「英雄とは死に至る職である」
「元ネタは5年熟成」
ようやく寒さの峠を超えたかな…といいつつまだふかふかの敷パッドと朝のエアコンがやめられないほう、蒼牙です。
本日は「最近いってきたもの」と「見終わったもの」「ご紹介したいもの」が本文に。
追記は、「
この間いただいた漫画」の同人小説と、それにまつわる裏話つらつらと落書きとクソコラ。…すごく追記が充実している…。
この三連休、他にもUTAUカードゲームの絵も描いたし、すごくいっぱい作業をした…気がします!
・フォーチューン描いていただきました!
冥界水族館でお世話になった鳥居さまのところで「リクエスト企画」があったので…思わずリクエスト…!!
しゅごい 絵が上手い人は(当たり前だけど)絵が上手い
本当は、美青年・美幼女・怪物系描きさん(あと虫とかめっちゃ上手い)なんですが…もう凄い「なんでもかける」の一言に尽きます…。
顔がきれいなのは言うまでもなく髪の毛がサラッサラですごいというのも言うまでもなく、個人的に腰を抜かしたのは腰から下、シャコ部分のドンとした質感…。すごく密度が高そう、なんですよ…。普段から色々描かれている方だから、殻とかが上手いのは存じ上げてましたが…あらためてすごい。
あと蓮のお花…!!ほぼほぼ一発描きのようなんですが、形の整い具合が半端ない…!!!
「SKIMA」や「KOKONARA」など、イラスト1枚が3000~30000円位になってる世の中で、イラリクって本当になんか申し訳ないなぁと思いつつ…お願いしてめっちゃよかった!!!!と思う今日この頃です。
・和太鼓コンサート(2/11)
会社のお姉さまの御勧めで「M
EGA 太鼓祭り」にいってきました!和太鼓ってなんとなく据え置きのものを1人ないし複数人で交代しながら叩く、ってイメージがあるんですが、今回の演出は、鼓笛隊みたいな持ち運び式の和太鼓に、種類の違う太鼓を3種類並べてのパーカッション、ヒップホップとのコラボetc…ほとんどメロディーがないにもかかわらず、飽きさせない演出で面白かったです!!
個人的に一番面白いなーっておもったのが、「銅鑼を太鼓のバチで叩いたときの音」かな…。銅鑼って、バチで叩くというよりは梵天みたいな、先っぽが丸く布で覆われた道具で叩いて(ドラゴンボールの天下一武道会みたいな)「グワァーン」って音がするもの、という印象だったんですが、木のバチでそのまま叩くと「シャッ」っていう、蛇の威嚇みたいな金属音がするんです。これは創作に使える。(かもしれない)。
・FF15 (2/11)
映画だけ見てずっと放置してたんですが、観月におすすめ実況社さんを教えてもらい、ついに踏破しました!!
結論は
「惜しすぎるゲーム」という感じです…。
というか、私も「自分でプレイしていたら寄り道せずに、国が滅びたのにのんきにキャンプとかしてる暇はねぇ!ひたすらストーリーを進めていたし、」という感じで進めていたと思うので、まったく楽しめなかった可能性…。寄り道とか、町で人の会話を聞かないと、世界観の肉付けがされないので、実況動画の「投稿者さんのトーク」と「補足コメント」がなければたぶんまったく理解できずに空虚なまま終わった気がします。
「国を滅ぼされた王子が仲間と共に旅をする」というコンセプトはFFっぽいんですが…。
その実際
「主人公は国を滅ぼされた王子であるが、実は国どころか星を救うために犠牲となることを強いられる存在であり、死ぬことが決定しているキャラ(ラスボスバトル後死ぬ)」
というストーリー。
実況の方が色々寄り道をしてくれたおかげで、主人公に愛着が湧いたというか。「王族に生まれてちょっと強いだけの男の子」だと思えたのが本当によかった。
まったく感情移入できないとおもっていた主人公が、「覚悟できたとおもったけど、やっぱ辛ぇわ」と呟くシーンでは、主人公の仲間と一緒にボロ泣き…。
「これ、救えませんでしたかね?」とおもうのですが、「神話の終焉」という意味で葉正しくファイナルファンタジーだったと思います。
ただほんとに「そのシーン必要でした?」「もうちょっとマシな説明あるでしょ」「気が付いたら死んでた」「有料で追加できるエピソードにトゥルーエンディング入れるのやめて」みたいなものがチョコチョコあるので…ほんとに惜しい…もっとうまく料理できるはず、と素人でも思えるのがつらい。
私ほんとこういう「
英雄と定められた者の悲哀」みたいなの好きなんで…余計に…ね…。
追記は
こちらの日記でご紹介した漫画!の同人小説とらくがきとクソコラです
漫画の最後の頁、「真実を思いだした時、君は僕を恨むのか…」という思わせぶりなアンティーの一言について
「ルオちゃんの前々々世は、竜と恋仲になったお姫様。それを疎んだ父王によって竜は殺され、お姫様は発狂して竜の心臓を食べ、暴走。それを殺したのがアンティーの過去生で、死の間際、彼女が呪った言葉により、アンティーだけは記憶を保持したまま転生している」ネタバレをいただきまして…。
あまりにもおいしい設定だったので、その同人をかきました!!めっちゃ楽しかった…!!20アンティーといえばもう一本書きたいものがあるんだけど、それは「唯一神とどう殴りあわせろと」という悩みに決着がついてないから動かせない…かきたい…
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「エル」と名付けられたその子供には、両親の顔を知らなかった。
彼を宮廷に連れてきたのは、国内でも随一の腕前との呼び声高い魔術師だった。彼が大切そうに抱えた籠の中身に目を丸くした国王が、「その子どもは?」と尋ねると老魔術師は今にも眉毛に埋もれそうな目を瞬かせ、にこりと微笑んだ。
「この方は―後世に残る偉業を為す星の元に生まれた方です。どうぞこの宮廷内に、私と共に住まうお赦しを。」
その願いはすぐさま聞き届けられ、彼が使っていた部屋の隣に一つ、エルのための部屋が与えられることになった。
が―。
その数日後、魔術師の部屋を訪れた国王が目の当たりにしたのは、床に手をついてぜぇぜぇ息を切らす老魔術師の姿だった。エルはといえばその隣で、小さくちぎれた木の葉のようなものをぱぁっと投げては、それがひらひらと降って落ちてくるのを楽しそうに笑いながら眺めていた。その無邪気な笑みはまさに天の御使いとも呼ぶべきもので、悪戯の最中でありながらもまるで一服の絵画のような光景だった。千切られた木の葉の匂いだろうか、辺りには香を焚いたような柔らかな香りが漂っており、国王はふと眉を顰める。
「……この香り、まさか、万光樹の葉か?」
ほぼ独り言のような呟きだったが、王の足元にうずくまった魔術師は地を這うような声でそれに答えた。
「…ご懸念の通りでございます…大変申し訳ございません…。」
「良い。替えのきかぬものではないからな。だが―」
