江利チエミファンのひとりごと

江利チエミという素晴らしい歌手がいた...ということ。
ただただそれを伝えたい...という趣旨のページです。

◆ 日劇レビュー史(3) 江利チエミ公演年譜

2008年06月22日 | 江利チエミ(続編)
>スイング・サーカス 7景 昭26(1951)年1月26日~2月2日
横井自転車ファミリー、奥野イチロー、江利チエミ、後藤博とデキシーランダース、NDT(日劇ダンジング・チーム)

>この週のゲストは自転車曲乗りの横井ファミリー、曲技の奥野イチロー、少女歌手江利チエミ等だが、構成、演出が比較的スムーズに運んでいたので、いつもほどゲストが浮き上がっていなかった。


>踊る日劇 10景 昭27(1952)年2月13日~2月26日
江利チエミ、泉恵子、若山博子、NDT

>話題の少女歌手江利チエミの歌は、まだ器用さが先に立っている感じだったが、確かにうまかった。



>夏のおどり 14景 昭27(1952)年7月2日~7月29日
江利チエミ、山田周平、庭野千草、竹園まり子、中西初枝、泉恵子、山中寿、NDT

>出演者では江利チエミ以外の歌手連(中西初枝、泉恵子、竹園まり子)が意外に低調で作品にマイナスを与え、・・・NDT陣は健闘。所要1時間20分、日劇としては楽しめたものの一つ。



>ティーン・エイジャー・ジャズ 1場
昭28(1953)年7月1日~7月6日 江利チエミ、バビー旗(旗照夫)、森ヨシ子、ジョン・ヤング、ジョージ川口、松本英彦、小野満、中村八大、トニー谷ほか


>歌う不夜城・1954年 5景
昭29(1954)年1月6日~1月12日  越路吹雪、雪村いづみ、江利チエミ、ジョージ川口とビッグ・フォア、東京キューバン・ボーイズ、NDT
 
>当代の当り屋少女江利チエミ、雪村いづみに越路吹雪を一枚加え、もう一つ欲ばってもっともジャズで人気のあるジョージ川口とビッグ・フォア、東京キューバン・ボーイズをひっぱり出したのだから、これでお客が来なかったら不思議。よくもまアこんなにお客が集まるものだと思ったほどの超満員ぶりだった。・・(中略)・・江利、雪村、越路はいつもの通りというほかなく、ただ越路の衣裳及び彼女の出そうとしている感じがむしろ小劇場的なもので、このショー自体からは浮き上がっていたのは、彼女の計算違いか? 演出者のミスか?...フィナーレ前の越路、江利、雪村が「ベッサメ・ムーチョ」をメドレーで歌うあたりは面白い趣向だった。



> ソングス・フォア・ユウ 8景
昭29(1954)年5月4日~5月11日 江利チエミ、東郷たまみ、朝丘雪路、フランキー堺とシティ・スリッカーズ、小野満とフォー・ブラザース、NDT

>十代の人気ジャズ歌手江利チエミ、朝丘雪路、東郷たまみの3人を並べた上に、現在最も人気のあるバンド2つ(小野満とフォー・ブラザース、フランキー堺とシティ・スリッカーズ)がつくという贅沢な顔ぶれ。3人の歌手がそれぞれ三様の味を出して歌っていた。中では江利の「君慕うワルツ」「アンナ」がやはり一日の長を示し、朝丘は「バイ・バイ・ベビー」「ストーミー・ウエザー」で良い素質を見せた。東郷の「4月の或る日」「ヴァイア・コンディオス」は舞台に慣れていないのも損だったが、動きが固くリズムに乗り切っていなかった。



>日劇秋のおどり 16景 昭29(1954)年10月6日~11月22日
江利チエミ、柳沢真一、小鳩くるみ、ペギー葉山、坊屋三郎、空飛小助、市村俊幸、奈加英夫、東京コラリアース、NDT

>圧巻は江利チエミ。出といい、引っ込みといい貫禄十分。しかもショーの中に溶けこんで、一番オトナの感じすら与えたのは大したものだ。ペギー葉山が「五ツ木の子守唄」「ババルー」ほかで動きも懸命な努力に対して、柳沢真一に何か欠けるものがあったのはショーマン・シップか、ひたむきさか。



>ジャズ娘世界一周 10景 昭30(1955)年2月25日~3月3日
江利チエミ、ビンボ・ダナオ、旗照夫、ドリーン山下、東京キューバン・ボーイズ、原信夫とシャープス&フラッツ、リリオ・リズム・エアーズ、NDT

