私が中学生の頃からゴールデンに憧れていたことは、旧ブログに書いた。
その記事はこちら
外国の犬の写真集を見て、利口で温和そうな姿と、
「気立てがよくて優しく、訓練を終えて盲導犬になる確率が最も高い」
という解説を真に受けて(笑)、飼いたい犬ナンバー1になった。
と旧ブログではそこまでしか書かなかったのだけど、
実はゴールデンが一番好きな犬種になったのには、もう一つ理由がある。
高校生の時に読んだ「わが動物讃歌」(ジェームズ・ヘリオット著)という物語。
ヨークシャーの農村の駆け出しの獣医(著者)が体験した、いろいろな出来事を綴った短編集だ。
実話に基づいて、ユーモアたっぷりに、心温まる物語に書き上げられている。
昭和53年初版。捨てられなくてずっと取ってある。
この中に、ゴールデンが主役の物語がある。
まだ1歳くらいの若いゴールデンは、ある廃屋の小屋の壁に鎖で繋がれて、
長いこと放置されており、かすかにクンクン鳴いているのを発見された。
そしてドクター・ヘリオットが現場に呼ばれたのである。
そのゴールデンは、子犬の頃からそこに繋がれたまま、一度も外に出たことがないのではと
推察されるほど、ひどい状態だった。
腰の後ろの方はすれて腐っていて、衰弱して骨と皮ばかりになっていたのだ
だが、そんな悲惨な環境に置かれながらも、
「この犬の静かな目には、われわれを信用しているという表情があった。
頭を激しく振ってさんざん吠えたあげく、やっと信じるようになるものや、
やたらとこわがって凶暴になる犬もいるが、この犬は大騒ぎをしない犬だった。
人には完全に忠実で、何の不平も言わずにただされるままになっているのだった」
(引用:「わが動物讃歌」ジェームズ・ヘリオット/中川志郎監訳 徳間書店)
これを読んで、益々ゴールデンが好きになった。
過酷な環境に置かれても、人への信頼と友情を失わない。
それが私の抱くゴールデンのイメージとなった。
ま、勝手な思い込みではあるのだけど
でも実際にゴールデンのう~に~と暮らしてみて、私が抱いたイメージは
間違っていないと思った。
う~に~は温和で平和主義で、人に対する愛情と信頼に溢れていた
愛嬌があって無邪気で、寛容で忍耐強かった。
そしていつもどうやって人を喜ばせようかと、うずうずしていた。
(時々その方法は間違っていた)
若い頃はハイテンション過ぎ、はしゃぎ過ぎで手を焼くこともあったが、
年をとるにつれて物事を理解する能力に長け(訓練性能がよいというのとは違う)、
なんだか人間のようになってきた。
私は時々、晩年のう~に~の中には、徳を積んだ坊さんでも入っているのではと
思ったものである。
本当に入ってたらイヤだけど
物語の主人公、ロイというゴールデンは、長年一緒に暮らした犬を亡くしたばかりの、
ドノヴァンさんという老婦人に引き取られ、手厚い看護と愛情をたっぷり受けて、
見違えるような立派なゴールデンになり、幸せな犬生を送る。
そして愛犬を亡くして「もう犬は飼わない」と言っていたドノヴァン夫人も、
ロイから幸せと生きがいをもらうのだ。
いい話だな~
ゴールデンはたしかに、人への信頼と愛情に満ちた犬だと思う。
それでも、虐待されて怖い思いをして、人を怖がるようになったり、
感情を素直に表現できなくなってしまうゴールデンもいる。
そんなゴルたちが、新しい飼い主さんの愛情を一身に受けて、どんどん本来の
ゴールデンらしくなっていく様子を、いくつかのブログで見ることができる。
もちろんこれは、ゴールデンだけではない。
純血種・雑種に関わらず、不幸な境遇から救われて、幸せな第二の犬生を歩き出した
犬たちのブログはたくさん見つけられる。
まあそれだけたくさん捨てられているってことだから、決して喜べることではないが、
それでも、そういう素晴らしい飼い主さんと幸せな犬のブログを見るたびにほっとする。
そして、ドノヴァン夫人とゴールデンのロイの物語を思い出す。
ヘリオットの短編の中で、最も好きな一編である。
ドクター・ヘリオットの本は米英ではたいへん人気があるそうだ。
私が30年以上も前に読んだこの本は、今では廃刊になっているけれど、
たぶん同じ内容で(読んでないからわからないけど)、
「ヘリオット先生の動物家族」というタイトルで、ちくま文庫から出ているようだ。
また、集英社文庫から「ドクター・ヘリオットの愛犬物語」という、犬の物語を集めた
短編集が出ており、ロイの話は、こちらの上巻でも読むことができる。
うちにはこの文庫本もある。
こちらは1992年初版で、私が読んだのは、う~に~がうちの子になってからだ。
訳者は畑正憲とジェルミ・エンジェル(ムツゴロウ王国にいた外人サンね)。
こちらは今も購入できます。面白いよ。
あらためて両者を読み比べてみた。
「わが動物賛歌」の方は、ロイが12歳になって、元気に堂々とドノヴァン夫人の
お供をして歩いているというところで終わるのだが、「愛犬物語」にはその続きがある。
ロイは10代の後半まで生き、ロイの死後、ドノヴァン夫人は町の老人ホームに入ったそうだ。
人生最後の犬を見送った後、潔く老人ホームへ。
うーむ。私の理想である
意味はないけど、こたつでぬくぬくしてるまいすに立てかけてみた
ゴールデンに限らず、犬は人を信じ、愛を惜しみなく与えて人を幸せにしてくれる。
種の違う私たちに限りない友情を示してくれる犬たちが、裏切られたり悲しい目に遭うことがないように、
と切に願う。
みんなが幸せな一生を送れることを、空の上から願ってるよ。
美味しいものを食べさせてもらうことは、大きな幸せのひとつだよ
byう~に~@15歳7ヶ月
うーん卵焼きデリシャスbyう~に~@14歳7ヶ月
この手の話は弱いのよ。涙が出るよ。本当にひどいことする人がいるね。寒くなりました。今朝からファンヒーターをつけています。ベンは私の布団の中で寝ています。
大好きです。
チルや、ライヤを見てると、なんて愛らしくって真っ直ぐな濁りのない瞳ででみてくれるんだろうって、
幸せでした。
ドノヴァン夫人とロイの物語そのままですね。
そういう話を現実に聞くと、ほっとします。
運命の出逢いって、きっとあると思います。
そのご夫婦とゴルさんも、双方が必要としていて、
会うべくして会ったのでしょう。
私もいつかそんな出逢いをしたいです。
(もうしたじゃんbyまいす)
この本、笑える話が多くてとても面白いですよ。
犬好きにはおススメです。
飼う前から憧れていて、実際に飼ってみてさらに好きになりました
一度ゴルさんと暮らすと、2代目3代目と飼う人が多いですよね。
気持ちわかります。
可能なら、私もずーっとゴールデンと暮らし続けたいですもん
それだけに喪った哀しみがとてつもなく大きいです。
ライヤちゃんを亡くしたばかりのカメさんも同じですよね。
私もう~に~と出会えて、本当に幸せでした。
今、心からそう感じています。
私もこの記事を書いたついでに、久しぶりにもう一度読み返すことにしました。
そして次は「愛猫物語」を注文しようかなー
なんて思っています。