王は言葉を切るとぐるりと周囲を見回す。机に掛けられていた敷布と、それと一緒に落ちたのであろう本が床の上にばらばらと散らばり、臙脂色の絨毯の上には、正式な署名の際に用いられる銀色の顔料がじんわりと広がっていた。大惨事―とまではいかないものの、童子と老人の大捕物が演じられたのは想像に難くない光景である。
「…一週間もたたずにこの有様では、お前が過労で死にかねないぞ」
「はは、まことに…おっしゃる通りでございますな…。」
育児は体力勝負である―仕事柄、室内にこもりがちな老齢の魔術師には難題だったようである。よろよろと立ち上がろうとするのに手を貸しながら、王は、同情するというよりは面白がるような気配の強いため息を零し言葉を続けた。
「―今後のために乳母を何人か登城させる予定だったが、一人こちらに回そう。」
「…誠に恐縮でございます。」
深々と頭を垂れる老魔術師に、若々しい笑い声が答える。気にするなとその背中を叩きながら王は続けた。
「―お前には長生きしてもらわねば。」
国王と筆頭魔術師が特別目をかけた素性の知れぬ子どもに対し、羨望や嫉妬の目がなかったわけではない。だが大して縁のない人間が、執拗に敵意を抱き続けるには世俗離れした美さの子供であったし、また彼自身が大変人懐っこい、物怖じしない性格をしていたこともあり、拾われ子は概ね普通の子供のように城の面々から慈しまれ、愛された。
老魔術師は言わずもがな、国王夫妻もよくエルを可愛がった。また彼が城に来てから少し後、国王夫妻の間に誕生した姫君―レイナもまた、まるで実の兄であるかのようにエルによく懐いた。
ただ一つ、彼と他の子供との最大の違いを挙げるのならば―「後世に残る偉業を行う英雄だ」という言葉に対する期待が、何時も彼について回ったという一点である。それが「真実であれ」という期待であれ、それが「偽りであれ、ただの子供であれ」という悪意混じりの期待であれ、彼は常に期待を込めた目で見られる子供だった。
ある意味では、エルという少年を誰よりも冷静に見ていたのはエル自身であったとも言えよう。運命の英雄に相応しい、天の光を淡く纏うようなその身の美しさも、エルからすれば「まあ僕は実際、こういう姿なんだから」の一言で片づけられる問題であり、それ以上でもそれ以下でもない。諦念というにはあまりにも明るく、驕りと呼ぶにはあまりにも拘りがなく―「それについて、何か言われても困るんだよね」とケラケラと笑う表情は、あっけらかんとした子供のそれだった。
連合国への訪問の話が持ち上がったのは、姫が8つを迎える次の春の日だった。
国王同士の会談というのが最大の目的ではあるが、偶々妃同士が近い王家の出であり、姫同士も年が近いとのこともあって、折角の機会であるため顔合わせをしようとの話になったらしい。
やや引っ込み思案の姫を慮って、王はお目付け役―という名の仲介役―としてエルに同行を依頼した。会談当日、両国の国王達が談笑しながら立ち去った後、残されたのはエルとレイナ、それから隣国の姫君エメルーディアとその騎士の4人だった。
長旅と慣れぬ謁見室の空気に明らかに緊張した表情のレイナに対し、エメルーディアは隣国からの訪問者に興味津々といった体で、先に口火を切ったのは彼女のほうだった。形式ばった礼の代わりにすっと手を差し出すと
「ようこそお越しくださいましたお姫様!私はエメルーディア!」
溌剌とした声で名乗りをあげた。
「…は、初めまして!!お迎えありがとうございます!…レイナと申します!!」
朗らかで親し気な挨拶に慌てたレイナは、まごつきながらもその手を握り返し、いつになく大きな声で返答をする。レイナ自身は自分が大声を出したことに面喰らったかのように目を瞬かせていたが、だがエメルーディアはそれが嬉しかったようで、レイナって呼んでもいい?私もエメルーディアとかルーディアでいいから、と続けた。
それはさすがに、と口をはさんだのは、彼女の隣に控えていた騎士である。止められたエメルーディアは頬を膨らませて彼を振りかえり「けち!」と声をあげる。
「いいじゃない、私もレイナも同い年だし!」
「仮にもお姫様同士でしょーが!」
「お姫様同士だからでしょ!」
最初のすまし顔はどこへやら、兄妹喧嘩のような光景に、レイナは慌て、エルは笑いながらその騎士とエメルーディアを交互に眺める。視線に気づいたエメルーディアは慌てて、「幼馴染で騎士のカナタ。もう、面倒見がいいんだけど時々お父様やお母様みたいな物の言い方をするの」と、彼を紹介した。
お見知りおきを、と頭を下げるカナタ。エメルーディアの好奇の視線は必然的にまだ名乗りをあげていない最後の一人―エルに向けられる。えと、とレイナは一瞬考え込んだが、すぐにはにかみながらも小さく笑って言葉を続けた。
「この方はエル。騎士ではないのですが…わたしにとってはお兄さまのような存在です。」
『この方』という微妙な言い回しにカナタは一瞬不思議そうな表情をしたものの、隣のエメルーディアは全く気に留めた様子もなく「私とカナタの関係と似てるね。」とさらりと言うと、エルに対しても握手を求めるかのように手を差し出した。
「皆の中では僕が少し年上かな。どうぞよろしく。」その手を握り返したエルが言うと、エメルーディアはニッと笑い、
「それじゃあ早速、遊びに行こう!」
と姫らしからぬ仕草で拳を振り上げた。
(おにいさま、か。)
聞く人間が聞けば目を吊り上げるような発言ではあるが、その響きは満更でもなく、エルは思わずにこりと笑うと、早速駆けだしたエメルーディアたちの後を追った。
「エメルーディア姫はお転婆だ」とは風の噂で聞いていたものの、城下町の皆にとっても姫が城から飛び出してくるのは日常茶飯事のようだった。城の前の大きな広場を、「あらあら」と言わんばかりのなごやかな笑い声に見送られながら抜け、行商人の荷馬車に飛び乗って、城下町のさらに外を目指す。砦に覆われた街の外は、菜の花にも似た鮮やかな黄色の一面の花畑で、振りかえれば背後に山を戴いた王都の姿が見える。「綺麗…」と素直な感想を漏らしたレイナに対し、エメルーディアはぐっと胸を張り、
「一週間はダンスの練習も外国語のお勉強もお休みだから、あちこち冒険しよう!私の国、ぜーんぶ案内してあげる!」
と言い放った。
「楽しみです…!」
もっとも―その「冒険」は、長旅あけの、温室育ちの姫君には相当厳しかったようである。日も暮れかける帰り道の途中でレイナは力尽き、エルに背負われて帰る羽目となった。泥やら草枝の切れ端をちょこちょこと服につけて戻った4人の姿を見て、姫の父親たちは「夕食会はまた後日だな」と苦笑し、母親たちは顔を見合わせる。他家の娘をお転婆に巻きこんだことに対し、エメルーディアの母親は大層慌てたようだったものの聞きつけたレイナが薄く目を開き、「ほんとうに…とっても楽しかったんです、おかあさま…。」とつぶやいたことでその場は事なきを得た。
