歌猫Blog跡地

漫画「鋼の錬金術師」と荒川弘について語るブログ。更新終了しました。

先月のガンガン。とっても今更ネタバレ感想。

2007年11月09日 | ◆新刊読んだ!
い、今更感想です…。先月のガンガン。
2008年4月発売予定鋼の錬金術師19巻収録予定雑誌ネタバレ含みます。
第76話「人の形 石の形」

兵の雑嚢とか、階段の角に吹き溜まった雪とか、木箱の縁の板は少し厚みがあるのだとか、よく描き込まれているよねえ。こういうのが「画面の空気」を作っているんだなあって思う。
荒川先生はすっきりした絵なのに、こういう背景は細かい。なにしろ描くことがお好きなんだなあ。
そして人工物が好き。それもちょっと古びた。コンクリ階段の角の欠けを、ここまで自然に描き込んじゃう人ってあんまいないんじゃなかろうか。
鉄とコンクリと木の質感の違い。上手いよなあ。
服の布は、厚いと薄いしか書き分けないのにさ(笑)。

さて。
えっと。まずは、ひっかかったとこ。

「先回りだ 竪坑近くに狙撃のポジションを確保する」
から
「いるんでしょう?鋼の錬金術師」「呼んだか」
の場面転換。
Blauer×Himmelで、ともえあや様もご指摘でしたが、
>いるもなにも、そばにいたじゃん、
そ。前のページで、キンブリーのすぐ後ろにいる。

つまり、ページめくりの間に、キンブリー隊とマイルズ隊は分かれ、そしてエドはキンブリー隊と距離をおきつつ後ろをついて来ていたわけですね。
こういう「読者の好意的な補完に寄り掛かった」描写って、荒川先生には非常に珍しい。
荒川先生は、距離の移動や時間経過はあまり描かない方ですが、人物の位置については綿密に計算なさいます。
ここは距離や時間ではなく、人物の配置の描写不足。
ゆえに、今月のページ数の少なさが、気になるのですよ…。
とか書いてたら、先生が入院…!すみません、この記事、書きかけのまま3週間ほったらかしだったので、感想に時差があります;

えっと。自分語りで恐縮ですが。
今まで、ひっかかったとこを書くのって、意識して避けてました。だって面白いとこ上手いとこ感動したとこをきゃあきゃあ書いてるのの方が、読んでて楽しいじゃない?
それにね、ひっかかったとこを書くと、そこばかり目が行って、私の心に満ちた「好き」の度合いが減っちゃう恐さがあった。以前好きだった作家さんも、粗もいっぱいあって、でも一生懸命キレイなとこしか見ないようにして盛り上がってた。
けどさ。
私、自信がついたの。
ひっかかったとこ、拙いとこ、足りないとこ。そういうところに目を向けても、そしてそれを口に出して言っちゃっても、それでも私の荒川弘を「好き」が、減じることは無いって。
読む人には、楽しく無いかも。ごめんね。
でもね、何よりも、そんなもんで揺らぐよーな荒川弘じゃないでしょ?だって荒川弘は、もんのすげー!んだもの!!!

とゆー訳で、うわあヤられたっっっ!なエド串刺しシーン。
これさあ、ほんっと上手いよね!絶対これ、この回を描きながら考えたんじゃなくて、前々からこうしてやろう、って計画してたよね!!

そんで、事前に、キメラ戦で一度落として。
あ、話ずれるけどさ、このゴリラキメラがパイプに片手でぶら下がっている絵。この空中感、本人のラクさが実に上手い! 絵だけでゴリラってわかる。うまいなあ!

けどさあ。ゴリラにしろライオンにしろ、基本ヨーロッパ気候のアメストリスにはいないんじゃないの?
外国まで行って捕まえてきたワケ?お父様?
てかそんな貴重な動物をキメラ化してんじゃないよー!
あっ、そうか貴重な動物だから寒さとかで弱ったところを「もったいないから有効利用~♪」とキメラにしてみちゃったりとか?お父様にしてみりゃヒトも獣も同じ虫けらだもんなあ。
にしても生け捕りしてきたってことは動物園とかあるってこと?アル好きそう~!
それから、ジャングル探検する兄さん・19世紀探検隊風コスプレ・とか想像して萌えた。似合ってる~♪

話を戻して戻して。
えーと。そう、エドを一度落として、「背ぇ縮む~!」ってギャグかましておいて。
で、もっかい落とす。キンブリで。
この「貴方の敗因です」とかゆってるキンブリの顔が、イイよー!
そして爆発。
対キンブリーだからタダでは済まないだろうと緊張してるけど、キメラ達が「ひでえ俺たちまで」って言ってるし、エドもすぐ気付いて「いでで・・・」とか言ってるし、まだ第一ラウンドだと読者は気を抜くのよ。けど背景でズズン、って鉄柱落ちててちゃんと前フリ説明してんのよ!
で。
え?とエドのとまどいと同期させ、読者の理解を待たずに、ページをめくる。
エドの、串刺し。

ぎゃああああーーーー!!

