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半月記

半月に一回くらいは、何か記録をしていきたい

ふーふ!ふーふ!

2009-11-03 19:45:58 | オリナビ的発作
「信念を貫いて幸福になれるものは、幸いである。」


 スナさん宅のミブフォーにごろんごろんした蒼牙ですこんばんは。
 「主以外を見ているミブロさんを想像するといたたまれなくなる」というハルさんの発言に「想像つかない!」と激しく同意しました。主っていうのはミブロさんの信念だから、そこから離れるなんてことありえない!それこそ英雄マニアをやめるフォーチューン並みにありえない…!!そしてそこがいいところ!

 やっべこの夫婦好きだぁぁぁだが最近考えてるネタではフォーチューンが死に過ぎてて絡めねぇぇぇぇ…!!というわけで今日は旅戦です。ミブフォー会話シーンまでまで行き着きたかったけどちょっと道のりが遠かった…!
 歴代アンティエルドの中ではとてもとても能力値が低い旅戦のアンティーですが、この空気を読んでるできる子感はどこの世界でも健在のようです。
 そしてまさかのトランジ・カストラート登場、当初、カストラートが「執事ポジション」とか、ますますジグが変な方向にガチっぽく見えるんじゃないかというかむしろマジ男専門に見えるような気がして「……」となっていたのですが。

 なんかジグが最近阿部さんポジを卒業したことと、最近カストラートがメタ世界でむっちゃ強くなったことがうまく影響したのか。「もう絶対愛人関係には見えねぇvvvvvv」と作者が笑顔で言えるようになったので正式お目見えいたしました。

 ネタ性ばかりが上がるトランジとカストラートだけど、シリアスやらせても強いんだぞぅ!!
 自然と速足になったまま、コトは練習場の扉を開いた。「あれ、コト?」と、拍子抜けしたような声と丸く見開かれたオッド・アイが彼女を迎え、
「どうしたの?そんなに急いで?」
 何故彼女があせっているのかわからない、と言わんばかりの問いかけに、一気に肩の力が抜ける。すぐに冷静に帰った頭が、「体よく追い払われただけなのだ」と結論を弾き出すが、それでもこの安堵感にかえられるようなものではなかった。まだまだジグムントに聞きたいことは山ほどあったが、少なくとも、彼が無事であることを確認できただけで十分だった。
「いいえ…何でもございません、殿下。」
「………。」
「何か僕が、心配かけるようなことをした…??」
「……」
 先ほどのジグムントとのやりとりを見透かすような問いかけにコトは一瞬、ほんの一瞬だけ、息を呑んだ。だがアンティエルドはそれ以上追及することはなく、「もしかして、あれかな。」と、にこりと笑いながら言葉をつづけた。
「実は昨日、ばあやに人気だってお菓子を勧められたんだけど、それがあまりにも美味しくなくて。こっそり全部砕いて鳥にあげちゃったんだ。…もしかしてそのこと、ばあやにバレた?」
 勿論、それは行儀の良いことではないが―決して、咎められるようなものではない。自分はその程度の問題しかない、だから安心していいよ、と言外に伝えるような言葉に、
「それは良いことではありませんね。こっそり捨てられていたということを後から知るよりは、『苦手だ』と一言仰るべきでしょう。悪意のないものとはいえ、嘘とはそれだけで不安定なものですから。」
 諭すコトの声には、いつもの穏やかさが戻っていた。
「そういえば、今日は旅の皆さまはご一緒ではないのですね?私はてっきり、練習を一緒にされているのかと…。」
「ん?皆?今日は―ジグムントの処に行くって言ってたかなぁ。なんでも『オラシオン』付近のことについて知りたいらしくて…。彼が抱えている彫刻家が、オラシオンの麓出身だって言ってたから、」
 意外な名前が出てきたことに訝しみながら、コトは「しかし、ヴェルファリウス卿は、先ほど城に…。」と聞き返す。アンティエルドは軽く笑い、
「…本人がいないほうが、僕は安心できるけどね?」
 と、ぱちり、器用に片目を瞑って見せ―「そのようなこと、口に上らせてはなりません」と今度は彼女を苦笑させた。



