uubの小屋

I also miss your small but peaceful room.
ただ今、冒険中。

マスカルポーネさんと一緒

2010年03月28日 17時50分46秒 | Letters
森のレストランからレストラン・ヴィーノへやってきて、もうすぐ3年。今は本社勤務のわたしですが、スタートはレストラン・ヴィーノの入口でした。


マルティス君はキッチン志望のホールスタッフ。キッチン志望の人は入社から最短でも一年はホールスタッフとして働くことを義務付けられているようです。でもわたしの目からみても、マルティス君はサービスにはとんと興味がないようで(あったらごめんね)、よく叱られていました。ただ個人的には、マルティス君のすっとぼけた感じはレストランの張り詰めた緊張感の中ではほっとするところもあって(ただし、やっぱりむかつくこともある)、一年を終えて、マルティス君がキッチンに行ってしまったときには寂しい感じもいたしました。


マルティス君がキッチンへ行ってからめっぽう話をする機会が減って、という前に、顔を合わせる回数も減って、顔を合わせても何を話したらいいかわからずに素通り、というような妙な距離感もできて、ずっと一緒に仕事をしていたのに、クラス替えしてから一度も口をきいたことのない同級生みたいに、ホールのマルティス君とは違って、キッチンのマルティス君とはお互い少しよそよそしくなってしまいました。


でも本社勤務が決定してデシャップ(本来はキッチンから料理がでてくるところを指しますが、わたしにはキッチンさんとお話する場所)から顔を出したわたしに、向こう側でお皿を洗っていたキッチン・マルティス君は、ホール・マルティス君の顔をのぞかせてくれました。わたしの知っているマルティス君の一番の笑顔。


そこで、交わされたメールアドレス交換。いえーい。
前々から風の便りで知っていたことではあったのですが、そのときマルティ君から直接、もうすぐ会社を辞めるという話を聞きました。辞めたあと連絡をしたいので、と言ってくれました。いえーい。
うんうん、是非連絡して。お食事でもしよう。


そうして、マルティス君が退職したのが昨年末。


マスカルポーネさんと一緒で、いまでにうんともすんとも連絡はありません。ふん。






次の本は決まっています

2010年03月27日 22時06分50秒 | Letters
森のレストランからレストラン・ヴィーノへやってきて、もうすぐ3年。今は本社勤務のわたしですが、スタートはレストラン・ヴィーノの入口でした。


コックのマスカルポーネさんは、本が大好きです。レストラン業界に勤務する人で読書家と呼ばれる人はかなり少ないと思われますが、マスカルポーネさんは読書家です。噂では部屋中本で埋め尽くされているということです。あんなに長時間、しかもかなりの肉体労働をして、いったいいつ本を読んでいるのか検討もつきませんが、でも、読書が好きな人というのは、読書のための時間というのをなぜか作れるようで、というようりも、どちらかというと、時間のほうが勝手に読書をさせてくれるようで、その点から言っても、マスカルポーネさんはかなりの読書家だと思われます。(ちなみに、わたしはたいした読書好きではないらしく、だいたい他のことに時間を費やしてor奪われて、遅々として捗りません。)


マスカルポーネさんが読書家と聞いて、それはもう、胸が踊らないわけがない。わたし自身はたいした読書家でなくとも、本について語ることができるのは人生におけるかなりの喜びです。読書家がいると聞いたら、たとえそれが、どんなに気難しそうな人でも、シャイな人でも、うるさい人でも、話しかけないわけにはいきません。わたしはデシャップ(キッチンからお料理がでてくるところ)に身を乗り出して、マスカルポーネさんに話しかけました。「マスカルポーネさん、本が好きなんですか?」「何を読むんですか?」ワクワク質問攻め。それまであんまり口をきくことはなかったのですが、そんな過去にかまっていられません。なんといっても読書家が今ここにいるのです。わくわく。


予想をしていたことではありましたが、マスカルポーネさんとわたしの読む本をお互い紹介したところ、カテゴリー別にしても重なるところはほとんどなく、でもここがもっとも重要なのですが、このときのワクワク質問会話の中でマスカルポーネさんは言いました。「今度、うーぶさんの一番おすすめの本を貸してくださいよ」と。


