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半月記

半月に一回くらいは、何か記録をしていきたい

「やった!やった!やった!やった!」/ぐへへへへ

2008-04-14 15:24:50 | オリナビ的発作
 「…本当に?」
 微かに心配そうな表情で首を傾げた相手の表情が、悪戯っぽいものに切り替わったのは次の瞬間だった。えい!という元気のいい掛け声と共に、顔面にばしゃりと湯がかけられた。
「わっ!?」
 不意打ちの上に液体では、さしもの彼女も避けようがない。濡れて顔に張り付いた花弁やらを払い落とすと、反撃にでるべく身構える―だが其処へ、「二人とも、まだ入っているの??」という声が割って入り、
「じょ、女王さんっ!!それに副団長さんっ??」
 色々な意味で動揺したハルモニアは思わず傍らに置いてあったローブとタオルを掴みながら湯の中であとじさった。…ふちに背を凭せ掛けていた為、後退したといっても僅かなものではあるのだが。
(だからなんで王族さんってヤツは…!!)
 内心悲鳴を上げるが、だがそんなことなど露知らないフォーチューンは、
「そろそろ冷水の部屋に移動した方がいいと思うわ。」
 と言っただけだった。それに対し、
「はーい!!」
 元気良く手を上げてトーンは返答して、やはり置いてあったローブを羽織るなり滑る石造りの床の上をぱたぱたと歩いていく。
「行ってらっしゃい。寒いから気をつけて。」
 それに倣うハルモニアの背を追いかけてきた言葉通り、次の部屋は酷く寒かった。その「熱い!」「寒い!」の応酬を何回か繰り返した後、乾燥させた花を粉末状にしたものを詰めた袋で全身をぽんぽん叩かれた頃には、彼女は最早気疲れと湯当たりでぐたっとなっていた。
 その後に続くのはメイク。肌が綺麗だから薄化粧で済むだろうけど地はピンク系がいいだろうという言葉やら、トーンちゃんは、印象優先でオレンジがいいですかねという言葉やら、断片的な記憶は残っているのだが、全てにおいて、勢いに流されたような感じでよく覚えていない。


 ただ、押し流されている間はそれどころではなくて置き去りになっていた、女性らしい格好に対する苦手意識が、今他者に見られていることでふつふつと蘇ってきたのも事実ではある。
「…一曲お相手願おうか。」
 そんな時不意に声が投げかけられ、ハルモニアははっと顔を上げた。目の前に立っているのはジグムント。そして―まさかの申し込みに、貴族たちの好奇の目は、今度は彼女の方にじっと注がれている。あの令嬢は誰かしら?という囁きが密かに交されているのが耳に届き、ますますその意識に拍車をかける。
「まさか、踊れないわけでは無かろう?」
 沈黙しているままの彼女に苛立ったのか、嘲るような笑みを浮かべるとジグムントは手を伸ばしてきた。確かに今の自分は女王の来賓と言う扱いであるから、誘われても全くおかしくはない。寧ろ断った方が不自然になってしまうだろう…そう思いながらちらりと玉座に視線を走らせるが、女王の姿は無い―その代わりにあったのは、黒一色に塗りつぶされた長身の影ひとつ。
 ミブロも彼女の方を見ていたのか、一瞬、目が合った。勿論、彼の表情からは、この状況に対して何を考えているかは読めない。もしかしたら彼女の状況には全くもって関心などは無く、ただ単純に眺めているだけなのかもしれない。だがその時なんとなく思い出したのは『猫かぶり』というアンティエルドの発言だった。
 すっと息を吸うと、ハルモニアは、笑みを浮かべた。
「えぇ…。不束者ですので、正直踊りには自信がありませんの。ですが、折角ですからお受けいたしますわ。」
 差し出された手を取って、突然変わった口調にぽかんとするトーン・ファルル・コロナの横を通り過ぎ、二人はフロアに滑り出る。


 タイトル=今の蒼牙の心境

 インターネット繋がったぞぉぉぉぉぉ!!!!!!!

 とりあえず真っ先にニコニコに行き、「我が家のお稲荷様」をチェックしました。

 だって天狐空幻っていう美形狐はね、金髪美青年バージョンと金髪美女バージョンの二通りがあって、一粒で二度美味しいキャラなんだから!!!
 金髪好きだー!!好きだー!!!(のた打ち回りつつ)
 ちなみに、クーたん女性バージョンの声優さんは、まさかのゆかなさん。

 そしてゆかなさんといえば、ワカメよりもクーよりも、今はC.C.!
 ルルーシュは面白いです。普通に。ガンダムだったら明らかに生き残りそうなピンクちゃんがウッカリで死んじゃったりとか、

 とりあえず昨日のルルーシュですが。まず思ったこと
 CCが美しい。
 コーネリア生きてるっぽいなぁ!!
 ディートハルト喜びすぎだっちゅーに…
 ラクシャータといいヴィレッタと言い、褐色肌じゃなかったらなぁ…。
 ニーナはいい。シュナイゼルを出せー!!!!
 そして最後に思ったこと。
 「製作スタッフ、一期で終わらせる気無かっただろう」

 いやいいんですけど。全国の腐女子が、ルルーシュが始まるまでの期間を、グッズや小説などで凌いでいたのかと思うと・・・ちょっぴりかわいそうになります。
 蒼牙、グッズは買わない主義なので…。ひたすら耐え忍ぶ毎日でした。(笑)画集と設定資料集はむっちゃ買うんですがね!


