が低いため汗が噴き出して大変だった。

 

 頂上から10分とせず仙人温泉小屋が見えた。これがけっこう下に見えるため少しゲンナリ。谷を微妙に下りつつトラバースするのだが、あまり道はよくない。けっこう危なく感じる箇所もあった。途中に小屋の源泉があり、なんでここだけ?と不思議になる地獄が広がっている。所々から噴気がでており、硫黄臭が漂っていた。仙人温泉小屋は静まり返っており営業しているのかな~、という雰囲気。高天原も山奥の温泉だが、秘湯ぶりでいえば仙人温泉小屋のほうが上という感じがする。(主に登山道の悪さで(笑))

 山はやはり見えてからが遠い。

 源泉。ここだけ異様な雰囲気。

 9:34 仙人温泉小屋。小屋に温泉を引き込んでいるので、阿曽原温泉や高天原より便利だろう。いつか泊まりたいな~。

 

 あとは400mほど登るだけだから楽勝だろう。なんて思っていたのだが、ここからがまたキツかった。沢沿いにつけられた登山道を登っていくが、雪渓が残っていたり、渡渉があったり、ゴーロだったりでメンドくさい。特に雪渓の残り具合によっては相当面倒になるだろう。今回は残っているのが1か所だけでヨカッタ。

 〇印に向かって渡渉。

 沢沿いを登る。

 仙人ヒュッテへの登りはガレガレ。

 ヒュッテ手前で晴れてくる。同時に裏劔が目の前に見えてきた。

 11:15 仙人ヒュッテ到着。

 劔岳を見ながらオムライスを食す。

 

 結局、仙人ヒュッテまでは2時間弱もかかってしまった。びっくりしたのは仙人ヒュッテ手前で木道になるのだが、そこに猿がいたこと。標高2000m近いのだが食べるものあるのか?温暖化の影響だろうか。幸い声をだしたら藪の中に消えていったが、そこらへんから鳴き声が聞こえてきて襲われないか冷や冷やした。仙人ヒュッテでは奮発してオムライスを注文する。ケチャップの酸味が疲れた体に染み渡る。山で卵を食べられる現代に感謝。ここで仙人新道から来たという年配の3人組と話をしたが、明日、同じく北方稜線へ行くという。なんと70歳を超えているとのこと。お互いがんばりましょうと声をかけたが、すごいのか無謀なのか難しいところだ。

 仙人新道分岐点から仙人ヒュッテ。後ろは鹿島槍ヶ岳と五竜岳。

 12:16 池の平小屋。小屋につくころには再びガスってしまった。

 池の平小屋のお風呂

 

 オムライスで元気がでたらラストスパートで池の平小屋を目指す。だんだんとガスってきてしまい、小屋に到着した時には劔岳は雲の中。ま、午後の山は仕方ない。ササっとテントを張り、明日の鉱山道を偵察する。15分ほどの偵察だったが、道は明瞭で間違うことはなさそうだ。戻ってダラダラ過ごしていると、宿泊者はお風呂に入れるようで小屋番の人が呼んでいた。残念ながらテント泊はダメ。かなり汗をかいたので入りたかったのだがわざわざ炊いた風呂に入れるとは、鉱山時代の名残なのだろうか。

 ガスは夕方に晴れてくれた。

 

 テントで食事をとっていると、いつの間にかガスがとれており劔岳がくっきり見える。明日はあそこに行くのか~、と思うとドキドキすると同時に不安も感じてくる。どちらにしろ明日にならなきゃわからない。疲れを残さないため暗くなると同時に眠りにつくのだった。

 3日目に続く

 

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剱岳・北方稜線(裏剱縦走)2019/9/12~2019/9/15

2019-09-20 | 山行記録

R1年9月12日(1日目)

メンバー I堀(単独)

コースタイム 6:23立山駅 → 8:40宇奈月駅 → 10:20欅平駅 → 11:26水平歩道始点 → 

       12:35志合谷のトンネル → 13:36堰堤のトンネル → 15:00阿曽原温泉

 

 なかなか取れなかった休みがようやく取れた。天気も秋晴れになりそうなため、今年最後のチャンスとばかりにバリエーションに挑戦してきた。

 立山駅の駐車場に車を停めて電車で出発地点の欅平へ移動する。始発は5:20ごろにあったが間に合わず、泣く泣く2本目に乗車した。

 レトロ~な電車に揺られ2時間超で宇奈月へ。乗り換えの寺田駅までは学生が、寺田駅から宇奈月までは観光客がけっこう乗っていたが、バカでかいザックを持っているのは自分くらいで場違い感満載。

