goo blog サービス終了のお知らせ 

半月記

半月に一回くらいは、何か記録をしていきたい

ぐてーーーーー

2011-07-31 17:41:07 | 若葉のころ
 しまった うっかり全消ししてしまった!!鬼!!ヤプログの鬼!!
 というわけですみません、今日はらくがきと小説のみで…。

らくがき

 ぬっこぬこにしてやんよ!!な黒ぬコンビ。
 魔女さまちょい年上にしすぎたきもしないです。外見年齢10代前半くらいのイメージなんですが、これだと二人とも10代中盤位かな…。見た目が幾つであろうとも、中身には全くブレがなさそうな組み合わせですが。
 最初、今とばこさんとこのお子さん借りて妄想してる小説のイメージだったんですが、書いてるとちゅうで服の趣旨が行方不明になりました。ちょっとアジアンすぎるきがする…。
 もうちょっとヨーロピアンがいいんだけどな!!でもそしたらいつもとかわらないしな…!

「剣がペンより強いと言うのは、思い上がりだわ。」
「…全ての人が、そう言ってくれるならいいんだけどねー。」
 アンティエルドはクスクス笑いながら、パチン、と剣を鞘におさめた。


 同じネタでもういちまい。魔女様とジグも絡んでればいいな!という願望!
 すごい久しぶりにジグをかきました。(真顔)イメージとしてはわりと「何時も通り」だとおもうんですが、私のかいてるキャラの中では断然目が小さいほうに入るので、左右のバランスとりづらくてもう…。
 漫画っぽくしようとしたけど全然だめだったというか空白多すぎてもう!!色々歯噛みしたんですがもうどうしようもないね!!
 話の流れとしてジグが黒幕…というほどでもないんですけど事件に一枚噛んでるポジションなんで、多分絡みはあるとおもいます…。相性はわるいだろうけど(笑)

「さて、そんな子供など、存在していたか?」
 神は―「何もせず、ただ否定する」ということができる。嵐が稲穂や家をなぎ倒すかのように一方的で、釈明の許されない物語の返還―それが「神の言葉」。
「叡智の書斎の管轄者とは思えない無茶な言いぶりね?」



 ピクマナ用にキャラデザしようとおもってたんですが力付きました。…また気力が湧いてきたら書きなおしします。
 LOMのキャラデザは、人間と珠魅はそうでもないんですが、獣人系とか悪魔系とかはわりと皆鱗だったりもふもふだったりと、結構容赦のないクリーチャー系のデザイン(だがそこがいい!!)なんで、そんなイメージにしたいんですが…うまく折り合いがつけられなくて爆発しています。ほんとになんでこんなデザインできないんだろう…。
 ちなみに今回は王道人魚だから鱗ー。水の中泳ぐのにこの髪型は不便だろうと言う突っ込みは…甘んじて受けます。正直水の動きに合わせて髪の毛がひらひらふわふわするのは「この世界」のフォーチューンのほうでやってるからもういいんだ…!!!こっちのデザインでは尾びれをひらひらさせる予定です。が、まずキャラシをかこうね…。

アニメ感想―
・タイバニ
 クリームさんの過去を聞いてもうジェイク×クリーム一本でいいと思ってしまいました。すまないどうしてジェイ折とかジェイ空がふえないの?とか嘆いてた自分を殴りたいよジェイクリでいいよ!!あっち側で幸せになってください…!!

・ウテナ
 2話までみましたがだから薔薇が(以下略)で終わってます…。ウテナが金髪だったらまた話も違ったろうに!
 しかしどの回を見ても建物が綺麗です。




「…わぁ、相変わらずいい性格。」
 彼女の心中を代弁したのは、あどけない、だがどこか棘を含んだ声音だった。
 春の天馬の背の向こう側に立っているのはアンティエルドと―コウ。
「僕のパパのこと、そんなに知りたいの?」と彼は小首を傾げて、掬いあげるように春の天馬に微笑みかけた。この会話の流れからして、アンティエルドのこの発言は明らかに春の天馬に向けられたものだろうが―一体なぜ?そして何故ミブロの話が出てくる??
だが問いかけようとしたハルモニアの口からこぼれたのは、全く違う一言だった。
「授業は―?」
 問いただしたあと、何を言っているのだ自分は、と彼女は我に帰るが、彼はその心中を知ってか知らずか―
「引きこもりを連れ出そうとしてたら、遅刻しちゃった」とにこりと笑って返してきた。
「こんなに生意気で口が達者な子供の父親が、本当にあんな喋らない男なのかってのは僕にとっては納得できない疑問だからね。」
 クイントは楽しげに笑って屈みこみ、アンティエルドの頬を撫でる。
「久しぶりだね、アンティー。相変わらず健やかに我儘に育っているようだね?」
「クイントのほうも、相変わらず爽やかな顔してねちっこいやり口だね?」
 顔を見合わせて微笑む様はまるで旧知の仲のようであったが、発言はどことなーく嫌味を含んでいて、ハルモニアは思わず説明を求めてコウを見やる。だがコウのほうも全くこの展開についていけていないようで、白い―幾分顔色が悪いような―顔には、彼女と同じような表情が浮かんでいた。


決定稿が!でるまで!!