こっ、これは上手いわっ!
マンガとゆーメディアでしかない「ぺージめくり」と「絵のインパクト」!もう、この上手さ、騙された快感、ついに主人公ピンチ!そしてアルも!!ぎゃーやってくれるぜ荒川ッ!と、初読から興奮にほっぺたニヤニヤで読んでしまいました。<酷いヤツ!

どーなるのかしらどーなるのかしら、次号。
再び扉をくぐるのかしら。
エドの魂が引っ張られて、真理くんが手を差し伸べて。
でもそこで、アルが、エドと真理くんの間に立ちはだかったりするのかしら?
アル真理くんじゃなくて、鎧の中の魂が具現化した、健康な少年のアルが。
エドからは背中しか見えなくて、その背中に「何やってるんだ兄さん!」って叱咤されて、エドの意識が戻るのかしら。
そんで間近に、キンブリの手から弾き落とした賢者の石が落ちてて、「お前こそ、そんな所で何やってるんだ、アル…」とか言って、その賢者の石を使っちゃうのかしら?
で、傷を治したはいいけど弱りまくりのエドんとこにキンブリが降りて来て、またちょー嫌味でカッコイイ苛めっ子台詞を言うのかしらー!キャー!
はい。
妄想タイム終了ー!

「あざとさ」で行くなら、生殺しもありえますね!
セントラルに舞台を移して、マスタングに「ところで君は、人体錬成に興味はあるかね?」と聞くブラッドレイとかね!なぜか抜き身の刀を右手にね!そんでその斜め後ろに紅茶のお盆持ったまま立ち尽くす補佐官ホークアイとかね!!(はいはい、妄想タイム終了だってば)

そんで19巻終了だったら、すげー鬼畜だわ!さすが牛!鬼牛!
でも荒川先生はやさしいから、単行本をまたいで主人公死にかけ、ってことは無いでしょう。だって荒川先生はちみっこの味方だもん。子供の頃、次の単行本が出るまでやきもきやきもきした気持ちを、忘れてない方だもん。

あー、こんなに次号が心配な回って無いわ…。
エドの命はもちろんのこと、運命が物語が、どう動くのか心配。
そして漫画のキレは、絵の質は、ページ数は、何よりちゃんと掲載されるのか、心配…!


今月の余所様ネタ二つ。
あちこちのブログでアップされたMC様のハロウィンカードに笑いました!
左脇腹に血みどろ仲間~(笑) そーかロイエド的には同じ場所に傷痕舐めなめ(<こら)な萌えシチュだけど、スカちんもキンちゃんもスカ兄ちゃんもおそろい♪なのね~(笑)

あと、右手の錬成陣破って油断したとこをやられるって焔対鋼(外伝「軍部祭り」)と同じじゃん成長してないなエド、っての。ほんとだー!(笑) いやでも、そのすぐ騙される短絡で甘ちゃんでお子様なトコがまた、いいのよ~vvv


さて。次号は週明け月曜日。
あー…私、早売りは、手に入れらんないのよね~…。あああ、気になる気になる。
今日(金曜)の夕方じゃいくらなんでもまだ出てないよねえ。
ううう、今週末はネッ禁だわ。いや文字バレでも見たい?いやいや、ネッ禁。

息を吸って、止めて。
月曜に大音量で叫ぶ準備をしておきますです…。

あ、でも、今、叫んどく。
鋼の錬金術師は超絶最高面白いぜ大好きだーーーーーッ!!!!!