わたしのことを知っている人なら、わかってくれるはずです。わたしのこの高揚感。わたしの一番おすすめの本を読みたい。!!社交辞令だろうがなんだろうが構いません。読んでみたいと思ってもらえる本を探すのが腕の見せ所だし、なお、読んでおもしろかったと思ってもらえる本を探すのが、わたしのわたしに対する挑戦なのです。挑戦には大きな興奮があります。



そうしてレストランの片隅で始まった、マスカルポーネさんとわたしの文化的交流。



以来ずっと、マスカルポーネさんは本を読み終えるたびに感想を聞かせてくれ、わたしはその感想を受けて次なるおすすめ本を探しました。数は多くないけれど、それは2年間ずっと続きました。



本社勤務が決まったとき、マスカルポーネさんは言いました。「うーぶさんからもっと本を紹介してほしいから、連絡するね。」と。そこで初めて教えてもらったメールアドレス。&、教えたメールアドレス。わくわく。



次に紹介する本はもう決まってるのに、マスカルポーネさんはまだなにひとつ連絡をくれません。ふん。






テーブルクロス

2010年03月27日 09時27分59秒 | Letters
森のレストランからレストラン・ヴィーノへやってきて、もうすぐ3年。


今は本社勤務のわたしですが、スタートはレストラン・ヴィーノの入口でした。ヴィーノは1階がワインショップ&入口で、レストランは2階にあります。わたしは1階の入口から2階のレストランへお客様をご案内します。定位置は1階と2階の小さな小さな踊り場でした。そこに立って、予約の電話をとったり、会計伝票を書いたり、上から聞えてくる声に耳を澄ませたり、外をぼーっと眺めたり、もとい。お客様がいつ来てもいいように準備万端、待機していました。


レストラン・ヴィーノはランチをやっていないのですが、そのかわり、深夜遅く、2時半まで営業しています。


なので、夕方18時の営業開始でも、お席が回転します。あ、念のためにお伝えしておくと、回転というのは、お席がコーヒーカップのようにぐるぐる回ること。ではなくて、お客様が帰ったあと、同じお席で別のお客様を案内することです。これが21時で閉店してしまうお店だったら、お席はまず回転できない。


遅い時間に予約が入っている場合、お店は席を空けなければいけません。もちろん営業開始時点からずーっと空けておけば確実なのですが、それではもったいないので、多くの場合はその前の時間に別のお客様をご案内します。一組のお客様の滞在時間はだいたい決まっているので、だいたいは余裕をもって回転できるのですが、稀に(というか、けっこう頻繁に)そうならないこともあります。あれ、まだいる。。?というような。


こういうとき、入口で最初にお客様に声をかける身としては、いたたまれません。ドキドキします。胃がキリキリします。もし空かなかったらどーしよー。。。こわいよー。。。やだよー!!という心境です。


でも少なくとも、わたしがレストラン・ヴィーノにいた2年間。マネージャーのプロセッコさんが席を間に合わせられなかったことはただの一度もありませんでした。もちろんね、予約の時間に席を用意できていないなんてあってはならないことですが、あってはならないことというのは、まあ、ありますよね。


プロセッコさんのサービスにおける時間への意識の高さは、それはもうわたしが口で説明できるレベルではないのですが、真っ白なテーブルクロスはそれを証明してくれます。


お客様が帰ったあと、もちろんテーブルの上にはまだティーカップやお茶菓子が残っています。それらのカトラリーをすべて下げて、次にテーブルクロスを替えます。やってみるとわかると思いますが、クロスをきれいにかけるのはそれなりの技術がいります。なぜかというと、「クロスをきれいにかける」というのは、「クロス」だけがきれいであればいいのではなくて、「かける」という「動作」がきれいである必要があります。結果的にクロスがきれいにかかっている状態を作ればいい、ということではないのです。


プロセッコさんのテーブルセッティング。一瞬で変わります。テーブル大変身。前にお客様がいたなんて信じられないくらいです。自分の両腕の長さよりも大きなクロスをかけるのに、ハンカチ一枚胸元からとりだしてパサッと広げて置いた、くらいの鮮やかさです。