 久しぶりの旅戦外伝更新…。
 女の子たちできゃぁきゃぁ!の予定だったんですが…文章の比重もよくないし、良く考えなくてもやっぱりパラレルちっくになってしまうなぁと泣く泣くカット。うーん…ギャグとパラレルの書き分けとか、とにかく文章のバランスが…難しい。とりあえず猫かぶりなハルさんが書けたので満足ですvv(そこかーッ!!)

ホワイトデー…書いてる途中で爆睡

2008-03-14 17:59:52 | オリナビ的発作
 まず…
 レインさん合格おめでとうございますー!!(クラッカーパーン!!)

 合格発表のトコにいたのがハーモナさんだったので…なんとなく…。しかしこのハーモナさん…「これで心置きなくファングマンを狩れる」とか仰ってそうな笑顔になってしまいました…す、すみません…。
 と、とにかく!!!本気でおめでとうございます!!!



 そして話はがらりと変わりますが…

 明日から、蒼牙は旅に出ます。

 合宿→北海道→妖精さん宅という連チャンっぷり&引っ越しのオマケつきですので、パソ子の前に帰ってくるのは4月過ぎになると思われます…其れなのに昨日ID晒すとか…ほんとに何も考えてなかったんだ、ぜ☆
(誰か全力でこのアホを殴り殺せ今すぐに!)
 愛の手を下さった方、ありがとうございます!その手にちゅーする勢いです…。むちゅー…。(~3~)(や め ろ)まだまだ愛の手募集中ですのでvv

 小説更新は半月ほど止まります…。(ぺこり)つまんない日々の出来事&写真ばかりになると思うので、「しゃーねーな」という目で見てやってください。
 あ、携帯は連れていくので…物申したいことがあれば!電波orコメントorヤフーメールへどうぞ!!80000キリ番も受付ます!ただし、遅くなりますがね…。
 





 で、これが本題。本日はホワイトデーということで…!メッセネタよりミブフォーです。最後に残していくのがこれかよ!書き逃げ甚だしいだろ!という突っ込みは…笑って流して!許可はとってますが…度を越してたらスナさんごめんなさい!そしてやっぱりやまもおちもいみもなくてごめんなさい!
 「本当は指輪のつもりだったけど、キャラデザ的に嵌められないということで急遽、簪になった」とか…。フォーチューン…ごめんよ…。いやでもこいつはもらえれば何でも嬉しいに違いないとおもう。(と、責任逃れ)

 本当は正面から書きたかったんだけど、自分の限界を感じたので…背後から…。イメージは、おまけ小説の最後のシーン「送るか」の後…。アンティーが通常サイズなのは、本編終了後だからです
 もう一枚絵版にはあるんだけど、あまりにも調子に乗っている感が漂うのでこっちには上げません。ミブフォーって距離感が難しいのな…。普段は淡々とした距離感、くっついてるシチュって…んー……あぁ、うん。(自己完結)
 あ!!致命的なミス一箇所発見!!(唯今15日朝)…しかしペンタブはもう梱包してしまった…!!うぅ、重ね重ねすみません…

