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在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”プラエポズィトゥス ゲヴルツトラミナー 2007” 他 アバッツィア・ディ・ノヴァチェッラ

2008-11-05 02:36:53 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Praepositus Gewurztraminer 2007” ed altri Abbazia di Novacella –Alto Adige
ノヴァチェッラのワインは、透明感もあるが、それより存在感があるような気がする。
ピノ・ネーロはちょっと強い樽のバニラが甘すぎて、甘ーい!(もちろん糖分の意味ではないが)という感じだったが、3種飲んだ白(プラエポズィトゥスシリーズ)は、どれも、ステンレスのみで良い感じだった。

シルヴァーネル(2007年)は花の香りがとてもきれいで、しかし、ややシンプル感があるが、ケルナー(2007年)は、ニュートラルな味が料理全般に受けそうな感じ、ミネラルがベースに、きりっと引き締まる感じ、洗練された酸味が印象的でとても良かった。

ゲヴルツトラミナー(2007年)
ゲヴルツらしく、ライチとバラの香り。プンプン邪魔なくらいのもあるが、これはそうではない。他、大きな柑橘の白い果肉(というのだろうか?)の部分の香り、甘さもあり、ほんのりミネラルも出る。
味はしっかりボディがある。まろやかで、酸味はあるが隠れるくらい?
後味に苦味が残るが、心地よい。程よい持続性あり。

程よい華やかさと存在感、しっかりした味わいと個性、透明感と切れのある味わいで、万人に受けるワイナリーだと思う。

”ピノ・ネーロ 2005” フランツ・ハス

2008-05-19 22:40:29 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Pinot Nero 2005” Franz Haas –Alto Adige
トレンティーノ・アルト・アディジェの非常に良いワイナリーの一つであるハスは、個人的に好きなワイナリー。
ところで、イタリアでは、トレンティーノ・アルト・アディジェ州は、トレンティーノとアルト・アディジェを分けて考えるのが普通である。
何故かと言うと、かなりドイツの影響の強いアルト・アディジェとヴェネトの影響の強いトレンティーノを一緒くたにしてはいけないからである。
だから、正確には、ハスは北のアルト・アディジェのワイナリーである。

アルト・アディジェでの日常会話にはドイツ語が使われる。イタリア語ではない。彼らは、イタリア語を「外国語」として話すのである。
一般に、ワインのラベルの標記でも、ドイツ語がイタリア語より先に書かれる。

さて、イタリアには良いピノ・ネーロは少ない。
ハスは、その少ない良いピノ・ネーロの1本を造っている。
それが、「Schweizer」(正確になんと読むかは知らない!)だが、2005年はこちらのベースしか造っていない。
しかし、このベースでも大変良い出来である。
優しい色合い。
可愛くまとまった木イチゴ、森の木の実の香り。加えて、ミネラル臭、あまいスパイス系の香り。
優しい口当たり。フルーツがきれいに広がり、北のワインらしく程よい酸味、心地よい後味。
年を取るほど、こういう優しいワインが好きになっていく。
こういうワインが増えてほしいものである。

”ピノ・ネーロ 2006” トラミン

2008-03-25 18:38:28 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ

"Bluaburgunder Pinot Nero 2006" Tramin -Alto Adige
個人的にとても好きなワイナリーの一つである。
ボトルとラベル(ずいぶんシンプルになった。。)ががらっと変わって、あれ?と思ったら、ガラスの栓になっていた。
イタリアでも普及し始めたのかと思うと、嬉しい話である。
コルクの代わりにシリコンコルクが使われてもうずいぶんになるが、シリコンコルクは決して良い印象とは言えないようである。
つまり、ベージュだと一瞬わからないが、そのぶん、ワインオープナーを差し込んでみて、なーんだシリコンか、となり、だからと言って、オレンジやワインカラーなどだと、色にちょっと違和感を感じる。
それと、シリコンコルクが不便なのは、何と言っても、飲み残しに栓をしようと思ってももう入らないことだろう。
それに比べ、ガラスの栓は、ワインオープナーがいらないし、当然、王冠キャップと比べて印象が良いし、開けるのも、閉めるのも簡単!
これから、ますます普及するだろうし、普及してほしいと思う。