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5 コメント

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なぜ、傷はみんな左下腹部 ()
2007-11-09 21:18:35
こんばんは
3週間?溜め込んだ鋼への愛がイッキに吹き出したみたいな感想で、実に読みごたえありました。
エドの傷…マンガを読んだ途端思ったのは「キンブリーと一緒だ!」で、ロイとスカーの兄者も一緒と言うのを、歌猫さまの感想を読むまで気がつきませんでした。(特にロイは腹部にでっかい火傷痕…というのしか頭に残ってなかったもんで…)
あらためて傷の場所について考えてみたのですが、みんな左下腹部というのは、もちろん偶然ではなくて、ちゃんと荒川先生が考えての事なのでしょうね。
「大きなケガだが『即死』にはならず、なんらかの行動ができる」、ここがポイントなのかも…
胸部貫通ではアニメのように即死になってしまうし、腹部でも上部や右下腹部は重要な臓器(肝臓とか)がある…こう考えると左下腹部しかふさわしい(?)場所はないような気がします。
瀕死の重傷ながら、弟の腕を練成した兄者。
焔の錬金術で自分とハボックさんの傷を焼いて応急処置し、戦いに復活したロイ。
串刺しにされながら錬金術で列車の連結部を壊して、スカーから逃れたキンブリー。
そしてエドはどんな行動をとるのか?
今まで、あんまり深く考えていませんでしたが、『ケガを治す』というのは「人体錬成=禁忌」ではなく普通の錬金術で可能なんですよね?
メイちゃんがスカーの傷を治したり、入れ歯の医者がキンブリーの傷を治したり(賢者の石で能力の底上げをしているとはいえ)してますが…どうなんでしょう、エドはできるのかしら?
歌猫様の想像のように
>エドの魂が引っ張られて、真理くんが手を差し伸べて。
>でもそこで、アルが、エドと真理くんの間に立ちはだかった>りするのかしら?
>アル真理くんじゃなくて、鎧の中の魂が具現化した、健康な少年のアルが。
>エドからは背中しか見えなくて、その背中に「何やってるんだ兄さん!」って叱咤されて、エドの意識が戻るのかしら。

だったら、兄弟ファンの私としては最高に『萌え!』な展開なんですが…(苦笑)
そうそう簡単に扉を開いたり行ったり来たりはしそうにないので、どんな展開になるのか、ワクワクどきどきジリジリ…早く明日になってほしいです(うちは早売り地区なので)
では、歌猫様の12日の叫びを、今から楽しみに待っています。
返信する
コメントありがとうございます。 (歌猫)
2007-11-10 08:16:13
順様こんにちは!
傷の位置。記事ん中、右と左間違えてる~!うわ、恥ずかしい。ええ、左下腹部。今直しました///
確かに肝臓の位置からして、左腹部のが致命傷になりにくいかもですね。人体構造図とかばっちり見てそうだものなあ牛様(笑)
エドはその気になれば怪我を治すくらいやっちゃえそうな気がします。
でもキンブリと同じ位置にぶっ刺し傷、という点を考えると、治療はキンブリがやる可能性もありますよね。自分が受けた治療の見よう見真似で。人柱死なせたら「世界が変わる様」が見れない訳だし。
でも専門外だし、戦闘力復活させたら面倒だしで、中途半端にしか治療しなさそう。そんで血みどろエドを肩にかついで竪坑から出てくるキンブリ。それを見て驚愕するマイルズ。「死にはしませんよ。しかしこれでは砦に帰った方がよさそうですね」とかゆって、「ああ、アルフォンス君たちはここに留まってスカー探索を続けてください。その方が貴方達にとっても都合がいいでしょう?」とかゆっちゃうのよキンブリが!偽アルと知った上でそこには触れず足止め。きゃーキンブリイジワルかっこいー!そしてブリッグズ要塞戻ると、機密のはずの戦車がずらりと並んでいる。そう、ドラクマ戦の準備がすでに始まっていたのだ…!じゃじゃじゃーん!
いやだから妄想ストップだってば自分!(笑)
順様はもう、ガンガンを手にされるのですよね。あああ、羨ましいです!
ええ、叫びますよ12日。叫べるよう、まずは無事に掲載されていることを祈ってます…。
コメントありがとうございました!
返信する
鋼は最近はまりました (あおやぎ)
2007-11-10 20:37:56
はじめまして。
私の周囲には、感動を共感できるような相手がいないので、雑誌発売の後にここのネタバレブログを読むのを楽しみにしています。また、他の雑誌への掲載情報なども興味深く拝見しています。私はここのブログが一番好きです。ぜひ連載が終了するまで続けていただきたいな、と思っています。
私は同人活動や漫画の萌え語りに参加したことがなかったのですが、こういったブログを見ているときは、少しだけ仲間に入れてもらっている気持ちになっています。
先の展開を予想したり、本編に感動したり、こういうのは楽しいですね。
返信する
待ってました! (sengen412)
2007-11-10 21:14:02
ネタバレ感想、お待ちしてました!
あの、最後の4ページで、もう何もかも「持っていかれた」感の第76話をどう料理なさるのか、興味津々でお待ちしてました。

>マンガとゆーメディアでしかない「ぺージめくり」と「絵のインパクト」!もう、この上手さ、騙された快感、ついに主人公ピンチ!そしてアルも!!ぎゃーやってくれるぜ荒川ッ!

