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どこよりも早い“ポスト菅”最新情勢!野田有力も一寸先は闇??

2011年08月16日 17時04分12秒 | 日記・政治
2011.08.15 zakzak
 
「ポスト菅」を決める民主党代表選は、水面下での駆け引きが激化している。現執行部に近い野田佳彦財務相は出馬確実とされ、鹿野道彦農水相らも、立候補に必要な推薦人の確保に向けて動いている。現時点で、野田氏が最有力と伝えられるが、永田町は「一寸先は闇」の世界。隠れた本命が急浮上してもおかしくない。専門家2人が序盤戦を徹底分析した。

 現時点で、出馬が取り沙汰されている主な候補は別表の通り。今月末に国会議員票だけで代表選が行われるとして、政治評論家の有馬晴海氏と、政治ジャーナリストの角谷浩一氏に「◎…本命、○…対抗、▲…大穴、△…推薦人確保まで、無印…出馬せず」というルールで、情勢を予測してもらった。

 まず、有馬氏は、野田氏に◎を打った。「代表選は、菅直人首相の路線を継承する野田氏と、小沢一郎元代表と鳩山由紀夫前首相の『反増税』『マニフェスト堅持』路線の戦いだ。小鳩連合は『カネの問題がある』という時点で敬遠される。野田氏が本命だ」と解説した。

 確かに、他の候補が「所属議員20人」という推薦人確保に四苦八苦する中、野田氏にはその心配がない。自らのグループに加え、仙谷由人党代表代行(官房副長官)や岡田克也幹事長ら、現在の党執行部が支持する公算が大きいからだ。

 また、野党との連携という点でも、仙谷氏が一時「野田代表」を前提に、自民党と交渉していたこともあり、下地はある。

 ただ、盤石とはいえない。

 有馬氏は「前原誠司前外相が出馬の是非を迷っているという。出てきたら、支持層が重なる野田氏の勝ち目はなくなる。まあ、そういう結果になると思えば出てこないだろうが」と語った。

 これに対し、角谷氏は、野田氏を○とした。

 理由を「菅首相の政権運営がひどく、昨年の代表選で支持した議員が『こんなはずじゃなかった』と嘆いている。後継に当たる野田氏にはその“呪い”が直撃する。また、現執行部は民主党政権を失敗させた元凶だ。政府では鳩山、菅両内閣の政権中枢にいて、未熟な政権運営をさらした。党では、強権的に動いて野党の信頼を失った。仙谷氏率いる前原グループ『凌雲会』への不満は頂点に達している。財務省の傀儡とみられるのもマイナスだ」と説明した。

 代わりに、角谷氏が◎を打ったのは海江田万里経産相だ。「小沢氏の参院での講演に150人が集まったが、小鳩連合の基礎票は200票ある。統一候補としては、閣僚経験者で敵が少ない海江田氏が最もバランスがいい。旧民社党系、旧社会党系が保守の野田氏でまとまるとは考えにくいし、票をはがせる。国会議員票だけなので、勝算はある」と解説した。

 菅-仙谷ラインと小鳩連合のどちらが上まわるかで、結果が様変わりするのは間違いない。

 一方、「ポスト菅」候補として名前が挙がるなかで、年齢も当選回数も突出している鹿野道彦農水相への待望論もある。

 鹿野氏も12日、「いささかなりとも期待を持っていただいているならば、大変ありがたい」と意欲を見せた。

 有馬氏は鹿野氏に○を打ち、こう話した。

 「挙国内閣を掲げて自民党とパイプを作り、『みんなでやろう』という全体の総意ができれば、最適だ。推薦人20人は集まるだろう。まじめで一生懸命やりそうな雰囲気がある。野田氏を支えている人は『民主党が政権取ったのだから協力しろ』と上から目線だが、鹿野氏ほどの年齢なら『助けてください』と言えて、野党も応じやすいだろう」

