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”賃金窃盗"社長が従業員を脅す

2014-08-28 03:13:00 | リポート
アメリカでは、労働時間に対して正当な賃金を支払わないことを、「賃金窃盗」と呼ぶとのこと。南勢ユニオンが受ける労働相談で、サービス残業など未払い賃金を支払わせたいという相談が増えている。
「ブラック企業をなくせ」の世論に押され厚労省も腰を上げ、昨年9月全国の労基署を動員して賃金不払いなどの相談が寄せられている事業所を調査した。このような動きもあり、サービス残業による賃金を払わせたいという労働者の意識も高まっているようだ。少人数の職場なので、労基署にサービス残業を申告すると、誰がやったか分かるので、退職したら労基へ行くといって、毎日の退勤時刻をメモしていた女性もいる。この職場では、居残りでの仕事があっても午後5時にタイムカードを押すように、経営者から指示されていた。

派遣業のN社は、遅くとも、朝6時半には事務所に労働者を出勤させ、県北部の川越町や、南部の熊野市、御浜町の建設現場などで8時間働かせて、帰路は事務所に立ち寄ってその日の日報を書かせていた。事務所ー現場間の移動時間を含むと毎日12~13時間労働は当たり前、遠い現場になると15時間ぐらいになるが、現場での8時間の賃金しか支払っていなかった。事務所ー現場間の移動時間は労働時間であるが完全に未払いだった。従業員はユニオンとともに労基署に不払い賃金の支払いを申告するとともに、社長と団体交渉を持った。労基署の指導もあり、社長は不払い賃金の存在を認めたが、従業員のKさんに「お前は会社のガソリンを黙って自分の車に入れた。刑事事件にする」と脅迫する態度に出た。Kさんには指摘された事実はなく、名誉棄損の脅迫だった。この社長は、不払い賃金の一部しか支払わず、労基署の指導にも関わらず8か月以上も支払いを実行していない。そもそも建設現場に労働者を派遣することは違法だが、N社に限らず他にも違法派遣があるようだ。

式場業者のB社は、女性のAさんの月給は14万円ぽっきりで働かせていた。隔週2日の休日と言いながら休日出勤も全くの無給、残業代も一切払っていなかった。長時間労働に耐えられず退社したAさんは南勢ユニオンに加入し、未払い賃金の支払いを求めて団体交渉を持った。この社長もAさんに「あんたは会社の材料を使って料理を作る練習をした」と材料を窃盗した旨を述べ、脅迫する態度に出た。Aさんには無実で根拠のない言いがかりだった。なお、Aさんの時給を計算すると、最低賃金を下回っていた月も少なくない。


   従業員に日報の記入を指示するN社の表示