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半月記

半月に一回くらいは、何か記録をしていきたい

恐竜が黒かったかもしれない…だと…

2010-10-03 11:34:28 | 若葉のころ
「形質維持・不要」「愛なんてないけど貴方を救おうとおもった」「光の丘の孤独」

 きのうは絵茶であそんでいただきましたー。
 誰も勝てなさそうなミジュマルとか顎が鋭角すぎるタシロスとかそのあたりが異様に記憶に残ってるんですが。なんかすごい濃い時間でしたありがとうございます…。濃いって言うか、こゆいって言うか(笑)
 あ、あとそのときフォーチューンの声優考えていただきました!
 大原さん(ベアトリーチェ)か井上さん(ワルギリア師匠)どうでしょうということで。いただきました…。あ、これ見るとリーアもリーチェもどっちもみれるから便利…!!つまりは魔女声ってことですねわかります。喋り方のせいもあって、どっちかときかれたら「ワルギリア」だけど…!!うしもうちょっと井上さんきいてこよう!!

 でそのあとキングダムハーツのお話になり。
 黒コートのコスプレのはなしになり。
 かっくいい!黒コートオサレ!かいてみよう!
 とおもってお世話になった皆様の主人公キャラでかいてみたんですが。 

 誰かわからん×デザインがわからんので、迷走に迷走を重ねて「黒の教団」になっておりました…。Dグレの。おれ…テストがおわったらパソ子でこれかきなおすんだ…(せつこ!それ死亡フラグや!)ネコ目難しすぎだろJK…。

 そして。
 屍鬼がお休みだということを忘れてアニメサイトをみにいったら、薄桜記Ⅱがあるそうで…。
 作画に定評があるので(動きはともかく顔が基本的に崩壊しないという意味で)みようとおもってたアニメではないか!!実際一期は4話くらいまでみたアニメではないか!とおもって、一期まとめをみてみました。
 途中までみてた限りでは。
 ヒロインのパパは人間を強化する薬をつくっていて、それを新撰組に渡してたらしい。飲むと銀髪覚醒するらしい。過剰摂取すると発狂するらしい。
 ヒロインが珍しい女子の鬼、らしい。(の割には弱いが!)
 徳川と政府の戦いは史実通りであり、そこに「珍しい女子鬼」の尻をおっかける鬼の一族が絡んでくるらしい。つまりおまえらヒロインの体が目当てなんですねわかります。
 土方さん追いつめられてピンチ→服薬して覚醒→鬼とまともに戦っちゃう→鬼「むっかつく!!でも負けてないんだから!(退散)」→新撰組、江戸へ後退
 かな…。
 これで一期のまとめはできたので、まぁ気が向けばⅡ期もみようとおもいます。Ⅱ期は洋装がすきなんだ…!!!

 しかしふとおもったんですが。
 そういう産む機械的な設定とか「滅びかけた一族が慌てて純血保とうとする」的な設定とか、なんかこう、女子の目線からしてみたら萌えるんですかね。
 こう、イケメン男子キャラが眼の色変えてまでおっかけてるのが「種の存続」のためといわれてみれば聞こえがいいけど。なんかこう、なんかこう…突き詰めるとDEMENTOってかタケルドだよね。とおもってしまいます。以前確か「種」ではないけど「一族」の存続にこだわりすぎた人たちの小説書きかけて「おお!これはひどいvvv」って妙に感動したことがあるので特にそう感じるのかも…。
 まぁ、薄桜鬼で私が一番好きな子は。変にタカビーなイケメン鬼で土方さんに顔に傷つけられて怒っちゃうようなアマちゃんな鬼なんで全然いいんですが!(笑)こいつ、ヘタレ可愛い殴りたい潰したいvvvマジ土方さんにヒロイン奪われた上でフルボッコにされるの楽しみすぎる!!!
 え?ひねくれてる?…悪役にたいしてそう思ったら裏切られるっていやというほど骨身にしみついてるから…ね。

 で、昨日の絵茶で「単品で好きなキャラが最近では減ってるんじゃないか」という話になったので、某宅からいただいてきました!!!!「俺の嫁バトン!」
 ピンで好きなキャラをあげときます!!
****


皆俺の嫁バトン

これは地雷バトンです。
見たら必ず3日以内にしましょう。
二次元での自分の嫁キャラクターを20人まで書いて下さい。
オーバーしちゃ駄目ですよ?
合言葉は「浮気?みんな愛しているんだよ!」という一夫多妻の精神です。
タイトルも「浮気?みんな愛しているんだよ!」にして下さい。

