苦楽の彼岸 山あるき 森あるき

こんにちは!umebocです。
主に近畿の山々をうめ子と2人で歩いています。

2011年4月10日(日)【京都北山/雲取山】其の二 〈完〉

2011-05-05 | 京都周辺エリア
京都北山/雲取山】其の一

雲取山山頂は、展望無く、平たんでこじんまりとしていて、しかし狭くもない。
我々の好みとする静かにお昼のとれる空間であった。


さあ、飯だ飯だ。うめ子は新聞を読んでいるのではなく、コンロの風防を準備中

ドカッとその場に座り込んでワイルドに食事を始める人も多いが、
その辺わりとデリケートな我々は、シートを敷いてからゴソゴソと準備を始める。
いつものスガキヤのうどんに卵を入れてアチチチと言いながら食べる。
コッヘルの場合、卵を入れると後で拭き取る時グチャグチャと汚くなるのが面倒だが、
スガキヤのアルミ鍋の時には小さくしてゴミ袋に入れればいいから楽だ。
出町柳で買った水菜とツナのサンドイッチも軽く炙ってかぶりつく。ややあっさり目だが美味い。

10時40分~11時20分 昼休憩










帰りは山頂から南へ、二ノ谷を下る。西へと歩くと三ノ谷を下るルートがあるようだ。




































突然足下でガサゴソッ!と音が。わわわナンダ?と目をやるとカナヘビがいた


は虫類が元気に動き出す季節になった。
池にはカメ。山には・・・・ヘビの登場だ。
今年はどんなヘビたちを写真に撮ることができるであろうか。ウフフフフ。



もう少し暖かくなり緑が増えてくると、道とそうでない場所とがはっきりわかるようになるのかもしれないが、
今の季節は落ち葉が多く、どこもかもが土色だ。あっちかなぁ、こっちかなぁと道がよくわからない。
なんとなくこっちだろうなぁ、と谷沿いに歩いていると突然崖だったりするので危険だ。
よく観察するとルートらしきものを見つけることが出来るのだろうが、
ガシガシ突き進むうめ子とボケーっと歩くボクとのコンビではよくルートを間違える。
そして間違えたままいつの間にか正しいルートに戻っている、なんてことがしばしばある。








ほぼ垂直の崖を下ろうとして寸前で迂回路を発見し進むうめ子


歩きやすい谷筋を黙々と歩いているうめ子。ボクはやや左上のルートを歩いていた。
途中、うめ子の前にゴツゴツとした岩場が現れた。なかなかに激しく切り立っている。
頑張れば下れそうなのだが、あまりにも危険そうなので周囲を観察してみると、
ボクの歩いている左側にどうやらルートらしきものを発見できた。谷筋からいったん左へと迂回して下る。






谷筋の道が途切れた場所。危なげな岩盤の前にてポーズ


下草の無い天然林歩きは贅沢だ。晴々とした気分を体で表現したくなる。










11時39分 立命館大のワンゲル小屋。        小屋の前にはベンチとイスがある


山頂から20分ほど、途中2回岩盤の露出した所を回避し、
その他全部美しい天然林のなだらかな斜面を下ると建物が見えてきた。どうやら簡易トイレのようだ。
そこを過ぎてすぐ、立命館大のワンゲル小屋横に出てきた。

もしも積雪期に遭難したら、ここの小屋のドアをぶち破って避難しよう。
しかしそれでは不法侵入だろうか?犯罪者になってしまうのだろうか?
などと考えていると中から中年の女性が出てきた。
彼女はここで宿泊しいたのだろうか。もしかして立命館のOBだろうか。
せっかく独りきりでのんびりしていたのに、アンタ達何者っ!と言われそうだったので、
なんとなく「何もしませんよ。気付いてませんよ」という空気をかもしつつ通過する。














小屋の左手から水のある沢が合流する

どうやらこの谷が「二ノ谷」のようだ。沢沿いを進む。






山頂からスギやヒノキの植林地はあまり目に付かず、景観の良いなだらかな斜面を豊かな気分で歩いて来ることができた。
ちょうどよいサイズの沢の流れも我々の気分を良くしてくれる。



沢を右や左に渡りながら進む


しばらく歩くと左手から流れてくる一ノ谷と二ノ谷が合流する。
写真は撮り忘れてしまったが、そこが二ノ谷出合となる。
ここから一ノ谷を遡行すれば、往路に6番の札が設置されていた一ノ谷出合がある。