>再渡米する江利チエミの歓送を兼ねたチエミ・ショー。アリランにはじまって上海、ウシュカダラ、セ・シ・ボン、アンナ、スコキァン、パパ・ラブス・マンボ、シュガー・フット・ラグ、テネシー・ワルツなど彼女の十八番を原信夫とシャープス&フラッツ、東京キューバン・ボーイズ、リリオ・リズム・エアーズ、日劇ダンシング・チームなどを背景に歌いまくった。吊りものとバンドの出し入れだけだから転換もスピーディーだし、各シーンそれぞれに衣裳を換えて登場するチエミも水を得た魚のようにピチピチしていた。・・(中略)・・応援の形の旗照夫は「ドミノ」が良く、進境見るべきものがあり、ビンボ・ダナオは「グラナダ」が良かった。



>チエミ海を渡る 5景 昭30(1955)年4月26日~5月2日
江利チエミ、東京キューバン・ボーイズ、原信夫とシャープス&フラッツ、NDT

>5月11日にハワイに渡る江利チエミの歓送ショー。「カム・オン・ア・マイ・ハウス」からはじまって「エル・クンバンチェロ」に終る9曲、何よりも意識しないで発散するリズムの良さが印象的。



>チエミ大いに歌う 4場 昭30(1955)年8月23日~8月30日
江利チエミ、旗照夫、武井義明、ダーク・ダックス、ジョージ川口とシックス・レモン・オールスターズ、小原重徳とブルー・コーツ、東京キューバン・ボーイズ

>キューバン・ボーイズ、ブルー・コーツ、シックス・レモン・オールスターズの3つの人気楽団をバックに、チエミの歌った曲が実に20曲。まさに『チエミ大いに歌う』といったところだ。面白かったのは第4景のメドレーで、ブルー・コーツとキューバン・ボーイズの交互演奏で、息つく間もなく彼女のヒット・ナンバーを11曲、次から次へと歌いまくったところ。若いとはいえよく身体がつづくものだと感心した。・・(中略)・・場内は3階まで立錐の余地もない超満員ぶり。江利チエミの人気の幅の広さに驚かされた。



>チエミと共に 5景 昭31(1956)年1月7日~1月13日
江利チエミ、旗照夫、ダーク・ダックス、小原重徳とブルー・コーツ、NDT

>小原重徳とブルー・コーツ、東京キューバン・ボーイズの2楽団を使って、江利チエミがヒット・ナンバー14曲を歌いまくった。この種ジャズ・シンガーをシンとするショーもどうやら一つの型が出来てしまって、これ以上どうしようもないというのが本当のところ。従ってNDTの踊りも楽団演奏も、チエミの歌のつなぎ的な意味しかなかったのも当り前だが、だからと言って間に合せで済ませたのではショー全体が面白くなる訳はない。こうしたショーの難しさであろう。何回も衣裳を換えたり、踊ったり、最後には黒塗りして「スワニー」を歌ったり、チエミは一応大ハリキリだったが、ひと頃のようなぶつかってくる気魄といったものが欠けたのは、オーバーワークの疲れか。「ババルー」「旅情のボレロ」など面白く、「雨に唄えば」は珍しかった。おつき合いの旗照夫は「枯葉」が珍しかったがやや不安定だし、ダーク・ダックスは依然好調。NDTの羽鳥永一のチエミとの二重唱はご愛嬌だ。


>ジャズ娘に栄光あれ 5景 昭31(1956)年4月28日~5月9日
江利チエミ、ビンボ・ダナオ、小坂一也、中野ブラザース、トリオ・ロス・チカロス、松本文男とミュージック・メーカーズ、ワゴン・マスターズ、東京キューバン・ボーイズ、NDT

>ゴールデン・ウイークを狙った日劇の江利チエミ・ショーだが、ひと頃ほどの超満員ぶりは見られなかった。お天気が良過ぎたせいでもあろうか。精力的に12曲を歌いまくったチエミは、なによりも勉強の跡が見えた。たとえば同じ曲を歌うのにも、スタイルを変えたり、アクセントの置きどころを変えたりして、いわゆる聴かせることに力を入れていた。中でも「チリビリビン」と「ハイ・ヌーン」が面白かったが、タップを踏んだり、紺がすりに襷(たすき)がけで「茶っ切り節」を歌ったりの大サービスぶりで満場を沸かせていた。ほかにタップの中野ブラザース(啓介・章三)、ビンボ・ダナオ、小坂一也、松本文男とミュージック・メーカーズ、ワゴン・マスターズ、東京キューバン・ボーイズ、トリオ・ロス・チカロスなどが出演していたが、中野兄弟がなかなか見せた。



>チエミ初春に歌う 10景 昭32(1957)年1月7日~1月13日
江利チエミ、江原達怡、旗照夫、ビンボ・ダナオ、ダーク・ダックス、東京キューバン・ボーイズ、NDT