さて、ワインの方。
色は、明るくて薄めのルビー色。爪の部分にまだ濃いめの桜色が残り、とてもきれい。
香りは、小さい森の木の実がきれい。ピノ・ネーロらしく、イチゴ、レッドベリーlamponi、小さな花、加えて少し緑が混じるので、イチゴのへたなど。甘い香りは森の木の実のキャンディを思わせる。シンプルだが、やさしくかわいくまとまり、とても好感が持てる。そして、スパイス臭がほんのり、リンゴ、バナナもある。
味は、最初、優しい感じだが、すぐにしっかりしたボディが出てくる。酸とタンニンのバランスがきれいで、とても心地よい。後味は、森の木の実と、アルコールの熱さが程よく長く残る。
とても好感の持てるワインで、普段ワインを飲みなれていない人にもすっと受け入れてもらえる感じ。また、肉料理だけでなく、魚にも赤!という場合にも良い。そういう意味で、場所、人を選びにくい、常備しておくと便利なワインだと思った。
なお、ドイツ語圏なので、ラベルはドイツ語表示がイタリア語より先です。

”ピノ・グリジョ 2006” ガルリデル

2008-03-10 23:19:50 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Pinot Grigio 2006” Garlider –Alto Adige
色は、そう濃くない麦藁色で、かなりの輝きがある。
香りは、きれいに白い花の香りで、すぐにピノ系だとわかるくらい。そして、フルーツ。クラシカルにリンゴ(ゴールデン種)、洋梨、桃、未熟なパイナップルなどがきれいに交る。アカシアのハチミツの香りもほんのり。
味は、アタックがかなりまろやか。残糖を感じるくらいの甘さ。そして、直後に酸が出てくるが、かなり硬い酸。後味も良く、割と長く続き、ミネラルがきれいに残る感じ。
アルト・アディジェなので、一見さわやかかと思いきや、まろやかさがかなり印象的なワイン。アルト・アディジェとはいえ、肉(白身)料理にぴったりだと思う。

”クレウス 2001” カンティーナ・テルラーノ

2007-12-20 22:46:36 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Kreuth 2001” Cantina Terlano –Alto Adige
アルト・アディジェはややこしい。ラベルが読みにくく、なんだかややこしい。
ドイツ語を話す地域なのである。
それも、日常的にドイツ語を話すので、道路標識も独・伊が併記されている。ラベルもしかり。
そして、面倒なのは、併記の際、ドイツ語の方が先に書かれている、または大きく書かれていることである。ラベルを見て、ええっと~、とイタリア語を探す。せめて、イタリア語を先に大きく書いてよね~、今はイタリアなんだからぁ、と思っているのは私だけではないと思う。
このワインは勝手にイタリア語読みした。「クレウス」。ドイツ人に聞くと、絶対に発音が違う!と言いかえされるような気がするが。。。

さて、このワインは今でも発売されているが、このヴィンテージを最後に、ワインが大きく変わってしまったという。確かに、今は木樽(大樽)を使っているようだが、このヴィンテージはステンレスのみの熟成。
品種は、シャルドネ100%。
いや~、きれい、が第一印象である。とにかく色がきれい。濃いめの麦藁色で、黄金に近い。そして、素晴らしい光沢。色もある程度あるので、きらきら星が光っているような印象を受ける、と言ったら、ちょっとオーバー??
香りも、再び、いや~、きれい。すぐにシャルドネとわかる香り。香りの強さがあり、フルーツがとにかくきれい。パイナップル、アプリコット、白桃のシロップ漬けなどが、みんな混じって、フルーツポンチのよう。そして、蜂蜜(mille fiori)とわずかに緑の香り。いかにもシャルドネらしい、溶けたバターの香りとナッツがしっかりあり、香りに隠れるが、ミネラル臭も強い。
味は、インパクトがしっかりある。北のワインなので、きれいな酸味もある。しかし、その酸味が隠れてしまうかと思うほど、塩辛い。チョ~辛い。(この塩辛さは、ワインの特徴なので悪くない。むしろ好ましい。誤解のないように。)香りと同じく、非常に澄んだ味で、後味も長い。

