「信念を貫いて幸福になれるものは、幸いである。」
スナさん宅のミブフォーにごろんごろんした蒼牙ですこんばんは。
「主以外を見ているミブロさんを想像するといたたまれなくなる」というハルさんの発言に「想像つかない!」と激しく同意しました。主っていうのはミブロさんの信念だから、そこから離れるなんてことありえない!それこそ英雄マニアをやめるフォーチューン並みにありえない…!!そしてそこがいいところ!
やっべこの夫婦好きだぁぁぁだが最近考えてるネタではフォーチューンが死に過ぎてて絡めねぇぇぇぇ…!!というわけで今日は旅戦です。ミブフォー会話シーンまでまで行き着きたかったけどちょっと道のりが遠かった…!
歴代アンティエルドの中ではとてもとても能力値が低い旅戦のアンティーですが、この空気を読んでるできる子感はどこの世界でも健在のようです。
そしてまさかのトランジ・カストラート登場、当初、カストラートが「執事ポジション」とか、ますますジグが変な方向にガチっぽく見えるんじゃないかというかむしろマジ男専門に見えるような気がして「……」となっていたのですが。
なんかジグが最近阿部さんポジを卒業したことと、最近カストラートがメタ世界でむっちゃ強くなったことがうまく影響したのか。「もう絶対愛人関係には見えねぇvvvvvv」と作者が笑顔で言えるようになったので正式お目見えいたしました。
ネタ性ばかりが上がるトランジとカストラートだけど、シリアスやらせても強いんだぞぅ!!
自然と速足になったまま、コトは練習場の扉を開いた。「あれ、コト?」と、拍子抜けしたような声と丸く見開かれたオッド・アイが彼女を迎え、
「どうしたの?そんなに急いで?」
何故彼女があせっているのかわからない、と言わんばかりの問いかけに、一気に肩の力が抜ける。すぐに冷静に帰った頭が、「体よく追い払われただけなのだ」と結論を弾き出すが、それでもこの安堵感にかえられるようなものではなかった。まだまだジグムントに聞きたいことは山ほどあったが、少なくとも、彼が無事であることを確認できただけで十分だった。
「いいえ…何でもございません、殿下。」
「………。」
「何か僕が、心配かけるようなことをした…??」
「……」
先ほどのジグムントとのやりとりを見透かすような問いかけにコトは一瞬、ほんの一瞬だけ、息を呑んだ。だがアンティエルドはそれ以上追及することはなく、「もしかして、あれかな。」と、にこりと笑いながら言葉をつづけた。
「実は昨日、ばあやに人気だってお菓子を勧められたんだけど、それがあまりにも美味しくなくて。こっそり全部砕いて鳥にあげちゃったんだ。…もしかしてそのこと、ばあやにバレた?」
勿論、それは行儀の良いことではないが―決して、咎められるようなものではない。自分はその程度の問題しかない、だから安心していいよ、と言外に伝えるような言葉に、
「それは良いことではありませんね。こっそり捨てられていたということを後から知るよりは、『苦手だ』と一言仰るべきでしょう。悪意のないものとはいえ、嘘とはそれだけで不安定なものですから。」
諭すコトの声には、いつもの穏やかさが戻っていた。
「そういえば、今日は旅の皆さまはご一緒ではないのですね?私はてっきり、練習を一緒にされているのかと…。」
「ん?皆?今日は―ジグムントの処に行くって言ってたかなぁ。なんでも『オラシオン』付近のことについて知りたいらしくて…。彼が抱えている彫刻家が、オラシオンの麓出身だって言ってたから、」
意外な名前が出てきたことに訝しみながら、コトは「しかし、ヴェルファリウス卿は、先ほど城に…。」と聞き返す。アンティエルドは軽く笑い、
「…本人がいないほうが、僕は安心できるけどね?」
と、ぱちり、器用に片目を瞑って見せ―「そのようなこと、口に上らせてはなりません」と今度は彼女を苦笑させた。
「…オラシオンという土地について、ですか。」
ジグムントお抱えの彫刻家は、痩せた幽鬼のような外見には似合わない、どこか人を煙に巻くようなのんびりとした喋り方の男だった。
乱雑なアトリエの中、コロナは神妙な面持ちで彼の話を聞いていたが、ファルルとトーンは彼の幽霊のような外見にカチカチに固まり、ハルモニアはむしろそのギャップに笑いをかみ殺すのに必死になっている。失礼すぎるだろ、とコロナは一瞬思ったが、その無礼をとがめるのもさらに失礼な気がしたので、おとなしく彼の話に集中することとした。