 そしてミブロさん…もとい新撰組で思い出したんですが…函館って、ほんとうに、遠いんですね…(今回北海道ついでに行こうかと思っていた)「いろはにほへと」で、トンでも五稜郭(5分ちょいすぎ)を見てから、実物見たいとずっと思っていたんですが…冗談抜きで遠すぎる!はーるばる来たぜ函館ー!って歌がありますが…はるばるすぎて、行けねぇよ!
 札幌から片道5時間!…北海道をなめくさってました、私…。
「アンティー、来てない?」
 フォーチューンがリンクを伝ってミブロの所を訪れたのは、現実時間の夕暮れ前だった。「そこで寝てる。」と彼が顎で示すと、やっぱり、などと言いながら彼女は、部屋の真ん中で丸まって寝息を立てているアンティエルドの方へ向かう。
「邪魔はしなかった?」
「あ?…いや。」
 行儀が悪いと叱らなければと思いながら問いかけると、どちらともつかない答えが返ってきた。多少アンティエルドが大騒ぎしてもこの男はそう答えるだろうなと判ってはいたが―溜息混じりにゆすり起こそうとしたとき、
「フォー。」
 唐突に名前を呼ばれ、振り返る。その眼前につきつけられたのは、丁度掌に乗る程度の小さな箱。
「『ほわいとでー』とやら、だ。」
 鳩が豆鉄砲を喰らったような、と形容するのがぴったり来るだろうか…微かに目を見開いて相手を見上げたまま、フォーチューンはその箱を受け取った。
「え…?ありがとう…!!開けていい?」
 どうしてわざわざそんなことまで確認するのかと思いながらミブロが頷くと、やや戸惑ったような、それでもどこか嬉しそうな表情で彼女は箱に目線をやった。しゅるしゅるとリボンが解けて、箱が開く―腕がない代わりにその役目を果たすのは対象物に対する簡易ハッキングだ―そして、中から現れたのは螺鈿の簪だった。
 人間らしい欲があるとは思えないような神霊然とした美貌ではあるが、実際の所、全くそうでないわけではないらしい…「綺麗…」と呟く表情は、まるで童女のように自然なものだった。先ほどの驚いた顔もそうだが、大きく感情が動いた時の彼女は、通常の外見年齢よりもさらに若く見える。
「普通はつけてみせるモンじゃねぇのか。」
 余程嬉しかったのか―惚けたように見つめるその手から、溜息混じりに簪を取り上げて髪に挿してやると、ちりちりとビラ飾りが小さな音を立てた。
「…まさか、貰えるとは思ってなかったんだもの。」
「…俺はどういう性格として認識されてんだ。」
 失礼といえば失礼な発言に対して、思わずぼそりと漏らされた言葉に
「だってバレンタインデーの時、『何が楽しくて切支丹の命日なんか…』って言ってたでしょう?…あの瞬間は正直、地雷を踏んじゃったのかと思ったわ。」
 大して悪びれた様子も無くクスクス笑いながら、フォーチューンは答える。
「あー…そこは、考えすぎだ。」
 しかし一応思うところがあるため、ミブロの返答は曖昧だった。実際オペレーターである月流に言われるまでは「ホワイトデー」が何なのか全く判って居なかった訳であるし、今日と言う日を完全にスルーしていた可能性も…無いわけでは、ない。
「?」
 奥歯に物が挟まったような物言いに、覗き込むように彼の様子を伺っていたフォーチューンは、やがて納得したかのように小さく笑い声を上げ、現実世界につながるウィンドウへ向き直った。
「月流君、ありがとう。」
 それに対して、画面の向こうからいえいえという声が返ってくる。長話になりそうだ―と思った瞬間、チリリ…とビープ音が鳴り、
「…あら…。」
 彼女は微かに残念そうに眉を顰めた。恐らくはオペレーターか誰かからの呼び出しだろう。
「…送るか。」
 問いかけながらも返答は無意味、といった体で、ミブロは寝たままのアンティエルドを抱え上げる。



「…すぐ戻る。」
 そして、月流に向かって声をかけたが―

 それに対する彼の返答は、妙に気の利いたものだった。

「秘儀!メッセネタパクリ!!!」/だって…どえすが…

2008-03-12 21:45:37 | オリナビ的発作
 オリナビ界の皆様は今お出かけ中ですね…楽しんできてください!!
 蒼牙はそろそろ合宿なんで、ガンガン飛ばしていきたいと思います。昨日までの二日間は花粉で死んでたし…!!ね!!(くしゃみって どうしてあんなに体力使うんだろう…)

 まずあれだ。最初に色々叫びます。このパッションを何処かにぶつけないとまともな日本語書けそうに無いので…!!
 観月さんの素敵イラストが!!!まず!萌えしねます!!!!うぎゃぎゃぎゃーー!!!!!この嫌そうなコトさんの表情が!!!信じられない位美しくて!!!ジグの楽しそうな表情が、萌える!!!飛んできたこれ、もぎとる勢いで掲載させていただいていいですかー!!!!服の柄は私も全く考えてなかったんですが…なんつぅかもう、凄いの一言に尽きます。あ…鼻血が…。
 そして龍様も素敵ジグコロイラストを描いてくださって…!!

 このドS様は 私を殺す気ですね。間違いないです。えぇ。間違いありません。うおおおおジグの目元と口元がたまらん!!この…なんだろう…だめだ語ろうとしてまじまじと見るたびに、エロ過ぎて、風に舞う塵の勢いで吹き飛んでしまいます。く、くそう…蒼牙の血液残量は0なのに!!
 …そしてBL絵は初めてだったとか。…は、はじめてウバッチャッター!!(死 ね )
 何でジグコロエピソードになったかというと…わ、わからんひとは今週のブリーチを読め!!!!納得するから何も言わず読め!!!(ハァハァハァハァ)

 元ネタになった本誌の藍染様GJすぎる!わけですが……でもこれで織姫ちゃんに対して本気だったら、ありがち過ぎて残念な悪役だなぁ…とか思っている自分がいます…。龍様の「どSなだけじゃないか」って言葉を信じるよ!だって「蛇の道は蛇、どSの道はドS」だもんね!


 そうそう、今回のエピソードなんですが…先日スナさんとメッセで遊んでいただいたときに、「旅戦外伝、こんな話もあったっていーじゃなーぃ??」という案が持ち上がりまして。ちょっと無理やり挿入してみた感じです。
 本当はジグムントの目線から、そのままダンスの流れだったんですが、面白そうだったので早速パクりました!(出たよ、蒼牙必殺技…「この世のありとあらゆるネタ」)
 正式タイトルは「ドキッ!女ばかりのエステ大会~どうみたってノリは温泉~」ですvvハルさん視点にするのが一番面白そうだと思ったので微妙にハルさん視点…すみませぬ。
 ん?男性陣Ver?…いやいやそれはその、なぁ…??いろんな意味で危険すぎる!!!ので自重…!!でも、男の子だけのエピソードとかやってみたいなぁ。男性陣全体、となると色々難しいだろうが…。っていうか男性陣全体となるとジグがうざすぎる!!…何処にも絶対に婿にいけないキャラだということは確定してるんで、ショタやらぼよよん美女やら色男やら、好きなだけ絡んできていいよ…と解き放っていたのが裏目に出たか…。

 そうそう。その時コスメのお話になったので。ちょっと手持ちのリップ系アイテム三種をあげてみる。

 ただし、持ってるだけ。一番右の口紅の減り具合を見れば一目瞭然ですがv
親とか伯母さんとかが「化粧しろ」とくれるんですが、本人にやる気がなさ過ぎる!!
 
