2020年初めころのカメラファン向けの一般的な月刊のカメラ雑誌は、次の7誌が刊行されていました。
アサヒカメラ(創刊1926年 朝日新聞出版)
日本カメラ(創刊 1950年 日本カメラ社)
フォトコン(創刊1974年 日本写真企画)
カメラマン(創刊1978年 モーターマガジン社)
CAPA(創刊1981年 ワン・パブリッシング(学研から別会社に移管されました))
デジタルカメラマガジン(創刊1997年 インプレス)
フォトテクニックデジタル(創刊2008年 玄光社)
※その前は「フォトテクニック」を刊行していました
それ以外にも隔月発行(風景写真(風景写真出版))や季刊(写真ライフ(日本写真企画))のカメラ雑誌もあります。
それが、2020年にカメラマンが5月号をもって、続いてアサヒカメラが7月号をもって休刊になり衝撃が走りました。
それだけでとどまらず、今年になり日本カメラが5月号をもって(日本カメラ社自体が解散になりました)、そしてフォトテクニックデジタルが7月に発売になった最新号の8月号をもって休刊となりました。
※ カメラマンは2020年12月に、不定期ながら「カメラマン リターンズ」名でムックとして復活したのは喜ばしい限りです(現在まで2号(今年5月発行)出ています)。
月刊誌は、老舗の2誌が既にそろって消えてしまい、今月発売の9月号からは、フォトコン、CAPA、デジタルカメラマガジンの3誌のみとなります。寂しい状況になりました。
カメラを趣味とする人々のすそ野は広がっている中で、それに関係する趣味誌が次々と休刊に追い込まれるのは異常事態です。
休刊に至る理由は次のものがあると言われています。
① 発行部数の減少により、持ちこたえられなくなった
② 広告が減って、持ちこたえられなくなった
①については、そもそも紙媒体での雑誌の購入をする人が減ったとの状況はありますが、今はデジタル版も併せて出している雑誌も多いため、そうなるとそもそもその雑誌を買いたいという需要が減ったということになります。
また、これまでは、購入する趣味の雑誌は、これと決めたら毎月購読するのが一般的だったとの認識です(そのため、発行元は部数のパイを把握できます)。特集などで自分があまり興味がない号もありますが、でもその号は買わないとこうことはなかった。でもこういう人も減ってしまったのでしょうね。
ただ、こうした傾向は、単に雑誌や本離れ(特に若者層)の流れの結果という単純なものではないと思います
伝統的なカメラ雑誌の構成は、写真家の作品の掲載(口絵)、カメラや関連商品の新製品の紹介やテストレポート、撮影テクニックや特定の被写体の撮影に関する情報などの特集、毎月の定期連載、読者の写真コンテストなどです。
これを全体的に網羅していた老舗の2誌(アサヒカメラ、日本カメラ)は既に休刊になってしまいました。
他のカメラ雑誌は主として取り上げる分野に特徴がありますが、上記項目は濃淡はありますが、概ね取り上げていると思います。
すべての読者が雑誌を構成する項目のすべてに興味があることは、まずないと思いますが、その分野が好きなら幅広い内容を吸収したいと思うものです。全体を網羅する伝統的なカメラ雑誌の構成自体は、これはこれでありだと思うのですが。
今はネットで調べれば、撮影技法やカメラの新製品の情報も調べることができます。これで足りるという人も多いのだろうと思います。ただ、こうした方々は元々カメラ雑誌を見たこともないというケースも多いのではないでしょうか。
これまでは、読者の獲得は、出版社側で熱心に行わなくても雑誌を維持できる適度の部数は捌けたのかもしれませんが、今後は魅力をさらに積極的にアピールして、少しでも読者を増やす努力が出版社側に求められると思います。
次に②ですが、カメラメーカーの広告が減ってしまったのも、カメラ雑誌にとってかなりの打撃になったという話があります。CAPA8号を見ると、カメラメーカーの広告は、キャノン(2P)、ソニー(2P)、シグマ(1P)しかありませんでした。CAPAは元々、広告が多い雑誌ではないのですが、これはさすがに寂しいです。
カメラメーカーがカメラ雑誌にカメラの広告を出さないというのは、払った金額に見合った宣伝効果がないと判断した結果だろうと思います。これまでカメラメーカーとカメラ雑誌は持ちつもたれるの関係だったと思うのですが(カメラ雑誌の中でもカメラを宣伝してくれているので)、カメラメーカーは広告に払った費用だけの宣伝効果がないと判断した結果なのでしょうね。
ただ、ここまで割り切っていいものなのかという疑問があります。カメラメーカーもコロナ禍で経営が苦しいところはあるだろうと思いますが、未だ写真趣味のすそ野拡大の一翼を担っているカメラ雑誌を応援するのは使命ではないでしょうか。
一方で、カメラ雑誌側もカメラメーカー等の広告収入をこれまであてにしすぎていたことがあったのだろうと思います。
広告収入の減収にも耐えながら誌面発行を維持するとすると、経営努力は必須ですが、最終的に雑誌の値上げしか手はないのかもしれません。これもある程度仕方がないと考えます。
ちなみに違う分野の鉄道雑誌では、主要3誌(「鉄道ピクトリアル」、「鉄道ファン」、「鉄道ジャーナル」)が、発行を続けています。
カメラ誌に休刊が続くのと何が違うのかはよく分からないところはありますが、発行維持に向けて何らかの工夫をされているのではないかと思います。
既存のカメラ雑誌は、がんばって発行を続けて欲しいと願っています。