 宇奈月からはトロッコに乗り換え1時間超で欅平に移動する。トロッコの席をケチってしまい、風にまともにアタリながらの1時間以上の電車旅となってしまった。真夏ならいいかもだが、この時期になると天気が良くても体が冷える。たまらず欅平駅で温かいソバを食べた。

 立山駅から、昭和な感じの電車。

 

 欅平駅の登山口を見ながらソバを食べていると、片手で数えるくらいだが登山者が登って行く。まだ下の廊下は開通していないが、行く人はいるものだ。

 ソバを食べて体があったまったら自分も出発。いきなりの急登で20キロのザックを背負ってではツライ。約1時間で水平歩道の起点に到着した。

 11:26 水平歩道の始点。

 

 水平歩道を通るのは2回目だが、相変わらずこんなところによく道を作ったものだと感心してしまう。水平歩道自体は高さを気にしなければなんてことない。ただ、スリップには要注意だ。

 たまに送電用の鉄塔があり、この水平歩道は管理道路も兼ねているようだ。道を作ったのもすごいが鉄塔が建っているのがもっとすごい。

 こんな組んだ道だったり。

 削ってあったり。

 よく撮られる場所かな?見事にくりぬいている。

 12:35 志合谷のトンネル

 

 始点から1時間ほど歩くとトンネルに到着。内部は10mも進むと真っ暗闇になるためヘッデンを点けなければならない。昨日の雨の影響か、頭上から水が流れてくる場所などがあり不気味さMAX。出口の光が見えた時にはホッとしてしまった。

 

 トンネル出口から入口方向を見る。登山者がトンネルにむかっていた。

 奥鐘山の岩壁。

 13:36 堰堤のトンネル

 

 さらに1時間ほど歩き2度目のトンネル。ここは短く不気味さは微塵も感じない。この水平歩道、はじめてくればそのスケールに圧倒されて飽きないと思うのだが、2回目となると水平で10キロも延々歩く、景色もあまり変わらないのでだんだんダレてくる。

 まだかまだかと心の中で思いながらこのトンネルから1時間半でようやく阿曽原温泉小屋に着くのであった。

 堰堤のトンネル先にある滝。

 15:00 ようやく阿曽原温泉小屋に到着

 

 行動開始から4時間30分で阿曽原温泉小屋に到着。この日は自分のを含めてテント3張り、宿泊客は10名もいなかったようだ。前回は黒部ダムから下の廊下を通り小屋泊したが、布団が2人で1組だったことが懐かしい。小屋の人に聞くとこの3連休は予約がけっこう入っているそうだ。あの思いはもうしたくないから、体力ある限りはテント泊かな~。

 ここで小屋の人からさらに衝撃な情報が。北方稜線のためにザックにつけていた沢バイルを見て、「もうトラバースする雪渓が溶けてないよ。」とのこと。マジで?

 実際に雪渓はなくなっており、ただの荷物となってしまったΣ(゚д゚lll)ガーン

 ま、ショックを受けていてもどーしようもないので、テントを張り温泉三昧して明日に備える。山の中で温泉に入れるなんて格別だ。ただ、少し歩かなければいけないのが難点かな。小屋泊りの人と話をしたが、わざわざ温泉だけ入るのに水平歩道を来たという。マニアックだな~、いろいろな人がいるものだ。

 快適な温泉。

 湯舟の近くにある源泉。中はサウナのようだった。

 2日目に続く →

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焼石岳・尿前沢

2019-09-11 | 山行記録

R1年9月7日

メンバー I堀、A坂、「青森県山岳同人だがじょ」からOKY氏・TKN氏・OKMT氏・HRK氏

コースタイム 6:50中沢登山口 → 7:15尿前沢入渓 → 7:54三ツ折滝 → 9:05大滝 → 11:45夫婦滝

       → 14:23二俣(標高1220m) → 14:48登山道合流 → 16:44登山口

 

 A坂氏が以前所属していた山岳会の方々と尿前沢を遡行するとのお誘いが。なぜかイマイチだった天気も土日は回復するとのことで行くしかないでしょう。

 金曜日にいわき市を出発し、平泉を目指す。二人で交代しながら運転するとはいえ、仕事帰りに300km超えの運転はキツイ!約4時間ほどかかり、合流場所のつぶ沼キャンプ場に到着した。無料なのにすごく整備されたキャンプ場で、車で10分もかからずに泉質抜群の温泉もある快適なキャンプ場だ。

 日付も変わりそうだったため、挨拶もそこそこにテントを張りすぐ寝た。

 翌朝、薄明るいうちから動き出し、中沢登山口を目指す。国道脇の林道を進むことになるのだが、道はあまりよくない。ハイエースの後部座席だとお尻が壊れそうになるほど揺れる。30分ほど進むと突然開けて整備された駐車場が現れる。沢装備を整えて6:50に金名水コースへ出発した。

