苦楽の彼岸 山あるき 森あるき

こんにちは!umebocです。
主に近畿の山々をうめ子と2人で歩いています。

友人になりつつある者の話。

2011-05-24 | つぶやき
ネパールから来ている何人かの知り合いがいる。
その中のRとは、日本に来た時からよく話をする。いつもお金が無い。
Rは、大きな目をキラキラさせ、やや節目がちに話をするインテリな男で、
少しニヒリストなところはあるけれど憎めないやつである。
周りの人からすれば、多少のズルいところはあるみたいだけど、
そんな部分は中国人も韓国人も、他の国の人たちもみな同じ気がするのだ。
ボクもお金が無くてとても苦しい生活をしていた時期がある。
少しぐらいのズルは考えた。それは今その時一生懸命だったからだ。
だから、猾いとしてもそんなもの、かえって愛嬌にすら感じるのだ。

そんなRの引っ越しを手伝った。
今まで住んでいたのがアルバイト先の寮だったのだけれど、
別の仕事をすることになったのでその部屋を出る(追い出される)ことになったからだ。
荷物が多くて申し訳ないというようなことを言っていたけれど、
中くらいのキャリーケースに布団、手提げ鞄が2個あるだけだった。
雨の中だったけれど、あっと言う間に積み込んであっという間に終わってしまった。
一般的に言えば「荷物が多くて~」などと言われると、
衣装ケースやタンスや机などがガシガシあるのを想像してしまう。
でもRの「多い」はそれっぽっちだったのだ。
帰りの車の中で、国にいる彼女の写真を見せてくれた。
オリエンタルな雰囲気の女性が真っ赤なドレスを来て、少し照れたように笑っている写真だった。

最近はスマートフォンのおかげで、メールによる画像の添付や、
テレビ電話(古いか)などが気軽に出来てしまう。
だから手もとにいつも新鮮な写真を持ちあるけるようになったのだ。

「ネパールでは結婚するまではS○Xはしない」「結婚は気持ちが大切だ」
「バイト先の女の子が彼氏といつもS○Xをしていると自慢している」
などという恋愛関係の話から、

「お酒は飲めない(彼はヒンズーだ)」
「でも、忘年会などでは少し飲まなければならない」
「日本では牛肉を食べるが、ヒンズーでは神聖な生き物だから絶対食べない!」
「ブタは・・・初めて日本に来た時に少し食べてしまった」
などなど、いろいろな話を聞けて答えてとても楽しい時間を過ごせた。

ボク「Rは、この部屋では誰と一緒に生活してたの?」

R「政府の人と」

ボク「え!?領事館とかそういった関係か、凄いな」

R「ん?ガバメント?」

ボク「そうだ、政府関係なんだろ?」

R「・・・シェフだ」

なるほど。政府の人がこのアパートでシェアはおかしいと思ったんだ。

Rの住んでいたネパールの街は標高が2,000メートルある。
寺院が街のいたるところにあり、車が走れないようになっている。
写真を見せてもらったが、寺院の迫力に圧倒されるような街だ。
もう少しすると、他国で働いている兄が帰国し結婚するそうだ。
結婚式には戻りたいけれど、それまでに国に帰るお金が貯まるだろうかと、心配している。
行き帰りの飛行機代は10万円ほど。
それでも今の彼からしたら、大変な努力を要する金額なのだ。
学校を終えてアルバイト、その合間にも勉強。
生活費を削りコツコツと貯めてはたして間に合うだろうか。
間に合うよう応援するのみである。

そんな彼もネパールの社会構造の根底に、
今だ残っているカースト制度の中では上位にあたる階層である。





《ネパール連邦民主共和国(ネパールれんぽうみんしゅきょうわこく)》
通称ネパールは、南アジアの共和制国家(2008年に王制廃止)。
多民族・多言語国家(インド・アーリア系の民族と、チベット・ミャンマー系民族)であり、民族とカーストが複雑に関係し合っている。また、宗教もヒンドゥー教(元国教)、仏教、アニミズム等とその習合が混在する。
経済的には後発開発途上国である。農業を主たる産業とする。ヒマラヤ観光などの観光業も盛んである(Wikipediaより)