「エルも疲れただろう。良く頑張ってくれたな。」
そのねぎらいの言葉になんと答えたか、エル自身良く覚えていない。「部屋まで運ぶから、眠っていても構わないぞ」と国王に抱きあげられるのと、長旅の疲れで彼が眠りにおちるのは、ほぼ同時だった。
故国においてはエルは「伝説の英雄(予定)」だが、レイナがそれを口にしなかった以上、エメルーディアとカナタがそれを知る由もなく。国王達同士の会談の間、「姫君とその御付き」達は、日頃の立場など忘れたかのようにのびのびと遊んだ。
今日は花の冠を作ろう、と花畑に繰り出したのは、滞在も終盤に差し掛かったとある日だった。もともと花冠の作り方に心得があるカナタが、小さな手と新誌な瞳でたどたどしく花冠を編む姫二人に講義を行い、さっさと一つ目を編み終えたエルは、その横で昼寝を決め込む。
それを鋭く指摘したのはエメルーディアだった。
「エル、一人だけ休まないの!」
「そんなこと言っても、僕は一つ、作り終わったからね。」
作り終えた花冠を無雑作に持ちあげて放ると、彼女はそれを上手くキャッチして、検分するかのように眉を眇めて丹念に眺めた後「凄い、完璧だわ」と呻くように呟いた。
「…カナタも大概なんでもできるけど…エルもそうだね!走るのも早いし、木登りだって、一昨日初めたばかりなのに、私達の誰より上手に木を登ってみせる。…それはやっぱり未来の英雄だから?」
「え?」
ここ数日、まったく聞くことのなかったフレーズに、彼の眠気は一度に吹き飛んだ。
「…君、何時からそれを?」
「来る前にお父様から聞いていたからだけど―どうして?」
ほとんど反射的に身を起こしてエルは問いかけたが、無論なぜ彼がそこまで慌てたのか、エメルーディアが知る由もない。むしろ彼女の方こそ、相手からの唐突な質問に面喰らう側だった。あっけにとられた表情で、二人はしばし見つめあった。
(まっすぐだなぁ)というのが、エルがここ数日で彼女に抱いた強い印象だったが、その印象に間違いはなかったのだと、驚きがまだ残る頭の片隅で彼は思った。
本当にただの子供のようにはしゃいだこの一週間は、エルにとってみれば様々な偶然の重なりであったが―。その、奇跡とも呼べる日々をもたらしたのは、間違いなく目の前の少女の人となりのお蔭だったのだ。
眩しいものを見た思いで、エルは何度か瞬きをすると、「そっか」と何とか呟いてもう一度草の上に寝転がりなおした。
そろそろ夏の気配を漂わせる空は色濃く、吸いこまれそうに深い色合いをしていたが―彼を見た姫の瞳もまた、それと同じ色をしている。時にもない感傷に浸りながら、彼は言葉を続けた。
「英雄だからというよりは多分僕が、皆より―ちょっとだけ年上だからかな。君がその時まで花冠を作りたがるかはわからないけど、君の手がもう少し大きくなれば、もっとしっかり花を編めるようになるし、木の枝を掴めるようになる。―きっとね。」
国に帰った後も、レイナとエメルーディアの間では文のやり取りが続いた。手紙には稀に、小さなお土産が添えられており、それは例えば野の花を押し花にしたものや、赤く色づいた花で作ったインク―珍しいものでは、竜の鱗などもあったが、いずれも快活な彼女の人となりを物語るようなものばかりだった。
―尤も、エルはその手紙や土産の総てを直接目にしたわけではない。
その一年後彼の後ろ盾であった老魔術師の勧めでエルは騎士団に入り、養父から魔術を学ぶ傍ら騎士としての任に従事した。国は豊かで穏やかではあったものの、山の奥で大量に繁殖した猪が村を荒らせばその討伐に向かい、縄張り争いに負けた竜が国の南端に住みつき森を荒らしていると聞けばその討伐に向かう―。「命を惜しまないが故に、余念がない―これほど潔い戦い方をする騎士はいない」と、騎士団のメンバーはエルの戦い方を評したが、恐れを知らぬかのように戦に挑み―竜の首を落とした英雄の名は、ほどなくして民によく知られるところとなった。
時は矢の様に過ぎる。エルがそうこうしているうちにレイナのほうもそろそろお年頃とのことで、公の場以外に姿を表すことはほとんど無くなり、必然的に言葉を交わす機会はぐんと減った。
兄妹のように育った自国の姫でさえそのような状況である。ましてや他国の姫君と、一介の青年の生に、それ以降何の共通点があるわけもなく。高い空のような色をしたまっすぐな瞳の少女は、エルにとって微笑ましい思い出の中の人となる―そのはずだった。
異形の娘が、影の軍勢を従え、国を滅ぼして回っている。その話は野火が燃え広がるように大陸を駆け巡った。
鷹を用いての遠見の魔術がその噂が真実であることを知らせ、国王及び各大臣、騎士団長、筆頭宮廷魔術師のみならずエルも招かれ―緊急の会議が開かれる。
命からがら隣国からやってきた使者が、その異形の娘がかつて「エメルーディア」という名であったことと、一連の殺戮の発端となった事件の概要を伝えた。
曰く、姫と恋中の竜がいたこと。
曰く、王がそれを疎んで竜を処刑したこと
曰く、気が触れた姫が竜の心臓を口にし―そしてあのような姿になり果てたこと。
既に被害は測り知れぬほど甚大であり、エメルーディアの故国を中心に、大陸の半分近くが影の軍勢に滅ぼされたのだとも噂されている。実際、他国に遣いを派遣してもそのほとんどが戻らず、鳥の目を借りた遠見の魔術が伝えるのは、影の軍勢の鋭い爪に切り裂かれた屍の山、惨い殺戮の痕ばかりだった。
人の形に近い姿をしているが、その四肢を覆うのは艶やかな竜の鱗。人とも竜ともつかぬ姿のそれを、彼等は竜姫エメルーディア、と呼んだ。竜姫は現在軍を引き連れて東のほうに進んでいるようだが、今までの経緯を顧みるに、その進路が明確に定まっているわけではない。むしろ近くに町や村があればふらりと、まるで道端の花でも摘むような気軽さでそちらに立ち寄ってはそこを滅ぼして回るといった体である。彼女がいつ、どんな気まぐれで身を翻してこの国を襲うか誰にも判らない―そんな緊張状態が続いている。
軍や魔術師団を送ろうにも、数では遥かに影の軍勢に劣り、封印を施そうにも、彼女たちはひとところに留まらない。結界を張ろうにも、国土を守り切るほどの広さの結界など、魔術師を何千人集めたとて叶うわけがない―。王都の守りを強固にし、収容可能な限りの民を王都に移動させるという方針が固まり、騎士団がその護送に当たるとのことで会議は一段の決着を見、僅かな休憩を挟んで具体的な運営を話しあうこととなった。
「…エル様」
その休憩の最中、騎士団長と人員の相談をしているエルに声をかけたのは、彼の養父である老魔術師だった。
「…どうしたの、パパ。」
「…お伝えしたいことが、ございます。」
「このタイミングで?」
「はい。―こちらを、ご覧ください。」
彼は神妙な顔で、エルを部屋の端の机にいざなうと、そこにかけてある掛布を取り払う。