 

 7:15 入渓

 6m滝、右から容易

 7:34 7m×2mの2段滝。難しくないが、ホールド細かい。

 

 入渓までは以外とアップダウンのある登山道を歩く。台風の影響か、朝から暑く熱中症になりそうだ。暑さでダレかかった矢先に、水音がしてくてようやくクールダウンできるとほっとした。全体的に岩盤が発達した解放感のある沢で、水の色とあいまって非常にきれいな沢だ。

 特に難しいところはないが、750mの二俣出会いにある2段の滝はホールドが細かく注意が必要だ。

 滝上はミニゴルジュ

 三ツ折滝の遠望

 7:54 三ツ折滝・すこし戻って右岸から高巻く

 

 滝上はミニゴルジュとなる。この暑さもあり積極的に水に濡れながら遡行した。深くても股下までなのでまったく問題ない。三ツ折滝はパッと見たかんじ、左岸スラブを行けそうなのだが、あまりよくないらしい。よくよく見ると、確かにトラバースするところは手がかりがなさそうで悪そうだ。おとなしく沢を戻り、右岸から滝を高巻き懸垂下降で戻った。

 30mロープを2本結束して下降したが、場所をよく選べば30mロープでも降りられるだろう。ちなみに8:37に沢に戻っており、高巻きには約40分かかった。

 

 8:45 15m滝・左岸巻き

 直登にチャレンジするOKY氏

 

 沢に戻り10分もせずに、どうみても直登不可能な15m滝。普通なら左岸から巻くだろうがなんとOKY氏がロープを出して滝に取りつき始めた。もろい岩壁をハンマーで確認しながら慎重に登っていく。が、もろすぎてハーケンが効かず写真の少し先で断念。でも、チャレンジするだけですごい!自分は登れるルートなどまったく見いだせなかった。

 ちなみに、巻き道は泥壁で一部しぶい。

 9:05 大滝直下

 右岸のがれ場から高巻き

 トラバースでリードしたTKN氏

 トラバース途中から大滝

 トラバースするOKMT氏とA坂氏

 

 15mの滝を巻き上げて歩き出すと、すぐにこの沢で一番大きい30mの滝が現れる。どー見ても直登など無理。まずは右岸がれ場を滝の落ち口より上まで登り、草付きの斜面をトラバースする。落石には要注意だ。草付きの傾斜がキツくなってくると、灌木付きの岩壁になりここからロープをのばしてフィックスした。高さは50mくらい、トラバースも手がかり足がかりが微妙なところがあり緊張感満点。

 最後にビレイヤーのHRK氏をA坂氏がビレイしようとしたのだが、普段ここまで厳しい沢に行っていないせいや、トラバースの緊張感で疲れたのかビレイのやり方を忘れてしまった。「あれ~?あれ~?」と何度かセットするがうまくいかない。そのうちTKN氏に怒られながら無事セットできたのであった。自分もA坂氏もまだまだ修行が必要です・・・。

 10:20ころに全員落ち口へでたため、ここの巻きには6名で約1時間15分ほどかかった。

 大滝すぐ上の8m滝を登るTKN氏。階段状で容易。

 大滝の上はホールドの細かい滝が多くなる。この滝を登るとナメ床となった。

 暑くて釜に飛び込んだI堀

 正面に焼石岳。

 10:53 堰堤のような滝で泳ぐカッパ(A坂氏)

 

 大滝から堰堤の滝まではホールドが細かくなるものの困難なところはなく、途中からナメ床になりさらに快適に遡行する。青空とナメ、水の色のコントラストが素晴らしい。堰堤の滝は左岸を巻けるだろうが、あえて左壁から突破をこころみる。トップで行かせてもらったが、途中のトラバースで敗退。しかし、OKY氏やOKMT氏、TKN氏は細かいホールドを拾いながらスルスルとトラバースを成功させてしまう。このへんが経験の差だろう。TKN氏にロープを出してもらい、先ほどの3名の動きを思い出しながら再チャレンジし、なんとか成功。本当に修行が必要だ。

 A坂氏はOKY氏にビレイしてもらい右壁に取りついていた。落ち口がいやらし感じだったがスパルタのOKY氏に発破をかけられながら無事に通過。全員落ち口に立ったは11:35。約40分かかってしまった。

 滝上は舗装道路のよう

 夫婦滝が見えてくる。

 夫婦滝、左が本流。

 リードするA坂氏

 

 滝上は再びおだやかになり、舗装道路のようなナメになる。が、10分も歩くと1000m出会いの夫婦滝が立ちはだかった。左壁に若干緩やかな場所があるため、そこをA坂氏がリードしていく。が、30mロープでは確保する灌木もなにもないためボディビレーとなり安心感はまるでない(;^_^A