「…オラシオンという土地について、ですか。」
 ジグムントお抱えの彫刻家は、痩せた幽鬼のような外見には似合わない、どこか人を煙に巻くようなのんびりとした喋り方の男だった。
 乱雑なアトリエの中、コロナは神妙な面持ちで彼の話を聞いていたが、ファルルとトーンは彼の幽霊のような外見にカチカチに固まり、ハルモニアはむしろそのギャップに笑いをかみ殺すのに必死になっている。失礼すぎるだろ、とコロナは一瞬思ったが、その無礼をとがめるのもさらに失礼な気がしたので、おとなしく彼の話に集中することとした。
「といっても私は、本当に、こちらに来るまではずっとオラシオンにおりましたので、『それが当然』と思っていたようなことばかりで―そうですね、街に出てきてから、これほどにまで花は咲かないものなのか、冬とは厳しいものなのかと驚きました。…ええ、そうなんですよ、オラシオン一帯は非常に暖かくて…」
 尤も、一事が万事このような展開であるので、聞きたいことを聞き出すには非常に時間がかかったが、実入りは少なく―結局判ったのは「オラシオン地帯には魔法の力が常に働いているため、気候は温暖、植物はまるで生命力が底上げされているかのようによく生えるが、その効果が人間に及んでいるわけではない」ということだった。昨日「聖地オラシオンは魔法に近い場所」という話を王子から聞き、日に日に衰弱していくミクロ王女の延命措置に役立つのではないかと考えてオラシオンの住人を求めてみたのだが―どうやら徒労に終わりそうだった。
 聞くべきほどのものは聞いたと、礼を言って席を立とうとしたとき、「それにしても、皆さま本当にお元気そうで。」とトランジは一体何が言いたいのかよくわからない口調で呟く。
「是非お時間があれば一度、仲のよさそうな皆さまの像を掘らせていただきたいものですね。」
「お客様からそのようなお時間をいただくわけには参りませんよ、トランジ。」
 それはどういう意味でしょうと聞き返そうとした瞬間、彼らをここに案内した長身の召使いがやんわりとトランジをそう窘めた。
 「や、これは失礼。」と彼は軽く頭を下げ、「どうも私、芸術家肌の変人なもので―お役に立てず申し訳ないです。」と続ける。
 ぶ、と後ろで誰かが噴きだしたような声が聞こえ、後で絶対に注意しよう、と思いながらコロナは二人に礼を言うと、改めて席を立った。

「―…お疲れ様です。」
「いえいえ、とてもおもしろかったと思いますよ。私も故郷の話ができたのは久しぶりですし…しかし、今の会話が、一体陛下にとって何のお役にたつのですか、カストラート?」
 召使い―カストラートは、「それは」と言いながら、石の欠片やデッサンなどが無数に置かれ、最早机としての機能を果たしていない机の上に手を伸ばす。瓦礫や道具に埋もれるようにしてそこに置いてあったのはランタン―であるが、その中に燃える炎の色は、暮れなずむ空のような紫紺―。明らかに不自然なその色は、とある魔法が発動している証拠であった。一般的には用いられていない魔法ではあるが、「本人たちの感情を何倍にも増幅させる魔法」である。
「ああ、なるほど。道理で、私の顔を見たあの者たちがずっと緊張していたわけです。」
「賢者以外は魔法の心得がないということが、彼らの反応から判りました。…魔法に対する抵抗がない者ならば、陛下も扱いやすかろうと思ったのでしょう。」

「そのうち土下座しに行きます」/手に負えない…だと…!?