その下から現れたのは、武具一式だった。艶やかな黒の地に、時折鋭く入る緋色のライン―その色味にエルは見覚えがあった。かつて彼自身が屠った南の森の竜が丁度こんな色味をしていたことを良く覚えている。死したあと、その躯は王家に献上されたと聞いていたが、このように加工された姿で再度見えるとは想像すらしていなかった。
「……竜の外殻を加工した鎧、か。」
軽口を叩きながら指先で鎧に触れれば、夜の水面のように冷たく滑らかな感触が返ってくる。―竜の鎧というのは意外だったが、だがなぜ今これが自分の目の前にあるか、その理由については、誰が口にするよりも早く、彼自身が理解した。
「……表面の塗装に使ってるのは、万光樹の樹液?…だとしたら耐熱・耐火性も高いね。これなら―これなら、火を吐く竜を相手取っても、十二分に戦えそうだ。」
「…はい。」
老魔術師の声が僅かに震える。次の一言を何とか紡ごうとして、悩み、躊躇い、苦しむ―そんなありとあらゆる感情が滲む声音だった。
エルが彼と暮らして十数年。老魔術師がこれほど何かを恐れる姿を見たことはなかったが、それが尚のこと、彼の予想を「確信」に変えた。きつく杖を握りしめる筋ばった手が、僅かに震えているのを押しとどめるように己の手を重ね、彼は静かに続ける。
「―なんとなく判ってるよ。パパ。僕には―何か、別の命が下る。そうでしょう?」
「…っ…」
「エル!」
そこに割り込んだのは国王の声だった。最早声も出せずに俯く老魔術師の嘆きを代弁するかのように、声を潜めて、口早に問いかける。
「…エルがもし、星が謳う英雄でなければ…行かなくても良いはず。ただの兵をわざわざ、死地に赴かせる必要もあるまい。そうだろう。」
それは、老魔術師と、彼が英雄と呼んだ青年を救おうとする思いから出た言葉であったが、老魔術師はそれに頷くことはできなかった。英雄と信じたが故に―息子同然の存在を死地に送り込むこととなる苦しさ。だが目の前に差し出された救い―それを掴むということは、彼等の今までの生を否定することになるという矛盾。
「…パパも陛下も、僕を心配してくれているというのはよくわかったよ。ありがとう。」
苦し気な沈黙を破ったのは、あっけらかんとしたエルの声だった。
「でも僕が本当に英雄であろうがなかろうが、正直僕にとってはどちらでもいいことなんだ。だって、英雄である以前に―僕が今騎士であることは間違いない事実なんだから、民のために命をかけて戦うのは当然のことだよ。それに、国で一番いい装備を貰って尚怖気づくような臆病者でもない。」
「エル様…」
「だから陛下、竜退治の実績を持つ騎士に御下命を。」
何かを堪えるように国王は大きく息をつき、天を仰ぐ。だが次エルを見たとき、彼の表情は、可愛がっていた子を案じる保護者の顔から、すでに冷静な指導者のそれへと切り替わっていた。
「エル。そなたに命じるのは、竜姫の討伐である。大陸を荒らす影の軍勢と、その頭たる竜姫エメルーディアを討て。」
決戦の場に選ばれたのは、エメルーディア姫の故郷、一連の悲劇の幕が切って落とされた城下町の広場である。
人だけでなく、死肉を食む野犬の類も分け隔てなく滅ぼされたのか、躯は荒らされることなくその悲劇の時のまま、時が止まったかのように打ち捨てられていた。なるべく屍を踏まないよう用心しながら、エルはまず広間の中央に横たわる竜の躯へと歩を進めた。躯のすぐ隣―見覚えのある面立ちの青年が、驚きと焦りの表情のまま倒れているのが目に入るが、エルは小さくため息を零しただけで、迷うことく竜の傷口を調べた。
竜が槍で突き殺されたとの報告に偽りはなく、使われた槍も、彼の見立てが間違いなければミスリル製のものである。故に竜の皮膚の強度はそこまででもないはずだ―念のため、新しく渡された刃の切れ味を試せば、白刃はすんなりと、まるで水でも穿つかのような滑らかさで竜の皮と肉を切り裂いた。
死亡してからかなり時間が経っているせいもあるだろうが、この程度の強度ならば「竜姫は斬れる」だろうと僅かに瞳を眇め、彼は居並ぶ躯に火を放った。
咎なき躯達を焼くことに良心の呵責が無いといえば嘘になるが―未だ進軍を続ける彼女を追いかけて討つよりは恐らく勝算が高く、また彼女が戻るならば、それは民が逃げるための時間稼ぎともなる。魔術による焔は、真昼の天を焦がすかのように燃え盛り―それは開戦を告げる狼煙となった。
『竜姫、炎柱に反応。反転せり。武運を切に祈る。』
煙の間を縫うように飛んできた鷹が運んできた手紙が、地獄の訪れを告げる。「もう一仕事、頼むよ」とエルは鷹を空に放ち、鳥の目に己の眼を重ねる「遠見」の魔術を行使した。
一個の生き物のように統一された動きを見せる黒一色の影の軍団―その先陣、大型の影が組む玉座に『竜姫』は腰かけていた。
記憶の中で朗らかに笑う少女の面影を、異形となった今でも見つけられたことにエルは苦笑する。ただ只管に一方を―焔の上がる故郷の方角を真剣に見つめるその横顔は、花冠を真剣に編んでいたときのそれと酷似している。半ば竜と化した姿を、恐ろしいとも醜いとも思わなかったのはその表情の所為だったかもしれない。
ただ幸せそうに笑う少女だったものが、見ぬ間に憂いと怒りを抱く「女性」になっていた―。彼が感じたのは、そんな少し的の外れた感想だった。
愛しい竜の処刑に、正気を失った姫君は、よろめきながら竜に駆け寄ると、その心臓を口にしたのだという。
魂が宿ると言われる心の臓は、血肉となっていま彼女の中にある。それが永遠に共に「在る」ことなのだと、「彼女」は信じたのだろう。死が二人を分かつことなきよう―。そしてそれは真となり、彼女は竜と一つになって、今、此処に存在している。
『―どうして?』
ふと頭を過るのは、あの春の終わりの日、高い空を背景に見た空色の瞳。
真っすぐに何かを見て。
真っすぐに何かを愛する。
その透徹とした瞳を、恐らく彼女は処刑の日まで持ち続けていたのだろうと―奇妙に納得する思いもある。
鷹の眼下で、影の軍勢はまたたくまに城壁に肉薄した。円型の壁を前にした瞬間それまでは竜姫を頭に、円錐形で進行していた影の軍勢がその形を変える。両翼がぐぅっとせり上がり―城壁を挟みこもうとするかのように左右に分かれて広がった。
「第一波!来るよ!!!!!」
遠見を解除すると同時にエルは、同行してきた魔術師と騎士たちに向けて声を放つ。
「〚第一障壁・展開〛!!」
ざぁっと…。高い城の壁から黄金色の光が溢れだし、まるでヴェールのように城壁を覆った。
影の軍勢は、謂わば闇の魔力によって練り上げられた塵芥。剣で切ることも、槍で突くことも可能であるが―何より、相対する光の魔力で「相殺する」ことが可能であるということが、生き残った人間達の間のやりとりで知らされている。その伝言の通り、城壁に触れたところから影の軍勢は形を失い―壁を前に一旦動きを止める。