 今回と次回でアークティカが使ったのは、トーンちゃんは左、ハルさんには、左端と真ん中の中間くらいの色だったんじゃないかなぁ…と思います。フォーチューンの基本メイクは真ん中っぽい色合い。あいつほら…さりげなく清楚な感じを狙ってるらしいので…。
 ところでこの真ん中の物体、「ボンボン」っちゅーものらしいのですが。リップとグロスの違いは判るけど…ボンボンって、何?
 あとお風呂のイメージが、「パフューム」だったなんて、言えやしない、言えやしないよ…。



 そうだそしてメッセといえば…!!ファイさんに電波!!
 バトンの最後のお言葉を拝見して、メッセおしゃべりしたいですうわぁぁぁん!!と、図々しくIDを捜したのですが… み つ か ら な い !あの、その…是非是非登録していただきたいのですが…!あ、IDは

 ID:unteared

 です!!強引で&真に受けてすみませぬ…!!さらりと流してくださっても構いませんので!!でもコールドさんとかカクトス君とかファイター君とか…桜ちゃんとか…!!かたり、た、い…!!

 そして、「この野郎…無茶(振り)しやがって…」と、思わず同情の涙を拭ってしまったそこのアナタ!どうかどうか、その手でかわいそうなこのIDを拾ってあげてください。そんな愛の手を…募集します。(真顔)
 大抵11時頃にはおやすみなさいしちゃう完全なる老人体質だし時々日本語通じない奴ですが…!!!ね!

(さて―)
 コトの元を離れたジグムントの目に留まったのは、窓際で、夜景を背景にたたずんでいる旅の四人の姿だった。少年が一人、やや具合が悪そうにへたりこんでいるが、それ以外は皆元気そうだ。勿論殺せると思って毒を盛ったわけではないから、別にそれでも構わない―。彼の目的は、女王に「トーンの正体」を知っているということを知らせるためにあった。そしてその予想通り、フォーチューンは旅の一行を、今日の鑑賞会に、正式な来賓として招いた。
 確かにそれは、最も有効な方法である。女王の来賓という扱いになれば、彼らを秘密裏に葬ることはぐんと難しくなるだろう―自分が彼女の立場でも、同じことをするだろうとジグムントは考えていた。

(あの女王は賢い。最良の手を打つだろう―)
 ならば自分は、それを逆に利用してやるだけだと、ジグムントはもう一度、その四人を眺める。具合の悪そうな少年が、先日、練習試合で王子を破った、「ファルル」という名前であることは、部下からの情報で知っていた。ただし、調査によると―彼はどうやら貴族の師弟と言うわけではないらしい。腕の立つ兵士が、王女の護衛につけられた…その程度だろう。そしてその隣に居るドレスの少女は―
(あれが―モノケディアの「黒の王女」か。とても王族には見えんな。)
 確かに、着こなしは二十分にできている。だがぽんぽん撥ねたままの元気の良い癖毛といい、表情がよく出そうな大きな瞳と言い…表情や顔のつくりから漂う雰囲気は、王族らしからぬ、素直で率直なものだった。それをとめているのは先日面会に来た、「最年少の賢者」コロナである。

 そして、全く身分が判らなかったのが、最後の一人―。その姿を探して視線を動かした彼の目に映ったのは、見慣れない、華奢な女性の姿だった。初見の時は気付かなかったが、女だったのかと半ば呆れながら彼はその相手を眺める。
 銀色の髪と白子のような白い肌の上に、ひときわ鮮やかな赤と金の髪がひと房ずつ零れている。瞳もその髪と同じ、赤と金のオッド・アイ―。彼自身のそれは選ばれた一族のものであるが、果たして目の前の娘のそれは、なんなのか。
 そこまで思いを巡らせたとき、短い髪の上に簪で留めた、瑠璃色のリボンを微かに風に揺らしながら、「彼女」が顔を上げた。



(―げ。目、合っちまった。)
 その時のハルモニアの第一印象は、それだった。見世物でも見るような目で、じろじろ見られるのは好きではない―おまけに今は、普段しないドレス姿だ。今までとんとこういった「女性的な」格好に縁がなかった彼女に向けられるジグムントの視線は、まるで似合わないと嘲笑っているように感じられた。
(嫌だって言ったのにさァ…)
 心の中でこんな格好をさせたアークティカに恨み言を言いながら目を逸らし、ハルモニアは再びため息をつく。