時間が、とまるんです。いや、ほんとに。


あのテーブルクロスが入れ替わる(というか、変身に見える)瞬間に、わたしはいつもプロセッコさんだけが意識できる「時間の幅」を見ていたように思います。







前任者はスーパーヴィーノ

2010年03月26日 00時30分31秒 | Letters
森のレストランからレストラン・ヴィーノへやってきて、もうすぐ3年。



シャルドネちゃんとは3ヶ月間、一緒に仕事をしました。わたしがレストラン・ヴィーノから本社のヴィーノ社へ転籍したとき、わたしはシャルドネちゃんから仕事を引き継ぐ形となりました。今、わたしがしている仕事のほとんどは、シャルドネちゃんから教えてもらったことです。



シャルドネちゃんは、おうちの事情と体調の事情で会社を辞めざるを得なかったのですが、ヴィーノ社をとてもとても愛していました。ヴィーノ社で働く人たちをとてもとても尊敬して、みんなのために仕事をしようと一生懸命になれる人でした。



会社をとても愛していること。



他の何ものにも変えがたい大きな才能だとわたしは思います。様々な事情があって、わたしがシャルドネちゃんの後任を引き受けていますが、10ヶ月経った今でもシャルドネちゃんの能力にはてんで及びもつきません。シャルドネちゃんの後任を名乗るのが恥ずかしいです。



もっと一緒に仕事したかった。





引っ越しはまだ先

2010年03月25日 07時51分59秒 | 日記
森のみんなにお手紙を書き始めてなんとまあ、半年が経ちました。気がついてみれば83通。3ヶ月くらいで全員に書き終わる予定だったのに、いっこうに終わりません。まだまだ書きたい人がたくさんいます。手紙を書き終わってからこの小屋を引っ越そうと思っているので、もう少し時間がかかりそうです。


空が青く見えないと言いました。あれからずっと空は青く見えません。感情もあまり安定しないし、今目の前にある風景も不確かです。手紙を書くのも思うように行かなくて、書きたいのに、なにもできません。


今の仕事を始めたばかりの頃、この仕事に慣れるのには、「魂を入れ替えて生まれ変わらないと無理です。」と書いたのですが、日が経つにつれてますます確信は強くなるばかりです。楽しいことはひとつもありません。




今日も、何も書けないまま時間になってしまいました。いってきます。








また、会おうね

2010年03月21日 16時31分12秒 | Letters
これまでアルバイトも含めて、いろんな仕事をしてきました。いろんな仕事をしたということは、つまりは、いろんな人たちと一緒に働いたということでもあります。
それぞれの人たちとの間には、それぞれの記憶があって、それぞれの意味があります。


だだちゃ豆ちゃん(本名:だだちゃ豆のアイスクリーム)は、わたしのことをとても慕っているとわたしに思わせてくれました。彼女の出勤時間はいつもわたしより遅いのですが、森のレストランに出勤してきてわたしの顔を見ると、すごく嬉しそうな顔をしてとことこ小走りで近寄ってきて、今日もuubさんに会えて嬉しいです。と、必ず言いました。言われるたびにわたしは「そんな嘘はいいから、はやく着替えてきなさい」と言いました。だだちゃ豆ちゃんは「嘘じゃないですー」と悲しそうな声を出しますが、わたしは、はいはい、とあしらうだけ。「わかったから早く着替えてきてよ。忙しくて大変なのっ。」と逆ギレ。でも健気なだだちゃ豆ちゃんは「はい!すぐに着替えてきます!」と、元気な返事で更衣室へと駆けていきます。毎回飽きもせず、同じやりとりを繰り返していました。


しかし、だだちゃ豆ちゃんはどうかわかりませんが、わたしの本音は違います。


だだちゃ豆ちゃんに会うたびに「会えて嬉しいです」と言われて、わたしはウハウハでした。やったぜ。わたし、愛されてる、うほーい。と心中では舞い上がっておりました。彼女のハートはわたしのもの♪ くらいに思い上がっていました。思いあがっている自分が恥ずかしかったので、上述の態度を崩さなかったのです。守り通したのです。だってどう考えても、うほーい、なんて頭悪そうだし。



