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常識の針

2015-01-02 23:49:56 | 東南アジア事情

シンガポール紙の社説によると 
中国人は外国人に対する理解が不足している、という。 
それはそうなのだがシンガポール人がそう言うところが面白い。 
私から見たら中国人もシンガポール人も五十歩百歩だ。 
というか、ほとんどどこの国の人でも外国についての理解が不足している。 
中国人が槍玉に挙がるのは 
中国政府が情報統制しているからで、シンガポール政府だって同じことをしている。 
穿った見方をすると社説を書いたシンガポール人記者は 
自国の情報統制を批判するために中国に言及したのかも知れない。 

それはさておき、なぜ外国について理解不足が起きるのかといえば 
自分の国を基準に考えるからである。 
「自分の国ではこうだから、他の国でも同じだろう」と考えるのが自然だ。 
たとえばアメリカドルがどこでも使える国に住んでいると 
「全ての国でアメリカドルが流通している」と考える。 
水道水をそのまま飲むことができない国に住んでいると 
「全ての国で水道水は必ず一度沸騰させてから飲む」と考える。 
美容師の社会的地位が低い国に住んでいると 
「全ての国の美容師は教育水準が低い」と考える。 
タバコを吸う女性が水商売の仕事をしている国に住んでいると 
「全ての国で喫煙する女性の職業は水商売である」と考える。 
自分の国の常識を当てはめて考えるから誤解してしまうのである。 

しかし常識というのは厄介で、一度頭の中に入り込んでしまうとなかなか捨て去るのが難しい。 
自分の国の常識を疑うことをしないと 
外国に行った時に恥をかくことになるのだ。 
飛行機に乗ったら時計の針を戻し 
そして「常識の針」も戻した方がいいだろう。 


王様と亡命者

2015-01-02 23:48:09 | 東南アジア事情

タイにはバンコクと地方・農村の全く別の社会が存在する。 
バンコク市民と農民では何もかもが違う。 
騒動の発端はタイの二極化され歪んだ社会が生んだものである。 

長野で冬季オリンピックが開催される前、 
スタジアムの建設には多くのタイ人が携わっている。 
その建設現場で面白い話をするタイ人がいた。 
長野に連れて来られたタイ人の作業員の中に一人の医者がいた。 
タイで医者をするよりも 
長野で建設現場の仕事をした方がいい給料がもらえると聞いてやって来たのだ。 
彼は「日本人はタイ人を差別する」という。 
だが他の多くの作業員は農民だった。 
彼らの意見は違った。 
「日本人は差別しない」という。 
農民のタイ人と医者のタイ人とを全く同じに扱うのがその理由らしい。 

インラックを支持するのは主に地方・農村の人たちである。 
つまりタクシンを支持する人たちのことだ。 
インラックを支持しないのはバンコク市民である。 
つまりタクシンを支持しないからだ。 
バンコク市民は農民を「民度が低く民主主義を理解していない」とバカにする。 
農民はバンコク市民に対して「いい暮らしをしている」と嫉妬する。 
社会が分断されてしまったことが騒動の根本原因だ。 
この問題は根深く、解決は困難だ。 

もうひとつの大きな問題は王の権威が弱まっていることだ。 
実はこの問題の方がより深刻である。 
タクシンは王のいうことを聞かなかったために王に嫌われた。 
王は何とか権威を維持しようとするが、 
民主化が進めば王の権限について当然論議されることになるはずだ。 

二極化された社会。 
王の権威の失墜。 
タイ社会は揺れている。 
現在、タイは投資先として優位にあるが、果たして安定が維持できるだろうか? 


脱力の人生と衰退の幸福

2015-01-02 23:20:00 | 東南アジア事情

デモの影響で日本からの旅行客が減り観光業界が打撃を受けている。 
だが、デモが行われているのはバンコク中心部だけだ。 
こんな状況だからこそ私はタイへ行きタイ。 

インドネシアで通貨危機に端を発して暴動が起きた時に私はバリ島に行った。 
大阪と名古屋、福岡の乗客は成田に集合させられて、 
一機のみの運行となったが機内はガラガラで、 
乗客は皆シートを5席使って寝ていた。 
普段、私は機内ではビールを飲まない。 
理由はトイレになかなか行けないからだが、その時はビールをがんがん飲んだ。 
バリに到着してからはまるで大名になった気分だった。 
通貨ルピアが暴落し4分の1になったため、予定よりランクの高いホテルに泊まり、 
滅多に買い物しない私が木彫りまで買ってしまった。 
ビーチはとても静かでのんびりと過ごせた。 
それはそれはいい思い出だ。 