2011-07-10 23:03:58 | 若葉のころ
「君に臨む終焉」

 アニメをリアルタイムで観るってことに何か意味はあるんでしょうかね。とずっとおもってたんですが、最近あった友達の研究内容を聞いていてふっと思いました。
 リアルタイムで見るでしょ、それをついったーなりボイスなりで呟いて盛り上がるでしょ。その「ライブ感」がこう…アニメを見る中で重要なんじゃないかなと。
 以前は「先に情報を入手」するために見てたリアルタイムで観てたアニメが、今はこう…オンで名前をしってる「誰か」との一体感を得るためのツールになってるといいますか。「一緒に好きなことしてる」って感覚が、今の人達の求めてるものなんじゃなかなとおもいます…。
 それを思うと残念なのが、友達から借りてるイナイレが全然みれないということ!!今みておけばイナイレGOが楽しくみれそうなのに…!!

 今日は「萬灯祭」とやらにいってきました。出店でご飯食べることのむずかしさを知りつつ、「佐世保バーガー」「ケバブ」「牛タン串」「窯焼ピザ」をちょぼちょぼ齧りました…。焼きそばとか食べれば一瞬でお腹いっぱいになるのになと思いつつ、焼きそばとかおこのみやきはあんまり好きじゃないから必然的に値の張るものに走ってしまうと言う残念な感じ…。








 礼拝の時も思うんだけどやっぱり蝋燭の光っていいなと思います。


 さて。
 決定候がでるまで!なぐりがくのを!やめない!!ということで服落書きがつらつら入ってます。

 ぴくのくキャラシかけよー

 とおもってたんですが そういえば かいてました(真顔)ただこのどっかでみたような服センスと白い背景をどう処理しようか悩んでるうちにぴくのくおわりそうっていう…。
 アンティーの服なんか全然思いつかないほんとに。なぐりがく なぐりがく…。

 PF5用

 ジグムント・アンティエルド・フォーチューン
「もうあんまりつかわないからいいや」とおもいながら書いたのでやっつけ仕事感満載です…が、アップしないと忘れるのでアップしときます。
 アンティー青にしようかとおもったけじどなんだかんだで赤にしちゃいました。ほんとはマントはおらせたかったんですがそこまでするとちょっと別の国所属になっちゃう気がしたので没。
 ジグもやっつけ感じが酷いですね。上着部分の斜めカット具合は好きなんですけど、このタイプのマントはおったらまるでわからんというか、バランスとれない!!

 最近全然服をかいてないせいか駄目駄目ですね…!!
 個人的に最近作画した服のなかで好きなのは、「星追い」の服だっていう残念な感じ…!!!フォーチューン白くないしジグもなんかアクティブだしアンティーもなんかもっさもっさしてるんですが、なんかお気に入りです。

 なんか自分で「かいたぞぉー!!」ってなるくらい絵がかきたいです。衣装だけでももうじっくりねっとり自分でいやや!ってなるくらい丁寧にかきたい。

 おまけ。
 たしかににてねぇふたごである。

 おにーさんのほうが数倍男前。でも男前は男前でもシャープなイケメンだからジグとはかなり方向性がちがう。
 ミブロさんとのかき分けができなさそうですがなんだその…ミブロさんのほうが怖いよね という…。

アニメとか漫画とか感想
 今日は真面目に観てないので感想適当です。

・ブレイド2話
 …なんかこう…マッドハウスならもうちょっと作画がんばってくれよ!といいたくなります。作画に時間がかかるイケメンがいないんだから、アクションもうちょっと頑張ってくれればいいのに…

・タイバニ15話
 スカイハイが可愛い回でした。そして不憫な回でした。
 シスちゃんの正体知っちゃってがっくりくるスカイハイが観たいんですが、尺的には無理だろうなー。
 とりあえず空シスがせつなくてもう もう…
 結ばれてたらきっとブーイングしてたんでしょうが(苦笑)途中で死んじゃったというふつくしすぎてもう…!!!
 スカイハイからしてみれば悲惨すぎるストーリーで、もしかしたら「悪落ちフラグか!?」とも思ったんですが…いや尺的にないだろうなー…。あと何話だっけ…。

・セイクリッドセブン
 金髪美少女?美少年?がいるときいて。いやお嬢様のほうじゃなくてライバルに付き添ってるこのほうが私のツボです!!
 戦闘は確かによく動くんですが、なんかもう…変身シーンがダサくてもう……。
 もうちょっと観てだめだったらスタードライバーを真面目に見返そうかなと思っています。絵柄はルルーシュっぽくてすきなんですけどね!

・ブラッドC
 あれ?更新されてない?

・黒執事11
 古本屋に立ち寄る機会があったので。9だか10だかでシエルママが出てくると聞いたんですが丁度抜けてました。
 よって そのなんだ 「どうでもえぇ」…
 相変わらずセバスがアンティーに見える病気です。早く画集でないかなー。

・ダンスインザヴァンパイアバンド
 作画がほんとにほんとにほんとにほんとにほんとに苦手なんですが。(というかミナ姫もう常に真の姿でえぇやん)
 設定的には大変好きな感じなのでふらっと4巻までよんできました。
 面白いっちゃ面白いんだよなー。また時間があったら全巻読んできます。

・デュララララ
 漫画にすると読みづらい読みづらい…
 やっぱり小説媒体が一番いいというきがします。
 あ、アニメのシェルティのスタイルの良さは異常!!