竜姫に考える隙を与えぬよう、熱風に髪を煽られながらエルは続けざまに弓を引いた。竜姫はなんなくそれをいなしたが―何かに気づいたのか、その表情が見る見るうちに、驚愕に彩られる。その驚愕は無理もないこと―彼が鏃に使ったのは、先ほど広間で切り落とした、竜の牙だった。
「やぁ姫!君の愛した竜の躯を焼いたのは、僕だよ!」
「…………貴様…」
「まだ総てが灰になるには時間がかかるけど、そこで指を咥えて大人しく待っているあい?」
言葉を解すのであれば、目の前の存在には知性が残る。乗ってくるだろうか、という懸念をおくびにも出さず、エルは言葉を続けた。
「あぁ、違う。指じゃ無かった。―僕が渡したのは、歯だったっけね?」
まるで竜のような呻り声と共に、躊躇うことなく彼女は城塞の上へと「跳んだ」。
それを後ろ飛びに回避、城壁の内側に落下しながらエルは竜姫が己に続いて、焔が燃え盛る城塞の中に飛びこんできたことを確認した上で声の限りに叫ぶ。
「―第二障壁から第五障壁まで、一斉展開!!」
国王は「竜姫を討て」と、エルには言ったが、この作戦の本質は「囮作戦」である。
第一障壁は、元あった城壁の外側に魔術を施し、影の軍勢への「壁」とする目的で用意された魔術である。元々魔術で体を構成している軍勢は、壁に触れた瞬間に分解されるため、第一障壁を突破することができる存在―つまり物理的な肉体を持ち、壁を壊すことができるエメルーディア以外の戦力を無効化することができる。
第二障壁から第五障壁は、それとは逆で、「城塞の内側」に向けて行使される結界魔術で、こちらはエメルーディアの封じ込めを目的としたものである。強大な力を持ったものを封じるための結界をまずは4層、その後、用意ができ次第順次結界を、5層、6層と積み重ねていく作戦だった。エルに与えられた本来の役割は、エメルーディアの誘いこみ―。そしてどちらかが息絶えるまで、彼女と戦い、結界を重ねる時間を稼ぎ続けることだった。
そして今―。
影の軍団と分断されたエメルーディアが単身、怒りのままにエルを追って城壁の中に飛び込んできた。その背後で四重の結界が閉じられるのを、落下しながらエルは認識する。
少なくとも―当初の目的は十分に達成されたのだろう。
影の軍勢が無効化できたのであれば、後は腕が二本、足が二本、尾が一本の、少女の形をした竜だけである。
(―影の軍勢は外、僕が相手取るのは竜姫だけか。)
落下の衝撃は積もりに積もった灰が防ぎ、灰の熱は鎧が防いだ。巻きあがったそれが視界を遮るが、エルは構わず跳ね起きると同時に、襲い掛かる殺気に対して横凪ぎに剣を振るった、何かをはじく手応えとともに、じんと腕に痺れるような衝撃が走った。
(堅い――)
先ほど斬った竜の皮など、比較にならない強度だった。死んだから皮が弛緩していたのか、あるいは扱い切れぬ魔力の余波が、彼女の身を覆ったからかは分からない―ただとにかく、易々と斬れるものではないことは明らかだった。
後ろに飛び退りながら、エルは魔術を放つ。風が灰を吹き飛ばし、クリアになった視界に映る対象に向けて光弾が飛ぶが、彼女は煩わし気に腕を振ってそれを防いだ。間髪入れずに地を蹴ったエルは、その腕に向けて一撃を加える。―鈍い手応えは「断てた」という手応えからは程遠く、腕に白く引っかき傷を残したに過ぎないが、「圧した」という感触は確かにあった。剣のほうがまだ通か、と素早く距離を取ったエルは正眼に剣を構え直し、次の攻撃に備える。
だが―彼に取っては意外なことに、竜姫は仕掛けてこなかった。
「どうしたの。僕を殺しに来たんじゃ無かったの。」
「…勿論、そのつもりよ。」
大して動じた様子もなく、エメルーディアは唇を噛んで拳を握りしめる。鋭い爪が掌に食いこみ、ジワリと滲んだ血が地面に落ちれば、それは辺りの灰を巻きこみ、見る見るうちに四足の、漆黒の影となった。
その数は8体―。竜姫の怒りのままに、一斉にエルに襲い掛かる。
身を屈めて一体めの腹を切り裂き、二体目は光魔術の短詠唱で吹き飛ばした。三体目が鋭い爪で胴を狙ってきたものの、竜の鎧がそれを阻む。
元が生物だから、だろうか。竜の鎧は恐ろしい強度を持ちながらも金属より遥かに軽く、彼の動きによく馴染んだ。なおも食い下がるその脳天に、体をひねりながら長剣を尽きたて、その勢いのまま切り飛ばすが、その時には既に四体目が足元に絡みついていた。
正攻法では無駄だと、防具の継ぎ目ないしは関節を狙っているのだと判断し、剣を返す間を惜しんでもう一度魔術を放つ―。瞬間、竜姫の長い尾が鞭のようにしなり、エルをしたたかに打ち据えた。
「ぐ、ぅ…!!」
掬いあげるように打たれた衝撃を殺せぬまま、竜の膂力で吹き飛ばされる。壁に叩きつけられた瞬間に受け身を取れたことがせめてもの幸運だった。
短縮魔術の連続行使により、ずしりと頭の奥に鈍い疲労がのしかかる。体のほうはほとんど本能的に追撃を回避する姿勢を取っていたが、先ほど竜の筋力を見せつけた竜姫がそこへさらに追い打ちを仕掛けてくることはなかった。
(追撃は―なし。)
使い魔を扱うこともそうだが、己からは近接戦を仕掛けないこと、また今彼を吹き飛ばした動きは、どちらかというと戦を得手としない人間のそれのように思われた。
―少なくとも、距離が空いたことによって、エルには僅かに相手を推しはかる時間が与えられたのである。「竜殺し」の名を持つ青年に取って、その数十秒は、一般人の数十分の熟考にも等しい猶予だった。
(僕なら―僕に尾があったら、きっと相手を巻きこむ。使い魔も―無限に増やせるなら、もうちょっと増やすかな。)
あるいは―使い魔を産みだすことが、彼女に取っては負荷になりうるのか。だとしたら戦いやすいのだけど、と心中で小さく呟き、彼は竜姫に向かって駆けだした。
残るは4体。後ろから飛びかかってきた影をいなし、魔術を放つ。態勢を崩したところに襲い掛かってくるものを切り伏せ、尾の一撃を避け―姫を守る騎士さながらに立ちはだかる最後の二体を魔術で焼きながら、目の前の標的に力一杯剣を突きたてた。
ごり、と、鱗の隙間に刃が食い入る手ごたえは確かにあったが、そこから肉を引き裂くにはあまりにも深く尾に食いこみすぎている。動きが止まった相手にエメルーディアはぐるりと振り向くと―剣を握りしめていたエルの鎧の喉元を掴んだ。
「捕まえたわ。」
握りしめられた掌の下で、鎧が軋む。身長はエルよりもはるかに低いが、影の獣の牙が通らなかった竜の皮が悲鳴を上げるその力は―間違いなく竜のそれだった。
「―殺す前に、お前に言いたいことがあるの。」
が―。
力は正しく竜のものだとしても、その振る舞い方や慢心は、彼からしてみればやはり戦場を知らぬ姫君のそれだった。
次の瞬間、夥しい量の血が地面に滴り落ち――今まで感じたことがないような苦痛に悲鳴を上げたのは竜姫だった。