 ただ、角谷氏は「中間派といっても、誰も仲間に入れてくれなかっただけ」として無印にした。

 有馬、角谷両氏が「穴」指名したのが馬淵澄夫前国交相だ。「党内対立を終わらせる」「反増税」を掲げ、メディアへの露出を高めている。

 有馬氏は「推薦人は集まるだろう。他候補が反小沢、親小沢で争うほど、それを嫌い世代交代を求める若手から、一定の支持を集める」といい、角谷氏は「推薦人さえ集まれば、独自の候補として票を集めそうだ」とまずまずの評価だ。

 前原氏については、有馬、角谷両氏とも「来年秋の代表選に狙いを定めている」として今回は見送り。樽床伸二元国対委員長は「様子見をして、閣僚を狙う」(有馬氏)、松野頼久元官房副長官は「海江田支持に回る」(角谷氏)と、それぞれの思惑で「出馬せず」に傾く候補も出てくるようだ。

 勝利の女神は、誰にほほえむのか。

鹿野道彦研究  かつてのプリンス最後のチャンス 寡黙さゆえに担がれる存在に??

2011年08月16日 17時03分47秒 | 日記・政治
鹿野道彦
 
2011.7.21  産経ニュース
 
「かつて私は自民党の清和会(現・町村派)にいた。安倍晋太郎先生がどうしても首相を狙うということで、一生懸命、私なりに努力しました…」
 
 13日夜、都内のホテルで開かれた民主党衆院議員、小林興起のパーティー。農水相、鹿野道彦は安倍派時代の同志を前に、自民党総裁になる夢がかなわぬまま平成3年に病死した安倍に触れた。「何も言わない農水相」(元首相・森喜朗)が自民党時代の苦い経験に触れるのは珍しい。
 
 すでに当選11回。民主党内では、元代表の小沢一郎、元首相の羽田孜、党最高顧問の渡部恒三に次ぐキャリアだが、目立ったポストといえば国対委員長を務めたぐらいだ。そんな地味な鹿野を「次期首相」に推す声があるのは、とかく目立つことを優先させる議員が多い同党にあって、その寡黙な性格がかえって貴重な存在と映るからだろう。
 
 記者会見で代表選について聞かれても、表情を変えずに「与えられた仕事に全力を尽くすだけ」とかわし、与えられた問題に黙々と取り組む。
 
 「政権を取るのはつらいことだ。いい加減なことでは取れないんだ」
 
 鹿野は最近、周囲にこう語ったという。安倍を首相にできなかった鹿野だからこそ、実感がこもる。
 
 本人がいくら否定しても、代表選の「御輿(みこし)」に担ごうという動きは水面下で進んでいる。毎週木曜日、国会近くのホテルに当選1~5回の衆参国会議員約15人がひそかに集まる。「木曜会」と名付けられた会合は、「人心一新」をキーワードに鹿野の次期代表選出馬を目指している。
 
 中心人物は農水副大臣の筒井信隆、農水政務官の吉田公一、元経済産業副大臣の増子輝彦ら。鹿野自身は1度も参加したことはないが、会合には小沢や前首相の鳩山由紀夫、前外相の前原誠司が率いる3グループにそれぞれ所属する議員が顔をそろえる。色の付いていない鹿野への「消極的支持」の側面も大きい。
 
「最初は支持率15%ぐらいでも、徐々に上がっていけばいい。『前原首相』なら当面、支持率は上がるだろうがすぐ急落する」
 
鹿野を担ごうとする中堅議員の1人は指摘する。
 
 ただ、支持に広がりは見えず、今後は党内最大グループを率いる小沢との関係がカギとなる。鹿野は平成9年の新進党党首選で小沢の再選を阻止すべく出馬し、惜敗した。小沢側近には「ワンポイントなら鹿野でいい」との声もあるが、小沢は「安倍派のプリンスだったが、選挙には弱いなあ」と無関心を装う。
 
 かつての鹿野は思い切った行動に出ることも少なくなかった。細川政権崩壊直前には「新党みらい」を作り、代表に就任。新進党解党後は「国民の声」を結成し、代表を務めた。
 
 「この1年は復興だ。迅速にやらないと」。そう語り、代表選への言及を封印する「かつてのプリンス」にとって、今夏は政治家人生の転機になるかもしれない。=敬称略
(山本雄史)
 