 よくかんがえたらロックマンキャラだけでおわんねんて!これ!ロック・ロール・フォルテ・ブルース・エックス・ゼロ・アクセル・シエル・炎山・レヴィアタン…ほら!!!!!!!10名!すでに10名!
 というわけで。
 今回は私の心のヒーロー・ロックマン系列と。
 もはや鉄壁と化したカオスレギオンを抜いておとどけします。
1.セリス(FF6)
 わたしの金髪伝説はたぶんこの人とロールとリースによって確立されたといっても過言ではない

2.リース(聖剣伝説3)
 スクエニ黄金期の黄金の髪の美女。リース・エリザ・セリスはすごくすきだった。

3.フィオナ(DEMENTO)
 あのころわたしがなりたかったものは。ヒューイかタケルドか若ロレでした。
 マジこの子かわいい。実は腹黒説あるけど、DEMENTOは「過剰防衛」で片づけられるとおもうウッヒヒ!!!

4.藍染惣之助(ブリーチ、ただしイケメン時に限る)
 ただしイケメン時に限る、という縛りはつきますが金髪美女軍団に混ざって4位にランクインしてるあたりこのひとすごいとおもう。嫁というよりは藍染様の家具になりたいです…いや、なりたかった、です。ごめん過去形な!

5.トリッシュ(DMC)
 黒レザーぼいんぼいん美女!ダンテとのやりとりがすき。

6.バージル(DMC)
 じつはダンテよりバージルのほうがすきです…。
 DMC4の小説、私のなかではなかったことになってる。あのバージルが人間とくっつくとかねーわいやほんとねーわ。

7.真珠姫(聖剣LOM)
 レディパールもすきだけど真珠姫もすき。守ってあげたい!!ちなみに瑠璃真がわりと本命でした。

8.シャア・アズナブル(とくに逆襲のシャア)
 金髪オールバックで赤くてもうすぐ三十路であれだけ格好いいとかもう!ばか!!しんで!!!

9.濃姫(戦国BASARA)
 ぶるあぁぁぁに対する献身っぷりがすき。でも信濃がすきかときかれたら「いえ、べつに…」なんだよなわたし。蘭丸くんの面倒みつつみっつんに手をやいてる濃姫がすき。おかーさん属性だとおもう。

10.シンキ(三国無双・史実)
 この人のキャラデザというか服がかなりの高確率でつぼにはまる!!性格はツンデレ…なのか?夫にたいするべたべたっぷりもよし、3までの女王様っぷりもよし。
 こういうと魏夫婦ですきみたいですが、史実でも薄倖系チート美人なんですよこのひと…。

11.曹丕(三国無双・史実)
 このひとは…ゲームだとドSあつかいなんだろうけど実は嫁にべたぼれで尻に敷かれてる雰囲気があるのがすごくいいです。
 史実は…がんばったひとかな、と。パパがいだいすぎちゃってひねくれた永遠の子供、という捉え方もできないこともない。どっちもおいしい。
 
12.夏妃(うみねこのなく頃に)
 うみねこ、CPではベアバトベアが一番好きなんですが。
 単品で誰が一番好きかといわれたらなっぴーです。蔵さんもっとがんばって!

13.袖白雪
 いやだってそうるさえてーいちきれいな斬魄刀 だ ぜ。
 この肩書だけで私はころびました とも。
 いまかぞえてみたら、わたしのブリーチブクマイラスト
 袖子4枚 藍染様4枚だった。
 しかし袖子は二枚ほど絵を描いたことがあって。
 藍染様はいっかいも絵をかいたことがないような きがする。追悼記念にかくか…。

14.アリシア(ARIA)
 たしかすっごいプロの「水先案内人」で、くちぐせが「あらあらうふふ」おっとり系美女なのに攻めキャラだったというどつぼクリーンヒットキャラ…!!!
 いえ、その。
 もともと「フォーさんっぽいキャラがいますよ」ということでみはじめたんですよありあ…そういういみでは先入観の勝利かもしれない。
 そのあとしばらくして、妖精さんが塾の教え子に「先生に似ている」って言われて紹介されたのもアリシアさんでした。うん。納得!

