RX10シリーズは、1型センサーを使用するレンズ一体化の高倍率ズームを備えたシリーズで、M4は2017年10月登場ですが、未だに現行機種です。同じ1型センサーを備えたRX100シリーズは高級コンデジのジャンルでとても人気ですが、RX10M4はマイナーな存在で、ネットを見てもあまり使っている方はいないようです。
しかも近年のデジタルカメラの価格アップラッシュでこのRX10M4も価格がぐっとあがってしまい(ソニーストアで27.5万円)、ますます遠い存在になってしまいました。
こうした高倍率ズームで、開放f値が全域でf2.8~f4のレンズ一体化のデジカメは、元々リリース自体少なく、少し前まではパナソニック製品がありましたが、今はRX10M4しかありません。本当に孤高の存在になってしまいました。
(1型センサー)
ソニー RX10M4 35mm判換算で24-600mm(25倍)f2.8~f4 約2010万画素
(2017年10月登場)
【生産終了品】
(1型センサー)
パナソニック FZ1000M2 35mm判換算で25-400mm(16倍)f2.8~f4
2010万画素 (2019年3月登場)
(1/2.3型センサー(ノーマルなコンデジで使用されているサイズのセンサー))
パナソニック FZ300 35mm判換算で25-600mm(24倍)f2.8 1210万画素
(2015年 9月登場)
1型センサーのFZ1000M2は超望遠域が物足らず、RX10M4とは同列に扱えません。1型センサーのこのクラスのカメラは元々M4が突き抜けた存在でした。
RX10M4は2017年の登場で7年弱経過していますが、背面液晶にタッチセンサーを搭載しており、コンティニアスAFの食いつきもよく、今でもストレスなく使用できます。RX100M6と同世代のカメラですので、当然といえば当然ですが。
ではなぜ人気がないのか。考えてみるに、そのカメラの大きさと値段だと思います。
サイズはα9と比べても結構な大きさです。でも通常デジ一眼を使うのに支障がない状況なら、特段問題となるサイズではありません。開放f値の明るさと高倍率ズームを備えるためには、1型センサーでもこの程度のサイズになってしまうということだと思います(逆に言えば、よくこの大きさにまとめたとも言えましょう。)。
値段はかなりのインパクトです。新品は、価格ドットコムで見ても最安値でも22万円弱です。そもそも一眼が視野に入ってくる価格です。また、登場から結構経っているカメラで、この値段では、手を出すのに躊躇しますね。中古を狙えばなんとかという感じでしょうか。
※ ディックがこの機種を中古で購入したいきさつは、「ディック スギのカメラ遍歴(10)」をご覧ください。
このカメラは、街ネコちゃん撮影で専ら使用しています。メインはα9+70-200㎜f2.8 GMズームですが、RX10M4はそれでまかなえない広角域と超望遠域で専ら使用しています(最近は、広角域はα9+28-75㎜f2.8(タムロン)との併用になりつつあり、こちらがメインになっています。)。
1型センサーは、(35mm)フルサイズセンサーと比べて、面積比では13%ですが、使い勝手のよいセンサーです。
操作性は、おおむねα6000系のデジ一眼と似ています(α6500を以前使用していたので、懐かしいです。)。
必要な設定が即座にできるダイヤルが後ろのみ、というのもソニーのそのクラスのデジ1眼に準拠しています。
上面には、露出補正ダイヤルとモードダイヤルがあり、これもαデジ一眼の基本コンセプトどおりです。さらに上面には液晶表示もあり、これはαデジ一眼にはない仕様です。ここで絞り値、シャッター速度、撮影可能枚数、バッテリーの容量などが確認できます。一緒に使っているα9には上面に液晶はないこともあり、あまりここで確認することはないです。そのため、ディックはあると便利かなという程度です。
あとレンズ一体化となっていることもあるのか、レンズ基部に、昔の一眼レフ用のレンズのように絞り環があります。1/3段刻みで、絞り優先やマニュアルの場合は、これを回して絞りをセットします。凝ったことに、クリックありとなし(シームレス)が切り替えるようになっています。
フィルム時代からの伝統ある、シャッターダイヤルや露出補正ダイヤル、絞り環は一覧して現状が分かりやすいとして、支持される意見もありますが、ディックは、前後ダイヤルのセットの方が早くセットでき、絞り値やシャッター速度などは液晶ファインダー又は背面液晶で確認するので、支持しない派です。
絞り環の代わりにRX100M6のように、汎用のコントロールリングの方がディック的にはありがたいですが、絞り環の操作でも、慣れると結構しっくりきます。
ディックは、絞り優先(A)をメインに使っているのですが、その時には後ろダイヤルは割り当てがありません。αデジ一眼ではノーマルな機能である、後ろダイヤルで露出補正ができるとうれしいのですが(ディックはαデジ一眼でも露出補正ダイヤルは利用していません。)、RX10M4はなぜかできません。そうなら絞りを後ろダイヤルで変更できるといいのですが、それもできません。カスタマイズできないのは、なんとももったいないというか、残念なことです。露出補正はどうするかですが、レンズ部に割り当てボタンがあり、押しやすいので、ディックはこのボタンを露出補正に割り当てています。
背面液晶の設定画面の方式(操作系のインターフェイス(UI))は。このころリリースされたカメラは、一眼(α9)もコンデジ(RX100M6、HX99)もほぼ同じなので、ディックにとって使い勝手はとてもいいです。
RX10M4は約1050gあり、1㎏超えですが、思ったほど重く感じません。レンズ部も太いですが、ボディ部とのバランスがよい(前後均等な重さに感じます。)のが、あまり重く感じない理由でしょうか。
バッテリーは少し前までαデジ一眼でメインに使用されていたNP-FW50。今となっては容量が少ないですが、ディックの今の撮影スタイルは、長時間使用しないので、特に不便は感じていません。スペアのバッテリーもあるので、一度に長めの撮影も対応可能です。
ディックの感覚では、通常使用ではISO1600まで(できたらISO800までにしたいです)なら、画質的にも問題なく使用できます。
撮影の用途によっては、これ1台でもいけそうなくらい完成度の高いカメラに仕上がっています。2017年当時のこのクラスのカメラで、付けられる機能はほぼ付けたといってもいいのではないかと思います。
操作性については、αミラーレス一眼とは切り離して、ベターと考えた手法で新たに練られたものと思われますが、併用する身としては、操作性は、できるだけαフルサイズミラーレスと同様な方がありがたいです。
レンズ部の鏡胴の太さが目立ちますが、バランスはいいです。軍艦部はなで肩です。
軍艦部の右側には大きな液晶が配置されています。
600mmになると鏡胴がかなり伸びます
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