「といっても私は、本当に、こちらに来るまではずっとオラシオンにおりましたので、『それが当然』と思っていたようなことばかりで―そうですね、街に出てきてから、これほどにまで花は咲かないものなのか、冬とは厳しいものなのかと驚きました。…ええ、そうなんですよ、オラシオン一帯は非常に暖かくて…」
尤も、一事が万事このような展開であるので、聞きたいことを聞き出すには非常に時間がかかったが、実入りは少なく―結局判ったのは「オラシオン地帯には魔法の力が常に働いているため、気候は温暖、植物はまるで生命力が底上げされているかのようによく生えるが、その効果が人間に及んでいるわけではない」ということだった。昨日「聖地オラシオンは魔法に近い場所」という話を王子から聞き、日に日に衰弱していくミクロ王女の延命措置に役立つのではないかと考えてオラシオンの住人を求めてみたのだが―どうやら徒労に終わりそうだった。
聞くべきほどのものは聞いたと、礼を言って席を立とうとしたとき、「それにしても、皆さま本当にお元気そうで。」とトランジは一体何が言いたいのかよくわからない口調で呟く。
「是非お時間があれば一度、仲のよさそうな皆さまの像を掘らせていただきたいものですね。」
「お客様からそのようなお時間をいただくわけには参りませんよ、トランジ。」
それはどういう意味でしょうと聞き返そうとした瞬間、彼らをここに案内した長身の召使いがやんわりとトランジをそう窘めた。
「や、これは失礼。」と彼は軽く頭を下げ、「どうも私、芸術家肌の変人なもので―お役に立てず申し訳ないです。」と続ける。
ぶ、と後ろで誰かが噴きだしたような声が聞こえ、後で絶対に注意しよう、と思いながらコロナは二人に礼を言うと、改めて席を立った。
「―…お疲れ様です。」
「いえいえ、とてもおもしろかったと思いますよ。私も故郷の話ができたのは久しぶりですし…しかし、今の会話が、一体陛下にとって何のお役にたつのですか、カストラート?」
召使い―カストラートは、「それは」と言いながら、石の欠片やデッサンなどが無数に置かれ、最早机としての機能を果たしていない机の上に手を伸ばす。瓦礫や道具に埋もれるようにしてそこに置いてあったのはランタン―であるが、その中に燃える炎の色は、暮れなずむ空のような紫紺―。明らかに不自然なその色は、とある魔法が発動している証拠であった。一般的には用いられていない魔法ではあるが、「本人たちの感情を何倍にも増幅させる魔法」である。
「ああ、なるほど。道理で、私の顔を見たあの者たちがずっと緊張していたわけです。」
「賢者以外は魔法の心得がないということが、彼らの反応から判りました。…魔法に対する抵抗がない者ならば、陛下も扱いやすかろうと思ったのでしょう。」
スナさん宅のミブフォーにごろんごろんした蒼牙ですこんばんは。
「主以外を見ているミブロさんを想像するといたたまれなくなる」というハルさんの発言に「想像つかない!」と激しく同意しました。主っていうのはミブロさんの信念だから、そこから離れるなんてことありえない!それこそ英雄マニアをやめるフォーチューン並みにありえない…!!そしてそこがいいところ!
やっべこの夫婦好きだぁぁぁだが最近考えてるネタではフォーチューンが死に過ぎてて絡めねぇぇぇぇ…!!というわけで今日は旅戦です。ミブフォー会話シーンまでまで行き着きたかったけどちょっと道のりが遠かった…!
歴代アンティエルドの中ではとてもとても能力値が低い旅戦のアンティーですが、この空気を読んでるできる子感はどこの世界でも健在のようです。
そしてまさかのトランジ・カストラート登場、当初、カストラートが「執事ポジション」とか、ますますジグが変な方向にガチっぽく見えるんじゃないかというかむしろマジ男専門に見えるような気がして「……」となっていたのですが。
なんかジグが最近阿部さんポジを卒業したことと、最近カストラートがメタ世界でむっちゃ強くなったことがうまく影響したのか。「もう絶対愛人関係には見えねぇvvvvvv」と作者が笑顔で言えるようになったので正式お目見えいたしました。
ネタ性ばかりが上がるトランジとカストラートだけど、シリアスやらせても強いんだぞぅ!!