 仮合わせのあと、「これでやっと開放された―」と思ったのは束の間だった。
「ま だ で す 。」
 がしっ。ぎりぎりぎりぎり。蜘蛛の糸に縋る地獄の亡者もかくや、という勢いで、笑顔のアークティカがハルモニアの背後に立っていた。
「ま…まだ何かあるんですかィ…??」
「折角だから、肌とか色々やっちゃいましょうvvあ、そこの子、ちょっと、大浴場の準備してきてもらっていい??うん、お花も一杯あった筈だから…。」
 てきぱき指示をだしていくアークティカに、
「大浴場?」
 とトーンが尋ねる。
「今皆さんがお使いになってる部屋とは別に、おっきなお風呂があるんですよー」
 熱いお湯と冷水で、交互に肌を引き締めるんですよぅとアークティカが何かしら説明しているが、いろいろな事が頭を通過してしまっているようで、何なのかさっぱり判らない。違う意味で判っていないのはトーンも同じようだったが、抵抗を見せるハルモニアに対し、彼女はどちらかと言えば興味津々と行った体であった。楽しそうな侍女とトーンに挟まれ、半ばゲッソリしながら向かった先は、無意味なまでに広い浴室だった。
 まず、広さが落ち着かない。侍女達が次の準備をしているのか、慌しく動き回っているのも落ち着かないし、浴槽に所狭しと浮かべられている花の香りと熱気も半端ない。トーンは熱さに強いのか彼女の隣で、湯船に浮かんでいる花を掬い上げたりして遊んでいたが、ふと気がついたように
「なんかハルモニア、浮かない顔してない??」
「いェ…なんでも…」
 と声をかけてきた。本当は王女様であるトーンにとっては、けしてこういうことは珍しいものではないのだが、勿論ハルモニアはそのことを知らない。ただ、物怖じしませんねェ、と感心するばかりである。

「萌えすぎたせいでジグがやばい」/四面楚歌

2008-03-08 03:53:00 | オリナビ的発作
 …その、夢じゃねぇかって位素晴らしいお話を頂きました。
 画面の前で「これは現実?夢なら醒めないでー!!」とか叫んだ自分が い る !
 ちょ、どうしようvv今からニヤケが止まらないvvv


 蒼牙をこんな状態にした昨日の絵チャでは、オセロ様と渚様に遊んでいただきましたvvむ、むっちゃ楽しかったvvお二方、ありがとうございますvv(あ、原寸大は、チャット部屋のログにあるんで是非!!!これだと線が薄かったりつぶれちゃったりですが…原寸大は涙出ますよ。上手すぎて。

 で…その…イラスト掲載vv真ん中だけなんか場違いで申し訳ないです…右のアンティーのイケメンっぷりが凄まじく(ていうか自分でそういっちゃうのって…自信家め!)、左のジグの色気が最早…絶句です。心臓が竦みあがります、ほんとうに…。。ライさんももっとお色気なのに…もっと…男の色気が!!ワルな感じが!!(がるるるるるるる)
 ライさんむっちゃ格好良いんですよ!ほんとは!!本編だとユギちゃんとの絡みが最高に格好良いです。抱かれたい男ランキングでは常に高順位をマークしている方です。
 
 でもこういうギャグ場面になると何故か狙われキャラに…というのが暗黙の了解になりつつあります。ギャップ…もえ?いやライさんが燃え&萌えだから全部許せるファン魂なのか…??
 …とりあえず…その これで将軍と王子が加われば四面楚歌ですが、既に前門の虎、後門の狼感は漂ってますね……両手に薔薇(族)ってこういうこと?(多分違う)…にげてぇぇ!


 それにしても…ジグムントは、ショタ専門だと思ってたのになぁ…?ライさんに声をかけるとはvv良い趣味だvv(心の底から誉め言葉)何事にも例外はありけりってやつですか。ジグミブとか。(お前死ねよ)
 しかしそんなことばっかり言ってるうちにほんとうに転びそうな自分を知っているので、今日の小説はジグコトに混じってさりげなく…ほんとにさりげなくミブフォー主張。

 え?どこらへんがって?

 画面の端っこでいつも2ショットなあたりです。役職的には当然っちゃ当然ですが。並んでるだけで妄想できるのが腐女子なわけです。えぇ。

 それにしても今脳内ジグムントが絶好調すぎで笑えてきます。こう…何ていうの。コトしゃんに何すんじゃおんどりゃぁ!ドSにも程があるわ!とムカついていただければ、このキャラ的にはOKかと。
 あぁ、ジグが言ってるのは「あくまでも噂」ですからね。ほんとうにそういう設定ではありません。お互いに失礼すぎるだろ、それ。
 今回のシーンで判ってほしかったのは…そういう噂が流れてしまう程度には、特権階級が一枚岩ではないということなんです…。誤解があると嫌なので、ストーリーが読みやすくなること覚悟で書き添えておきました。本当は誤解して、悶々としてもらうのも楽しいんだけどねー、人様のお子だし、ということでvv