2009-10-12 20:55:15 | オリナビ的発作
「ヴェルファリウス卿、先日のことは…」
「…先日?」
 そう聞き返してくる相手が何のことかわかっているのは一目瞭然だった。
「お分かりの筈でしょう。」
 やや語気を強めて言うが、相手は「さあ」と口元を歪めただけだった。構わずにコトは言葉を続ける。
「私が以前伺った、宮廷内での噂の話です。」
 それは決してやかましくはないが、叩きつけるような一言。言葉が刃ならば、それはまさしく相手の目の前に突きつけられた白刃そのものだった。白を切らせるつもりはない、そのつもりで放った言葉に―彼はわざとらしく頷いてみせる。
「………ああ。―それで、何と?」
「―申し上げていません。お耳にいれるまでもないと判断しました。」
 後を促す言葉は、はたして彼の関心の証拠か―。それならば、やはり陛下にお話しなかったのは正解だった、と彼女は内心呟く。
 あのような内容を聞かせることが目的なのか、それともコトの口から彼女に聞かせることが目的なのか、そこは曖昧だが、とにかく彼の悪意を阻むことには成功したのだろう。
「そうか。」
 勿論、ジグムントの表情は変わらない。悔しさや無念さを浮かべてもコトはその表情を信頼しないつもりでいたので、これは予想通り、ともいえる展開だった。
「僭越ながら、陛下と殿下は仲睦まじくいらっしゃいます。…私にはそのような噂、全く根も葉も無いものと感じられましたので。」
「そうか―。だが、リヴァリウス嬢。」
 ジグムントは薄く笑みを浮かべながらコトの家名を呼んだ―副団長、とすら呼びはしなかったその態度は明らかな無礼であり、微かにコトは柳眉を顰めるが、一応は目上である彼の言葉に口をさしはさむには至らない。
「お前の感じ方に、如何ほどの価値がある?」
 まさかここまで露骨な侮蔑の言葉を投げかけられるとは思わず、コトは一瞬絶句した。
 面白いものを見た、とでも言うかのように、ジグムントはくくっと喉を鳴らす。
「お前の感覚というのはひどく適当なものだ。その根拠が知りたいというならば、もう一つ教えてやろう。お前が仕えているのは王家であることは間違いないが―」
 わざとらしい思案の仕草に、コトは身構える。
「さて、今の『王家』とは一体誰のことを指すのだろうな?そもそも王家というものが成り立っていることすら疑わしい。」
「………。」
「お前は目先の王に踊らされて、王家に仕えるという本来の使命を見失っている。レイ・サントの血を引いていると明確に言えるのは、私とあの子供だけだ。…あの女が本当は何者なのか、お前も知っているだろう?」
「それは王家の話とは関係がないかと。それにこのような場所でそのような話題・・・陛下からは口止めをお願いされているはずです。」
「…今日は謁見が無い、誰も通りはしまい。それに今しているのは、お前の話だ―リヴァリウス嬢。」
「私としては、耳の痛い己の話よりも、是非以前の噂の出所をお伺いしたいと考えておりますし。
 それに、とコトは一旦言葉を切って相手を見上げた。
 それに?と聞き返している声に、返答を待つ視線に、値踏みされているような不快感を覚えながら、彼女はきっぱりと言い返した。
「王子の命を狙って得をする人間は、玉座にいらっしゃる方ではなく、王子さえいなければ玉座に座れる方だと思っておりましたので。」
「だとしたら。あれは酷く哀れな子供だな―唯一の親族にも、母親にも命を狙われているということか。」
 白々しい―コトも、それを呟く彼自身も全く言い訳であると思っていない―言い訳の代わりに彼が呟いた言葉は、むき出しの刃のような奇妙な輝きがあった。
「仮に私が、あの子供を心から愛し、支えたいと思っていると言ったとしてもお前は所詮信じまい。今日の鍛錬の槍が、毒を塗ったものとすりかえられていたとしたら、お前は真っ先に私を疑うだろう?」
 ジグムントが、否定をしなかった。その事実と、まるで気の無い様子で付け加えられた言葉に先ほどから募っていた不安が一気に顎を開く。まだジグムントに問いただしたいことはあったが―それに突き動かされるようにコトは、「失礼します」と身を翻した。
 

「―忠義に厚いとは、美しいものだ。」
 それを見送る彼の口元が浮かべる笑みが、先ほどよりもはるかに愉快そうなものであったことを―勿論彼女が知る由もなかった。
「主を守ろうとするあまり、己こそが標的にされていることを忘れるか。」
「痛いって言いたいのかイイって言いたいのかどっちかにしなよ」

 本当に痛いときはあんまり痛いって言わないよなぁ何て思った蒼牙です、
 で。
 本日の叫び
「ちょ、ジグ!いた、やめ、いたいいいいいおるぐぉあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!(ズザザザザザザザザ)」
 バリオスに引きずられつつ、やっとできました、ジグが手に負えなくてずっと(止まった)ジグのターン!

 会話の内容自体はずっと決まってたんですが、ジグの物言いがドSすぎてなんどもリテイクしてたんです
 いやいいんですけどね、相手がうちの子なら何言っても。でも、コトさんはお借りしてる方なんだからー!!!!!!!!!!!おねがい!!!もうちょっと抑えて!ドS成分抑えて!!!!!
 と、いう展開で随分と遅くなりました。

 第一下書きのときはもう、あまりにもドSで、もうこの勢いでこのまま旅戦が終わるんじゃないかと思いました。ジグ強い。むっちゃ強い。何この男…意味がわからないくらいドSでした。だがよその子には失礼すぎる心を抉る発言の連続…。

 今読み直したら、最初に比べればマイルドだけど、やっぱり失礼であることにはかわりないなぁと思います。すみません後日菓子折り持って謝りにいきます…私が、だけど。


 さて今日も切手貼りでした。明日急いで印刷をして、明後日が配布です。
 おばーちゃま宛ての質問紙をどれほど学生が持ち帰ってくれるかが不安です。
 あまりにも持ち帰ってくれる学生が少なかった場合最悪、大学・高校の友達に頼む気満々ですので、コレ見てる高校時代の友人は注意してね!

