弁護士法人かごしま 上山法律事務所 TOPICS

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別件逮捕 

2016-05-18 | 取調可視化


実際に行われている身柄拘束と法務省側の考えがよく分かるやり取りですね。

いわゆる 別件逮捕 という手法で  自白を獲得する という考え方は少しも変わらないということですね。


※引用

採決目前の可視化法案に日弁連内部から「待った!」 「法務省と解釈にずれ」


 取り調べの録音・録画(可視化)を義務付けることを盛り込んだ刑事訴訟法改正案が今国会で成立する見通しとなるなか、早期成立を求めていた日本弁護士連合会(日弁連)内部から、法案の修正を求める意見書が相次いで会長に提出されていることが15日、分かった。可視化を義務付ける対象が「法務省の解釈とずれがある」としており、今国会がラストチャンスとなる法改正に思わぬところから「待った」がかかった形だ。

 意見書を出したのは、刑事政策関連の調査研究などを行う刑事法制委員会と元事務総長の海渡雄一弁護士で、執行部が決めた方針に委員会が異論を唱えるのは異例。

 きっかけは、4月8日に1審判決が言い渡された栃木小1女児殺害事件だ。被告は商標法違反罪で起訴された後に殺害を自白し、検察は直後から取り調べを可視化した。警察の可視化は殺人容疑で再逮捕した後からで、弁護側は再逮捕までの取り調べで自白の強要があったと主張していた。

 法案は、裁判員裁判の対象となる事件について、警察官や検察官が「逮捕もしくは勾留されている容疑者」を取り調べるときは可視化を義務付けている。

 4月14日の参院法務委員会で法務省刑事局長は「対象外事件で逮捕、勾留された容疑者を対象事件の余罪で取り調べる場合は録音・録画義務がかかる」としたが、対象外事件で起訴された後、勾留されている間に余罪として対象事件を取り調べる場合は可視化義務の「対象とならない」と答弁した。

 21日には、理由として「容疑者は必要な捜査を行うために勾留しているのに対し、被告は取り調べを受ける法的義務はなく、拒否できる」などと説明、起訴後でも事案に応じて運用で可視化を実施するとした。

 一方、日弁連側の参考人は、可視化義務があると解釈すべきだとの見解を示した。

 法務省の解釈では、法改正後も栃木事件のケースは可視化義務の対象外となる。海渡氏は意見書で「日弁連が法案に賛成した前提に重大な疑問が生じている」と指摘。刑事法制委の岩田研二郎委員長は「身体拘束下の取り調べであることは同じで法務省の解釈は誤り。重大な解釈の相違で、別件逮捕を利用した捜査では録音・録画義務に大きな穴が生じる」とし、日弁連は法案修正による可視化義務の明確化を法務省などに要求すべきだとしている。

 日弁連の山口健一副会長は「起訴後勾留で別件について取り調べられた場合も可視化対象というのが日弁連の基本的立場。法務省局長の答弁とずれがあるので関係機関と確認作業をしたい」とコメントした。


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