Comuni nel vino コムーニ・ネル・ヴィーノ
Stefania Barbot
De'Gaeta
RaRo
まずは大変素晴らしいオーガナイスに久々に、ほう、と思った。
何をするにも時間は過ぎる。そこで、忙しいか忙しくないか、自ら進んでかそうでないか、そこに支払いが生じているか生じていないかなど別にしても1日の幾らかの時間を割いいているわけである。その時間を気持ちよく過ごせるかそうでないか。さらにその時間が有意義であればなお良いが、気持ちの良い時間を過ごせないと悲しく思う。
今回の、ヴィンチェンツォ・メルクーリオ氏と非常に素晴らしい女性であるモニカのオーガナイズによる試飲会は、それは気持ちの良いものだった。
ゆったり空間の取られている部屋にはすでにきちんと全てが揃っていた。
各テーブルにファイルが置かれ、とてもオシャレだったのは、各テーブルでファイルの色が変えてあること。一体何色あっただろうか。中にはきちんとファイルされたインフォメーション、メモ用紙、ボールペンがきれいに入っていた。日本では当たり前かもしれないが、イタリアの試飲会でこれだけこまやかな心使いがあるのは非常に珍しい。
グラスもきちんと置かれ、シートにはちゃんとワインの名前、ヴィンテージが印刷され、ワンプレートが出ることになっているので、ナイフ、フォークもナフキンに綺麗に包まれてセットされていた。
パンまでが非常に綺麗に並べてある。
高級レストランに行くわけでもなく、招待された一試飲会なのであるが、完璧とも言えるサービスは、久々に心から気持ちが良かった。
実は少し前のある試飲会で、全く逆の経験をした。
決して安くはない試飲会なのだが、黒い紙のテーブルクロスはホテルのものなので仕方ないとして、グラスの下に敷かれているシートは赤い紙の市販品で、これではワインの色も見れない。しばらくして白い紙ナフキンが数枚あるのに気がついたが、人のところまで手を伸ばさないと取れない。
グラスに注ぐワインも、右に注ぐ人がいるかと思うと左の人もいて、どのワインがどうとかこうとか、オーガナイズしている人が声を張り上げている。
当然紙の1枚も、ペンの1本もなく、自分で紙を持ってきていなければメモも取れない。
せめて、グラスの下のシートくらい赤ではなく白いものを用意してくれれば、メモ用紙がなくても直接書き込めるのに。
タダならともかく。。。。と、かなり気持ちの良くない試飲会であった。
さて、試飲会は「コムーニ・ネル・ヴィーノComuni nel vino」という名の醸造家ヴィンチェンツォ・メルクーリオ氏率いるグループのローマでの初のお披露目会だった。
南のバローロとも言われるアリアニコを使ったワイン「タウラージ」を生産している地域が、カンパーニア州はイルピーニアにある。ちなみにタウラージはDOCGである。
ちょっとややこしいのだが、イルピーニアDOPの中に「カンピ・タウラジー二」という名称の地域限定のワインがあり、今回はそのワインに焦点を当ててのお披露目。
同じイルピーニアの地域の中ではあるが、3つの別なコムーネ(町)の3つのワイナリーが一緒になってグループを作り、メルクーリオ氏に率いられて、一つの製造所で、テリトリーの違い、テロワールの違いを反映しながらワインを造る。数千本からせいぜい1万本を超えるかという生産者にとって、それぞれが別々に施設を持つより、一つの施設で共同で造る方が良いという判断である。刺激しあい、情報交換もできるので、確かに結果を生むと思う。
3つのワイナリーはどれもまだ若い。また全て現在ビオに転換中である。
Stefania Barbot は、グループの中で紅1点。パテルノポリで、夫婦でワインを造っている。標高は420-465mと結構高い。50年以上の樹齢のぶどう畑を徐々に新しく改良している。
De’Gaeta は、兄弟の経営で、カステルヴェテレ・スル・カローレ。490mの標高とかなり高い。2ヘクタールと畑は小さく、2009年から始動、2012年の畑もあり、まだワイナリー、畑ともかなり若い。
RaRo は、30年来の友人の二人が始めた、一人はカンパーニア州でワイナリーを持っているファミリーの一員、もう一人はソムリエ。モンテマラーノで、標高はさらに高く、645mにもなる。
それぞれのカンピ・タウラジーニの2013年とアンテプリマで2014年、合計6種を試飲。
Raro Irpinia Campi Taurasini アリアニコ 100% ステンレスタンクでの発酵と熟成。
De’Gaeta Irpinia Campi Taurasini アリアニコ 100% 1本あたり1,1kgというかなり少量の収穫。21日の長いマセレーション。2013年はトノー、2014年はステンレスでの発酵。熟成はステンレスで12ヶ月。
Stefania Barbot Irpinia Campi Taurasini ION アリアニコ 100% マセレーションは20日。発酵、熟成ともステンレス。
あいにく風邪をひいていて、香りはかなり困難で残念。
色は、ラーロのものがわずかだけ薄めだが、どれもかなり濃いしっかりした、深みのある色合い。ラーロのものが一番シンプルで飲みやすく、デ・ガエータのものはフレッシュさがある上、タンニンがしっかりしていてインパクトが強く、フィニッシュにはタンニンの渋みが残る。バルボットのものは、タンニンがしっかりしているが丸みを帯びていて、非常にバランスが良い。
同じ醸造家の指導の元に同じように造っているというものの、やはり違うテロワール、「コムーネ」が反映され、三者三様。どのワイナリーもまだ若く、ぶどうの木も大半が若く、徐々に安定した生産ができるようになってくるとさらに乗ってくるように思う。
ワンプレートもホテルのレストランのシェフが腕をふるったもので、大変美味。