・囚われのったー
 囚われのフォーチューン:磔にされて悔しそうに目を伏せている→拷問されても声をあげることなく耐える http://t.co/8mdh4OG
 追い込まれたら自白しないためにありとあらゆる手段を使う、それがフォーチューンクオリティだとおもいますが。
 そもそも自白させられるような画面になるまえにありとあらゆる手段を使うのがこの人だなというきがしました。
 んでもって友達に「拷問シチュすきだけどフォーチューンさんのは見たくない。」といわれてなんか納得しました。書きたいけど書きたくない そんな矛盾したシチュだとおもう。書くんだったらもうすごい陰惨にいきたいんですけど…まぁいいやフォー様はきらきらしてればいいや(丸投げ)

 追記若葉はいりますー 衣装そろそろきめたい!


 ―中休みの時間、学校の中は何時になくごった返していた。予約していた本が来ているからと図書室に向かおうとしたハルモニアは、見事にその渋滞に巻き込まれる形になった。
「春の代理が教室に来てるんだって!!」「見たい!超見たい」と目の前で騒ぎ立てる一群に通路を塞がれ、嘆息交じりに引き返そうとした瞬間―廊下をやってくる男と目があった。(春の天馬―)思わずその男の名前を口走る前に、男はそっと唇に指をあてる。黙っておけ、というリアクションだろう。
 口をつぐんで彼女が頷くと、男はにっこりと笑い、ひょいひょいと猫でも呼ぶかのような気軽さで彼女を手招いた。
 本が気にならなかった訳ではないが、春に呼ばれて答えないのも失礼にあたる―そう思って彼女は男の後に続く。
「レムが心配で見に来たんだけど、心配するべきは先生方がきちんと授業ができるかだったね。」
「……はい。」
 歩きながら男が口にしたのは、そんな一言だった。トラブルの種をまいておきながら飄々とした口調に、どう返したものか決めかねてハルモニアはとりあえず頷く。
「まぁ、君に言いたかったのはそんなことじゃなくてね、さっきの演説、中々良かったよ―ということなんだけど。兄上も、さぞ鼻が高かっただろうね。」
「……」
 礼を失さない程度に「はい」、と礼を言うべきなのか。それとも正直に「いいえ」というべきか。見知らぬ男になぜ家族の話をしなければならないのかとハルモニアは口を引き結ぶと返答の代わりに問いを返した。
「兄を御存知ですか?」
「それなりに。」
「―ならば、御察しの通りです。」
 天馬は一瞬目を見開いて、そのあとぷっと吹き出した。
「やっぱり…やっぱりそうだよね?」
 それまで白い面にたゆたっていた穏やかさと優美さが、一偏に少年の無邪気なそれにとってかわるが、要は笑い物にされたのだとハルモニアは内心むっとするのを抑えきれなかった。春は確かに美しい季節だし美しい男だが、「四月馬鹿」の悪ふざけに付き合わされるのは―特に初対面の相手に勝手に付き合わされるのは―彼女の好むところではない。
「…判っているなら聞かないでください。」
「君が言うのを、あえて聞いてみたかったんだよ。」
「…わぁ、相変わらずいい性格。」
 彼女の心中を代弁したのは、あどけない、だがどこか棘を含んだ声音だった。


雪、竜至、図書館にて

2011-06-19 22:37:00 | 若葉のころ
 若葉がかきたいのにおいつかないよぅ!なんておもってたときに夏至ですよ。夏至ですよ。
 これはもうがんばるしかないじゃない!!ということで平日なのにパソコンの前に居座りました。

 今しぬほどあついんですが

 ほんとにほんとにあついんですが

 こう、扇風機で体温下げつつ冬の話をかこうとしてる 私はやっぱりドMだろうとおもいます。


 制作者:こうさま
 ※転載許可取得済


 でもイラリク企画で書いてもらったのがすごくふつくしかったからどうしても冬がかきたかったんだ…!!!
 この甘いけどどこか寂しそうな笑顔がもう綺麗で綺麗で!!!
 なんかこれ見た瞬間妄想が大爆発…!!!

 この方の女の子ってなんか皆表情が秀逸で。あと個人的に「線のにじませかた」が儚くて素晴らしいと思う…!!水彩でしかできないこの滲みまで計算にいれて表情を描かれるからほんとにチキン肌です…うつくしい。溜息がでますはふん…。

 なんかこう。なんていうか。
 恥知らず!!って罵られるか、「リク爆撃注意」リストに私の名前が載るんじゃないかってくらいあっちこっちでお願いしますってやってます実は。多分このブログみてて「マジ節操ねぇ。リク厨なの隠せようぜぇ。」ってうんざりしてる人もいるんじゃないかなとおもうんだけど。

