江利チエミファンのひとりごと

江利チエミという素晴らしい歌手がいた...ということ。
ただただそれを伝えたい...という趣旨のページです。

◆ コサックの子守歌

2007年07月11日 | 江利チエミ(続編)

コサックの子守歌 については
   こちらのHPさんのページ をご覧ください。
(『原語で歌う外国曲』さん・・・トップページは こちら です。)

う----ん ネットって便利!! 勉強になります。

眠れやコサックの 愛(いと)し子よ
空に照る月を 見て眠れ


  コサック兵になろう息子の将来・・・
      母の切ない気持ちがあふれ出る楽曲です。

<<コサック(cossak)とは >>
○「コサック」という言葉:「群を離れた者」という意味のトルコ系の言葉
○起源:領主への隷属を嫌って、ロシア南部の辺境へ逃亡してきた農民たち
○住みついた場所:ドン川・ドニエプル川など大河の周辺
○生計を立てる道:漁業、海賊行為(農業は余り行わなかった)
○社会構成:アタマン(隊長)を長とする自治的な戦士共同体

(中井和夫『ウクライナ・ナショナリズム』東京大学出版会1998年 p43参照)
(中村仁志『プガチョフの反乱』平凡社1987年 p85-92参照)

「コサックは、全員、平等な資格で総会に臨み、互選によって軍団の長たるアタマン、およびその補佐役を選び出す。(中略)総会はまた、軍団の最高決議機関であった。同盟、開戦などのコサック全体の運命にかかわる重要事項は、総会で決定され、その席ではすべてのコサックが平等な発言権をもっていた。」(中村仁志 同書 p92)

<< ロシア国家とコサックとの関係>>
 中村仁志氏はロシア国家とコサックとの関係を次のように整理しています。

○17世紀前半まで
・ロシアは未だ弱体で、外的の侵入に悩まされていた。
・南方のトルコに対抗するため、南方の防衛力としてコサックを必要とした。
・そこでロシアは、コサックの内政には干渉せず、コサックの自治を許容した。

○17世紀後半以降
・ロシアは大国へと成長し、南方への領土拡大を強める。
・ロシアはコサックの自治体制を危険視し、これを崩そうとした。
・そこでロシアは、コサック内の有力者を抱き込み、コサック軍団全体をロシアの支配下におこうとした。
(中村仁志 同書 p92-96 参照)

<<コサックの反乱とロシアによる鎮圧 >>
○ステンカ・ラージンの乱(1670-71)
・ロシアがコサックへの締め付けを強め、コサックの掠奪行為を禁圧したことから、ドン・コサックのラージンが指揮する反乱が起きるが、鎮圧される。

○マゼッパの乱(1709)
・マゼッパはウクライナ・コサックの長。
・北方戦争(1700-21、ロシア帝国ピョートル1世vsスウェーデンのカール12世)において、マゼッパはスウェーデンの味方につきロシアと戦うが、敗北。

「マゼッパは恨みに怒り狂い
危険な陰謀を考えついた
ロシアのツァーリ(皇帝)の裏切り者は
スウェーデンの勝利を期待して
かの国に投降したがっている」
(チャイコフスキー 歌劇『マゼッパ』第2幕より 小松佑子 訳)


○プガチョフの乱(1773-75)
・ドン・コサックのプガチョフが自分こそ皇帝であると名乗り反乱を指揮。
・コサックを中心に、非ロシア系住民、ロシア人農奴らが反乱に参加したが、鎮圧される。

<< 3人のロシア皇帝とコサック>>
○イヴァン4世(雷帝)(位1533-84)
・コサック隊長のイェルマークがシベリア遠征を行った後、シベリアへロシアの正規軍を送り、シベリア進出を本格化する。

○ピョートル1世(位1682-1725)
・ステンカ・ラージンの乱の終わった後で即位。
・北方戦争では、1709年のポルタヴァの戦いで、スウェーデンのカール12世とウクライナ・コサックのマゼッパの連合軍を破る。
・コサックへの締め付けを強めると同時に、南下を進める。

○エカチェリーナ2世(位1762-96)
・プガチョフの乱を鎮圧。
・ウクライナと黒海北岸(クリミア半島)を占領し南下を進める。

「ピョートル大帝およびエカチェリーナ2世はザポロージェのコサックの自治をしだいに制限し、ついに1776年エカチェリーナ2世によって自治は廃止され、ザポロージェの本営も破壊された。コサック社会の破壊に続いてエカチェリーナはクリミア汗国も攻撃し、10年後、クリミア汗国はロシア帝国に併合されることになる。こうしてピョートル以来のロシア帝国の夢であった黒海進出が果たされ、ロシア帝国は北のバルト海とともに南の海への出口を確保し、黒海艦隊を有する国となったのである。」(中井和夫 同書 p42)

※さらに詳しくコサックの歴史をお調べになりたい方には こちら をお勧めします。

チエミの子守歌LPで、私が一番好きなのはこの曲です。
根底に流れる「母の悲しみ」を見事に歌い上げています。

同じテイストを名唱「ダニーボーイ」にも感じ取れます。
ダニーボーイのことは ココ をご参照ください。
チエミさんは、人間の根源にある深い愛の歌・・・が似合います。
それがボーカリストとしての彼女の最大の魅力です。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。