 そういえば昔「噂を操る」ってゲーム無かったっけ…。ペルソナのキャッチコピーがそんなんだった、気が。
 一瞬訝しげな顔をしたが、勿論コトに断る理由も、また断る権利も無い。傍らに控えていたスタッカートに腰に吊っていた剣を渡し、差し出された手を取って広間に滑り出ると、わぁ…とざわめきが広がった。あのヴェルファリウス卿が、ということに対する驚きなのか、それともその相手がコトであるという事実に対する驚きなのか、それは良く判らない。
 元々艶麗な長身の上にヒールを履いてしまえば、彼女の身長は並みの男性と並んでしまうほどだ。一見人を寄せ付けないような美貌と言い身分の高さといい、なかなかコトを踊りに誘うのには勇気が必要だったりもする。身長・身分的に適任といえば騎士団長であるミブロだが、彼は女王以上にこういう社交の場が苦手、というか実のところ踊れないようで、専ら国王の警備として控えていることが多い。…その辺りが、「庶民出身」「女王の飼い狗」と、封建的な貴族階級に陰口を言われる原因になっているのだろうが。本人はそんなくだらない噂など何処吹く風といった表情で受け流しているから、それが表立って言われることはない。(いや面と向かって言うだけの度胸が無いからかもしれないが。)
 まぁ兎に角、居並ぶ貴族達にしてみれば、久しぶりに騎士団副団長―改め、コトが踊るというので、いやがうえにも期待は高まる。
 だがその視線とは全く別に―コトの表情はやや探るようなものだった。どういう風の吹き回しだろうか、そう聞いてやりたいのを堪えながらゆったりとした音楽に合わせてステップを踏み出す。先に口を開いたのはジグムントの方だった。
「私が何故お前の前に居るのか、聞きたそうな口ぶりだな。」
「…えぇ、まぁ。」
 まさかそこまで露骨だったか―先手を取られたような気分で曖昧に答えると、
「大臣から聞き捨てならない噂を聞いたものだから、な。」
「噂など……そんなもの、幾らでも転がっているでしょう。わざわざ私に言うほどのものなど?」
「別にお前である必要は無いが―。お前が一番適任であろうと考えただけだ。」
「私が…適任?」
 相手は含みのある口調で、微かに口角を吊り上げて返してくる。
「私が適任とは…何のことでしょう?…騎士団の問題ならば、私ではなくどうぞ団長に。」
「は…。私が、あれを嫌っているとうことは言うまでも無いだろう。」
 騎士団長が気に喰わない―そう言い切って許される、王子以外の唯一の男は、コトの言葉を否定すらせずに笑った。
「…たかが薬売り上がりに、貴族しかなれないはずの騎士団長の地位―。貴族としてお前は正直、どう考えている?」
「……それが実力ならば。それに、彼の続投は、先王の意思でもあります。」
「…ふん。…優秀な二番手の意見だな。そう、私が言いたかったのは―」
 澱みの無い返答を冷笑でつき帰すと、彼は物言いたげな目をちらりと横に流す。その目線から、恐らく玉座の方を見ているということは判別できたが、ふわりとしたターンで視点が強制的に入れ替えられ、結局の所何を見ていたのかは判別できなかった。
「あれが、王座を狙っているという噂だ。」
「……まさか。」
 コトは即座に否定した。寧ろ不敬を問われることを覚悟で、それは貴方のことではないか、と言ってやろうかと一瞬本気で考えたほどだ。
「そうだな。そういう男ではないだろう。」
 ジグムントはその否定に対して、気分を害した様子もなくそれを受け入れた。では何が言いたいのかと探ろうとした瞬間、
「問題があるのは―元王の側だと私は考えている。もう一つ、こんな噂があるのを知っているか―」
 庭を歩いていたら、蝶を見つけたんだとでも言うようなさりげない口調で―「逆に女王が、結婚という形であれを縛ろうと考えているという話もある。」と彼は告げた。
「―私はそこには、全くといって良いほど興味が無いわけだが―もし本当にあの女がそう考えているのだとしたら―その時邪魔になるのは、誰だ?」
 ぎり、と、握る手に力が篭った。貴族めいた細い手だが、けして華奢と言うわけでも、ましてや非力と言うわけでもない。だがそれを気にしている余裕は彼女には無い―次放たれるであろうその名前を前に、コトは微かに目元を強張らせてジグムントを見返した。
 もしそうだとしたら、邪魔になるのはただ一人。先王の遺児である「彼」のみ―。
 だがその名前を、相手が口にすることは無かった。
「…勿論それはあくまでも噂だが。そういう噂が流れること自体、王家の一員としては耐え難い汚辱だ―だから、今お前にこうして話をしているわけだが。…お前の口からも、言い辛いか。」
 そう言う口調に、阿る様な響きや、優しさがあれば―疑うこともできただろう。だがジグムントの声音はあくまでも淡々と、寧ろ彼女の態度を詰るようなものであった。
「ああ、そうだ―ならば、せめて息子から目を離すなと伝えておくがいい。」
「……え?」
「有能な王であることは認めるが、息子であるはずの王子に対して冷たすぎるきらいはある―疑われるのも無理はない。これは、臣下としての諫言だ。その位は、いくらお前でも言えるだろう?」
 その言葉に、弾かれたようにコトは玉座を仰ぐ。女王の姿は―いつの間にか消えていた。そして、ミブロの姿もまた―。
 何かそれについてジグムントは立ち去っていた。反論も否定も出来ないまま宙に放り出された言葉と共に、彼女はその背中を見送る…握られた手が、思い出したように痛み出した。

「必殺カードを切ってみる」/即死?いえ中毒です

2008-03-02 22:09:58 | オリナビ的発作
 小説は下ですー。
 えと、まず、絵チャ告知。

 今週の金曜日 夜:10:30~から、絵チャやります

 前回の反省に基づき、時刻を遅めにしてみました!!参加できるよって方は…是 非 !仮眠をとってからお越しくださいvvうぉーテスト後だし、気合いれていくぞー!!