 何回か喋ったかもしれないんだけど。
 私の大学時代の相方の卒業論文が、「区画化傾向」というテーマでした。
 つまり、「○○さんに見せてる自分」と「××さんに見せてる自分」のギャップが、はげしければ激しいほど、○○さんと××さんに同時にあったとき気まずさあるいは嫌悪感を感じるというものなんですが。
 ネット世界においては「別アカウント」とか、わりとその傾向が強い気がします。そういう意識があるからなんかこう…だからこそ直接お会いする場面じゃないといろんな申請ができなかったりするんじゃないかな、と自分ではおもってるんですが。
 それがいいか悪いかは多分人によって違うと思います。だって素晴らしいBLかいてる作家さんが実は本職肉欲しかないようなアダルト漫画家だったとしたら「しらないほうがしあわせなのよ」といえるだろうし。
 まぁ蒼牙は基本的に一面的にやりたいとうか。「ブログを見てもらえれば基本蒼牙はわかるよ!」というスタンスでやりたいとおもってます…無理に化けようとしても蒼牙根っこが馬鹿正直だから無理ですし、キャラをわける時間も無いっ!!!
 ま、自慢したいんだなこいつ絵が下手だからvvv位の目でみてもらえればありがたいです。あれ、何の話してたんだっけ。区画化傾向か。


 とりあえず夏至なんで若葉のスピンオフぽろぽろ…。やまさんからもらったどやきり対決も早くアップしたい!!




  
「―春が恋しいかい?」
 煌めく様な笑みで男は問いかけた。
 その問いかけに女は曖昧に微笑んだ。諦めと寂しさを滲ませながらも、それらを朧に包む暖かさを残した笑みだった。



 竜至は、冬の国においては冬始(とうじ)、とも呼ばれる。一年でもっとも冬に近い日を何故「冬が始まる日」と呼ぶのか―それは、「世界が動き出さなければ、冬という概念はそもそも存在しなかった」ことに由来する。

 ナヴィガトラードの竜至の日は、ひどく冷たい。
 金剛石の欠片が成長の過程で音を吸いこむせいか、外は静寂に包まれていた。僅かな雲の切れ間から落ちてくる光を集め、眩しく輝く氷は、或いは瑠璃に、或いは金剛石に、或いは炎石に、さまざまに色を変える。
 竜至の日、とは世界が最も美しい日なのだと詩人は謳った。

 草木の色が目に彩な絢爛の春と秋。
 全てのものが光輝く、壮麗な夏と冬。

 

「アンティエルドが…いない?」
 その日、ハルモニアは学院の寮にいた。
 竜至の日の寒さは人を殺す。故にこの日だけは国が全ての機能を一旦停止させることを定めている―外を出歩いて命を落とすことがないように、とのお触れだった。
 よって学院も当然休み。教師の多くは、家族の待つ家に戻ることが多い。
 だが―ハルモニアの場合、事情は多少異なっていた。肉親である彼女の兄は王室仕えの騎士団長。甥は同じ学院の生徒。戻ったところで待つ人は無い―との結論から、彼女とアンティエルドは学院に残る道を選んだ―はずだった。
 ぐっと人気が少なくなった学園の中、年代や寮関係無しに、居残りを決め込んだ生徒達はわらわらと談話室に集まってくる。その中に空色の双子の見慣れた髪の色を認め、ハルモニアはそちらに歩いて行ったが、やはり二人もアンティエルドの姿は見かけていないと言う。
 恐らくこの談話室か図書室にいるのだろうと、検討をつけてハルモニアは本を開いた。
 叔母と甥にあたるわけでよくつるんではいるが、居ないからといって血相を変えて探し回る仲でもない。
 いつものように、暖炉の近くには彼女が、火から隠れるようにしてミカとコウが陣どり、一人足りないながらもそれぞれ充実したのんびりとした時間をすごす―はずだった。

 冷気とともに彼がやってきたのはその時だった。
 ダイヤモンドを髪に服にまぶした少年が、談話室に入ってくる。この日に外に出るなど、冬の恐ろしさをしっている、冬の国の人間とは思えない暴挙だった。
 僅かな、たとえば渡り廊下の移動ですらも、冬始の寒さは人を殺す。
 たとえば息を吸いこんだ瞬間、その冷たさに肺と気道が竦み上がり、寒さで窒息するものがいる。
 寒さで膝が笑って立てなくなり、そのまま凍死するものがいる。


「…どこ、行ってたんだ?」
 呆れたような声で問いかけたのはコウ、すぐに持ってきたタオルをアンティエルドに渡したのはミカ、ココアを渡したのはハルモニアだった。戻ってきて早々の手厚い対応と呆れたようなに、至って普通の顔でココアを啜っていたアンティエルドは、彼に似合わない歯切れの悪い口調で―或いは熱いものを口に含んでいたからかもしれないが―小さく呟いた。

「冬が、見えないかと思ったんだ。」
「冬が…?」
「うん。」

 彼は欠伸交じりに返事をすると、コップを置いて「ところで何の本を読んでるの?」と目を輝かせて聞いてきた。
 ―だが冷え切った長い髪に絡んだダイヤモンドの欠片が、水になって流れ落ちるまで、それから暫くの時間を要したことに気づいたのは―恐らく彼女だけだったかもしれない。。







  
「―春が恋しいかい?」
 男の煌めく様な笑みは、変わらない。
「―ええ、恐らくは。」
 煌めきながら雪解け水の中を流れる輝石のような、耳に酷く心地よい―だが感情を遠くに置き忘れた声で、女は頷いた。
「―私にもよく判らないのだけれども、きっと私は、『春に帰りたい』と思っているのでしょうね。」