  【政策】
 昨年9月の2度目の農水相就任会見では「攻撃型の農水省に、農林水産行政に転換をしていきたい」と述べ、「守り」から「攻め」の農業への転換を主張。成長産業としての農林水産業を確立すべく、民主党が衆院選マニフェストに掲げた農業者戸別所得補償の拡充や地域内で農家自ら農産物の加工・販売も行う農業の「6次産業化」の推進を訴える。党内でも賛否が二分された「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」への参加には、「アジア太平洋の経済連携にはTPP以外の選択肢もある」と慎重な姿勢を示してきた。
 
かの・みちひこ 昭和17年山形市生まれ。
 
69歳。衆院山形1区。当選11回。学習院大政経卒。父、彦吉衆院議員の秘書を経て、昭和51年、自民党から衆院初当選、安倍派のプリンスとして注目を浴びる。平成元年、第1次海部内閣で農水相として初入閣。4年の宮沢改造内閣では総務庁長官に就任。6年に自民党を離党し、新進党などを経て10年に民主党入り。17年の「郵政選挙」で落選したが、21年の衆院選で返り咲いた。22年9月の菅改造内閣で2度目の農水相。趣味は将棋。座右の銘は「慎(しん)始(し)敬(けい)終(しゅう)」。

エネルギーの明日 脚光浴びる地熱発電 開発加速 火山は宝の山?

2011年08月16日 17時03分25秒 | 日記・政治
フジサンケイビジネスアイ 8月16日
 
■インドネシア 脱原発へ方針転換

 原発事故をきっかけに、脚光を浴びる再生可能エネルギー。月内には再生エネルギー特別措置法も成立する見通しだ。火山国ゆえに豊富な資源量があり、太陽光や風力に比べて安定電力としての期待も高い地熱発電の可能性を探った。

◆民間に運営・建設開放

 繊維産業が集積し、火山見学の観光ツアーで知られるインドネシア第4の都市、西ジャワ州バンドン市南部の標高1700メートルの高原に、オランダ植民地時代から育まれてきた高級茶ジャワティー農園が広がる。農園内には銀色のパイプが張り巡らされた場所があり、雲のような蒸気が立ち上る。最深2500メートルの井戸が19本、最高325度の熱水から蒸気を取り出すワヤン・ウィンドゥ地熱発電所だ。

 出力は22万7000キロワットで日本最大の地熱発電所の九州電力の八丁原(はっちょうばる)発電所(大分県九重町)の約2倍。計画中の3、4号機が完成すれば、出力は40万キロワットになり原子力発電所の4割程度の電力をまかなえる規模になる。

 太陽光や風力と違い、「地熱は電力を安定供給できる電源」と運営会社のスター・エナジーの生産管理部門責任者、ゼリー・アントロ氏は言う。

 政府が進める規制緩和で、発電所から地域への直接の電力供給ができるようになれば大量の茶葉の乾燥にも活用でき、「地産地消の電力で地域農業と共生できる」(技術評価応用庁)と期待される。

 146の活火山を持つインドネシアの熱水資源量は約2700万キロワットで世界トップクラス。世界の4割弱の地熱資源を持つが、地熱発電量でみると米国、フィリピンに次ぎ、世界3位にとどまる。地熱の建設・運営は国営石油会社のプルタミナが主導していたが、世界一の「地熱大国」を目指し、競争力のある民間に開放された。

 インドネシアは経済の急成長に伴う恒常的な電力不足で、原子力発電所の導入も計画していた。だが、東京電力福島第1原発事故を契機に、純国産エネルギーで環境にもやさしい地熱発電にアクセルを踏む。2014年までに新開発電源の約4割、400万キロワットを地熱でまかない、25年には現在の約8倍、原子力9基分に相当する950万キロワットを生み出す計画だ。

 ◆日本は資源量3位

 地熱開発ブームは、インドネシアに限らない。発電量で首位の米国はもちろん、電力をすべて再生可能エネルギーでまかなうアイスランド、火山帯を持つアフリカのケニア…。最近では、人工的に熱水を作る新技術開発が進み、「火山国でないドイツまでが、脱原発を背景に新規参入する世界的な開発ラッシュ」(住友商事)を迎えている。