 以下日記です。
 一番怖かったテスト終了!たぶん、首の皮一枚で繋がった…!!単位は来たと思います。ぶへぇ…危なかったぁ…。(特大の溜息)即死だけは免れた!よ!

 そうだ、即死といえば…ニコニコでちょっぴりブームになってる気がする「カンタレラ」がすごく好みです。
 こういう微妙なお耽美っぷりが大好きです。ぐぅ!!ノリで久しぶりにエロ描こうかなあとかリピートしながら昨日は思っていたのですが。

 しかしそれを台無しにする勢いで。

「Unlimited Bullet works」
 れいさんとのメッセ中、あまりにも面白いネタがあったんで、無断でパクらせて頂きました(ぺこり)すみません…。でもこれは本当に…Fateファンとしては爆笑どころかと!!
 元々は「ドラえもんってきのこ的解釈でいくと魔法の体現者ですよね」ってところから。ガンドじゃないよ。空気ピストルなんだよ…!!
 この方面白すぎる…てか、頭の回転早すぎるvv


 で、小説。男の子は結局二人とも男の子の格好になりました(笑)…じつは男の子の服の方が露出が高くてかわいいんじゃないかと言う結論だったので…!!!(殴)ドレスも可愛いんだけど、絶対領域と生腕には勝てなかったよ、先生…。
 あとコトさんの直属部下としてスタッカートが登場しました。画像はそのうちつけますが…お姉さんであるアークティカにめっきり主人公の地位を奪われそうな予感にハラハラしている、オリナビ長編小説主人公(の予定)の子です。コトさんの部下として動いてもらって、ちょっと主人公として鍛えられるといい。寧ろ鍛えられなければ本当にアークティカ主人公でいい。だって、アークティカについては、私とアークティックボンドの妄想上の娘ですもの(はいはいはいはい判った判った。)すんごいいいKY具合とヘタレ具合を発揮してくれるに違いないわ!!
 …それにしてもあれだ。
 最初出す予定じゃなかったスタッカートが出てくるとは…いよいよ人員不足に悩まされてるなぁ。(笑)もう剣を使える人間系キャラが残ってないのに…この後どうするんだろう。自分。まぁいいや。
 で。最後はここでまさかのジグコトカード!!
 予想を裏切れていたら、いいなぁ…!!とは思っていますが、色合いの時点でもうバレてた?コトさんに敢えて髪の色と同じ紅色を着ていただいたのは、その…ジグがむっちゃ青いので。ダンスシーンのカラーバランス的に…綺麗だなぁとか思ったからです。サーセン。
 (注:蒼牙が小説を書くときはまず脳内でアニメーションを作ってからディティール書いてます)

 ちなみにジグムントとか画像出てない残りの三人はこんな格好してました。

 全員王族だから、公式の場所でのマントは青。一人だけイメージカラーと食い違っているせいか、アンティーの違和感が酷い。笑ってやってください…。あとジグがマイナーチェンジ過ぎる!


 次の場面はちょっとドロドロ系かな?ファンタジーっちゅーとやっぱり「グイン・サーガ」や「シュヴァリエ」のような宮廷陰謀シーンを放り込みたくなるのが、蒼牙の悪い癖です。うふふvv