「―春ならば、もっと街の近くへ降りていけるわ。」

春に隠れて目立たないんですが秋もいいよという主張

2011-05-26 00:44:55 | 若葉のころ
「心籠(しろ)」と「心殿(しんでん)」

 業務中にみた「シゲ子」って名前を「ジグ子」と空目したくらい、ネタと時間に飢えておりますこんばんは蒼牙です。
 やまさんとこのクイントが凄まじくイケメンでとばこさんとこのフォーチューンがテラ美女で。絵を描く気力がもどってきたのでつらつらと…!(絵を描く気力の行方不明期間が長かった…!!実は五月病だったのかもしれない…!!)
 今日は振休をもらって会社おやすみ!おかーさんといっしょにランチたべてきたのでげんきです!!あと昨日ホテルで年金セミナーってのうけてきて、年金はいんなきゃと思うと同時に、ケーキたくさんもらってきましたほくほく!何かと今日は元気である…!!

 んでもって電波!!
 コメントが「不正な投稿」になってしまって、何回やっても何回やっても投稿できないので電波から失礼します!!(あれかな、テンション高すぎるからかな…!!)

 >TBKさんへ電波!!
 フォーチューンこれちょっともうふつくしすぎてもう…!!!おもわずじたばたしました!!この!!何事にも動じなそうな「スルー力の高い横顔」たまんない…!!ありがとうございますさらっていきます…!!
 ミシロちゃんのくりくりお目目とか、あえて色んな色で黒を表現する隊長さんとか、白と黒の表現力マジパねぇっす…!!!

 あ、あとずっとかこうとおもってたんですが!
 厨二動画が エ リ さ ん 祭 り で 大 変 幸 せ で し た … ! ! (ここ気持ち太文字でお願いします)
 個人的にエリさんパパさんママさんちょうみたいです(真顔)いつか是非…!!パパさんママさんエリさんあとお兄様?(いるって拝見したような…)御家族セットで…!!是非!!


 電波ココまで!

 やまさんちのカワリミが素晴らしく美しかったのでこの世界フォーチューンと空目ジグ子。

 オールバックキャラを女体化したときの髪型として、「ポンパドール」ってのはひとつの選択肢かもしれないなとおもいました。
 とりあえずポンパドールジグ子が前回にくらべて遥かに強そうなボス顔に仕上がってくれたので、夏はジグ子(ただし、出番なし)とフェイト(ただし、出番なし)に任せようとおもってます。アンティーがなんで黙ってるのかと言うと。
蒼「ジグ子&フェイトをぶち殺した場合、夏の第二候補がアルネリなんだけど。」
ク「……あ、微妙にブルースと色が被ってるあれ???」
ブ「……別に多少色被りしてようが、俺は全く構わないが。」
ク「…僕が や だ ね 。…ということは、若葉のころの中盤の見せ場は、人間の男の子と春の天馬が夏を撲殺するモンハン的なワンシーンってことになるのかな??」
ア「……………えー?僕さっさとママ助けにいって僕得ワールドに入りたいから、正直中盤の盛り上げとかいらないよ??夏とか空気でいいよ。」
ブ「…だそうだ。」
蒼「あ、そう…。」
 というやりとりが脳内であったからです…。クイントがある意味アンティー以上に我儘を言い出した!
 どうでもいいんですが、今年は「春」が行方不明でしたね…。四季があるのが日本のいいところなのにどこにいったんだろう。

 あと夏候補でアルネリがいたんですが。(アルマのカラーリングが大層夏男っぽいため。)上記の理由で没になりました。
 ついでにネリらくがきしました。

 ネリだけ描いたタイミングがちがうせいで妙に気合がはいってる…。この気合でフォーチューンとかイケメンジャーがかきたいです。すごくすごく描きたいです。ネリも可愛いけどさ、なんかこう…「この気合でイケメンジャーの理想に近づきたい!!」って思うとすごく悔しいです。
 でもネリかわいいとおもう。なんかこう、とろいけどエロそうというか…すごい美女なんだけどなんかチート級じゃないっていうか…。なんかこうやっぱりネリって、わりと「普通」なんですよね私の中で…。
 フォーチューンとかジグ子とかブル美とかクイン子とかアンティエルとかが村娘の恰好して、「最近みかけないモンスターが村の外で頻繁に見かけられるようになったんだけれど」なんて言おうものなら「おいそこの神人間ごっこやめろ」っていえるんだけど、ネリが村娘の恰好で同じ台詞はいたら「それは大変だ!」っていいたくなる。そういうイメージです。美貌をそのままカリスマ値変換できるほど美形じゃないってことだと思うんですけど。