こういうシャルドネを飲むと、イタリアのシャルドネも決して悪くないじゃいない!と思う。

”サン・レオナルド” テヌータ・サン・レオナルド その2

2007-12-16 04:06:13 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
1993年ヴィンテージ。これもまたサン・レオナルドらしいヴィンテージ。色はとても奇麗なガーネット色。ほんのわずか、爪にオレンジ色が見える。香りに凝縮感compattoあり、複雑で、かなり良い。バルサム臭、キーナ、ミント、ユーカリ、香草、そして、柑橘系の香りが混じる。味は、やわらかく、ボディがあり、タンニンのまろやかさが良い。後味は期待通り。
1997年。神話的ヴィンテージ。でも、必ずしも良いとは限らない。また、長期熟成向きとは限らないので注意。色は、かなり凝縮感がある。濃いめのガーネット色。香りは、ユーカリがはっきり、それにフルーツの甘さがプラスされている。果肉carnisita’を感じるくらい。+バニラ、スパイス。味は、かなり複雑で、ボディとエレガントさの両方を兼ね備える。後味にフルーツが残り、とてもきれい。
2000年。色に凝縮感あり。ルビーとガーネットの中間色。香りは、なかなか良い複雑性が出ている。スミレ、プルーン、ブルーベリー、バニラ、香草など。味には広がりがあり、タンニンがエレガントで、後味も長い。
2001年。完全にフェリーニ氏に移行してからのヴィンテージ。色はかなり濃い目のルビー色。香りは、バニラとフルーツの甘さに、ユーカリ風の香りがほのかに感じる。スミレ、ラベンダー、カカオなど。味は、塩味がかなりあり、タンニンがきれい。
2004年。アンテプリマ(発売前)。色がかなり濃い。暗めのルビー色。香りは、まだ若過ぎ。ミネラル、熟したフルーツ、バルサム臭など。しかし、馬の汗風の香りもよぎる。味はボディあり、フレッシュ感ありで、若いのにタンニンに柔らかさがある。まあ、良くできている。
2000年、2001年を境に、エノロゴの交代と共にやはり変化が見られる。タキス氏が造っていた時もモダンだったが、フェニーニ氏になりさらにモダンになった感じ。また、国際色が増した感もある。まだワインが若いせいもあるとは思うが、タキス氏の時代の方が面白みがあったように思うのは間違いか。


”サン・レオナルド” テヌータ・サン・レオナルド その1

2007-12-14 23:17:53 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
"San Leonardo" Tenuta San Leonardo -Trentino
トレンティーノの有名ワイン、「神話的ワインmito」とも言われるサン・レオナルドを1985年から2004年まで16ヴィンテージ、縦に飲んだ。
もう7~8年前に一度、10ヴィンテージ位を飲んだことあるので、これで2度目である。
サン・レオナルドの初リリースは1982年。2000年までは、サッシカイアのエノロゴ(醸造家)ジャコモ・タキス氏が造っていた。その後は、やはり高名醸造家のカルロ・フェリーニ氏にバトンタッチされている。
品種は、カベルネ・ソーヴィニオン60%、カベルネ・フラン30%、メルロー10%のボルドータイプ。
いくつかのヴィンテージを紹介。
1985年ヴィンテージから。色はガーネット色で、爪がオレンジがかる。凝縮感、つやがあり、とてもきれいな色。香りは、良く熟成している感じが出ている。葉巻たばこ、キーナchinaにミント(サン・レオナルドの特徴的な香り)が加わる。タンニンはほとんど感じず、すっぱいくらいの酸味と、塩味。細くエレガントな感じ。
1986年。澱がかなりある。全体に堅い香り。味は果肉polpaの手ごたえ(歯ごたえ)があるが、持続性はやや短め。
1988年。サン・レオナルドらしいスタイルのヴィンテージ。確かに、これを飲むと、熟したサン・レオナルドはこうあるべき、というイメージが見えてくる。色はきれいなガーネット。とても良い複雑性があり、バルサム臭balsamicoにフルーツのコンフィの甘さが加わる。まだ若さが残っている感じ。味は、酸、塩味とタンニンのバランスがとても良い。ボディとエレガントさの両方を持つ。後味にまだフルーツが残るくらい。
1989年、1992年、1998年、2002年は生産していない。
1992年。最初から評価が低かったヴィンテージ。天候もあまり良くはなかった。でも、こういうヴィンテージこそどんな感じになっているか興味がある。色は、暗めのガーネット。香りは、全体に細いsnello感じ。ミネラル臭、アニマル臭(馬という感じ)、タバコなどで、エレガント言えばそうだが、香りは長くない。味も細めで力がない。後味も消えてしまう。