 産業技術総合研究所の調査によれば、日本は地熱資源量で世界3位ながら、発電能力はわずか53万キロワットで世界8位。1973年の石油ショック後、火力の代替エネルギーとして、地熱が脚光を浴びた時期がある。熱水資源の「宝の山」として資源開発会社がこぞって調査に乗り出し、出光興産と九州電力が96年にようやく運転開始にこぎつけた。

 ただ、その後は原子力発電の推進というエネルギー政策の転換で地熱発電は下火になった。97年の新エネルギー法で、「新エネ」のカテゴリーから外れ、99年に運転を開始した東京電力の八丈島地熱発電所を最後に商業用の新規建設は止まった。

 しかし、時代は再び、国内の地熱に光を当て始めた。

  ■湯治場に眠る資源に出番

 秋田、宮城県境にまたがる栗駒山系の高松岳(標高1348メートル)周辺は、数多くの湯治場を抱える「いで湯の山」で、立ち入り禁止地区では蒸気や亜硫酸ガスが吹き出し、草木さえ生えない光景が広がる。この一帯は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査で地下に200度以上の熱水があることが確認され、電源開発(Jパワー)や出光興産が開発でしのぎを削る。

 ◆課題は用地確保

 湯治場の一つ、泥湯温泉からブナ林道を抜けて秋田県湯沢市の山葵(わさび)沢・秋ノ宮地区に入ると、街中で見かける消火栓を大きくしたような高さ1メートルほどの蒸気井(せい)の栓が8本立つ場所に出た。蒸気井は約2000メートルの深さに達し、「地熱発電でタービンを回すには十分な蒸気量」(Jパワーの森田健次部長代理)がある。「山菜採りに入る人以外、ほとんど立ち入らない」(地元商店主)という冬場は1メートルを超える雪で覆われる国有林で、発電所建設に必要な用地の確保が課題だ。

 この一帯は1990年代半ば、同和鉱業(現DOWAホールディングス)や日本重化学工業が相次いで地熱発電の事業化検討を表明した。だが、日本重化学工業は2002年に会社更生法を申請し、DOWAは08年に地熱事業から撤退した。

 頓挫するかに思えた地熱開発だが、環境に優しいエネルギーとしてJパワーと三菱マテリアルが事業化調査を再開。10年には、三菱ガス化学を加えた3社共同出資の「湯沢地熱」が設立された。

 さらに東に約10キロ離れた小安(おやす)地区でも、新たな開発計画が動き出した。出光興産と国際石油開発帝石が13年度までの事業化判断に向け、7月に調査に入った。

 出光は1996年に運転開始した滝上発電所(大分県九重町)で蒸気供給を手がけるが、発電事業は九州電力が行っている。当時は電力会社以外に発電事業が認められなかったためだが、脱化石燃料で再生可能エネルギーへのシフトを進める石油業界にとって、地熱発電は大きなビジネスチャンスで、出光は「発電事業への参画」も検討する。

 ◆新規参入名乗り

 10年以上ストップしていた商業用の地熱発電所建設は、Jパワーや出光の先陣争いにとどまらず、新たな企業も名乗りを上げ始めた。JFEエンジニアリングは7月、岩手県八幡平市のスキー場跡地で2015年の運転開始を目指し、新規参入した。湯沢地熱の事業開始は早くても20年頃になる見通しで、JFEエンジニアリングが他社に先んじて、地熱発電所の新規稼働を実現する可能性がある。

 スキー場跡地には、2万~5万キロワット相当の地熱資源量があるとされるが、同社が計画する当初の規模は7000キロワット。「規模が小さい分、採算は厳しい」(資源開発大手)との声も上がる。ただ、国立公園の敷地外にあるうえ、温泉施設が廃業し、温泉の枯渇を心配した反対もないことから、同社は「ビジネスとして成立するかも大事だが、(停滞する)日本の地熱発電に風穴を空けたい」と開発を急ぐ。長い空白の時代を経て、地熱開発の「熱気」が勢いを増してきた。

 
 

猪瀬直樹:菅さん、地熱発電の特徴と仕組み教えます?