 四季(秋)の話。
 秋の出番が先すぎて…。なんかカッとなってかいてました。





「あなたの弟、やっぱりひどいわ。」

 どこか憤慨した幼女のような瞳の輝きで、老女は言い放った。
 齢は軽く90を超えているだろう。産まれたときからそうあったのではないかと勘ぐってしまいたくなるほど深い皺が刻まれた顔からは若かりしころの面立ちを伺うことは難しく、真っ白な頭髪からも、元の色を判別することはできない。だが老女の口調や動作はかくしゃくとしたもので、その立ち振る舞いや表情は快活といっても過言ではないものだった。
「……ふむ。」
 腰に手を当てて仁王立ちする彼女の視線の先で、本に目を向けていた男は僅かに頷いた。その拍子にさらりとこぼれおちた長い髪が、晩秋の太陽を弾いてきらきらしい光を辺りに舞い踊らせる。
 銀色の髪に宿るのは、初霜の純化された煌めき。そして男の面立ちもまたその色合いに相応しく、端麗にして幽艶を窮めたものだった。
「…春の話を聞いたか。」
「聞いたわ。春の代理が冬の代理ですって?どうしてそんなひどいことを考え付くの???」
「…夏がもたらすのは仮初めの復活、冬がもたらすのは仮初めの永遠。―代理を代理のまま死なせることができない以上、延命を頼るとしたら冬しかない。」
「………」
 老女は沈黙した。

 ―「竜」とは、四季の環に住まい、生と死のあわいを飛翔する存在の総称である。
 「冬がもたらすのは仮初めの永遠、夏がもたらすのは偽りの復活。」―竜の力の一端を謳った言葉であるが、それらはどちらも、「死」と限りなく同義であるが、「滅び」を許さないと言う点では「生」の側に近しいのだと言う。
 
 そして「天馬」とは、夏と冬の間に立つべく身を二つに裂いた竜のなれの果てである。「生」と「死」の間を飛ぶ力と引き換えに、竜ですら侮ることができない「四季」の力を得た存在が「天馬」と呼ばれる。
 だが奇妙なことに―竜の力は「生」と「死」の二つに分割されて天馬達に引き継がれた訳ではなかった。恐らく人を愛した神の差し金であろうが、天馬達が引き継いだのは兄弟いずれも「生」だった。

 生の側に立つ天馬達と竜達の確執は、故に新しい種族の誕生の瞬間から始まっていたといっても過言ではない。
 秋とは冬への抗いを準備する季節であり、春とは冬喪われた命の数を取り戻す季節でもある。
 秋の実りは命を支え、春の繁栄は命を生み出す。―喩えその二つの根底にたゆたうものが冬であり夏であろうとも、生死を本質とする竜と、生を本質とする天馬は、存在としての立ち位置が全く異なっている。


「―春が死を許容できない以上、冬に延命を求めるのは当然だ。」
 男はそう締めくくると再び本に目を落とした。
「…私にはその感覚、判らないわ。」
「……そうだな。これはどちらかというと俺達四季の感覚―都合だ。」
 長い指がぱらりとページをめくる。「………お前は冬に、『死んでも行きたくない』か?」思い出したような問いかけは、さらに頁が2-3枚ほど進んだあとに投げかけられた。
「……死んでもというほどではないけれど。ずっと私は、人を殺さない季節に居て、人を幸せにするために秋の代理をやってたのよ。春の代理もそうだったわ。あの子、人の喜ぶ顔が好きでやってたのよ。」
「………」
 男は返事をせず、続きを促す様に僅かに首を傾げる。
「人を殺す季節には行きたくないわね。死んでも行きたくないかと言われたら生きたいと言うかもしれないけれど、でも、冬の生と冬の死って、似たものだから―やっぱり判らない。」
「…………そうか。」
「―だから私、代理を何時下りようか、最近ずっと考えているの。あなたの力のおかげで、100を超えてもぴんぴんしているけれど、でも、きっと人の体の限界を超えているんだわ。」
「…幾つになった?」
「来月で108歳になるわ。そろそろ代理の役を御暇して、人として死ぬ準備を始めたいと思うの。」
 「80年か」それまで全く表情が浮かばなかった男の顔に、僅かに驚きのさざ波が走った。だが長いな、という呟きには、艶はあっても憂愁はなく、ほとんど独り言のように老女の耳を打つ。


 四季というものは「巡るもの」、即ち「過ぎ去るもの」である。

 「もうすぐ」は「だった」に。
 「まだ」は「いずれ」に。
 出会いは判れに。
 始まりは終わりに。
 季節は移ろい、時は流れる。

 美が美を問うことはないように、時は「今」に執着しない。
 天馬から曳きとめる言葉がなかったことに納得しつつ、彼女はあらかじめ準備しておいた代理候補のリストを取り上げた。

「何か希望はある?あなたはきっとやる気がある人ならばだれでもいいと言うだろうけど。」
「―料理が上手い代理がいい。」
「え?」
 老女は思わず素っ頓狂な声をあげた。四季は食事を採らない。何を言うのかとまじまじ相手を見返すと、秋は彼女こそ何を驚くのかと言うかのように端正な眉を微かに顰めた。
「…………プリマヴィアとナヴィガトラードに、お前の作るフルーツケーキを楽しみにしている奴らがいた。秋は実りの季節だ。…料理が上手い代理がいい。」