 そしてよく考えたら22日が中間発表だったので、また暫く潜りますー。

「ラピュタは以下略」/成功体験不足

2009-09-05 19:58:33 | オリナビ的発作
「……昨日、遅かったみたいだけど大丈夫だったか?」
 朝食の席でトーンに真っ先に問いかけたのはファルルだった。あ、うん、と頷きながらトーンは少し照れくさそうに、胸元に手をやる。細い金色の鎖につながったロケット―昨日女王から貰った、ミクロ王女の肖像画が入ったロケットを大事そうに押さえながら返答する。
「久しぶりに泣いちゃったけど、大丈夫。」
「「「泣いた!?」」」
 その場に居た残りの3人が、一斉にぎょっと眼を見開いて彼女を見やる。思わずトーンがたじたじとなりかけた瞬間、
「泣いた?」
 ドアが開く音とともに、アンティエルドが姿を見せた。「あっ、ううん、なんでもないっ!」とトーンはパタパタと手を振って否定する―。アンティエルドはかすかに瞳を眇めて彼女を見ていたが、彼の中ではなにか解決策が見つかったのか「ふぅん?」と納得したような表情を浮かべると席に向かった。女王は今日は多忙で、朝食には来られないということで、普段はフォーチューンが座っている席にすとんと腰掛ける。いつもとは少し違う距離感に戸惑いながら、コロナは口を開いた。
「そういえば、王子。『オラシオン』ってご存知ですか?」
「剣のこと?山のこと??」
「あ、山のほうです。」
「北東のほうにある山とその一体の地域で、レイ・サント国発祥の地。今は王家の直轄領になってるよ。……馬車で―4日くらいかな。馬を飛ばせばもっと早いとは思うんだけど。でもどうして?」
「昨日、建国の話を皆で読んで、ちょっと気になったんです。国の発祥の地だったら、何か珍しい魔術の―伝承が残っていないかな、って。」
「でもあの一帯は魔法に近すぎて、魔法を編み出す必要が無かったから、そこまで大したものは無いと思うよ。それにあそこは王家直轄領だから、珍しい魔術があったとしても全部管理されてるはず。そんなもんじゃない?」
 パンを千切りながらアンティエルドは小首をかしげ、彼は質問をハルモニアに向ける―
「?」
 突然話を振られたハルモニアは一瞬戸惑ったようだが、
「そういう例は少なくないですね。必要がなければ発達しない、魔法に限った話じゃありませんが。」
 とさらりと返した。だよね、と頷きながら彼はふと真顔になり、「…ねぇ…今の質問、不自然だった?」と彼女に問いかけた。
「へ?」
 それこそ不自然な質問に、今度こそ彼女は言葉の意味を受け取り損ねた。「え、わかんない…!」とファルルが横槍を入れると、アンティエルドは苦笑していや、この席ってホスト役だから、何とかして話を均等にふらなきゃと実は思ってたんだけど。と続ける。
「あ、あー…ま、ちょっとはびっくりしましたけどね。」
「それ、気にしすぎなんじゃないか?」
「かなぁ…」
「そうだよ!私もご飯食べたりするとき、そんなこと気にしてないもの!」
(…今はいいけど、一国の王女とであることを考えると、気にして欲しいんだけどな…)
 アンティエルドの発言から―その後の食事は、子供の集まりらしく、かしましいものになっていた。

「でも、そう考えると、王子様ってやっぱり大変なんだろうな」
 ちょっと用事があるからと、食事を引き上げると同時にどこかへ向かった王子を見送り、ファルルはちょっとため息をついて腕を組んだ。そうだな、と頷き、言葉を捜したとき、目の前の通路を長身の女性が横切っていく。
「あ、コトさん、おはようございますー!!」
 トーンは無邪気に手を上げて挨拶をし、ファルルも一瞬びくっとなったが、やはり剣の指南をしてくれた女性ということで勇気を奮い起こそうと思ったらしい。一歩前に進み出ると、おはようございます、と声を張り上げた。どこか心ここにあらず、と言った表情をしていたコトは、その言葉にはっと眼を見開いて笑みを浮かべた。
「あ…ああ。お早うございます。今日も元気そうで。」
 その笑みがその前あった時と比べてやや翳りがあることに感づいたのか、トーンは少し小首をかしげ、相手の顔を覗き込むようにして問いかける。
「どこか具合でもわるいの…?」
「いえ。少し、難しい考え事をしていたもので。―」
「難しい、考え事??」
「…ご心配をおかけしてしまって申し訳ありません。大丈夫ですので―」
 その心遣いが嬉しかったのか、コトの視線が穏やかに緩んだ―だが、何かに気づいたのか、その表情がはっとしたものになり、
「失礼します。」
 いつもの彼女とは打って変わった固い声で告げると、つかつかと歩き出した。
 なんだろう、とトーンは後ろを振り返る。廊下の向こう、足早に遠ざかっていくコトの背のさらに遠くに―青いマントを羽織った長身の影が通り過ぎていくのが、見えた。