自然と速足になったまま、コトは練習場の扉を開いた。「あれ、コト?」と、拍子抜けしたような声と丸く見開かれたオッド・アイが彼女を迎え、
「どうしたの?そんなに急いで?」
何故彼女があせっているのかわからない、と言わんばかりの問いかけに、一気に肩の力が抜ける。すぐに冷静に帰った頭が、「体よく追い払われただけなのだ」と結論を弾き出すが、それでもこの安堵感にかえられるようなものではなかった。まだまだジグムントに聞きたいことは山ほどあったが、少なくとも、彼が無事であることを確認できただけで十分だった。
「いいえ…何でもございません、殿下。」
「………。」
「何か僕が、心配かけるようなことをした…??」
「……」
先ほどのジグムントとのやりとりを見透かすような問いかけにコトは一瞬、ほんの一瞬だけ、息を呑んだ。だがアンティエルドはそれ以上追及することはなく、「もしかして、あれかな。」と、にこりと笑いながら言葉をつづけた。
「実は昨日、ばあやに人気だってお菓子を勧められたんだけど、それがあまりにも美味しくなくて。こっそり全部砕いて鳥にあげちゃったんだ。…もしかしてそのこと、ばあやにバレた?」
勿論、それは行儀の良いことではないが―決して、咎められるようなものではない。自分はその程度の問題しかない、だから安心していいよ、と言外に伝えるような言葉に、
「それは良いことではありませんね。こっそり捨てられていたということを後から知るよりは、『苦手だ』と一言仰るべきでしょう。悪意のないものとはいえ、嘘とはそれだけで不安定なものですから。」
諭すコトの声には、いつもの穏やかさが戻っていた。
「そういえば、今日は旅の皆さまはご一緒ではないのですね?私はてっきり、練習を一緒にされているのかと…。」
「ん?皆?今日は―ジグムントの処に行くって言ってたかなぁ。なんでも『オラシオン』付近のことについて知りたいらしくて…。彼が抱えている彫刻家が、オラシオンの麓出身だって言ってたから、」
意外な名前が出てきたことに訝しみながら、コトは「しかし、ヴェルファリウス卿は、先ほど城に…。」と聞き返す。アンティエルドは軽く笑い、
「…本人がいないほうが、僕は安心できるけどね?」
と、ぱちり、器用に片目を瞑って見せ―「そのようなこと、口に上らせてはなりません」と今度は彼女を苦笑させた。
「…オラシオンという土地について、ですか。」
ジグムントお抱えの彫刻家は、痩せた幽鬼のような外見には似合わない、どこか人を煙に巻くようなのんびりとした喋り方の男だった。
乱雑なアトリエの中、コロナは神妙な面持ちで彼の話を聞いていたが、ファルルとトーンは彼の幽霊のような外見にカチカチに固まり、ハルモニアはむしろそのギャップに笑いをかみ殺すのに必死になっている。失礼すぎるだろ、とコロナは一瞬思ったが、その無礼をとがめるのもさらに失礼な気がしたので、おとなしく彼の話に集中することとした。
「といっても私は、本当に、こちらに来るまではずっとオラシオンにおりましたので、『それが当然』と思っていたようなことばかりで―そうですね、街に出てきてから、これほどにまで花は咲かないものなのか、冬とは厳しいものなのかと驚きました。…ええ、そうなんですよ、オラシオン一帯は非常に暖かくて…」
尤も、一事が万事このような展開であるので、聞きたいことを聞き出すには非常に時間がかかったが、実入りは少なく―結局判ったのは「オラシオン地帯には魔法の力が常に働いているため、気候は温暖、植物はまるで生命力が底上げされているかのようによく生えるが、その効果が人間に及んでいるわけではない」ということだった。昨日「聖地オラシオンは魔法に近い場所」という話を王子から聞き、日に日に衰弱していくミクロ王女の延命措置に役立つのではないかと考えてオラシオンの住人を求めてみたのだが―どうやら徒労に終わりそうだった。
聞くべきほどのものは聞いたと、礼を言って席を立とうとしたとき、「それにしても、皆さま本当にお元気そうで。」とトランジは一体何が言いたいのかよくわからない口調で呟く。
「是非お時間があれば一度、仲のよさそうな皆さまの像を掘らせていただきたいものですね。」
「お客様からそのようなお時間をいただくわけには参りませんよ、トランジ。」
それはどういう意味でしょうと聞き返そうとした瞬間、彼らをここに案内した長身の召使いがやんわりとトランジをそう窘めた。
「や、これは失礼。」と彼は軽く頭を下げ、「どうも私、芸術家肌の変人なもので―お役に立てず申し訳ないです。」と続ける。
ぶ、と後ろで誰かが噴きだしたような声が聞こえ、後で絶対に注意しよう、と思いながらコロナは二人に礼を言うと、改めて席を立った。
「―…お疲れ様です。」
「いえいえ、とてもおもしろかったと思いますよ。私も故郷の話ができたのは久しぶりですし…しかし、今の会話が、一体陛下にとって何のお役にたつのですか、カストラート?」
召使い―カストラートは、「それは」と言いながら、石の欠片やデッサンなどが無数に置かれ、最早机としての機能を果たしていない机の上に手を伸ばす。瓦礫や道具に埋もれるようにしてそこに置いてあったのはランタン―であるが、その中に燃える炎の色は、暮れなずむ空のような紫紺―。明らかに不自然なその色は、とある魔法が発動している証拠であった。一般的には用いられていない魔法ではあるが、「本人たちの感情を何倍にも増幅させる魔法」である。
「ああ、なるほど。道理で、私の顔を見たあの者たちがずっと緊張していたわけです。」
「賢者以外は魔法の心得がないということが、彼らの反応から判りました。…魔法に対する抵抗がない者ならば、陛下も扱いやすかろうと思ったのでしょう。」