左 フォトテクニックデジタル 最終号
この雑誌は、ポートレートをメインに取り上げていました。
過去に気になる号を何冊か購入した程度ですが、今回は記念に購入しました。
右 ずっと購入しているCAPAの8月号
8月号は税込み1100円。通常号でも1000円を超えるようになりましたが、これも仕方ないでしょうね。

日本カメラ5月号(最終号)中にある休刊のお知らせ
最終号に合わせた特集はなく、通常号の内容に何とか入れ込んだ雰囲気が漂っています。
休刊になることを後で知ったので(発売中なら購入しました)、これは図書館で借りたものですが、そのうち中古本を購入しようと思います。

アサヒカメラ 2020年7月号(最終号)
最終号を意識した内容になっています。
アサヒカメラは、老舗でカメラ雑誌の中でも大きな影響力があったので、何とか続けて欲しかったです。

カメラマン 2020年5月号。
6月号の予告もあり、突然の休刊だったことが分かります。
後にネットで手に入れました。

ムックで復活
今後も出してほしいです
1号には雑誌休刊の真相の記事があり、興味深く拝見しました。
アサヒカメラ(創刊1926年 朝日新聞出版)
日本カメラ(創刊 1950年 日本カメラ社)
フォトコン(創刊1974年 日本写真企画)
カメラマン(創刊1978年 モーターマガジン社)
CAPA(創刊1981年 ワン・パブリッシング(学研から別会社に移管されました))
デジタルカメラマガジン(創刊1997年 インプレス)
フォトテクニックデジタル(創刊2008年 玄光社)
※その前は「フォトテクニック」を刊行していました
それ以外にも隔月発行(風景写真(風景写真出版))や季刊(写真ライフ(日本写真企画))のカメラ雑誌もあります。
それが、2020年にカメラマンが5月号をもって、続いてアサヒカメラが7月号をもって休刊になり衝撃が走りました。
それだけでとどまらず、今年になり日本カメラが5月号をもって(日本カメラ社自体が解散になりました)、そしてフォトテクニックデジタルが7月に発売になった最新号の8月号をもって休刊となりました。
※ カメラマンは2020年12月に、不定期ながら「カメラマン リターンズ」名でムックとして復活したのは喜ばしい限りです(現在まで2号(今年5月発行)出ています)。
月刊誌は、老舗の2誌が既にそろって消えてしまい、今月発売の9月号からは、フォトコン、CAPA、デジタルカメラマガジンの3誌のみとなります。寂しい状況になりました。
カメラを趣味とする人々のすそ野は広がっている中で、それに関係する趣味誌が次々と休刊に追い込まれるのは異常事態です。
休刊に至る理由は次のものがあると言われています。
① 発行部数の減少により、持ちこたえられなくなった
② 広告が減って、持ちこたえられなくなった
①については、そもそも紙媒体での雑誌の購入をする人が減ったとの状況はありますが、今はデジタル版も併せて出している雑誌も多いため、そうなるとそもそもその雑誌を買いたいという需要が減ったということになります。
また、これまでは、購入する趣味の雑誌は、これと決めたら毎月購読するのが一般的だったとの認識です(そのため、発行元は部数のパイを把握できます)。特集などで自分があまり興味がない号もありますが、でもその号は買わないとこうことはなかった。でもこういう人も減ってしまったのでしょうね。
ただ、こうした傾向は、単に雑誌や本離れ(特に若者層)の流れの結果という単純なものではないと思います
伝統的なカメラ雑誌の構成は、写真家の作品の掲載(口絵)、カメラや関連商品の新製品の紹介やテストレポート、撮影テクニックや特定の被写体の撮影に関する情報などの特集、毎月の定期連載、読者の写真コンテストなどです。
これを全体的に網羅していた老舗の2誌(アサヒカメラ、日本カメラ)は既に休刊になってしまいました。