 男と彼女の距離は随分と離れていたものの、小走りにならなければ追いつけないようなものでもなかった。悠然と脚を運ぶその背中に、コトは声をかけた。追いつくのに苦は無かった筈なのに、どこか自分の声がかすれているように感じたのは、緊張―故だったかもしれなかった。
「ヴェルファリウス卿。」
 足音が聞こえていなかったわけではないだろうが、その言葉で初めて彼女の存在に気がついた、とでも言わんばかりに、ジグムントはゆっくりと振り返る。その表情に、「或いは最初から追いつかせるつもりだったのかもしれない」とコトは微かに眉を顰めた。話しかけたのは自分であるはずなのに、それもまた彼の思惑の内だった、といわれているような―。
「ヴェルファリウス卿、先日のことは…」
「…先日のこと、とは?」
 何のことか、わかっているのは一目瞭然だった。
 ジグが本気をだした…だと…?? 

 昨日の荒れ具合から一転。
 なんだかとってもジグが本気モードで私どうしようかと思いました、こんばんわ蒼牙です。
 この後の会話シーンも書いてるんですが、台詞ばっかりぽんぽんでてきてシーン描写が間に合わないので割愛。うおおおお早く書きたいー!!!でも卒論やるー!!!


 で、蒼牙も、昨日の荒れ具合から一転して、今日はとても元気です!
 今日も美浦だったんですけど…馬の癒し効果パねぇ。今ちょっとアレルギーで肺か喉をやられてるらしく(母親に指摘された)声がおかしいんだけど幸せうふふふふふ。
 「おまいの名前ハッピーすぎるだろ!」なモリトパラダイスに唇でぱくぱくされながらうふふあはは状態でした。流石に噛まれると「イター!」なんですけれども馬の唇でぱくぱくされるのはほんとうに天国ですっていうか気持ちいいハァハァ。明日も美浦だからモリトパラダイスとパラダイスー!!

 今日の主な仕事は、扇風機掃除だったんですけれど。馬房につけてる扇風機だから、埃のみではなくハエやら蚊やらの血とか蜘蛛の巣とかがいっぱいついてるんですよ。
 最初は空気を吐き出す装置(掃除機逆バージョンみたいな?)で蜘蛛の巣と埃を吹き飛ばして、そのあと、扇風機の羽にこびりついたハエとか蚊の血を(幾分ブルーになりながら)擦り落とすんですけど。
 ずーっとごしごしやってる内に指先痛くなってきて。
 あーーーーなんて思ってたところに、先生、登場。
先生「調子はどうだ?」
蒼牙「落ちないです…!!!先生アルコール除菌スプレーみたいなものありませんか?あの、アルコールシュシュッてするやつ…」(飲食店バイトにしか出てこないであろう発言)
先生「ファブリーズだったら一杯持ってるんだがな…食器用洗剤じゃだめか?」
蒼牙「く だ さ い」

 なぜ アルコール除菌スプレーに拘っていたのか、自分がよくわかりません。先生から貰った食器用洗剤使ったら血糊が一瞬で落ちました。洗剤すげぇっす。お魚さんがコロコロ死んじゃう理由がよくわかるっす…。






 あと。
 ギガミックスが9月30日発売だそうです。
 定期的にロックマンを摂取しないと欝になる私にとってはありがたいかぎり…!

 で、以前某方と「エグゼファンは流星アンチが多いけど、本家ファンはエグゼが嫌い」っていう話をして。
 なんでだろう?って思ってたんですよ。
 某方のロクゼロバトン見て、気づいた。私が何度も言っていたことですが。

 EXEの世界って幸せなんだ。

 暗くないんだ、っていう。
 XやZEROは世界観がハードという悲惨極まりない感じだし。
 本家だって、ロックやロールは人間のような顔をしてるけど、根底にあるのは、「ロボットの上位に存在する人間、使役されるロボット」なんですよね。
 EXEもまぁナビが使役されるという形であることは間違いないのだけど。ナビと人は大体一対一の関係で、本家の世界観で言うところの「ロボット」というのはどちらかというと「プログラム君」に近いのかもしれません。

 つまり。
 本家はロボットにとって不幸な世界の話。
 EXEというのは、ナビにとってある程度の幸福が赦されている話。

 そこが一番大きな相違点で、アンチが出てくる理由なんじゃないかなって思います。
 だって本家好きな人はXシリーズを否定しないし(5-8はブーイングだけどね)、ZEROもあんまり否定しないし。
 ZX、ZXAが私にとって、「好きだけど…積極的に文章にする気は起きない…」なのは、主人公を人間にし、かつ変身モノにすることで、そこの悲劇感を濁している感じがあるからかな。