>1つのショーとしては踊りとの結びつき、流れといったものに欠けたのは、ワンマン・ショーとして避けられぬ運命かもしれない。「ババルー」にはじまって「懐かしのリスボン」まではり切って歌いまくっていたが、やはりヒット・メドレーが一番たのしいし、羽鳥永一と踊りながら歌う「グレンドーラ」も微笑ましい。



>チエミの黄金の椅子 12景 昭32(1957)年5月3日~5月9日
江利チエミ、ジェームス繁田、中野ブラザース、NDT

>チエミのステージ・マナーもアクがとれて洗練されてきた。「ラ・クンパルシータ」を踊った中野ブラザースが絶妙。



>セプテンバー・ソング 14景 昭32(1957)年9月20日~9月30日
江利チエミ、中村八大、中野ブラザース、伊藤素道とリリオ・リズム・エアーズ、東京キューバン・ボーイズ、原信夫とシャープス&フラッツ、NDT

>構成と演出がチエミに100パーセント寄りかからなかったのは賢明だ。チエミの歌はすっかり大人っぽく変ってきたが、それだけに一と頃のようなピチピチした魅力が減ってしっとりと落ち着いてきた。「マリアンヌ」「霧のロンドン・ブリッジ」などが歌われたが、いいのは「シュ・シュ・カバブー」「ナイト・アンド・デイ」など。中野ブラザースと下駄のタップを生かした「おてもやん」も面白い。中野ブラザースの「タップ・マンボ」が圧巻。前半をタキシード・ジャンクション、転調してマンボ№8とうまく使った吉田タケオの振付も快調で、カーテン前と思わせぬ大きさがタップの面白さを十分にたのしませた。ほかに中村八大、伊藤素道とリリオ・リズム・エアーズ、原信夫とシャープス&フラッツ、東京キューバン・ボーイズ、NDTなども出ていたが、目先を変える以外に見せ場はなかった。



>ジャズ娘乾杯!! 15景 昭33(1958)年1月7日~1月14日
江利チエミ、旗照夫、ビンボ・ダナオ、中野ブラザース、伊藤素道とリリオ・リズム・エアーズ、東京キューバン・ボーイズ、NDT

>興行成績は上がったようだが、肝腎の作品としては、例によって前半の滑り出しだけが快調で、後半尻つぼみの凡打に終った。やたらと暗転を使う演出もいささかイージーだった。チエミはテンポの早いものは良かったとしても、雰囲気の要るワルツなどは冴えなかったが、中野ブラザースの都会的なセンスと、全体的に編曲が凝っていたのが娯しかった。



>チエミの青春の歌声 12景 昭33(1958)年4月29日~5月5日
江利チエミ、宝田明、ビンボ・ダナオ、中村八大トリオ、NDT

>ゴールデン・ウイークとあってチエミと宝田明という青春コンビで若い観客層の動員を狙った。『青春の歌声』というタイトルにもかかわらず最近はこれといったヒット・ソングに恵まれないせいもあって、チエミの新鮮な魅力も薄れがち。それでもかぶりつきはぎっしり満員。ただしチエミと宝田が顔を合せる場面はなかった。




>歌う不夜城1959年 11景 昭34(1959)年1月7日~1月13日
江利チエミ、ビンボ・ダナオ、中野ブラザース、宝田明、伊藤素道とリリオ・リズム・エアーズ、東京キューバン・ボーイズ、NDT

>ショーとしては不夜城というほどの豪華さも新鮮味もなかったが、 のびのびと歌うチエミの明るいステージはこのショーのバック・ボーン。



※ここで江利チエミさんは結婚します。そしてしばらく一線から退くことを決意しますが、いろいろあってまた彼女はスポットライトのセンターに戻ってくるのです。(次章に続く)






















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3 コメント

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お久し振りコメントです (てる)
2008-06-22 15:37:06
これはまた、盛りだくさんな内容ですね。
後半にいくに従って、厳しい、しかし愛情ある
批評が続きますね。
通して、読んでみたいものです。
返信する
どうもです! (う--でぶ)
2008-06-22 16:49:14
しばらく、ひっぱらせていただきます!

批評... 新人ジャズ歌手--->エンターティナーになっていくにつれて厳しく...しかし私も江利チエミに対する大きな期待と愛情を感じます。
返信する
しかし・・・ (う--でぶ)
2008-06-22 16:52:37
何度か休止したり、自分が具合わるくしたり...
それでも4年もこのブログが続いています。

コメントをいただける皆様、
 資料提供をいただいた皆様、
  動画UPしていただいた皆様... 皆々様のおかげです! ありがとうございます。
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