2011年08月16日 17時02分53秒 | 日記・政治
八丈島地熱発電所 風力発電所
  
2011/07/12 復興ニッポン
 
「地産地消型」の特徴を生かした組み合わせが現実的
 
菅直人首相が原発の「ストレステスト」を突然言い出した。いつも思いつきでものを言う。菅首相がご執心の「自然エネルギー」についても、「2020年代の早い時期に総発電量の20%以上をまかなう」のは机上の空論だ。「脱原発」には10年、20年の時間がかかる。それまでの代替電力を具体的に検討しなければならない。
 
自家用を除き、全国の地熱発電は13カ所
 
 去年の2月に太陽光パネルを自分で設置した僕には、その長所も短所もわかっている。原発の代替エネルギーを自分の目で確かめるため、「コンバインドサイクル」を利用した天然ガス火力発電や昼間のピーク時の電力需要をまかなう揚水発電の現場へ足を運んできた。7月7日の七夕には、八丈島にある東京電力管内唯一の地熱発電所を視察した。
 
 現在、日本には全国13カ所に地熱発電所が存在する(他に5カ所の自家用地熱発電所がある)。北海道に1カ所(森)、東北に6カ所(澄川、松川、葛根田、上の岱、鬼首、柳津西山)、九州に5カ所(大岳、八丁原、滝上、大霧、山川)、そして東京電力管内には唯一、八丈島で地熱発電所が稼働している。
 八丈島は東京南方の海上約300キロメートルに位置する。160人乗りの航空機で羽田から定期便が1日3便出ており、また船便は毎日1往復、夜行で夜11時に出て朝9時過ぎに着く。僕は羽田から航空機に乗り、1時間弱で到着した。
 
三原山の地下にある地熱エネルギーを生かす
 
 総面積約70平方キロメートルの八丈島に、約8000人が住んでいる。南東部の三原山と、北西部の八丈富士という2つの火山があり、裾野が重なり合ったところが平地というひょうたんの形状の島だ。
 島の経済は、農業の売り上げが20億円、漁業が10億円、観光が40億円である。歓楽街もあり、通称「親不孝通り」と呼ぶところがおもしろい。
 
 農業では、オランダにも輸出している観葉植物のフェニックス・ロベレニーが有名だ(詳しくは拙著『二宮金次郎はなぜ薪を背負っているか?』)。豊かな自然が魅力であり、都会から住み着く人もいる。現在、福島県から受け入れた30人の避難者も八丈島で暮らしている。
 
 八丈富士は400年前に噴火した休火山だ。三原山は10万年前に噴火したあと噴火していない。この三原山の地下にある地熱エネルギーを生かすのが八丈島地熱発電所である。八丈島の空港から車で20~30分ほど行った三原山の南側に、八丈島地熱発電所は位置している。
 
 電気が八丈島に導入されたのは昭和2年(1927年)のことだ。それ以来、主に水力発電が使われ、戦後になって火力発電が加わった。
 
 八丈島の地熱開発は、1989年に始まった。さまざまな調査や試験を経て、1998年に着工し、1999年3月から運転が始まっている。
 
24時間安定的に電力を供給できる
 
地熱発電所は、温泉のような熱水を地中から取り出し、その蒸気を使ってタービンを回している。使用した蒸気は、冷却して水に戻し、再び地中に返す。温泉と同じように、地熱発電所では硫黄の臭いがする。
 
八丈島地熱発電所では、深さ1650メートルから不透水層に閉じ込められ、マグマに熱せられた水を取り出し、毎時32トンの蒸気を使ってタービンを回すのだ。蒸気を分離した熱水および使用後の蒸気は、深さ100メートルの地中へと戻されている。
 
 地熱発電の特色としては、地熱エネルギーは純国産のエネルギーであること、二酸化炭素をほとんど排出しないこと、などが挙げられる。また、地熱エネルギーは絶えず使うことができるから、地熱発電所は24時間安定的に電力を供給することが可能だ。同じ再生可能エネルギーとして期待される太陽光発電や風力発電は、天候に左右されるため不安定である。東京のベース電力が原発であるのと同じように、八丈島では地熱発電がベース電力として使われている。
 