私の知人はパタヤに住んでいる。 
彼はいろいろな国に出かけたが結局タイに戻った。 
ベトナムでも数年暮らしたが肌が合わなかったらしい。 
彼のような人は少なくない。 
他の国に行っては見たものの、タイが忘れられず、結局「古巣」に戻っていくのだ。 
タイには人を引きつける魔力があるらしい。 

タイは中途半端な国である。 
アセアンにはかつて盟主がいた。 
インドネシアのスカルノとスハルト、 
シンガポールのリー・クアン・ユー 
そしてマレーシアのマハティール。 
マハティール退任後、アセアンの盟主は不在のままだ。 
盟主の座を狙ったのがタクシンだったが、夢は叶わなかった。 
タクシンは中途半端な独裁者だった。 
国王がいる国に独裁者の存在は許されないのだ。 

「中途半端であいまいな国」がタイの代名詞だ。 
だから脱力した日本人にマッチするのかも知れない。 
発展途上国とはいえベトナムやカンボジア、ラオス、ミャンマーなどと比較すれば 
日本との関係は深く、経済発展のレベルも高い。 
金さえ積めば先進国と同じ水準の生活を維持できる。 
ただそれは見かけだけの話でタイ人のサービスは中途半端だ。 
私自身はタイ人に対して魅力を感じないが 
タイ人を愛する人の気持ちは分からないでもない。 

今がタイに行く絶好のチャンスであることは間違いないだろう。 
脱力したい人、もしくは既に脱力している人はタイに出かけたら、 
今まで生きて来た人生がバカバカしくなってしまうかも知れない。 


欧米人を崇拝する理由

2014-03-22 21:35:06 | 東南アジア事情

「日本人がアジア人を蔑視し、欧米人を崇拝するのことの元凶はメディアの扇動報道にある」と 
シンガポール人評論家が論じている。 
こういう論調は長い間言われ続けてきたもので、 
原因が報道にあるというのは多くの原因のうちのひとつでしかない。 
新しい現象が起きれば、新しい原因を論じる評論家が生まれるはずだ。 
私が関心を持ったのは、論者がシンガポール人である点だ。 
シンガポール人は「どれだけ欧米人に近いか」をフィリピン人と競うほど 
欧米人崇拝の強い国民である。 
また日本人に対しては英語能力が高いことを自慢したがる。 

シンガポールには言論の自由がなく、 
政治手法は民主主義とかけ離れている。 
国土は狭く政府は国民を監視しやすいために子ども扱いする。 
だからストレスが多くて意外と麻薬に手を出す者が少なくない。 
そしてマレーシア人などの外国人労働者をバカにして喜ぶ屈折した国民だ。 

欧米の植民地であった国は日本よりも欧米崇拝が強い。 
インドに行けば分かるはずだ。 
レストランでは欧米人の客が優先される。 
日本人の客より後から来た欧米人の客の方が早く飯にありつけるのが普通だ。 
インドは白人優先の社会なのである。 
無論、インドだけではなく白人の植民地だった国ならインドと似たり寄ったりだ。 

欧米崇拝は欧米人がそうさせたのであって 
原因を作ったのは欧米人自身だ。 
それに気が付かないシンガポール人というのは 
未来永劫、欧米崇拝の呪縛から解き放たれることはないはずである。 


欧米人を崇拝する理由

2014-03-22 21:35:06 | 東南アジア事情

「日本人がアジア人を蔑視し、欧米人を崇拝するのことの元凶はメディアの扇動報道にある」と 
シンガポール人評論家が論じている。 
こういう論調は長い間言われ続けてきたもので、 
原因が報道にあるというのは多くの原因のうちのひとつでしかない。 
新しい現象が起きれば、新しい原因を論じる評論家が生まれるはずだ。 
私が関心を持ったのは、論者がシンガポール人である点だ。 
シンガポール人は「どれだけ欧米人に近いか」をフィリピン人と競うほど 
欧米人崇拝の強い国民である。 
また日本人に対しては英語能力が高いことを自慢したがる。 

シンガポールには言論の自由がなく、 
政治手法は民主主義とかけ離れている。 
国土は狭く政府は国民を監視しやすいために子ども扱いする。 
だからストレスが多くて意外と麻薬に手を出す者が少なくない。 
そしてマレーシア人などの外国人労働者をバカにして喜ぶ屈折した国民だ。 

欧米の植民地であった国は日本よりも欧米崇拝が強い。 
インドに行けば分かるはずだ。 
レストランでは欧米人の客が優先される。 
日本人の客より後から来た欧米人の客の方が早く飯にありつけるのが普通だ。 
インドは白人優先の社会なのである。 
無論、インドだけではなく白人の植民地だった国ならインドと似たり寄ったりだ。 

欧米崇拝は欧米人がそうさせたのであって 
原因を作ったのは欧米人自身だ。 
それに気が付かないシンガポール人というのは 
未来永劫、欧米崇拝の呪縛から解き放たれることはないはずである。