15.沖田総司(ピースメーカー・栗本薫のアレ)
 沖田総司はいろんなひとが美少年美青年!って叫んでるんですがそこにちょっと毒を入れたのがピスメの沖田君だとおもう。あのナリでド強くて結核で黒いとか だいすきです。
 しかし。
 ピースメーカーよんでたころは完全に土沖だった自分に今首をかしげざるをえないんですが。
 なんであのこ受けだと思ってたんだろう私…。今みたらさほど受け受けしくなかろうに…。
 そうか、顔か、顔なのか。
 あ、栗本薫さんの書いてた新撰組シリーズの沖田の受けっぷりと美系っぷりは神です。

16.古龍クシャルダオラ(モンスタ-ハンター)
 私がしってる「よくうごくポリゴンドラゴン」のなかで一番美しいのがこいつだとおもう。
 いやほらFFのバハムートとかさ…ちょっとしかでてこないじゃん…そりゃバハムートのほうがイケメンだけど!でも出番がいつだって30秒じゃね…!!!

17.アリアバート・タイタニア(タイタニア)
 いや…だってこの育ちのよさそうな金髪とかさぁ、「アリアバート、あぁ、受けだね」「アリアバート、あぁ、美系だね」とかさぁ、「完全武装のピクニック」とかさぁ もうなんかこのこかわいすぎてなける…。

18.レオンティウス(サンホラ)
 サンホラの不幸男の中でも一番「とばっちり」のひとじゃなかろうか。だいすき。

19.ランサー(Fate)
 やり使いってうけおおくね?おおくね???クーフーリンもすきですしディルムッド・オディナもすきです。

20.エリーザベト(サンホラ)
 この子がアルバムで大暴走するんじゃないかってのが最近の一番の心配ごとです。

 すげぇ金髪率×上クラスの美系率である。
 というか金髪でも美系でもないのっていなくねぇか…美系って明記されてないの藍染様となっぴーくらいじゃねぇか…!!!!(クシャルタンはちょうぜつびけいにきまってる!レオンは金髪メッシュがはいってる!クーフーリンはさておきオディナはとんでも美系である!)うわぁお。
 でも私この二人も美系だってしんじてる…一時期は面食いK先生の愛が詰まってたオールバックと、大金持ちに嫁がされてきた良家のおひめだもの、美系じゃないわけないってしんじてる…!!


 そういえばタイトルの「恐竜が黒かったかもしれない」っていうのですが。
 私たちが持ってる恐竜のイメージって緑じゃないですか。爬虫類カラー。
 でも恐竜の羽毛の化石から発見された色素からは、「黒」がみつかったそうです。
 アンキオルニス記事。
 別の記事で知ったんですが、なんだかティラノサウルスにも子供時代は羽毛があったとかなんとか…。

 追記はわかばまーく。
 若葉追加設定:作中で触れる必要なし
春(クイント)→金髪多め
夏→赤とか緑とかカラフル系はここにいれとけばいいや。
秋(ブルース)→銀髪多め
冬(ジグムント)→黒髪多め
 かもしれないとおもった。


