17歳の女の子は記憶の中にいる。
僕が17歳だった頃、おそらく同世代の17歳の女の子は、
自分自身が17歳の女の子であることにうまく馴染めずにいて、
とっととオトナの女になりたいなあ、と思っていたに違いないし、
僕も17歳の女の子が17歳の女の子であることにうまく馴染めなかった気がする。
つまり、17歳の女の子とは、カタチのない女の子と言えばいいのだろうか。
でもね、30歳にも近くなり、当時17歳だった女の子に会う機会があると、
そう言われてみれば、見かけや、服装、しゃべる言葉が多少変わっていても、
その背景にある根底的な風景というのはあまり変わらない気がする。
ようするに、彼女の背後にある17歳の女の子が透けて見える。
ただ、時々、それが大きく変容している人もいて、
背後に見える風景の中に、めらめらと亡霊のようなものが立っている人もあり、
いったい彼女に、何が起こったのだろうか!?
と思わないでもないが、
おそらくそういったことは、
僕には知る由も無い。
最初からそこにいたのかもしれないし、
後からそこに住み着いたのかもしれない。
そんな人に会ったときには、
はじめまして。と挨拶するのが相応しい気がする。
はじめまして。あなたはだあれ?