在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Terlano 6 vini

2013-04-14 12:07:42 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Terlano 6vini
Pinot Bianco 2012
Chardonnay 2012
Kreuth 2011
Winkl 2012
Nova Domus 2010
Vorberg 2004


近くのひいきのエノテカ、Di Biagioでの恒例の土曜日の試飲会。いつもやっているわけではないし、いつも行けるわけではないのだが、土曜日の午後、プロモーションに適当なテーマを決めてワインを振舞ってくれる。
テーマは、品種だったりワイナリーだったり。
オーナーのアウグスト氏は素晴らしい人で、1-2種のワインでもいいのに、通常4種程度、昨日は6種が出ていた。完全に無料である。
そして、昨日は、大変おいしい野菜瓶詰め、パテの製造業者のプロモーションも一緒に出ていた。そこで、他には何も買わず、タダで飲んで帰る輩もまあまあいるわけだが、昨日はおいしいワインに素晴らしく美味なつまみ付きで、最高だったと思う。

さて、昨日のテーマはワイナリーTerlano。
アルト・アディジェのワイナリーの中では、もちろん、小さな高品質のところ、自然派などをのぞき、ある程度の大手では、今、一番乗っているワイナリーのような気がする。
とにかくきれいで、心地よく、万人に受け、選んで間違いがない。


Pinot Bianco
香りが非常にきれいで、白い小さな花、柑橘系の香りをすぐに感じる。そして奥にあるミネラルが非常に心地よい。全体に甘くてきれいな香りでインパクトがよく、万人に受けるが、シンプルで、複雑さには若干欠ける。(ベースなので当然)
味も印象が非常によく、酸味のバランスがぴったり。わずかに感じるほろ苦さがスパイスになり、持続性もこのクラスでは十分。

Chardonnay
ベースのシャルドネ。黄色のバラなどの花、グレープフルーツなど、華やかでふくよかで、そこにスパイスと香草が加わる。ほんのり、くるみ風の曇った香りも混じるが、かえって心地よさを引き立てる。
甘さかと間違うほどの柔らかさ、しかし、酸が非常に強く、このコントラストは意外にバランスが取れている。ボディもあり、強さあり、このクラスでは非常によくできたきれいなシャルドネ。


Kreuth
同じシャルドネの上のクラス。こちらは樽を使っている。
ぐっと落ち着きがでて、華やかな香りが抑えられ、その分スパイスが出てきている。
ボディがあるが、アルコールくささは全く感じない。酸は思ったより抑えられてあり、味にも落ち着きが増している。持続性がよく、後味のフルーツと花の香りが非常にきれい。

Winkl
ステンレスだけだが、ソーヴィニオンの緑の香りの、時には鼻につくくらいの香りがかなり抑えられている。ソーヴィニオンだとすぐにわかるが、あのvivacita’はない。むしろ、柔らかいくらいで、グレープフルーツは黄色とピンク、ニワトコの香り、香草も決して強くはない。しかし、よい複雑性は出ている。
酸が際立ち、エレガントで、しかし、まろやかでもあり、後味にニワトコが残る感じにソーヴィニオンらしさが出ている。


Nova Domus
3種のブレンド。シャルドネ、ピノ・ビアンコ、ソーヴィニオン。
うまくブレンドされているといえばそうだし、それぞれの品種の特徴が出ているといえば出ているし、しかし、逆にそれぞれの個性がなくなっているとも言える。
やわらかく、心地よく、そこにソーヴィニオンの緑がほんのり出て、華やかさもあり、複雑で高級感あふれ、良いが、香りと味に、このワインだけアルコールが残るのを感じた。

Borberg 2004
ずっと昔、Borbergの縦飲みをしたことがある。はるか昔、それはここのアウグスト氏がオーガナイズしたもの。その頃は、こんなに安い白ワインがそんなに持つものかと思ったが、まあ見事だった。
今回のborbergはマグナムボトル。熟成がかなりゆっくりで、2004年とは思えない。ある意味若干中途半端かもしれない、つまり、もっと早めに開けてしまうか、いや、私ならあと5年置いておいて飲みたいところ。このボトルは、アウグスト氏かのものではなく、Terlanoを扱っているセールスの人が家に個人的にもっていたのを今回放出したそうだ。
白い花がややドライになり、白いフルーツは完熟。Goccia d’oroなどプルーンの香り、白こしょうなどのスパイスが出て、ミネラルがたっぷり。
味は、素晴らしい酸。酸が際立つ。持続性もそれなりにあり、非常によい経験でした。

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