松野頼久
2011年8月18日 ゲンダイネット
不毛の代表選に激震?
<「総・代分離」で小沢首班指名が可能>
民主党内最大勢力の小沢・鳩山グループで「独自候補」を立てるべきという主戦論が浮上してきた。擁立するのは松野頼久元官房副長官(50)。そして驚きは、小沢一郎元代表の“復権”とセットであることだ。
「いつでも捨て石になる」
民主党内最大勢力の小沢・鳩山グループで「独自候補」を立てるべきという主戦論が浮上してきた。擁立するのは松野頼久元官房副長官(50)。そして驚きは、小沢一郎元代表の“復権”とセットであることだ。
「いつでも捨て石になる」
松野は周辺にこう決意を語っているという。4期生で閣僚経験のない松野だが、鳩山内閣時代に官邸は知っている。3期生で大臣4カ月の馬淵が出馬するくらいだから十分、有資格者だ。
「松野さんは、小沢・鳩山グループの結束を大事にし、草刈り場になってはならない、という気持ちが強い。そして、小沢さん、鳩山さんという経験豊富なベテランが力を発揮できる環境をつくるべきだとも思っている。そのためなら、自分が捨て石になってもいいという覚悟なのです」(鳩山グループ議員)
大マスコミは、民主党代表選が最終的に「野田VS.鹿野」の戦いになるとか言っているが、それを期待する国民はゼロ。そこで松野が代表になり、即座に小沢の党員資格停止を解いて、幹事長に就けるというプランを、周辺はまじめに考え始めているのだ。小沢を副総理兼復興担当大臣にしてもいい。
「それだけではありません。原発対応や震災復興、官僚の使い方など、小沢さんに本当のリーダーシップを発揮してもらうためには、やはり総理をやってもらうべき。ズバリ『総・代分離』です」(小沢グループ議員)
この閉塞状況を打開するため、松野擁立の先に「小沢総理」のウルトラCも描かれているというのだ。
党員資格停止の小沢は代表選には出られないものの、国会の首班指名で選ばれることには何の妨げもない。松野が代表選で「自分が代表になり、小沢さんを総理にする」と総・代分離を打ち出す。小沢と鳩山がこのシナリオに同意し、動けば、両グループ合計170人の圧倒的な党内最大勢力だけでなく、勝ち馬に乗りたい旧民社系や旧社会党系の50人も雪崩を打つ。代表選で松野が勝てば、民主党は党議拘束をかけ、首班指名で「小沢」と書くようにすればいいのである。
国民世論の小沢待望論の高まりもある。10月に初公判の小沢裁判は「無罪確実」というのが専門家の一致した見解だ。
「『小沢さんは無罪を勝ち取ってから来年の代表選に出馬』という声があるが、震災復興の重要な1年間を再び無能首相に任せていいのか。小沢総理―松野代表で国難を乗り切ると宣言すれば、国民の支持も得られると思います」(前出の小沢グループ議員)
このウルトラCなら、いまの気の抜けた代表選の構図が一変するのは間違いない。