でも、そろそろいいでしょうか。





だだちゃ豆ちゃん。





わたしもだだちゃ豆ちゃんに会うたびに、いつもとても嬉しかったです。
わたしに会えて嬉しいと言ってくれて、本当に嬉しかったです。




また、会おうね。







いえい。

2010年03月16日 23時48分44秒 | Letters
これまでアルバイトも含めて、いろんな仕事をしてきました。いろんな仕事をしたということは、つまりは、いろんな人たちと一緒に働いたということでもあります。
それぞれの人たちとの間には、それぞれの記憶があって、それぞれの意味があります。


わたしの家には、冷蔵庫も、包丁も、まな板も、フライパンも、鍋も、塩も、砂糖も、醤油も、お茶碗も、お箸もなくて、ヤカンしかないと言うと、多くの人に驚かれました。そしてたまに注意も受けました。




「だめっすよー、uubさん。」そう言ったのは、当時森のレストランの若きホープ、れんと君。




誰に言われてもてんで気にしなかったのに、れんと君に言われたらちょっとしょんぼりしました。






あれから2年が経ちました。







ちょっと、だめじゃなくなりました。






得意料理はお味噌汁です。いえい。







もうすぐそこ

2010年03月14日 22時54分19秒 | Letters
これまでアルバイトも含めて、いろんな仕事をしてきました。いろんな仕事をしたということは、つまりは、いろんな人たちと一緒に働いたということでもあります。
それぞれの人たちとの間には、それぞれの記憶があって、それぞれの意味があります。


なんとまあ、今頃気がついてごめんなさい。ゆきちゅちゃん。
ゆきちゅちゃんに、森の仲間名をまだつけていなかったなんて。とんだ失態でございます。森の行政システムの欠陥です。管理不行き届きです。



でももう決まっています。ゆきちゅちゃんのお名前は、もちろん、これしかない。





命名。桜アイスちゃん。(本名:桜のアイスクリーム)





季節限定の人気メニュー。会いたいのに、会えない。でも会ったら即座に一目惚れ。メニューに名前を見つけた瞬間、誰もが一瞬にして Fall in love.
だって、桜のアイスクリームですもの。





もう、すぐそこだね。桜アイスちゃんの季節。はやく会いたいです。








ようこそ、森のレストランへ

2010年03月14日 10時00分07秒 | Letters
これまでアルバイトも含めて、いろんな仕事をしてきました。いろんな仕事をしたということは、つまりは、いろんな人たちと一緒に働いたということでもあります。
それぞれの人たちとの間には、それぞれの記憶があって、それぞれの意味があります。


ワインクーラーちゃんと、テキーラ君と、マイタイちゃんは、タイチー君の紹介で森のレストランにやってきました。

あ、ワインクーラーって、



↓こっち、じゃなくて




   ↓こっちね。キュートなほう。





タイチー君に引き連られてやってきた3人は、個室「牡丹」でお食事。
その日の牡丹担当は、アライグマうーぶ。




お盆に乗せて持ってきたお料理を、ひとりずつ、席を回って、目の前に配膳。
お座敷なので、立ったり、座ったり。しかも身体ひとつ入るか入らないかの狭いスペース。




「うーぶさん、いつもこうやって接客してるんですか?」尋ねたのはタイチー君。「そうだよ。なんで?」「すごいっすね。俺いつも、そんなふうにはしてないです。」「あら、そう?」




そんけーな眼差しのタイチー君。
タイチー君につられて、そんけーな眼差しになってしまったお友達3人。
ちょっと得意げなうーぶ。えへん。








えっと、今さらですが。









嘘です。いつもより若干張り切りました。だって、スタッフ全然足りなくて困ってたんだもん。









ようこそ、森のレストランへ。ばんざい。













2010年03月09日 23時17分05秒 | Letters
これまでアルバイトも含めて、いろんな仕事をしてきました。いろんな仕事をしたということは、つまりは、いろんな人たちと一緒に働いたということでもあります。
それぞれの人たちとの間には、それぞれの記憶があって、それぞれの意味があります。


スタッフにもいろんな人がいるように、お客様にもいろんな人がいます。


森のレストランは靴を脱いであがるお店です。そしてお客様の靴はすべて入口で預かっています。ここで間違えてはいけないのは「預かっている」ということです。たとえばお客様に靴箱に入れてもらって鍵はそれぞれにお持ちいただく、ということではないのです。すべて「預かって」いるのです。お客様には番号札も、何も渡ししません。どの席のお客様の靴かというのは、すべて店側で把握します。
「靴を脱いでお上がりください。脱いだ靴はそのままでけっこうです。」以上。
130席あるお店のシステムとしてわたしは決して正しいとは思いませんが(大変なので)、まあ、そうなっていたのです。


