uubの小屋

I also miss your small but peaceful room.
ただ今、冒険中。

Love Letter

2010年07月08日 21時36分06秒 | Letters
森のみんなにお手紙を書くと決めたときに、一番最後に書く相手は決まっていました。ようやくたどり着きました。ずいぶん時間がかかってしまったけれどこれが最後の一通です。


まゆるん、お待たせしました。わたしもずっと待っていました。やっとまゆるんにお手紙を書くことができます。最後はまゆるんだと堅く心に誓い、まゆるんを目指して書き続けてきました。なんて言ったら他の森の仲間に失礼かしら。でも、許してもらうことにします。


uubの小屋を建てたのは、今からちょうど5年前でした。5年前にこの小屋を建ててから今まで、わたしはこの小屋を通してたくさんの人と出会いました。ここで言う「出会い」には様々な意味が含まれています。そしてそれは、たとえば、ブログ上だけでやりとりをする出会いとか、ブログだけではない実際の出会いとか、やりとりも何もないけどその存在だけを知る出会いとか、そのように出会いをカテゴライズして「様々」と言っているのでもありません。言葉では言い尽くせないほどの様々な意味での出会いです。そして、わたしが経験したたくさんの出会いの、まるで集大成であるかのように、わたしはまゆるんと出会いました。


もう何度も言ってきたことですが、わたしは文章を書くことが好きです。自己表現の手段というのは数限りなくあると思うけれど、たとえば絵を描くよりも、ピアノを弾くよりも、歌を歌うよりも、体を動かすよりも、仕事をするよりも、人と話をするよりも、料理をつくるよりも、お洒落をするよりも何よりも、わたしは言葉を綴ることを選びました。それは意識的に選択したわけでもなく、いつからか自然に(なにかの成り行きで)そうなっていました。結局のところ書かずにはいられなかったのだと思います。


まゆるんは「わたし」ではなく「わたしの文章」と出会い、「わたしの書く文章から想像されるわたし」ではなく「わたしの文章」そのものを好きになってくれました。わたしという人間(文章から想像されるわたしも含めて)と関係なく、わたしの文章だけを愛してくれたのは、わたしが知る限りまゆるんが初めてでした。すごくうれしかった。


わたしはわたし自身よりも、わたしの文章のほうが信じられます。わたしとわたしの書くものとの間には修正することのできない相違があって、埋めることのできない差があります。瞬間冷凍してどちらかを永遠に残してあげようと言われたら、わたしは迷いなく自分が書いたものを選びます。わたしが書いたものが残るなら、わたし自身なんてなくて結構です。


その意味で、まゆるんとの出会いはわたしにとって、この小屋でわたしが経験したことの集大成だったのです。わたしがなくても、わたしはまゆるんと出会えたのです。そしてまゆるんは、わたしの文章が好きだということを、ありったけの思いをこめて、まゆるんの言葉でいつも伝えようとしてくれました。


まゆるん、わたしと出会ってくれてありがとう。これからもたくさんの言葉を綴っていきたいと思います。今はまだ不完全で未熟な文章だけれど、これから先もそれらをできるだけ丁寧に形作って、織りあわせていって、そしていつの日にか、一点の綻びもない物語として、まゆるんに贈ることができたらなと思っています。まゆるんがわたしに伝えようとしてくれたこと、伝えてくれたこと、全部きちんと両手に包んで、その両手で、物語を書こうと思います。


まゆるん、待たせてばかりでごめんね。でも待っていてください。