彼女から素早く距離を取ったエルは、恐ろしく冷静な目で己の手に持っているものを眺める。
彼の右手に握られていたのは、肥った三日月のような形状の短刀―竜の牙によって作られた武器である。
そして彼の左手に握られていたのは、つい一瞬前まで、彼の鎧の襟元を掴んでいたはずの彼女の腕だった。
最初、打ち合った瞬間から、エルは使いなれた白王銀の長剣を諦める算段でいた。彼がその他に持ち込んだ武器は、牙を加工した短刀と、爪を加工した長剣。先ほど竜の下顎を切り落としたものである。―近接での一刺しを狙い、彼は敢えて油断を誘う形で姫に肉薄し―そして今、その腕を肘から斬り落とすことに成功した。
「あ…ああああああああああ…!!!!!!?????????」
勢いよく滴る血が、先ほどのように影の獣の姿をとることはなかった―その代わりのように、華奢な背を食い破るようにして翼が形を成す。
「ッ!?」
ドロリと粘っこい血にまみれたまま、生まれたての翼は主に逃亡を促すかのように羽搏いたが―
「駄目!!!!!」
それに抗うかのように地面に爪を立てて、隻腕となった竜姫は叫んだ。
「逃げるなんて、できない…。」
それはまるで彼女のなかにもう一つ、人格が存在しているかのような振る舞いだった。ただの少女が泣くような、言い訳をするような声音だったが―、だがエルにとってすれば、それは格好の隙でもあった。
それ以上の「隠し玉」の可能性を考慮しないわけではないが、彼は迷わず竜の爪を用いた長剣を抜き放って地を蹴る。標的は、苦痛にのたうちながらも「逃げ出そう」という本能に抗う竜姫―。
その進路を阻んだのは、「予想外」なものだった。
何かが、どっと音を立てて彼の前に放り投げられた。思わず後ろに飛び退ったエルは、僅かの後、それが何なのかを悟る―。それは―城壁の上で結界を張っているはずの魔術師の躯だった。
思わず息を飲んで天を仰げば、今回の計画の要となるはずの結界はすべて消え失せていた。代わりに空を埋め尽くすように不器用に浮かぶのは、翼の生えた異形の影達。
姫に翼が生えた瞬間、その配下である影の軍勢もまた、己が飛べる存在であることを認識したのである。彼等は、結界を施された壁を這いあがることはできなかったが―それを飛んで超えることはできた。そして際に、その近辺にいた魔術師たちを皆殺し、結界を無効化したのである。
先ほど召喚された数の数千倍、いや数万倍はあろうかという影の軍勢が、彼の眼前に展開している。
(―さすがに多いな)
己に向かってくるそれらを見据えながら、彼は不思議と平穏な気持ちで、首にかけていた紐を持ちあげた。
その先端に揺れるのは、棘持つ水晶。血液を媒介に、持ち主の命を吸い上げ、それを爆発的な魔力に変換する、禁呪の類に属する魔道具である。自分の命にどれだけの魔力があるかなどエルに図ることはできなかったが、―この影の軍勢とまともにやりあうよりは、少し良さそうな〚戦果〛が残せるだろうとの判断だった。
(僕が真に、後世に残る偉業を為す英雄ならば)
(ここで―総てを焼くことができる、くらいの奇跡がある筈なんだけど。―どうかな。)
かつてこれほど、自分が英雄であることを望んだことがあっただろうか―。そう思いながらエルはその水晶を力強く握りしめる。命を懸けた一撃を前に、過去を思い返すその形の良い口元には、なぜかうっすらとした笑みが浮かんでいた。
そのわずか後に立ち上った白光は、人の命が燃え尽きる最期の輝きというべき眩さで、遠く離れたエルの故郷からも観測することができたほどだった。光の柱は先ほどまで立ち上っていた火柱を掻き消し、今や空をその手に収めたかのように城の上空を黒く埋め尽くす影の軍団はおろか、城塞すら飲み込んで広がったあと―急速に収束する。
それは英雄の最後の一撃に相応しいもので―あるはずだった。
自分が地面に膝をついた衝撃で、エルは覚醒する。
「……?」
全身が恐ろしく疲労しているものの、五体満足である。一瞬だけ記憶は断絶しているものの、今彼は確かに生きて呼吸をしていた。
何が起こったのか理解できずにのろのろと顔をあげれば、眼前の風景は一変していた。積もりに積もっていた灰は吹き飛び、壁は崩れ、石畳の地面はまくれ上がり、無残な姿を見せている。先ほどの城下町の姿を思い起こすことが難しいほどの荒廃具合だったが、少し先の地面に倒れ伏すエメルーディアの姿が、これが正しく現実であり、先ほどの続きであることを認識させた。命を懸けた一撃のはずが、自分は生きており―そして倒れ伏す竜姫にもまだ辛うじて息があるようだった。
最早血溜りの中から動くことも適わないまま、彼女は視線だけをエルに向けて、「お前を呪う」と苦し気な息の下から淡々と呟いた。
「これから先、未来永劫―お前は、何かを『忘却する』こと能わず。」
その言葉を最後まで聞いてはいけない、という確信がエルにはあったが―だが体はまるで歩き方を忘れてしまったかのように重く、剣を掴む己の手も何か偽物のように感じられる。
「お前が見たもの聞いたもの感じたことすべてが、お前の中に積み上がる。」
―よもや、剣を投げて呪詛を吐く竜姫の頭蓋を叩き割ることなど想像もつかず、エルは重たいゼリーのように感じられる空気の中を、剣を引きずるように姫に向かって歩いた。
「記憶の重みに、魂を、すり減らし―壊れたまま、永劫輪廻をさまようがいいわ…。」
だが彼が剣を振りかぶろうとした矢先―呪を吐き終えたエメルーディアは最後に何かを呟いて息絶える。それが恐らく竜の名なのだろうかということは容易に想像がついた。
かちりと、何かが固いものが石畳を叩く音がして、エルはそちらに目を向ける。石畳に落ちたのは、血に塗れた竜の牙―それまで彼女が後生大事に握りしめていたものが、ついに力尽きて落ちたようだった。
「死が二人を分かたぬように」と心臓を口にしながらも―。愛した竜の歯のひとかけらを、けして手放すことができなかった少女の心境を、彼はぼんやりと思った。
どれほどそうしていただろうか。鷹の鳴声で、ようやく彼は我に返る。
未だ自分が生きていることに対する違和感と、それから呪われたのだという実感は抜けなかったが、エルはなんとかその躯と歯を拾いあげると、広場の端へと向かう―。彼が先ほど行使した魔術によりズタズタに破壊しつくされ、茶色い地肌がむき出しになっているが、彼の記憶に間違いがなければ、竜の亡骸はこのあたりにあったはずだった。
片腕と翼と尾、片足を失えば、少女の体など小さなものである。深くえぐれた地の底にその躯と後生大事に握りしめていた歯を置いて、吹き飛ばされていた土をかければ―最早そこに何かが埋まっているなど、気づくものは誰もいない。
―他の人間には「竜姫は最後の魔術で消し飛んだ」と伝えるつもりだった。何故そんなことをしたのか、エル自信にもよくわからなかった。―強いて言うならば、「自分が殺したのがあの日の少女だ」と、誰よりも彼自身が納得してしまったからだろうか。