 アンティエルドの予言通り―或いはこの国の冬ならば当然というべきか。翌日も降りしきる雪は庭を白く染めた。それでも今日の雪はこれまでとは異なり、掌で淡く溶ける粉雪で、春が近いことを告げるその雪にミカは嬉しそうに庭に飛び出した。
「ほら、ハル!これ!!」
 寒さに弱いハルモニアは、丁度庭と校舎の境―ぎりぎり暖かい風が届く場所―に陣取って本を開いていたが、ミカがせがむのに負けてひょっこりと窓の外に顔を出す。あまりの温度差に少し顔をしかめたが、すぐに慣れたのか、掌の上にかろうじて残っている雪の細かい結晶に目を凝らしたその顔が、花が開くかのように綻んだ。
「ああ…結晶がよく見えるようになりましたねぇ。これはあったかくなる前の雪の形をしてる。」
「だろ?今はまだ雪だけど、きっと、もう直ぐ青空が見える。」
 空色をした髪の娘は、もう直ぐやってくる筈の空を幻にみるかのように天を仰ぐ。その目に映るのは―雪に交じって一層きらめく「何か」の存在だった。
 それは落ちてくる。
 雪とは明らかに異なった速度で、まっしぐらに。
「何だ、あ…」
 れ、と言いかけた言葉は途中で途切れた。
 まるで…ナイフの柄で咽喉を突かれたかのような鈍い衝撃。
 咽喉に喰いこんだ何かが一瞬気管を塞ぎ、無様にひゅうひゅうと風の音を立てた。
「…ミカ…!?大丈夫か?」
 突然屈みこんだ彼女を心配するかのように、ハルモニアが手を伸ばす。「ごめん、咽喉に何か刺さったみたいだ」―差しのべられた手をとって、言ったつもりだったのに。飛び出した言葉は全く異なっていた。
「見てわかんないのかっ!お前の眼、やっぱ節穴だろっ!」
 その言葉に、ハルモニアははっと息を飲んで片目を押さえる。殆ど庇うかのような仕草だった。彼女の片目は黄金を蕩かしたような黄金―、そしてもう片目は、血を透かしたような深紅。血の色を映したその目を、とっさに庇ったのは、目のことを言われた時の反射的な癖だった。
 二人の間に一瞬沈黙が落ちる。先に口元を―笑みと呼ぶには幾分ぎこちなかったが―笑みの形に動かしたのはハルモニアだった。
「外傷はないようですが…。保健室に行きましょうか?」
「いいよ!もう、こっち見るなよ!」
 だがそれを幾分ヒステリックなミカの喚き声が遮る。それだけわめきたてながらも、「信じられない」そんな顔を彼女はしていた。
声はどこまでも悪意に満ちているのに、その表情は愕然としていて―それをいぶかしんだハルモニアの呼びかけに弾かれたようにミカは自分の口を塞ぎ、目を見開いてがたがたと震えだした。そして、そのままぱっと身を翻して走り出す。
「…………っ!」
 なにかただならぬ雰囲気を感じ取ったハルモニアはミカを追おうとしたが…彼女は姿をくらましたまま、昼食の時間になっても顔を出さなかった。


月の裏側は穴だらけ

2010-10-02 23:07:34 | 若葉のころ
「悲劇は【悲劇】で終わらない」「勝利の庭」「負け知らずの街」「月の裏側は穴だらけ」「太陽の塔」「寒風宣言」「Say it again.」

 叶恭子さんが官能映画の監督・主演をやってるそうですね。ちょっとだけ気になるこんにちは蒼牙です。うみねこが全く進みません。

 所要あってらくがきした砂塵フォーチューン。

 これで40分近くかかってるとか哀しすぎるだろう自分!これからさきも絵をつらつら書いていこうと思うなら、これくらいを10~20分で納めなければならないと思う。

 そういえば昨日の夜、「アンティーの出現率が異常」っていう話をしましたが。
「この人が○○をかいたらこうなる!」
 というレベルで話をしているので、基本的には「どんな作者でも出現する可能性はある」とおもってます。
 ただどんだけ美形キャラでも髪型とか表情があまりにも違ったりすると「想像できません!」ってなるし、カイジとかアカギクラスで絵柄の判別がつかなくなると、「想像のはんちゅうをこえていますせんせい!」ってなります…
 基本的にこいつら、意味がわからないくらいのイケメン達、なんで、逆に「美形ならいいや」って閾値が下がってる気がします。


 …ところでブリーチ、藍染様が本当に死んだかどうか確認するために次の話も見てきたんですけど…。完全に死んだっぽいです。何故って?他の美形キャラがぞろぞろ登場しだしたからさ…!!!
 ルキア織姫白哉兄様おかえりなさいませ!
 藍染様死んだからもうブリーチは二度とみるまいとおもったのにルキアにホイホイさました…。またぼちぼちよんでいこう。
 ルキアのなにがいいって、安心して好きでいられるってことだとおもいます。作画崩壊や死亡フラグに泣くことはないね!おめでとう私!!おめでとう!おめでとう!!!
 あとアニメは多分藍染様全盛期だね!おめでとう!おめでとう!


 そして砂塵ともまったくブリーチとも砂塵とも関係ない落書きもういっちょ!怪獣夫妻若葉版。
ネオアルカディア ~楽園の虹~」ってBLコミックの表紙の色合いがとてもミブフォーだときいて。
 ミブフォロワーを自認する私としては「やらざるをえない!」とおもって…やってみたんですが。

 ………。
 キャンバスサイズを倍にしたらすごく迷走しました。ひさしぶりだからちょうきあいいれるべ!とおもって、2000×2000でかいたら書きづらいったらありゃしない!!!!!!!!!
 自分の絵はとにかく線に力がないから色を塗って誤魔化したいんですが、色を塗るためにはガイドラインとなる線が必要で…というジレンマに陥ってます。線だけで「すげぇ」といえるものがかきたいけど駄目だから色でがんばらねば!(いえ、飽きっぽいのが一番の原因だとおもいます。)
 鉛筆書きの線にざかざか色をぬれてた昔にかえりたい…!!!!すきゃな!!!