”カンポグランデ (ヴィンテージなし)” カステル・ノアルナ

2007-10-25 21:24:15 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Campogrande” Castel Noarna -Trentino
世の中には、面白いワインを造る人がいる。と言っても、シャンペンは普通、いろいろなヴィンテージのワインを混ぜて(ベースワインを)造るので、そう考えると別に変わったことではないようにも思うが、このワインは、シャルドネの2001年、2002年、2003年ヴィンテージを合わせて造った。だから、当然、ノンヴィン(ノンヴィンテージ)である。
どうして、ブレンド?と聞いたら、ちょっとやってみたらなかなかいけた、という回答をもらった。
品種は、シャルドネ100%。ヴィンテージの比率はわからず。
色は、やや濃い目の麦わら色で、黄金色に近い。つやがとても良い。
香りは、熟したフルーツの香りがきれい。そして、若干酸化した感じのリンゴの香りも出てくる。木が最初はほのかに、そしてだんだんと出てきて、やや強いかも。バター風の香りもある。香りは強く、程よい複雑性がある。
味は、わりとインパクトがある。ボディがかなりあり、酸はほど良く、塩味が結構強い。香りにあった若干酸化した感じのリンゴ臭があり、後味に感じるほろ苦さが心地良い。
ワインの面白さは、収穫年の天候に左右される違いもあるわけだが、こういう遊び心(いや、生産者は真剣なのかも知れないが。。)のあるワインもたまには良いかも知れない。
なお、ワイナリーは、こういう変なワインばかり造っているのではなく、白はノズィオーラ、赤はラグレインなどの地元の土着品種を中心に、ちゃんと普通のワインも造っている。

”グラナート 2004” フォラドーリ

2007-10-09 16:24:33 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Granato 2004” Foradori –Trentino
少し前に2001、2002年を一緒に飲んだのでそれについて記載しだが、今回飲んだのは2004年ヴィンテージ。
品種はテロルデゴ100%。
色はかなり濃い。2002年は薄くてびっくりしたが、2004年は、逆にかなり濃くてびっくりした。しかし、ワインは天候に左右されるのが当たり前なので、これだけ違って当然と言えば当然なのだが。それを無理やり修正しようと試みるワイナリーでないのが嬉しい。
香りは、よく熟したフルーツの香り。アメリカンチェリー、森の木の実のベリー系の香りで、コンフィの香りも混じる。全体に甘く心地良い。しかし、奥には樹脂resina、やや緑の香りがあり、少し青っぽいくさみが気のせいかある。
味は、ご想像通りボディがあり、タンニンがまだ若いが、質はとても良い。インパクトがあり、華やかで、万人に受ける味と香り、確かに良くできている。後味にブラックチョコ、カカオ、カフェなどが感じられ、ほろ苦さがあるが、それも心地良い。
まぁ、やっぱり全体に良く出来ているワインである。

”ミルト 2006” フォラドーリ

2007-10-09 16:09:21 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Myrto 2006” Foradori –Trentino
フォラドーリは赤のグラナート、品種で言えばテロルデゴで有名だが、白も造っている。
品種は、ソーヴィニオン60%、シャルドネ20%、ピノ・ビアンコ20%のブレンド。
色は割りと濃い目。黄金色に近い麦わら色。まだかなり若いので、やや緑がかる感じもあり。光沢はとても良い。
ワインの温度が低かったのもあるが、すっきりと柑橘系の匂いがきれいだった。そして、花の香り。ミルトmirtoギンバイカと、綴りがちょっと違うが、花と緑と茎の香りが一体となって、それらしき香りが漂う。そして、白コショウなどのスパイスが若干、ミネラルも混じり、数年後にゴム臭が出そうな予感。
味は、北のワインだしで、酸がきれい。そして、塩味がかなりある。(イタリアワインは、一般に結構塩辛い。)白にしてはボディがあり、花の香りがきれいで、後味も悪くない。しかし、最後にふっと消える感じあり。
バリック熟成(8ヶ月)だが、フルーツの香りが見事に樽をうまく隠している。ただし、15ユーロという値段がちょっと高いかな、という気もする。