―かくして、大陸の半分を滅ぼした竜姫エメルーディアは打倒され。
―「後世に残る偉業を為す」という星の元に生まれた青年エルは、その運命の通り、竜を打倒した英雄となった。
騎士団に護送され、国へ戻ったエルをまず迎えたのは、ほとんど泣きださんばかりの表情の老魔術師だった。
エルはすぐさま病床の人ととなり、この一週間、起きている時間のほうが短いほど、僅かに目を覚ましては昏々と眠ることを続けたが、奇妙なことに、その体にはほとんど傷らしい傷はなかった。―エメルーディアとの戦い、その後の魔術の行使の中で、内臓や肋骨の一つや二つ、めちゃめちゃになっていてもおかしくはないと彼自身思ってはいたが―事実、無傷なのだからどうしようもない。
病人・怪我人扱いは始めこそ楽しかったものの、日がな寝台の上では飽きもくる。けろりとした顔で差し入れられた好物のリンゴのパイを平らげながら「そろそろ病人の真似事も飽きたのだけど」と無聊をかこつ彼に、むしろ首をひねるのは老魔術師のほうで、噴きだしたのは見まいがてら。
「魔法が発動した瞬間、最も近い場所にいたからこそ、無事だったのかもしません。終わりよければすべてよし、と申しますが…奇跡というものは、本当にあるのですな。」
「…僕はそれよりも、姫の呪がどうなっているのかと―あの魔術道具がなぜ発動したかが気になるな。あれは本来命を吸って、その代償に強大な破壊魔術を行使するものだったはず…。―ねぇパパ、もしかして僕には、命が二つあったのかな?」
それは冗談混じりの何気ない問だったが、老魔術師は薬湯を掻き混ぜる手を止め、神妙な顔でエルを見つめる。
「命が、二つ―でございますか。」
それはエルが鼻白むほど、静かな声音だった。
「………どうしたの、急に。」
「………いえ…。なんでもございません。今の言葉で、ひとつ思いだしたことがありまして。申し訳ありませんが、薬湯を見ていてくださいますかな。噴きこぼれぬように。」
「…いいけど…?」
慌しく魔術師が出ていけば、部屋に取り残されるのはエルだけとなった。ことことと煮える鍋の音を聞きながら、彼は欠伸を噛み殺した。先ほどまでも半日近以上眠っていたはずなのに、一向に眠り足りない。これではまるで赤子だ、と思った矢先にドアが開いた。
「あ、陛下。」
顔を見せたのは老魔術師ではなく、国王だった。置きあがろうとしたエルを、そのままでよい、と止めると、彼は心底安心したように笑う。
「―お前が、息災でよかった。」
竜姫が倒れ、危機が去った瞬間から早速権益争いだ、休む暇もないと王は冗談交じりに笑いながら、椅子を引いてエルの隣に腰かける。続いてやってきた老魔術師もそれに倣った。
「そこは陛下の頑張りどころでしょ?僕と共に来てくれた魔術師達の家族に報いられるよう、しっかり戦ってね。僕は見ての通り五体満足だけど―彼等は骨一つ、残らなかった。」
「勿論だとも。遠見の鷹と、お前が帰り際騎士団の人間に話した内容を元に、今各国と交渉中だ…。今回はそれとは別に、お前に一つ、話したいことがあってやってきた。」
「パパもそうだけど、改まってどうしたの。」
「お前は―先ほど『命が二つある』と言ったそうだな。…お前に聞かせたいのは25年前、行方不明になった娘の話だ。」
―昔話をしよう。あるいは最近の話かもしれないが。と王は前置きをして、呟くように語り始めた。
物語の主人公となるのは、とある辺境の貴族の娘だ。彼女は、信じられないほど―それこそ天の御使いのように美しい娘だった。
社交界に出る年になって、彼女が王都にやってきた際、当然ながら当時の宮廷は大いに湧いた。身分としては然程高くないものの、それでも求婚の声はひきもきらなかった。
だが浮ついた宮廷雀に対して彼女は比較的冷静でね、やきもきした男衆の中から、彼女が誰と結ばれるのか占ってみよう、という話が持ち上がり―招かれた占い師は、信じられないほど不吉な予言を吐いたのだ。『―今生で巡りあわせた相手は、どうやら人ではない模様。生まれるお子様は、七つの星を持ってお生まれになります』と。
もちろん誰もが冗談だと笑い飛ばそうとした。―私もまた、彼女を厭う者が金を摘んで、嫌がらせのために魔術師にそう言わせたのだろうと思った。
だがそのような―人以外の子を産むと言われた娘が、口喧しい宮廷にそれ以上居続けるのも難しかったのだろう。彼女はある日、誰にも告げぬままふいと姿を消した。
故郷に帰ったのだろうと言われていたが、熱心な求愛者が故郷まで追いかけていった結果―そうではなかったことが判った。故郷に戻っていたのは、母親の代から彼女に仕えていた乳母だけ。彼女は戻らなかった―と母親も侍女も彼女の弟も―口を揃えてそう言った。
娘の故郷は、天を衝くような山々が連なる山脈の麓。既に村は白く染まり、もう少しすれば王都への道が閉ざされる時期だった。流石にひと冬は滞在できないと、諦めた彼が帰ろうとした日―見送りにやってきた侍女は降りだした雪の中で「あの日、あなたが―お戯れで星読み等、お命じになりませんでしたら」と、ぽつりと呟いた。
あぁ―きっと彼女は、己が運命を儚んで、自ら命を絶ったのだとその時は思ったよ。目を開いて見る夢のように美しい娘だったから、幻のように消えてしまったことも、なぜか当然のことのように思えた。
「―そしてそのさらに数年の後、筆頭魔術師が英雄となる星の元に生まれたという子供―つまりお前を連れてやってきた。―まるで生き写しと言ってもいいほどに、良く似ていた。」
「…つまり陛下は…僕の母親を、知っていた?」
「確証はどこにもない。親族の空似という可能性もある。今している話の半分以上は―私が信じたいと思って語る、与太話だと思って聞いてくれ。」
噛みしめるように呟くエルを諫めるように、王は首を振って、どこか遠くを見るような目で続ける。
「ただ、お前が『命が二つあるのか』と言ったと聞いて、ふと、『七つの星』という言葉と北の山脈の伝承を思いだしたのだ。―彼女の故郷の近くの山脈には、七つの命を持つ竜が住まうという、伝承を。」
「―昔、ご両親はどこにいるのか、とエル様が尋ねられたとき―私はただ、星の導きに従って貴方をお迎えに上がりましたと申し上げましたな。あなたのご両親について、全く存じ上げませんとお伝えした言葉に、誓って偽りはございませんが―今回昔、陛下があなたを見ながらこう呟かれたことを思いだしたのです。『あれは、竜の子かもしれないな』と。」
「竜の子…ね。」
母親の話ならばともかく、急に荒唐無稽な話になったなとエルは目を瞬かせる。竜殺しという称号は得たものの、次は竜と人の間の子といわれれば、彼でなくても心境は複雑である。だが一方で、奇妙な納得感もあった。
竜と化したエメルーディアに対し、何故自分があれほどまでに好意的で同情的だったのか―。何か―例えば「親近感」のようなものを、感じてはいなかっただろうか?