 そして大騒ぎの着替えから数刻後。
 招待を断りきれなかった一同は、演劇鑑賞のあと催されていたパーティー会場にいた。貴族達の色とりどりの夜会服や、砂糖菓子のようなふわふわとした身のないの言葉の中で、
「う…駄目かも…」
 強すぎる香水の匂いに充てられたのか具合の悪そうなファルルに付き添って、コロナとハルモニアは窓の近くの席に避難していた。窓から入ってくるひんやりとした夜風が心地よい―というか、少しむき出しの腕に寒い。今コロナが着ているのは、袖なしの長い上着に橙色のシャツ、黒いズボンに、ブーツのような装飾品だった。ちなみにファルルは結局、黒皮の襟がついた、外套のような長さを持つ上着に短いズボン、装飾つきのブーツという非常に身軽そうないでたちである。そして彼らにドレスを着せようとした張本人であるアンティエルドと言えば―ドレスを着せることに失敗した上に貴族の子女達の熱烈なアプローチに敗北したのか、踊りに駆りだされている…少し可哀想だが、王族の勤めといえば仕方が無いのだろう。公式の場だということで着用している蒼のマントが、時折閃いているのが見える。
「…ファルル、大丈夫?」
 飲み物を持ってきたトーンが、心配そうにファルルに向かって問いかけながらグラスを差し出した。
「あ、ありがと…。」
「はい、コロナの分も!」
「あ、どうも…」
 受け取りながらトーンの姿を見返した彼は(この姿を、国王夫妻が見たら…喜ぶだろうな)と内心呟く。祖国でもトーンのドレス姿は珍しい。ましてや、他国風の衣装となれば尚更だ。上半身は黒で、ぴったりとしているのだが、腰のあたりで半透明の黒いオーガンジーに覆われた白い布地に切り替わり、遠目から見ると色合いが三階調に分かれているように見える。アクセントとして白百合が髪と胸元に飾られ、それが逆に黒を引き立たせていた。
 そして手渡されたグラスを見て、コロナは再び目を丸くする。
 内側のガラス面に絡みつくようにして、細い細い銀の線が、霧を思わせる細かさで幾重にも重なっていた。なぜ外側ではなく内側に銀を用いているのか―まさか、と思いつつさりげなく確認してみたところ、他のグラスも食器類も、全て銀製が用いられている。国色である濃い青の布地に、泡のようにふわりとしたドレープを持つ白いレースを重ねたテーブルクロスの上に並ぶ食器が全て銀色というのは―著しく景観を損ねるものであったが、やはり女王は毒を警戒しているということだろうか。レモネードをぶちまけたときのあの表情が、今でも引っかかる―。かすかに眉根を寄せ、違和感を突き止めようと思いを巡らせかけた瞬間、ざわっと―空気が騒いだ。
 何が起きたのか、はっと顔を上げ―
「う」
 コロナは嫌そうな表情ですっと柱の影による。
 ざわめきに迎えられながら、中年の紳士と共に会場に入ってきたのは―ジグムントだった。王位継承者ということだろうか、フォーチューンやアンティエルドと同じ色のマントを羽織り、濃藍の外套を翻しながら悠然とした足取りで進んでくる。コロナを見た瞬間、嫌味の一つでも思いついたのか、その口元が微かに歪んだが―そのまま彼は踵を返すと、玉座へと向かっていった。

「…ヴェルファリウス卿も、今日は珍しくいらっしゃるんですね。」
 ぽつりと呟かれた言葉に小さく頷きながら、コトは傍に立つ少年を見やった。彼女の隣に居るのは、リヴァリウス家の側近であるスタッカート…騎士団にも所属していない、コト直属の部下だ。彼はアークティカの弟でもあるのだが、諸事情あって姉の方は王家仕え、弟の方は本来の主人であるリヴァリウス家の次期党首である彼女の側近として働いている。
 ちなみに―側近としては全く役に立たない能力ではあるが、小さなころアークティカに散々遊ばれていたせいか、コーディネーターとしての腕も確かだ。今日の衣装合わせの際、「白の胡蝶蘭ではなくて、小ぶりの薔薇なんかいいかもしれません」と進言したのは彼である。
 最初に衣装係が用意していたのは、彼女のしっとりと濡れたような紅色の髪と抜群のスタイルを引き立たせる、橙から紅へとグラデーションがかかったシンプルな形状のドレスと胡蝶蘭だった。確かに基調となる色である真紅の上には胡蝶蘭の白が映えるのだが、スカート部分に大きくスリットが開いたドレスと白の組み合わせでは、彫像のような堅苦しさばかりが先立ってしまうことも否めない。その点、オレンジ、ピンク、コーラル…パステルカラーの薔薇達は堅苦しさを適度にスポイルして、大人ならではの可憐さをそこに添えていた。
「おまけに、魔法大臣―ルーサンもさ。」
 その装いとは裏腹な、身内だけに対するざっくらばんな口調で返し、コトは正面に向き直った。その視線の先には、少し高い位置に設けられた玉座に座っているフォーチューンと、傍らに居るミブロ、それからその前に立つ二人の男性の姿。一人は、ヴェルファリウス家のジグムント、もう一人は―魔法省の大臣の、ルーサンである。
「……」
 何を話しているのか勿論此処からでは聞こえないが、フォーチューンが困ったような笑みを浮かべたあたり、また何かの文句だったのだろう。ジグムントはともかくとして、ルーサンの女王嫌いは宮廷でも有名である。嫌いな理由は、勿論その出自の曖昧さゆえのみではない―未だに再結成されない、王室魔術団への不満。
 コト自身も、何故魔術団が再結成されないのかは疑問であったが、現女王は魔術師団再結成についてはとにかく反対を続けているらしい。今回の暗殺未遂のことを考えると、王室に魔法使いがいないということはほんとうに危険なことであるのだが―。様子を見る限りでは、またしてもフォーチューンはそれをはねつけているようだ。
(幾ら女王陛下に関係が無いとは言え、殿下のためにも―魔術師は抱えておくべきだろう。)
 正直なところ、コトはそう考えているが、たかが一臣下がそれを聞くのもおこがましいような気がして、その理由を問いただしたことはない。

 ―そうこうしているうちに話は終わったのか、二人はこちら側へ降りてきた。ルーサンは他の大臣の所へ、そしてジグムントは―何故か真っ直ぐコト達の方に歩いてくる。
「……副団長。一曲お相手願えるか?」
 コトの目の前に立った彼はすっと手を伸ばし―相変わらずの口調で言ってのけた。