 ―その数週後、秋は新しい代理を迎えた。
 そしてその更に数週間後―秋の前代理は、静かに息を引き取った。

 冬を迎えたはずのその国で、彼女が竟の住処に選んだその家の庭に立つ公孫樹は、吹きつける寒風の中でも葉を散らすことなく、黄金色の輝きを保っていたと言う。















 イチョウの花言葉=鎮魂・長寿・しとやか

 春の代理は3-4年で変わるイメージ。しかも若くて綺麗な子。
 →だって春って生命力の季節でしょ?まぁ、大事な場面で「別に…」なんていう問題児なんて僕選ばないけど。
 秋の代理はずっと変わらないイメージ。特に問うものはない。
 →秋に求められるのは、冬を耐えしのぶための力。故に健康で親切であれば言うことはない。

「おや、やたら小奇麗なおばちゃんが通ったな。」

2011-05-16 00:27:00 | 若葉のころ
 と、おもったら何故か職場のちかくまできてた母親でした。というひどいエピソードを実体験してきた、こんばんは蒼牙です。
 いくら油断してたとはいえ、蒼牙の注意力の散漫具合といったらひどい。ひどい。
 店頭のモニターで放送されてたブラックスワンに気をとられててたってのもありますが、「蒼牙さん!」といわれてとっさに「はいお疲れさまです!」って笑顔で返して…数十秒後に「あれ、うちの母親じゃね?」なんて思うなんて ひどい ひどい!

 とりあえずつらつら。
・麻雀
 家に麻雀牌があった、というはなしをしたら諸先輩方に言われました。「麻雀やらせたら理論なんかすっとばして意味のわからない手で勝ちそう」「正統派麻雀は蒼牙には無理。」…皆様が蒼牙のことどう考えてるかよーくわかるエピソードでしたね!どうせ電波だよ!!わるかったな!!!

・イナイレ
 ぱとが「とにかく一期はいいはなし!」とすすめてくれたのでみてみるなう。りゅーれんさんもだだ嵌りしてたしね!!
 とりあえず人格ショタ大好物ですハァハァ…。ビジュアル的にはこう、豪炎寺とか半田とか、あとオカルト学院のオールバックドラキュラとかがすきです。いやだれひとりとしてテルミちゃんにはかてないけど。照美ちゃん何期にでてくるんだろ…そわそわ。
 今積んでるアニメは「銀河英雄伝説(信じられるかぜんぶで140話くらいあるんだぜ…)」と「天空のエスカフローネ」と「刀語」と「まりあほりっく」。みたいアニメがおおすぎるがゆえにタイバニで精一杯です…。でもアンネローゼさまがわたしをよんでるって きが する。

・集真藍
 あじさいが紫陽花じゃなくて「集真藍」と書いて説があるときいてびっくりしました。藍色というにはあじさいの色は淡いきがするけど、「小さな藍色の花をあつめる」(あつめるのはきっと女の子)のイメージはすごくあじさいににあう気がする。
 あじさいテーマで3枚は絵がかけるとおもいました。
「集真藍」
子供が地面の上の紙にらくがきするときみたいにぺったり地面に座りこんで、小さい花をパズルのようにくみあわせる
「紫陽花」
朝焼けの空と紫陽花。色の霞んだ太陽の前に紫陽花が活けてある。
「ハイドランジア(水の器)」
水の球をびんがわりに紫陽花が活けてある
「オルテンシア」とか「紫陽花のなまえ」から受けるイメージをテーマにして紫陽花連作かいてみたい。

・はっさくだいふく
 シルシルミシルでランクインしてたはっさく大福を購入→もぐもぐする。
 ご当地名物にはありがちなお話ですが、まぁ騒がれるほどでもなかったね という…。
 ご当地おやつでリアルにおいしいとおもうのは「北海道の白い恋人」「北海道のモリモトのトマトプリン」「熊本のからからせんべい」「青森ねぶたのりんごジュース」あたりかなと!

・ブラックスワン
 ブラックスワンと以前大騒ぎしてた「テライケメンな悪魔」、それからようつべさんで漁りまくった「白鳥の湖 情景」のアレンジがあたまのなかでごっちゃになったからだとおもうんですが、「王子=悪魔」な解釈の白鳥の湖ってのがネタストックとしてあります。
 お姫様を奪いにきた悪魔は お姫様を救いにきた王子様だったんだよ、と。
「自分の愛などその程度のものなのだと悟ったから、白鳥は身を投げたのだ。」
「自分の愛がそれほど強いと悟ったから、悪魔は身を投げたのだ。」
 こう、夢見がちすぎた女の子と素直になれなかった男の子の話し…かな。
 ビターエンドがすき、というよりはトゥルーエンドがすきなんです。トゥルーエンドがハッピーエンドならば完璧だが無理には望まないタイプです。 

・タイバニの画像フォルダがすごい件について
 ついったーで流れてきたタイバニ実写版キャスト案がすさまじくてびっくりしました…。
 アニエスにニコールか!!もったいねぇな!!!でもちょうわかる!!
 あとカリーナはどっちかっていうとジェシカ・アルバだろう!!!
 グッドマンについては目許のバランスがあきらかトム・クルーズだとおもいます…。
 とかいろいろ思うところはあるんですがとりあえずレベルたけぇ!!
 そしてひさしぶりにトムとかニコールで画像検索したらさらに鼻血。思わず壁紙には…しませんでしたよ。
 
 ニコール!!!やばい!!もう!!!!
 ハリウッド女優に美女は死ぬほどいるし、シャーリーズ・セロンとかスカーレット・ヨハンソンとかもそれはもう信じられないほどきれいだとおもうのですが…この人と白の組み合わせはやばい。
 ハリウッド女優画像とかCMをふらふらしてたら、ふっと「あ、これあの子ににあうな」とおもったものが多々あるのですが…
 なんかもうキャラCMバトンとかつくろうかな…。
 ついったーが主力になってるせいで「診断」はあれどもバトンって最近あんまりないようなきがするのでここらへんであえてやってみるのもたのしいかな。と。

・某宅のカワリミがかわいすぎて
 おもわず鼻血ふいったー…。
 かわいすぎだろう!!
 あとレムちゃんはぁはぁしる…!!

