本日は、朝から良いお天気に恵まれ、「海のまち朗読リサイタル2017」を滞りなく開くことができました。
皆様のおかげをもちまして、良い時間になりましたことに、心からお礼申し上げます。
ル・クラシックでのリサイタルも今年で2回目となり、13人、9作品、3部構成での朗読会にお客様をお招きすることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。
今年はBGMに変化を加え、ジャズなども入れて軽快感を演出してみました。
「海のまち朗読館」の一年間の大切な節目であるリサイタル。
また来年に向けて、明日から新しく御稽古の始まりです。
どうぞよろしくお願い致します!
重ねて、本日は、誠にありがとうございました<(_ _)>!
明日のリサイタル作品、最後にお届するのは、片山廣子「まどはしの四月」。
まどはし、と書いてまどわし、と読みます。
これは、片山廣子が、エリザベス・フォン・アーニムの小説『The Enchanted April』を読んでエッセイを書いたものです。
小説は1992年にイギリスで映画化され、日本でも公開されたので、観た方もいらっしゃるかもしれませんね。
邦題は「魅せられて四月」。
enchantedには、魔法にかけられた、っていう意味があるんですね。
イタリアの四月のお城に憧れるイギリスの4人の女性。
はい、私も憧れちゃいます~(^O^)
現実の生活の中で「奇跡」はきっとある。
朗読もそんな存在になる可能性を信じて、「海のまち朗読館」はこのリサイタルをプロデュースしています。
明日は、皆様に「魔法にかけられた四月」を感じていただけましたら幸いです。
お目にかかれますのを楽しみにしております。
明日のリサイタルの作品紹介もあと二作品を残すばかりとなりました。
まずは「身投げ救助業」菊池寛。
菊池寛と言えば「父帰る」と反射的に思い出す人が多いと思います、教科書に載っていたし覚えやすいタイトルですし(^^ゞ
菊池寛は文筆家のほかに、事業家や翻訳家としての顔も持つ多彩な人。
そしてユーモアを含んだペーソスたっぷりの小説をたくさん書いています。
今回朗読する「身投げ救助業」はまさにその真骨頂。
なかなか他の人には書けない感じですね。
京都のおばあさん(おばあさんと言いつつ、43歳っていうのがまず衝撃。明治大正の頃は、43歳は老婆だったんですね!)が、身投げ者を助け、政府から報奨金をもらい、郵便貯金に預け入れる。
とっても良いことをしている自分。
しかしある日、貯金がごっそり引き出されてしまい、世をはかなんだ彼女が選んだ道は…。
すべての登場人物に自分自身を投影してしまう、私の好きなお話です。