「…エメルーディア姫は」
黙り込んだ彼の心境を知ってか知らずか、王は低く続ける。
「竜と恋に落ち、竜はそれを疎んだ王によって殺され―そして今回の悲劇を産んだ。私は同じ王として、父親として彼の国の王の判断が大きな過ちだったとは思えない。もし私が同じ立場であったら―恐らく、同じような選択をするだろう。己の娘が、姿かたちも寿命も違うものに嫁ぐなど到底想像も、許容もできはしない。生きる場所が違う、生きる長さが違う。人が異なる種族との婚姻を拒む理由は、それだけでも十分すぎるほどだ。」
「……」
「だがこうも思うのだ。なぜ我々はこれほどまでに他種族と交わることを悪とするのか、と。確かに異様なことではあろう―だが、末代までの恥、けして濯げぬ汚点であるかのように、嘆き、当人たちを苛む程のものであるのだろうか、と。」
エルは、竜とエメルーディアが恋仲になった経緯を知るわけではない。彼が知るのはただ二人の恋路のその結末―「竜姫」と呼ばれる存在だけ。今際の時まで、愛した者の形見を手放すことなかった少女の散り様である。「そうだね」とぽつりと口をついたのは、故にただの感想だった。
「………色々なことがありましたが、竜とお姫様は幸せに暮らしました。―めでたし、めでたし。そんな話が、語れる場所があればいいのにね。」
「お前の言う通りだ。」
王はつと手を伸ばし、まるで小さい子どもにするかのようにぐしゃぐしゃとエルの髪を掻き回すと―明るくだがしっかりとした口調で言葉を紡いだ。
「だが何度も言うが、今話したのは何の確証もない与太話だぞ、エル。人一人を戯れで死に追いやったと信じた男が、良く似た顔の子どもに勝手に救われたというだけだし―お前の出自がどうであれ、お前は我が国の騎士であり、民を守った英雄であることに変わりないのだから。」
竜姫にまつわるさまざまな問題が一段落したころ、エルは旅に出るため、騎士団を辞した。退団を惜しむ同僚にエルはケラケラと笑って、「戻ってきたら、もう一度騎士になるよ。それが駄目だったら―傭兵でも、魔術師でもいいかな。」と、相変わらずの頓着のなさを見せつけた。
旅の目的は、己にかけられた呪を解くこと。
不忘の呪は、魔術師たちが手をつくして解除方法を探しているもの、現在に至るまで全く解呪の見込みがない。何の術も道具もなく、言葉一つで紡がれた呪は、そうであるがゆえに解除の手がかりすら見つからないのが現状でもある。そのときふと思いだしたのは、先日の国王の話の中にあった「竜」だった。竜の呪が人の手に余るのであれば、竜に聞いてみよう」という思いつきが、出発の契機となった。
「死」への恐怖が薄いのは、命を複数持つ半竜だからか。半竜と化したエメルーディアの姿に恐怖を感じなかったのは、彼自身が似たような生き物だったからか。己の出自とまだ見ぬ父親の存在は確かに、興味の対象ではあったが、「父親」というものを一人だけ挙げるとしたらエルは間違いなく養父の名を挙げるし、何人でも挙げて良いのだとしたらそれに加えて国王の名を挙げるだろうと決めている彼にとっては、小さなことである。
「それじゃあ―行ってきます!」
見送る父親たちに「ちょっとそこまで」とでも言わんばかりの気軽さで言い放つと、エルは馬の腹を軽く蹴った。
まず目指すは北の山脈の、七つの命を持つ竜の伝承。そこで何かが見つかればよし、見つからなければ次を当たるだけである。エメルーディアと竜がひっそりと眠る、あの広間の跡地にも一度は立ち寄りたいと彼は考えていた。
行く当てのない旅だが、彼の表情に曇りはない。
―たとえ何があろうとも、戻るべき場所を、彼は知っているのだから。
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関連落書き

シリアスを書き続けられないタイプの人間なので、「もうシリアスはつらい…」とおもいながらかいたもの。「FF15の主人公は死にたくないと泣きながら世界を救ったけど、アンティーはこう言うノリで自爆する」今回は人間のはずなのにちょっと命が軽い感じはありますが、もともと「死ぬことすら怖がらない」のがイケメンジャー…。。

モンハンブームということもあり、 鎧を描いてみようとおもったけど途中で倒れたもの。

三連休なのでもうちょっと頑張ろう!!とおもって、モンスターハンターの「ゴア・マガラ装備」を元に鎧をかいてみたんだけど、なんかこう…「重量感」がないというか、細すぎるなぁとおもいました…。アンティーだから横幅はないんだけど…。
ちなみにゴア・マガラ装備にした理由は、「ゴア・マガラの進化形であるシャガルマガラがアンティーっぽい」ってコメントをむかしもらっていて…レヴァクロの「記憶を保持したまま転生を繰り返す」という設定に、「天を廻りて戻り来よ 時を廻りて戻り来よ」を思いだしたから。
小説~落書き書くときの作業用BGM。20歳アンティーは圧倒的にegoistが多い。歌詞が特段似あうというわけではないんですが、こう、曲の作りとしては「重厚だけどアップテンポな伴奏×張りつめた雰囲気のあるメインボーカル」という感じが似あうのかな…とおもっています。やっぱり20歳アンティーに対する偏見が捨てられていない!
RELOADED
名前のない怪物
英雄 運命の詩
満天と謡う丘はアンティーというよりは、エメルーディアちゃんと、それから国王陛下の回想のイメージ。
小説関連ネタバレとか
・「レイナ」は「麗奈」。その父親は、今年の新キャラ「シャルガル」。真珠の話のときはまったくアンティーかわいいムーブしなかったくせに、今回「疑似的な父親」として動かしてみたらいい人だったんだよなぁー。老魔術師は未定。
・城・城下町の形

マリーのアトリエの城下町のイメージ。時間と人員の関係で、「壁にしか結界が張れなかった」。空を飛べるようになるなんて完全に想定外。
・アンティー人間ぽくない?→周りが全員人間だから、当然自分も人間だと思って居る。フォーチューンというモデルロールがいれば、一回目の生でもチートムーブができるけど、今回は母親不在なので…父親と子の話なんで…
・「英雄とは死に至る職である」→とあるアフリカの部族のはなしで、「強い獲物を倒せばより強い獲物を倒すことを求められ、逃げ出せばそこで英雄ではなくなる。最終的に〚英雄としてより強い獲物と戦い、死んだ〛ことによって永遠に英雄となる」みたいな説があるらしい。アンティーは竜を倒して英雄になったけど、その過程で一段死んでいる(命を一つ使って居る)ので、もう英雄としては完成した、という感じ。
・国王陛下の話→話の中に出ている「熱心な求婚者」も「宮廷雀」も、全部シャルガル。
「私が」というのではなく、さも他人が行ったような言い回しをするあたり、この人の言動についてはちょっと穿った目でみてもいいとおもうけど、さらっと読めば綺麗な話なので、どちらでもいいと思う。
・親はどんなんだったの?→母親はいつも通りフォーチューン。①もともと恋中の竜がいて、星占いの結果に納得して出奔した②実は彼女自身が竜だった、とか色々考えられるけど、本当に何も決めて無いし、これ以上掘り下げても出てくるものはないから、決める必要もないと思ってる。
「この設定オススメ!」というものがあったら教えてください。
クソコラ×2
FFシリーズ顔の好きなキャラを追悼しようと思ってたら、何かクソコラできそうな人を見つけたので…。(やってみた結果あんまり似て無かった)

これアップして無かった気がする。藍染様の画像が流れてきたのでほぼ発作的に…。ほんっと ほんっと ほんっとさぁ…ほんと… SUKI……微塵も違和感のないクソコラ……

ジグムントもかきたいなー!!私の中で「甲冑キャラ代表」なんですが、実際甲冑を着て剣をぶん回すわけでもないので(文官か武官かといわれたら圧倒的文官、王自ら剣を取るシチュってほんと限られている)あんまり描けてない…。