 だがホールドはあるので気を付ければ大丈夫だろう。10mも登ると傾斜も落ち着きひと段落するが、落ち口へのトラバースが若干いやらしい。ここの巻きは約1時間ほどかかった。

 ぬるぬるの5m滝。

 20mナメ滝。ぬるぬるでラバーソールではつらい。

 10m滝。かんたん。

 3mCS滝。左岸からかんたんに巻けるが突破の練習をする。

 沢が開けてくる

 最後の二俣手前の滝

 

 夫婦滝までは青白い水だったが、左の本流を登るとにごりがなくなる。そしてなぜか岩がヌメるようになる。フェルトでは難なく進める場所も、ラバーだとおっかなびっくり進まなければいけない。特に20mナメ滝は一歩間違えればウォータースライダーのようになるだろう。しかし、ヌメりに気をつければ直登できる滝やかんたんに巻ける滝ばかりで快適に高度を上げる。途中のCS滝ではTKN氏がハンマーを使って突破したり、OKY氏は右壁をへつって突破しようとしたりと各々練習をした。自分もハンマーでの突破をチャレンジしたが、何度やってもハンマーが抜けてしまい断念。修行が・・(以下略)

 最後の二俣を左へ行くと源頭になり、若干ボサがかぶってくる。強引に30分ほど歩くと登山道に合流した。

 帰りは登山道の途中にある銀名水でノドを潤し、足早に登山口を目指す。2時間弱で下山した。

 尿前沢はゴルジュあり、ナメあり、高巻きありと沢登りの要素をすべて含んでいるような秀渓だと思う。また、改めてレベルアップしなければいけないな~と感じてしまった。

 だがじょの方々にはお世話になりっぱなしで申し訳ないとともに、ありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。

 

 

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三ツ岩岳・保太橋沢

2019-09-04 | 山行記録

R1年9月1日 三ツ岩岳・保太橋沢

メンバー I堀・A坂

 

暑さが落ち着いたと思ったら、秋雨前線の影響で不安定な天気が続く。そんな中、天気が持ちそうだったため、桧枝岐に行くことにした。

前日の夜、仕事終わりに移動し道の駅しもごうでテント泊。夜はすっかり涼しくなり快適に過ごせた。

翌朝に桧枝岐へ移動し、国体登山道にある路側帯に駐車し出発する。

沢への入り口には別荘?があり340万円で売りに出されていたが、こんな不便な場所買う人がいるのだろうか。

別荘の脇を通らせてもらい、沢へ入渓する。沢はいきなりゴルジュだが困難なところはない。すぐに6m滝がでてきて快適に登る。

6m滝。問題なく登れるが水量が多い。

 

この上は再びゴルジュになるが、こちらはちょっと苦戦。水量が少なければなんてことないだろうが、正面突破ができず微妙なヘツリや巻きを駆使して進む。

ゴルジュの1.5mCS滝。水流が強く取り付けなかった。

 

ゴルジュの終わりに直登が厳しい8m滝があり、右岸の支沢から巻き懸垂で沢に戻る。今回、唯一ロープを使用した場面だったが、この沢は30mロープ1本あれば大丈夫だろう。

懸垂をするA坂

 

その後もさらにゴルジュとなったり、だれない程度に滝がでてきたりして面白い沢である。

10m滝。水流左が階段状になっており容易。

 

トイ状5m×2段滝。

下段はつっぱり。上段は左壁を灌木を使い突破。

この上は1290mの二股まで河原状になり、ひたすら歩いていく。ここまででスタート地点から約4kmを歩くが標高は500mほどしか稼げない。しかし、二股を左へ入ると小滝の連瀑帯となり1kmで500mの高度を稼ぐようになる。この連瀑帯は快適に登ることができる。

二股をすぎると連瀑帯が続く。

 

高度を上げていくき1700mで最後の二股。右に行った方が登山道に早くでそうだが、A坂氏は遠回りするのがイヤらしく左に行こうとせがまれる。記録をあまり見ないため不安だったが、激ヤブにはいたらない密ヤブ程度ですみ登山道へ帰還した。でもこの密ヤブのせいで登山客すべてにクマと誤認されたらしい(;^_^A

 

保太橋沢は前半があまくない登り、後半が快適な登りができる素晴らしい沢だった。下の沢よりはこちらの方が遡行価値はあると思う。

核心は下りの登山道か。A坂氏はフェルトソールだったため下りの急斜面で滑って大変だったようだ。ラバーソールか別途アプローチシューズを持った方がいいだろう。

赤が登り、青が下り

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