我々は右へと進路をとり進む。









11時58分 林道らしきものに合流


小さな土砂崩れが見かけられた。こうやって山も少しずつ形を変えているのである。






林道横の岩盤には太古の地殻変動を思わせるグネグネとした地層が

林道沿いの崩れた岩壁に、地増のたわみを見ることができた。
放散虫・海綿動物などの微生物が海底にたい積して出来たチャートという石がある。
とても固く、層状になることが多い。たぶんこの岩壁もチャートで出来ているのだろう。
もしかしたら恐竜がいたころの地層なのかもしれないなぁ。と考えると嬉しくなる。






















12時03分 車止めの門










丸太橋でおどけるうめ子

沢に丸太の橋が架かっていた。真ん中の部分は折れそうで危なっかしい。
両端に足を置いて股を開いて渡る。








12時04分 三ノ谷出合

車止めの門からすぐに三ノ谷出合となる。17番の札が設置されていた。
このまま林道を芹生の集落へと向かってひたすら歩く。

















左手に神社                      橋


12時24分、勢竜天満宮の小さな社殿の横を通過したあたりから道は舗装路となり、芹生集落へと入る。
芹生ロッジなる建物を過ぎ、橋を渡り右へと進む。
ダラダラと歩いていると、フキノトウを見ることができた。
この辺りまでくるとだいぶ民家も増えている。
フキノトウも柵に囲われた畑の中だったので住民が大切に育てているのかもしれない。
欲しいなぁ、でも怒られそうだなぁと後ろ髪引かれつつ前進する。





12時40分 橋                      峠へと続く道路


欄干の親柱に橋と川の名前が書かれていた。
橋は寺子屋橋とあり、川は灰谷川というそうだ。

この橋を渡り、左(南)へと進路をとり、芹生峠をこえて貴船口バス停まで歩く予定である。


















ボタンネコノメソウが目をひいた















12時58分 芹生峠

山頂を下って帰り気分なので、ここまでの中途半端な上りがわりときつかったが、どうにか峠に到着する。

「道路を向こう側へ消えていくシーンが撮りたい」
とのうめ子の要望にこたえて写真を撮ってもらう。
人を大きく撮るとどこかわからなくなってしまうし、引いて取ると意図がよくわからなくなってしまう。
難しいものなのだ。

ここを越えると貴船町へと下る道が始まる。
ひたすらダラダラダラダラと歩く。こちら側から歩いて雲取山を目指すのはやめておいた方がいいだろう。
それでも世の中には体を酷使するのが大好きな人たちが多いみたいで、
自転車の集団が次から次に峠を目指して上ってくる。みんなヒーハヒーハ言いながらペダルを漕いでいる。
ハイカーと自転車乗りは通じるものがあると思っていたが、こういうところやや違うみたいだ。
「こんちわー!」などと気軽に声をかける雰囲気でもないので、あまり気にせずに進む。








13時35分 橋を渡ると分岐の道標があった

ダラダラダラダラダラダラ、ひたすら下ってようやく平たんな道へ。
分岐には滝谷峠が示されていた。
以前歩いた魚谷山、その帰りに通った峠だ。

貴船口駅へ向かって歩く。














ミヤマカタバミ(学名:Oxalis griffithii)

山地の木陰などに生える多年草。




薄暗い林床部でポツポツと白い花を咲かせている。
葉はなんとなくクローバーに似て、ハート形の3つの小葉からなる。
山を歩いているとどこでもよく目にすることができるのだが、可憐でひっそりとした姿がとても好きだ。















貴船

13時50分に貴船神社を通過する。
わりと多くの人で賑わっている。
もう少し時間と心に余裕があれば、いろいろと見て回る所は多いのだろうが、
あまりにも長く歩いてきてしまったし、とても場違いな我々は黙々とバス停を目指す。






13時56分 貴船口バス停

はぁ~・・・・・長かった。帰り道が長かった。
ようやくバス停に着くことができた。空き地のような大きな広場にバス停の標識がポツンとある。
見落としそうになったが、何人かの人がバス待ちをしていたので我々も並ぶ。

9時05分に花背高原前バス停から歩きはじめ、13時56分に貴船口バス停到着。
10時40分から11時20分まで昼休憩。
山歩きを満喫できた時間はわずかだった気もするが、とても満足して家路についた。


それでは、次回は高野山石道で。まったね~。