Stefania Barbot
De'Gaeta
RaRo
まずは大変素晴らしいオーガナイスに久々に、ほう、と思った。
何をするにも時間は過ぎる。そこで、忙しいか忙しくないか、自ら進んでかそうでないか、そこに支払いが生じているか生じていないかなど別にしても1日の幾らかの時間を割いいているわけである。その時間を気持ちよく過ごせるかそうでないか。さらにその時間が有意義であればなお良いが、気持ちの良い時間を過ごせないと悲しく思う。
今回の、ヴィンチェンツォ・メルクーリオ氏と非常に素晴らしい女性であるモニカのオーガナイズによる試飲会は、それは気持ちの良いものだった。
ゆったり空間の取られている部屋にはすでにきちんと全てが揃っていた。
各テーブルにファイルが置かれ、とてもオシャレだったのは、各テーブルでファイルの色が変えてあること。一体何色あっただろうか。中にはきちんとファイルされたインフォメーション、メモ用紙、ボールペンがきれいに入っていた。日本では当たり前かもしれないが、イタリアの試飲会でこれだけこまやかな心使いがあるのは非常に珍しい。
グラスもきちんと置かれ、シートにはちゃんとワインの名前、ヴィンテージが印刷され、ワンプレートが出ることになっているので、ナイフ、フォークもナフキンに綺麗に包まれてセットされていた。
パンまでが非常に綺麗に並べてある。
高級レストランに行くわけでもなく、招待された一試飲会なのであるが、完璧とも言えるサービスは、久々に心から気持ちが良かった。
実は少し前のある試飲会で、全く逆の経験をした。
決して安くはない試飲会なのだが、黒い紙のテーブルクロスはホテルのものなので仕方ないとして、グラスの下に敷かれているシートは赤い紙の市販品で、これではワインの色も見れない。しばらくして白い紙ナフキンが数枚あるのに気がついたが、人のところまで手を伸ばさないと取れない。
グラスに注ぐワインも、右に注ぐ人がいるかと思うと左の人もいて、どのワインがどうとかこうとか、オーガナイズしている人が声を張り上げている。
当然紙の1枚も、ペンの1本もなく、自分で紙を持ってきていなければメモも取れない。
せめて、グラスの下のシートくらい赤ではなく白いものを用意してくれれば、メモ用紙がなくても直接書き込めるのに。
タダならともかく。。。。と、かなり気持ちの良くない試飲会であった。
さて、試飲会は「コムーニ・ネル・ヴィーノComuni nel vino」という名の醸造家ヴィンチェンツォ・メルクーリオ氏率いるグループのローマでの初のお披露目会だった。
南のバローロとも言われるアリアニコを使ったワイン「タウラージ」を生産している地域が、カンパーニア州はイルピーニアにある。ちなみにタウラージはDOCGである。
ちょっとややこしいのだが、イルピーニアDOPの中に「カンピ・タウラジー二」という名称の地域限定のワインがあり、今回はそのワインに焦点を当ててのお披露目。
同じイルピーニアの地域の中ではあるが、3つの別なコムーネ(町)の3つのワイナリーが一緒になってグループを作り、メルクーリオ氏に率いられて、一つの製造所で、テリトリーの違い、テロワールの違いを反映しながらワインを造る。数千本からせいぜい1万本を超えるかという生産者にとって、それぞれが別々に施設を持つより、一つの施設で共同で造る方が良いという判断である。刺激しあい、情報交換もできるので、確かに結果を生むと思う。
3つのワイナリーはどれもまだ若い。また全て現在ビオに転換中である。
Stefania Barbot は、グループの中で紅1点。パテルノポリで、夫婦でワインを造っている。標高は420-465mと結構高い。50年以上の樹齢のぶどう畑を徐々に新しく改良している。
De’Gaeta は、兄弟の経営で、カステルヴェテレ・スル・カローレ。490mの標高とかなり高い。2ヘクタールと畑は小さく、2009年から始動、2012年の畑もあり、まだワイナリー、畑ともかなり若い。
RaRo は、30年来の友人の二人が始めた、一人はカンパーニア州でワイナリーを持っているファミリーの一員、もう一人はソムリエ。モンテマラーノで、標高はさらに高く、645mにもなる。
それぞれのカンピ・タウラジーニの2013年とアンテプリマで2014年、合計6種を試飲。
Raro Irpinia Campi Taurasini アリアニコ 100% ステンレスタンクでの発酵と熟成。
De’Gaeta Irpinia Campi Taurasini アリアニコ 100% 1本あたり1,1kgというかなり少量の収穫。21日の長いマセレーション。2013年はトノー、2014年はステンレスでの発酵。熟成はステンレスで12ヶ月。
Stefania Barbot Irpinia Campi Taurasini ION アリアニコ 100% マセレーションは20日。発酵、熟成ともステンレス。
あいにく風邪をひいていて、香りはかなり困難で残念。
色は、ラーロのものがわずかだけ薄めだが、どれもかなり濃いしっかりした、深みのある色合い。ラーロのものが一番シンプルで飲みやすく、デ・ガエータのものはフレッシュさがある上、タンニンがしっかりしていてインパクトが強く、フィニッシュにはタンニンの渋みが残る。バルボットのものは、タンニンがしっかりしているが丸みを帯びていて、非常にバランスが良い。
同じ醸造家の指導の元に同じように造っているというものの、やはり違うテロワール、「コムーネ」が反映され、三者三様。どのワイナリーもまだ若く、ぶどうの木も大半が若く、徐々に安定した生産ができるようになってくるとさらに乗ってくるように思う。
ワンプレートもホテルのレストランのシェフが腕をふるったもので、大変美味。