 そういえば、有賀先生かだれかが、「ロックマンはEDですら笑わない主人公」って言ってました。
 ああ。
 うん。
 彼等はほんとうに、自分の為に笑わない主人公だなって私も思います。

 ああ、ダメだ、うん、ロック最高。



 だからEXE世界をフォーチューンは凄く(多少複雑なものはあっただろうけど)喜んだんじゃないかなって思います。プログラム君のことはあるけど、人が自分と異なる思考を持つ生き物を受け入れた世界だから。
 …そして此処まで書いておもった。
 フォーチューン…

 そろそろ帰っておいで!!もうやまじゅんトレスなんてやらせないから!!!

台風が来るとwktkする

2009-08-31 11:56:27 | オリナビ的発作
 「昨日日本が終わった」というコメントがニコニコやら動画サイトで大量に流されてて、この人たちは、まだ20歳になってないのかなぁなんて呑気に思った蒼牙ですこんにちは。
 あ、ちなみに台風が近くて天気が悪かったので私は選挙いっておりません。駄目な20代の典型例で申し訳ないが、雨の中チャリこぐには遠いんだもの…選挙会場。

 で、今日は台風…というか雨なのでちょっとだけ元気です。台風で被害になったことがないから台風とかテンションあがる!正直学校が休みになるとか、川が増水してて面白いとか、傘でメリー・ポピンズやりてぇとかそういうレベルです。
 そしてテンション上がるで思い出した。
 りゅーれんさん宅で、セーラームーントレスのドラグさんとフォーチューンがあって盛大にテンションがあがりました。はるかとみちるのトレスとか!!!なつかしす!!!
 真面目に見ていたのはセーラームーンの…Rまでだったかな?(プリンス・デマンドというキャラが好きであの昼メロっぷりにどきどきしつつ毎週見てたんですよねー。今考えると凄い内容だ!)
 で、Sあたりから日本を離れてしまった私は「元絵どんなんだっけー?」とセーラームーン動画を漁る→色々衝撃の事実!今考えると凄い内容だというか、どこかが壊れていないと人気漫画家にはなれないんだなと知りました。(大切なことだから二回目です)東京ミュウミュウとかもすごいんですけどね。女の子達がメイドカフェでバイトしてて、「月に変わってお仕置きよ!」的な決め台詞は「ご奉仕するにゃん」…。なんていうか、すごく…すごいです。
 とここまで書いたらなんだかすごくセーラームーンやら東京ミュウミュウやらが読みたくなったので台風の中走ってきました。(選挙にはいかなかったくせにね!)
 が。
 ミュウミュウやセーラームーンは見つけられず
 しょんぼりしていた私の目の前に飛び込んできた、とある漫画家の名前。

 種村有奈。この人がいたじゃないか!

 ということで紳士同盟+(キラキラじゃないよ!)という漫画が1-10巻あったので読んでみたんですが。
 
 種村有奈SUGEEEEEEEEEEEEええええええええええええええええ
 絵柄が典型的少女漫画なんだけどこれはNANA並みかもしれない。
すごいとこその1
・ヒロインが不倫で出来た子。
・不倫したママはヒロインの素性がばれていた事で精神障害を起こしている
・そのはずなのに、ヒロインには種違いの妹と弟が一人ずつ。
・パパは奥さん(ヒロインのママ)のことを籠の鳥呼ばわりするポエマー
・さぞかし傲慢な亭主だったに違いないと思ったら超純愛だった
・精神障害を起こしたヒロインママは、最後に正気をとりもどし、「実は今の夫のほうがすきです」と告白
・ハッピーエンド
すごいとこその2
・昔読んだ絵本をの作者であるセレブ生徒会長に接近。
・だがその生徒会長は双子。家のしきたりで、片方が当主となり、その身代わりをもう片方がつとめているらしい
・どっちにもいいところがあってヒロイン混乱
・兄弟は兄弟同士で嫉妬
・揺れるヒロイン。だが性格が悪い当主のほうが実は白血病らしい。
すごいとこその3
・ヒロインに超固執していた友人は男嫌いを演出してあっちこっち寝てたらしい。学校の保健室はキャッキャウフフする場所とかおまいら猿か。心を開いたのは、男遊びを黙認していた保健室の先生
・だがその保健室の先生には忘れられない人が居る
・なんと双子の母親で、白血病で死んだ人が元彼女だったとか!
すごいとこその4
・ガチBLがある
 すげー少女漫画すげー。だがそれより気になるのは、これをどうやってハッピーエンドにもっていくのでしょうか、という事実です…。片方が死ねばそれでいいんだけどね。それじゃあ芸がない…。
 …。もうなんていうか、ここまできたらヒロインのクローンを作って一体ずつ与えておけばいいんじゃないかなと思いました…。そんな超展開どこかに堕ちてませんか。