八丈島の電力供給は、約3300キロワットの地熱発電がベースとなる。地熱発電だけで、島全体で必要な最低電力需要(深夜)である約3500キロワットをまかなうことができる。地熱発電をベースに、日中は火力発電(内燃力発電)と風力発電で補いながら、最大電力需要である約1万1000キロワットに対応している。
 
日本の地熱発電は54万キロワット、地産地消型の発電だ
 
いま、「脱原発」で地熱発電などの再生可能エネルギーが注目されている。ところが、八丈島地熱発電所の横につくられた案内PRのための「TEPCO八丈島地熱館」は閉鎖中だ。3・11以来、渋谷の電力館など各地の東電案内施設が閉鎖されているが、地熱館は八丈島観光の有力な資源であり、一律閉鎖はおかしい、とその場で東電担当者に伝えておいた。
 
 2010年時点の日本の地熱発電は約54万キロワット(福島第一原発の1号機が46万キロワット)で、世界第8位である。世界第1位はアメリカで約309万キロワット、第2位はフィリピンで約190万キロワット、第3位はインドネシアで約120万キロワットとなっている。
 
 また、世界の地熱用蒸気タービンでは、日本が66%と圧倒的なシェアを誇る。富士電機、三菱重工、東芝の国内3社で、世界シェアの3分の2を占めている。この日本の技術力を国内外で生かさない手はない。
 
 日本における地熱発電のポテンシャルは、自然公園特別保護地区を除いて約1500万キロワット(原発15基分)である。地熱発電は、将来的に伸びる可能性を持っている。ただし、過度な期待は禁物だ。地熱発電の眼目は、そのポテンシャルよりも、「地産地消型発電」という点にある。
 
 現状では、送電網が電力会社に独占されているため、送電コストがかかり、新規参入事業者は価格競争力で原発や電力会社に劣る。地産地消型の地熱発電所を各地につくれば、送電コストが下がって代替エネルギーは普及する。以前紹介した川崎天然ガス発電所(コンバインドサイクル発電所)や太陽光発電と合わせて、地産地消型発電を広げていくことが、「脱原発」への着実な道筋となる。
 
感情に走らず、合理性を追求して代案を探る
 
 原発がすべてを解決するということが虚構だったように、地熱発電がすべてを解決するということもありえない。さまざまな電力を組み合わせて、リスクを分散していくことが必要だ。発電のリスク分散として、八丈島をモデルにしていくべきだろう。

 

 日本人はすぐ賛成か反対かという議論になってしまう。言語技術が未熟なせいだ。原発が電力供給の約3割を占めているというのは現実なのだから、いくら「脱原発」と言っても、今すぐにその分を補う代替エネルギーの用意はできない。

 

 
まずは、いつまでに他のエネルギー(天然ガス、太陽・風力・地熱)が間に合うのか検討するのが先決ではないか。川崎や八丈島などを僕が視察している目的もそのためだ。
 
 「脱原発」というのは撤退戦なわけで、これがいちばん真価を問われる。あの戦争でも攻めた後の撤退ができず玉砕に走った。撤退戦は感情に走ってはならず、徹底的に合理性を追求しなければいけない。産業の空洞化を防ぐためにも、思いつきではない具体的な代案を引きつづき追っていく。
 
猪瀬直樹(いのせ・なおき)
 
作家、東京都副知事。1946年、長野県生まれ。1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人などの廃止・民営化に取り組み、2002年6月末、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。東京工業大学特任教授、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターなど幅広い領域で活躍中。最新刊に『ジミーの誕生日 アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』(文藝春秋社)、『東京の副知事になってみたら』(小学館101新書)がある。また読者からの声にこたえ、『昭和16年夏の敗戦』が中公文庫から復刊。近著に『霞が関「解体」戦争』(ちくま文庫)『地下鉄は誰のものか』(ちくま新書)『言葉の力』(中公新書ラクレ)がある。
オフィシャルホームページ:http://inose.gr.jp/
猪瀬直樹Blog:http://www.inosenaoki.com/
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夢の30兆円ビジネス 「日本版GPS」、本格スタートできるか?