いや、もう私も何回このシーンを読み返したことか!
エド、思い切り痛そうなのに、その効果の妙味に私もうなりました。マンガ夜話で、第1話の「歌舞伎的大見得切り的主人公名乗りシーン」での演出の巧さに、夏目さんが言及されていましたが、ここもまさに、ですよね。
 料理は素材の良さも大切だけれど、料理人の技術も同じくらい大切、なんていうのは、『おいしい関係』でも言っていたけど、これはもう、創作現場のすべてのものに当てはまるわけで。マンガなんて、一人で映画作っているみたいなものなんだから、描き手の巧拙がよりはっきり出るものだと思います。
 荒川先生は、本当に見せ方がお上手! そして、無理がないんですね。ごく自然に読み手を誘って、そしてしっかり裏切るんです。あの、「いでで…」とつぶやいているエドからは、致命傷を負っているとはまったく予想できません。でも、最初一滴ポタって落ちて、口からあふれてきて「あれ?」みたいな表情から、もう、それが抑えられなくなって思わず振り返って自分の体の状態を確認したエドの驚愕の表情、に続いて、「めくったら串刺し」!ですもの。たまりませんね。
 そしてアル。アルはやっぱりエドとリンクしているから、エドが何とかなってしまうと、消えちゃうんでしょうか? いやいや、それはありえないか。だって、今までだって、エド、相当危ないことしていて意識を失っていたりしたけど(第5研究所事件」とか)、アル、大丈夫でしたし。
 と、歌猫さまほど大量、かつ豊かではないけれど、私も今回いろいろと「エド救出展開」を妄想してしまいました。
 にしても、先日見た凄腕マンガ編集者に言わせると、傑作マンガは、
 「訳分からないことをおもしろく」
 「(読者の予想を)裏切りながら安心させる」
 「読者は、(登場人物、特に主人公の)何を考えているかわからない複雑な表情に魅力を感じる」
 
だそうですから、これって、みんな『鋼』に当てはまるな、と思った次第です。エドは、とっても感情が顔に表れやすいし、その感情の動きは素直でまっとうですけど、でもまったくの「まじめないい子ちゃん」では絶対なく、悪だくみや喧嘩早さやその頭の回転の速さと奇想天外な発想力で、まぁ、次に何しでかすか分からない目の離せないガキ、と言う感じで、そこがまた魅力ですよね。絶対的ピンチの今回も自力で何とかしてくれるのかな???
 さて、私もまだ最新号は手にしておりませんが、これからネタバレ感想サイトさまのところへ行ってきます。いや、読まない方がいいんだろうけど、「でも、待てない!」んです。それに、多少展開を知っていたって、荒川先生のマンガは充分に楽しめますので、いいんです!(←単なる我慢のなさ、とも・笑) 
 それではまた、近々の最新号感想も楽しみにしております。
返信する
コメントありがとうございます。 (歌猫)
2007-11-12 04:53:12
あおやぎ様、はじましてこんにちは!
最近はまられたのですか!それはおめでとうございます!
そして、一番好きだなんて、そんな、勿体無いお言葉です…。でもすごく嬉しい!!ありがとうございます!
ブログはもちろん、連載が終了するまで、そして単行本が刊行完了するまで続けます。お任せください!(笑)
マンガの楽しみ方はすごく多様で、同人的楽しみや展開予想もその一つ。私も色々なブログで楽しみ方を教えていただき、ますます鋼が面白くなりました♪私のブログもあおやぎ様にとって、鋼を楽しむ一助になりましたら幸いです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします!

sengen412様こんにちは!
こーんなギリギリですのにお待ちくださってて、ありがとうございます!
いやー持っていかれましたね最後の4ページ!しかし先月も持ってかれたし先々月ももってかれたしその前も持ってかれております!ここ最近の鋼のノリは神がかりだ…!!!
凄腕編集者さんの番組は、今夜(明日?)の再放送で見る予定。もー語りそう語りそうと今からワクワク(笑)
さて!時刻になりました。コンビニ突撃行ってまいります!あのバイト君だったらきっと顔覚えられてるんだろーなーだが気にしないのだウハハハハ<何?
ではではまた!
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