 
 で。
 えーと何の話してたんだっけ。
 「思い出の人」というキーワードに何故か「思い出の中でじっとしていてくれ…」という台詞が出てきたので、何かをキャッチした気分になったのでやってみました。
 でもこの絶対にFFじゃなくて「こんにちは青春」とか「青春はシャボン玉」「薔薇の花に愛を込めて」「キャンディ・キャンディ」あたりのトレスにすればよかったんじゃないかなと思います。ほらよくいるじゃん、イケメンで金髪の先輩にヒロインがドキドキソワソワ、だけどそんな一途なヒロインを影から見ている男性がいて…っていうほらそういう話だよ!性別逆のほうがしっくりくるような…。

 んで今までドラグさんの顔が「あっしゅさん…わかるようなーテイルズやってないからわからないようなー」って思ってたんですが、多分、「はるかさん」というキーワードから考えるとクラウドよりはスコール(首元に白いファーがついた黒服のキャラ)顔なんだろうなぁとトレスしつつ思いました。しかしもう修正する気力はゼロなので、次からはスコール顔にするよ!!ということでご勘弁…。



 そしてAC見てたら社長が相変わらず美しすぎた。
 


真実は花の下

2009-08-14 13:21:53 | オリナビ的発作
 ドラえもんを見ていて、果てしなく「イラッ」とした蒼牙ですこんばんわ!
 なんか人魚姫をハッピーエンドにするためにドラえもんが四苦八苦する話だったんですが、人魚姫が果てしなくウジウジしてる、人間になるための薬をほとんど強奪するようにして手に入れてるし、隣国の姫があまりにも哀れ…。しかも最後、人魚姫がドラえもんに告白してたし…わけわからんというか、これだったら悲劇でいい。
 タケコプターとか翻訳コンニャクはなんとなく夢があるんですけど、今回出てきたブツブツ交換機(これを使うと相手はブツブツ言いながらもものを交換してくれるんだよ!)なんて悪意の産物でしかないだろっ…!!!

 で。ドラえもんの株大暴落したついでに、ちょっと昨日ので大暴落したジグのキャライメージを復帰させようねということで、「SUBROSE」書いてみることにしました。このままだと王様から腹筋クラッシュマスター(多分ポケモンマスターと同じようなニュアンスのジョブ)にジョブチェンジしかねない!

 本当はね、その、手っ取り早くブリーチトレスにしようと思ったんだけど。
 その。

 何故ジャガー(ジャック)さんをトレスしてフォーチューンになると思ったか、自分に問うてやりたいですほんとうに…。あと藍染様いつも超高いところに座ってるけどどうやってここ昇り降りしてるんだろうという疑問なんて抱くなと自分にいってやりたいですほんとうに…。
 ふ、ふふ、はじめてから20分間、何も気づかずに「フォーチューンさえ終わればジグは藍染様だから楽なんだ…フォーさえ終われば、フォーさえ終われば…ふふふふぉーさえおわれば…」なんて呟きながら黙々と作業をしていた自分すげぇ、すげぇよ…!!!
 うっかりにもほどがあるというか…よりによってジャガーさん!まだ要ちゃんとかギンたんのほうが似てる気がしてきた!!!!

 で。ジャガーさん(ジャックを忘れないで!)のトレスは諦めてさぁじゃあジグだジグだジグだ…

 と
 思ったら。

 

 クイントに なった。
 どこで間違えたというより、全てを間違えたんですね、わかります。
 
 ちなみに台詞は「オルトロスの犬」より…。タッキーの役がかなりクイントっぽい。ただ自分の優位を咆えて主張しなきゃいけないあたりはお子ちゃまで俺様…。そこが可愛くていいんですけどね!じゃあブルースは錦戸かといわれるとあんなどんくさいブルースは嫌…です…。


 というわけで追記から小説ですー。
 2-3話で終わる、と、いいな!と思ってましたがどうなるんだろうね…これ…。相変わらず素晴らしき見切り発車です。
 そういえば、フォーチューンがあまりにも自分が不利なのに気づいたのか、(固有武器:アンティエルドは0歳なので使えない!)「キーアイテム:教祖か特殊スキル:青森弁は使えるのかしら?」と聞いてきましたが…。
 そ の 世 界 観 崩 壊 カ ー ド は 切 ら せ ね ぇ !
 たまには丸腰で戦ってみやがれー!!!
SUBROSE