2011年08月16日 17時02分19秒 | 日記・政治
準天頂衛星
 
GPS (グローバル・ポジショニング・システム)
 
2011/8/15 JCASTニュース
 
政府が日本版GPS(全地球測位システム)の構築へ動き出している。2010年9月に打ち上げた準天頂衛星「みちびき」の実験結果が良好なことに加え、東日本大震災で防災に活用できるとの期待も加わり、あと数基打ち上げる方向になっている。
   経済産業省も11年6月末、GPSを活用した新産業を創出するための官民一体の研究会を設立するなど、活用への動きは加速している。
 
誤差が小さくなって実用化のメド
 
   GPSはミサイルなどを誘導するために米国が軍事用に開発した。地球を回る衛星から位置情報が発信され、地上に届くまでにかかった時間を計算して自分の位置を割り出す仕組み。一般向けに出される信号を無料で使えるので、日本でもカーナビなどに活用されている。ただ、高層ビルの谷間や山間部などは電波がさえぎられることが多く、現在は10メートルの測位誤差がある。
 
   「みちびき」は、この誤差を小さくするために打ち上げられた。実際、実験結果は良好だ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月、精度について「2.6メートル以内」としていた目標を上回る「1~1.5メートル」と、実用に必要な精度を得たと発表した。
 
   「みちびき」1基で日本上空をカバーできるのは8時間。あと3基打ち上げれば、4基が交代で24時間の高精度測位が可能になる。あと6基打ち上げて7基にすれば米国のGPS衛星に頼らずに完全に日本自前で測位できるようになる。
 
   経済産業省が設置した研究会には三菱電機のほか、ホンダ、JR北海道、三菱重工業、NEC、コマツなど計10社が参加し、国内でのサービス開発に加え、アジア向けのシステム輸出を検討する。政府は日本自前のシステム整備ができれば自動車や鉄道、航空、資源開発、農業などに一気に利用が広がり、国内で10兆円規模の新産業が創出できると試算。アジア全体では30兆円市場との予測もある。
 
菅内閣迷走で仕切り役不在
   
 実際にどんな可能性があるのか。新カーナビとして、自動車にGPSアンテナだけでなくカメラを付けるモバイル・マッピング・システム(MMS)と呼ばれるシステムが研究されている。道路を走りながら連続撮影で3次元地図を作ることができ、カーナビの高度化が期待できる。自動車や列車の衝突防止、さらに信頼性の高い測位でヘリコプターの夜間運航も可能になる。このほか、農業分野で水や肥料を散布する農業機械の遠隔操作システムなどの開発が検討されている。三菱重工業は国産ジェットのMRJ(三菱リージョナルジェット)用に次世代航行システムの開発に取り組んでおり、受注合戦での差別化を図る。
  
  MMSは地殻が変動しても元の位置をすぐに特定できるので、震災の復興などに有効。また、政府は準天頂衛星2号機からは携帯電話の中継器を搭載し、今回の大震災のように、地上の基地局が被害を受けても、災害用伝言サービスなど衛星で安否確認ができるようにする考えという。
  
  こんな夢のある日本版GPSだが、問題は巨額な費用だ。4基態勢にするのでも今後、約1500億円かかり、7基体制にするには約2300億円が必要になる。
  
  宇宙開発戦略本部を担当する内閣府の高官は「2、3号機を打ち上げないという選択しはない」と明言しているが、4基か7基かは、政府内でも議論は分かれている模様で、4月に主要紙がこぞって報じた時は、読売が「4基体制で運用する方針を固めた」、日経が「7基に増やす方針を固めた」と見方は完全に割れ、朝日は「7基か4基体制に増やす案をまとめた」と両論併記で報じるなど、バラバラだった。7月中にも決まるとの見方があったが、菅内閣の居座り・政局の迷走で「内閣府主導といっても、誰が仕切るか、はっきりしない」(与党関係者)のが実態。当面、来年度予算の概算要求にどう盛り込むかがポイントだが、概算要求の締め切りは3次補正のからみで9月末に先送りされる見通しで、何基体制にするのか、見通しは立っていない。