他のカメラ雑誌は主として取り上げる分野に特徴がありますが、上記項目は濃淡はありますが、概ね取り上げていると思います。
すべての読者が雑誌を構成する項目のすべてに興味があることは、まずないと思いますが、その分野が好きなら幅広い内容を吸収したいと思うものです。全体を網羅する伝統的なカメラ雑誌の構成自体は、これはこれでありだと思うのですが。
今はネットで調べれば、撮影技法やカメラの新製品の情報も調べることができます。これで足りるという人も多いのだろうと思います。ただ、こうした方々は元々カメラ雑誌を見たこともないというケースも多いのではないでしょうか。
これまでは、読者の獲得は、出版社側で熱心に行わなくても雑誌を維持できる適度の部数は捌けたのかもしれませんが、今後は魅力をさらに積極的にアピールして、少しでも読者を増やす努力が出版社側に求められると思います。
次に②ですが、カメラメーカーの広告が減ってしまったのも、カメラ雑誌にとってかなりの打撃になったという話があります。CAPA8号を見ると、カメラメーカーの広告は、キャノン(2P)、ソニー(2P)、シグマ(1P)しかありませんでした。CAPAは元々、広告が多い雑誌ではないのですが、これはさすがに寂しいです。
カメラメーカーがカメラ雑誌にカメラの広告を出さないというのは、払った金額に見合った宣伝効果がないと判断した結果だろうと思います。これまでカメラメーカーとカメラ雑誌は持ちつもたれるの関係だったと思うのですが(カメラ雑誌の中でもカメラを宣伝してくれているので)、カメラメーカーは広告に払った費用だけの宣伝効果がないと判断した結果なのでしょうね。
ただ、ここまで割り切っていいものなのかという疑問があります。カメラメーカーもコロナ禍で経営が苦しいところはあるだろうと思いますが、未だ写真趣味のすそ野拡大の一翼を担っているカメラ雑誌を応援するのは使命ではないでしょうか。
一方で、カメラ雑誌側もカメラメーカー等の広告収入をこれまであてにしすぎていたことがあったのだろうと思います。
広告収入の減収にも耐えながら誌面発行を維持するとすると、経営努力は必須ですが、最終的に雑誌の値上げしか手はないのかもしれません。これもある程度仕方がないと考えます。
ちなみに違う分野の鉄道雑誌では、主要3誌(「鉄道ピクトリアル」、「鉄道ファン」、「鉄道ジャーナル」)が、発行を続けています。
カメラ誌に休刊が続くのと何が違うのかはよく分からないところはありますが、発行維持に向けて何らかの工夫をされているのではないかと思います。
既存のカメラ雑誌は、がんばって発行を続けて欲しいと願っています。

左 フォトテクニックデジタル 最終号
この雑誌は、ポートレートをメインに取り上げていました。
過去に気になる号を何冊か購入した程度ですが、今回は記念に購入しました。
右 ずっと購入しているCAPAの8月号
8月号は税込み1100円。通常号でも1000円を超えるようになりましたが、これも仕方ないでしょうね。

日本カメラ5月号(最終号)中にある休刊のお知らせ
最終号に合わせた特集はなく、通常号の内容に何とか入れ込んだ雰囲気が漂っています。
休刊になることを後で知ったので(発売中なら購入しました)、これは図書館で借りたものですが、そのうち中古本を購入しようと思います。

アサヒカメラ 2020年7月号(最終号)
最終号を意識した内容になっています。
アサヒカメラは、老舗でカメラ雑誌の中でも大きな影響力があったので、何とか続けて欲しかったです。

カメラマン 2020年5月号。
6月号の予告もあり、突然の休刊だったことが分かります。
後にネットで手に入れました。

ムックで復活
今後も出してほしいです
1号には雑誌休刊の真相の記事があり、興味深く拝見しました。
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