”ソーヴィニオン・ラ・フォア 2006” コルテレンツィオ

2007-09-07 06:24:20 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Sauvignon La Foa 2006” Colterenzio -Alto Adige
注意:ラベルの写真は、カベルネ・ソーヴィニオン(赤)のもの。
一度見たら忘れられないド派手なラベル。古くからアルト・アディジェでも最も良いワイナリーの一つの地位を築き上げているコルテレンツィオの「ラ・フォア」シリーズである。赤のカベルネ・ソーヴィニオンと白のソーヴィニオンの2種がある。
ワインの方もかなり華やかだが、ラベルほどド派手ではない。しかし、エレガントで、パワーも持ち、大変パフォーマンスの良いワインである。
色は当然濃い目。
ソーヴィニオンと言えば猫のおしっこ臭、と言っていたのはちょっと昔のことで、今ではあまりソーヴィニオン=かなりくさい香り、とは言わない。
しかし、ソーヴィニオン独特の匂いはあり、私は、米ぬかのような香りのような気がしている。イタリア人に米ぬか、と言ってもまずわからないが、梅干や紫蘇などと共に日本人特有の香りの一つのように思う。そして、ちょっとくさいわけではないが、独特の香りは、サンブーカ(ニワトコ)の香りに共通しているところがあるかも知れないと思う。
香りは、他に、柑橘系、グレープフルーツの香りが強い。ミネラル臭もある。そして、香草、スパイスなど。香りは強く、複雑性は申し分ない。
味は、とにかく、白なのにどーんとボディがあり、ほろ苦さが広がる。そしてすぐにまろやかさがほろ苦さを包むように広がり、一口で印象的。インパクトがある。オレンジの香りが広がり、酸はあるが、まろやかさに隠れる。味の強さ良く、持続性は当然あり、とても長い。
本当に華やかなワインである。
ヴィンテージは2006。リストには2004とあったが、来たのを見たら、どう見ても2006だった。間違いのような気もするが、見間違いではない。


”ジュリオ・フェラーリ 1992” フェラーリ

2007-08-08 17:49:42 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
 "Giulio Ferrari Riserva del Fondatore 1992" Ferrari -Trentino
カラブリア州北部、カストロヴィッラリCastrovillariというところに、知る人ぞ知るレストランがある。名前はロカンダ・ディ・アリアLocanda di Alia。平屋の建物で、敷地の中に、レストラン、小さなプールに続いて、奥の離れに15室程度の宿がある。部屋はシンプルだが、内装がみんな違い、いかにもイタリアらしい感じだ。他には特に何もない、誰も訪れることがないような田舎にあるのに、ピヌッチョ氏のこのレストランがあるおかげで、イタリア人以外にも世界中からグルメが訪れる。また、それだけの価値のあるところである。
さて、ワインリストは、数ではなく質がとても良く、ジュリオ・フェラーリの1992年があった。ただのフェラーリではなく、フェラーリのトップである。値段が安くてびっくりで、さすが、カラブリア。この値段では絶対に酒屋で買うこともできないのに、これだけのレストランで質の良い料理とともに飲めるというのは、ワイン好きには至福としか言えない。
品種はシャルドネ100%。
15年を経ているので、色は当然濃い。つやがきれいで、泡の立ち方も決して衰えてはいない。大変良いヴィンテージであり、今が最高のコンディションと言っても良いと思う。やはり、こういうワイン(スプマンテ)を若いうちに飲んでしまうのは、実にもったいないのだ。
香りは、トースト臭、パンの耳がすぐに感じられ、ほのかにカラメル、そして、良く熟した~シロップ着けになった柑橘の香りがきれい。他に、ナッツ、バターの香りも混じる。若いスプマンテには絶対にない香りである。
味は、酸がまろやかさに抑えられた感じ。実に堂々としている。白なのに、スプマンテなのにボディがあり、タンニンをほのかに感じるよう。トースト、木、カラメルが余韻にとてもきれいに残る。
あ~幸せ、でした。

”グラナート 2001 e 2002” フォラドーリ

2007-06-01 07:27:53 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
"Granato 2001 e 2002" Foradori -Trentino Alto Adige
トレンティーノの高評価ワイン。品種はテロルデゴ100%。
2001年ヴィンテージ
凝縮感のあるルビー色で、まだ赤紫がかる。
香りは、甘酸っぱさがきれいに出る。フルーツはもちろん、臭みもあり。馬小屋、汗、腐葉土、バルサム臭balsamico、トースト臭など。香りがたつのにやや時間がかかる。
味はきれいに広がる。ボディが程よく、タンニンと酸のバランスがとてもよい。後味の広がりがあり、長く続く。
2002年ヴィンテージ
凝縮感のあるルビー色。赤紫はない。
香りは、インパクトは良いが、小さくまとまった感じ。サクランボ、森の木の実の他、熟成香が出ていて、スパイス臭、革、土、インク、肉の匂い、リコリース、タバコなど。
味は、アルコールがやや強く感じられ、酸がある。やや気になる。タンニンはなく、酸がとにかく主役。広がりにはやや欠け、後味は長いが、最後に心持ち苦味が残る感あり。全体に小さくまとまった年。
ブラインドだと2001年の方が若いくらいに感じる。それも1年の差しかないのが興味深い。2002年の夏は寒くて震えていたが、ぶどうも震えていた感じ。