預かった靴は、お客様が帰る際に玄関の三和土にそろえて並べます。もちろん、お客様を入口で待たせたりしないように、お客様が入口に到着する前に並べておくようにします。


大半のお客様の反応は「すごい。靴がちゃんとでてる。」という喜びの声。たまに「どうしてわかるんだろう」と手品でも見たような気分になって喜んでくれる方もいます。




でも、逆もあります。




「あ、靴がでてる。早く帰れって言われてるよ」と。




まあ、若干ひねくれているとは思いますが、なるほど、という気もします。そういう捉え方もできるのかと。自分が思いつかない捉え方を知るのは、ひとつの勉強です。



でもその話を聞いたアボガドちゃん(本名:鮪とアボガドの山葵マヨネーズ和え)は、驚いて、そしてとても悲しそうな顔をしました。小さな体の中で切なさが膨らんでいくように見えました。



アボガドちゃんは、自分がお客様だったら、靴が出されていたら嬉しいのでしょう。ちゃんと準備をしてくれてありがとうと、お店に人に感謝するのでしょう。そして自分がスタッフだったら、お客様の靴を出すときには、お客様のために一生懸命になれるのでしょう。たかが靴を出すだけじゃないかと思われるかもしれませんが、少なくとも森のレストランにおいてお客様の靴を管理するのは、かなりハードな仕事なのです。



わたしは、靴を揃えて出しておいたことによって、お客様が喜ぼうが、嫌味に捉えられようが、まあ、どちらでもよかったのです。もちろん喜んでもらえたほうがいいには違いないけれど、嫌味に捉える少数の人のために靴を出さないわけにはいかないので、どっちにしても靴は出すのです。お客様に喜んでもらえるかそうでないかは、この場合、わたしの能力や裁量が及ぶ範囲ではありません。とにかく靴はきれいにそろえて出すのです。

わたしは、お客様のためではなく、わたしの仕事のために一生懸命でした。悪いとは思ってないけれど、まあでもね。お客様のために一生懸命になってくれるアボガドちゃんのほうがかわいいよね。



アボガドちゃんの切なさで膨らんだちっちゃな背中が、わたしには今もとっても愛らしいです。






サンキュー。

2010年03月09日 23時03分14秒 | Letters
これまでアルバイトも含めて、いろんな仕事をしてきました。いろんな仕事をしたということは、つまりは、いろんな人たちと一緒に働いたということでもあります。
それぞれの人たちとの間には、それぞれの記憶があって、それぞれの意味があります。


森のレストランで働いていたとき、わたしはたった一度だけ、一緒に働いていた仲間に対して怒ったことがあります。それは「なんで」とか「どうして」とか、不満を伴う怒りではありません。注意でもありません。正真正銘100パーセントの怒りです。


相手が誰かは言いません。詳細も省きます。でもわたしは烈火のごとく怒りました。ふざけるな。帰れ。


怒鳴ったわたしにその人は謝りました。まさかわたしが怒るとは思っていなかったのか、怒られるにしてもまさか帰れと言われるとは思わなかったのか、とってもしょんぼりしています。そんなの知りません。いま、あなたのしょんぼりなんて痛くも痒くもありません。泣きだしそうな顔をしているその人にわたしは言いました。いったい誰に謝っているんだと。何に対して謝っているのだと。そもそもなぜ、謝るのかと。怒られたから謝ってるなら意味なんてない。答えられないなら謝らなくて結構。そんなくだらない謝罪は聞きたくもない。今すぐ出てけ。そう言いました。



今思い返しても言い過ぎだとは思いません。もっと言ってやればよかったです。本当に許せなかったのです。



全員がまじめに働いています。たったひとりその人の悪ふざけのために全員の努力が無駄になることをその人はしたのです。許せるはずがありません。一緒に働いているスタッフに100パーセントの怒りで怒ったことは、あとにも先にもあの一回だけです。



わたしはあのときの怒りを、今もとても大事にしています。





だから君に言いたいことは、お礼です。サンキュー。でももう、しちゃだめだよ。