 あまりにもレムちゃんが可愛くて 最近すっかり消えていたやるきがもどってきたので若葉いってきます!!
 春通り過ぎてもう夏だよ…という突っ込みは無しにしてください。
 個人的な理想としては、春夏秋冬の流れにそって一年で若葉を終了させるとか。
 夏休み利用して一気に鵺かきあげるとか。
 旅戦はGWに大詰め!とか。
 なんかそういうプランがあったんですよ…。

 個人的にレムちゃんがうたったのは、レクイエムというよりはララバイだったんじゃないかなとおもう。個人的に「モーツァルトの子守唄」系かなぁ…なんておもうんですがどうだろう。
 ま、「個人の好み」と「解釈の自由」でお願いします!




 演台の上で一礼。形だけ用紙を開き、あとはすらすらと言葉が出てくるのに任せる。型通り、あるいはそれ以上か。バルコニーの上の人間達の表情からはそれは読み取れない。セレネスの笑顔はいつだって暖かいし、ミブロとヘイズの表情はあいかわらずの無表情だし―春の二人組の表情は見慣れたものではないが故。
 だが春の来訪を歓迎する意図は充分に伝わったように―見えた。ハルモニアの発言が終わったあと、真っ先に手を叩いたのは春の天馬で、その笑顔はやはりきらめく陽光を思わせる鮮やかさだったら、そう判断しただけなのだが。
「………【春】からの返礼は、【冬の終焉】を。」
 春の香が滲むような甘い声音で呟くと、青年はちらりと青年は座っていた少女に視線を投げた。
「―さぁ。歌って御覧。」
 少女は花が開くような笑みで頷くと、すっと立ち上がって息を吸い込んだ。

 然程声を張り上げているわけではないはずだが、その柔らかな歌声は、校庭どころか国全体に響き渡るような柔らかな、だが厳然とした存在感でもって鼓膜を揺らした。
春の鎮魂歌は声を張り上げて嘆くためのものではない。冬の嘆きは冬のこと。若葉が芽吹くこの季節に、嘆きは似合わない―。
 風に乗せて届く唄に交じって、背後から啜り泣きの声が聞こえた。恐らく冬に消えた誰かを思って涙している学生がいるのだろうと思ったとき、ふと視界が揺らいだような気がしてハルモニアは銀色の睫毛を瞬かせる。涙が滲んだ訳ではないだろうが、反射的に見上げた空の色の、突き抜けるような晴れがましさには一瞬辟易した。

「あぁぁぁーんレムっ子!!!マイエンジェル!!!」
「風ちゃん!!!」
 式典終了後、控室のドアを激しく叩く音があった。国王セレネスを始めとする王宮の重管および「春」の二人に挨拶を述べていた校長は、弾丸のように飛び込んできた学生が春代理の少女にぐわしと抱きつくのを見て目を白黒させた。
「こ、こら、陛下の御膳で挨拶もせずに…風!!」
 だが校長の叱責などどこ吹く風。といった体で彼女は春代理―レクイエムをぎゅうぎゅうだきしめて容赦なく頬ずりする。巨大な犬がしっぽをぶんぶんとふるのが見えるような光景に、校長は冷や汗を流したが、セレネスと春の天馬はくすりと笑っただけだった。ヘイズとミブロは相変わらずの無表情であるが―全く以て動じていないミブロのそれに対し、ヘイズのそれは幾分対応に困っているものであることは否めない。
「いつまでいるの??いやどうでもいっか!!とりあえずデートいこうよデート!!!レムっこソゥスィート!!」
「でも風ちゃん、授業が!!」
「授業なんて休む休む!!レムっこマーベラスといっしょに行きたいなとおもって街の面白スポットなんか探しておいたんだよ!!」
「風!陛下に御挨拶を!そして授業に出なさい!!」
 この場の一番の被害者は恐らく校長だろう。常識と理性を「マイエンジェル」の名のもとに吹き飛ばした生徒を相手に一人で応戦する羽目になったのである―。だが思わぬところから、春の天馬から助け舟―もとい、余計な口出しが入った。
「二人で授業に出ればいいんじゃないかな?」
「 そ れ だ ! !」
 GJ!親指をビッと立てて風は叫ぶと、レクイエムの手をとってたったかと走り出してしまった。春の代理が授業に出るなどという想定外の事態に凍りつく校長を余所に、彼は優雅に伸びをして席を立った。
「僕も校内に遊びに行こうかな。」
「アンティーの所かい?」
 セレネスがおっとりと問いかけると、クイントは僅かに片頬を歪めてみせた。
「そうそう、あともう一人―ちょっと気になる子がいて。」