 続きは若葉―。そういえば「若葉のころ」もカテゴリつけないとだめか。
 ハルさんが色々突っ込みいれたら幻想フィルターが崩れるのであえて黙っていただきましたが。ミブロさんとアンティーの会話はなかなかどうしてシュールだとおもいます。
 あとバトンを下にいっこいれてみました…。私得バトン!


 そう、この学校では「横」の繋がりは密接であるかわりに、「縦」の繋がりはどうしても希薄になる。
 その中で彼女たち―コウ・ミカ・アンティエルド・ハルモニアの4人の組み合わせは一風変わっているともいえた。
 コウとミカは双子、ミカとハルモニアは友人、そして―ハルモニアとアンティエルドについては、本人達は「ワケありの悪友」で済ましているが、実際に「ワケありの関係」だと知っている人間は少ない。いや、本当の理由を知っているのはアンティエルドだけかもしれない―とハルモニアは時々思う。
 何故なら、彼の入学手続きをした人間。つまりアンティエルドの保護者であり、彼が「パパ」と呼んでいる存在は―。妻帯していない男で、その妻帯していない男は困ったことに王国の騎士団長で、さらに悪いことには―ハルモニアの兄である。いや、一番困ったのは彼が彼女の兄だという点だろうか?時々ハルモニア自身にもそこがよく判らなくなる。
ひどく年の離れた兄は、彼女が物ごころついたときはもう既に大人のような顔をして騎士団に入っていたから、顔を合わせるような機会が少なかった。「兄」という立場を理解はすれど「実感」はしたことがない―そんな存在が兄で。アンティエルドとは、その兄から一方的に通知された「甥」であり、それ以上を彼女は知らなかった。

 初めて少年を紹介された日のことは、正直彼女はよく覚えていない。
 ただ、目の前の兄の隣にはとんでもなく美しい子供がいて。
なんだこれ、という視線に気づいたのか、彼女の兄―ミブロは淡々と少年の立場を説明した。「お前にとっては甥にあたるな。」と。一言で。端的に。的確に。
 それはまさに晴天の霹靂。
 幾分大人びていたとはいえ、10をいくつか過ぎた少女にとってはあまりにも想像の範疇を超えた発言に、どう対応したか覚えていない。ショックだった―記憶力のいい彼女の中に月並みなその一言しか残らないくらいにはショックだったのだろう。
 なんで、どうして、とわからないなりに自分は詰め寄ったのだとおもう。ミブロはそれに対し、ちらりと息子に目を遣ると―「………知らん方がいいな。」と一言だけ呟いた。その声があまりにも冷静だったので、ハルモニアは言葉を失う。見知らぬ相手に同情する義理などなかったが、目の前でそんな風に父親に言われてしまう子供は自分よりもはるかに傷ついているだろうなどと思いながら。
 だが子供はミブロの言葉にも、ハルモニアの戸惑いにも臆した様子もなく笑い、「うん、知らん方がいいね。」と父親の言葉にあっさりと同意し、「おばさんとは呼びづらいね、ハルでいい?」と手を差し出してきた。陶器のような見た目に似合わない鋼の心臓の持ち主だ、なるほどそこは笑えるほど兄に似ている、というのが「甥」の第一印象で、その印象は今でも変わっていない。
ハル、となつっこくくっついてくるのをなんとなく振り払えずに、それでいて兄と甥が二人して隠している「何か」に触れることもなく、つかず離れずの結果今に至る。問わずにいままでやってきたのは―小さい頃の思い出というのは意外と成長しても尾を引くものであることと、それからまぁ、成長するにつれ「世の中には色々なことがある」と知ったからだ。この【学院】では然程多くないが、「言いづらい事情」などけして珍しいものではない。
 そしてその甥っこはといえば―宿敵であるグリーンピースを片付けたことに満足したのか、さっさと皿の上の料理を胃におさめると外を見ていた。
 外は曇天。「―明日も雪だろうねぇ。」欠伸に紛らわすように呟いた彼の声は何気なかったが、誰にも聞かせるつもりがなく放たれたその言葉はどこか痛切な響きを帯びていた。