 初めて彼を見た瞬間、運命の不手際を、彼女は嘆かずには居られなかった。

 リヴァリウス家長女コトが、モノケディアから王子、それから先王に指名された「王」を伴って帰還した際、宮廷の反応は一致しないものだった。新王の美貌に息を呑みながらも、見知らぬ女に明らかな不満の目を向けるもの、愛想笑いを浮かべるもの―反応はバラバラだったが、それでも彼女が抱く子供の、蒼と碧の瞳にはある程度の権威を認めざるを得なかったようだ。次々に沈む人の波を、もの珍しいのかアンティエルドはぱっちりと目を開けて眺めている。それがまた人に「利発な王子だ―」と好意的な印象を与えていることは間違いが無かった。問題は私ね、と心の中で呟き、フォーチューンは笑みを返しながらもちらりと階段の上を見上げる。
 階段の上は、侯爵家以上が立つことを赦されている場所である。何れも初めて見る顔ではあったが、身分の高さで序列が決まっているため、彼らの名前は容易に想像することができた。
その更に後ろは、公爵家の立ち位地となり、深紅の正装に身を包んだコトが立っていて、緊張した面持ちで彼女を見ている。自分が連れてきた王の真偽を心配するというよりは、純粋にフォーチューンのことを心配しているような眼差しに、大丈夫、と彼女は心の中で返した。
―最も玉座に近いところに佇むのは、ヴェルファリウス公爵家嫡男、ジグムント。アンティエルドが生まれる直前までは、次の王、とも囁かれていた青年だった。年はまだ二十歳に満たない筈だったが―既にその身には、人を従わせ使うことに慣れたもの特有の、辺りを掃うような品格がある。
と―。目が、合った。軽く後ろに撫で付けられた髪の下から、アンティエルドのものよりはやや沈んだ色合いの、オッド・アイが覗く。鉱物のような冷やかな光に、
(もし、この子が15歳になった時、王として相応しい器に育っていなければ、ジグムントに王位を譲渡して欲しい―)
臨終の床で先王が呟いた言葉がふっと蘇り、フォーチューンはかすかに眉を顰めた。これから王子は15年間、この相手と比べ続けられるのだと思うと―そして彼が今まで玉座に最も近い場所にいたのだと考えると―これからの二人の行く先が慮られる。アンティエルドの父親が下したのは恐らく王として最も正しい命であろうが、それが彼らの幸福につながるとは限らない。唯一残された親族同士は、恐らくこれから先、あらゆる面で争うことになるのだろう―と彼女は諦めとともに直感した。


 それが空の玉座を前にした王族の宿業。
 ―高貴なる者の、不運。


 かつ、とジグムントが一歩段を降りた。逸るわけでもなく、無造作に歩を進めてフォーチューンの前に立つ。一体彼は何をするつもりなのか、引き絞られた矢のようなびりびりとした空気があたり一体を覆う。
「―こちらへ。」
 だがその緊張は、それほど長くは続かなかった。儀礼や愛想と呼ぶにはあまりにも温度の無い笑みとともに、ジグムントは手を差し出す。誰かが息を呑むおとが聞こえたが、「ありがとう」とフォーチューンはその手を取った。今にも放たれようとしていた矢はどうやら下ろされたようで、宮廷全体がほっと息をつくのが空気で判った。
 如何に宮廷の面々が彼の言動に注意を払っていたかということは即ち、彼らにとってジグムントこそがレイ・サント宮廷の代表者として認識されていることを示す。
彼もその事を間違いなく知っていた。だから、新参の王に対して取った彼の態度には感謝すべきだったのであろう。それでも―その行動に安堵するよりもなによりも、間近でアンティエルドを見たときの彼の瞳の感情の無さに、彼女は戦慄した。親族との再会を喜ぶ色があれば―と望むのは虫が良すぎるとは思っていたが、ただ怒りでも嫉妬でもいいから、何かしらの感情が彼の中に見えるものだと期待していた。だが。彼女が抱いているのがまるで犬の仔でもあるかのように、その視線はアンティエルドの上をちらりと通り過ぎただけで、その他のどんな感情すら読み取ることは出来ない。

 否。読み取ることができたとしても、それが果たして何処まで本当のものかは疑わしい。玉座までのエスコートの最後に、彼はこう囁いたのである。「先王は、息子の乳母に人外のモノを招いたか。」と。
 言葉を放つ口元は薄く愉悦を刷いていたものの、その声にはどこか、渇いたものに渡される毒杯のような悪意があった。冷やかに滔々と流れ込み、心の臓へと絡みつき―死に至る。