紀田順一郎 著
1981年3月31日 第1版第1刷発行
三一書房 刊
著者が少年時代に接した本と「戦争の時代」についての回想です。
読了した紀田順一郎氏の著作のなかで最も愛着のある本です。
「V 炎の予感 <地図帖>」の中に次の記述があります。
【いまも、私は時折、この丘の上からわが町を見おろすことがある。外人居住地の山手の丘にかこま
れた盆地にひしめく無慮何十万という住宅の波は、見なれた者にさえ息を呑ませるに十分である。横
浜市中区の本牧地方の住宅地は、東京都の江東区、墨田区、世田谷区などと並ぶ全国有数の住宅
密集地であろうと思う。
むかしの世代は一生に少なくとも二度、天災か戦争に遭遇したという。私の両親は大正初期の生ま
れで、関東大震災と第二次大戦の空襲という二度の大打撃を経験している。
「今度は自分の番だな」
と私は思う。東海大地震や未知の直下型地震が念頭にあるからだ。九九%の確率で、私は再び焼
け跡を見ることになると思っている。】 (175頁)
この本を読んでから、30年が過ぎました。
その間に、阪神淡路大震災、東日本大震災が起こりました。
「今度こそ自分の番だな」と考えています。
1981年3月31日 第1版第1刷発行
三一書房 刊
著者が少年時代に接した本と「戦争の時代」についての回想です。
読了した紀田順一郎氏の著作のなかで最も愛着のある本です。
「V 炎の予感 <地図帖>」の中に次の記述があります。
【いまも、私は時折、この丘の上からわが町を見おろすことがある。外人居住地の山手の丘にかこま
れた盆地にひしめく無慮何十万という住宅の波は、見なれた者にさえ息を呑ませるに十分である。横
浜市中区の本牧地方の住宅地は、東京都の江東区、墨田区、世田谷区などと並ぶ全国有数の住宅
密集地であろうと思う。
むかしの世代は一生に少なくとも二度、天災か戦争に遭遇したという。私の両親は大正初期の生ま
れで、関東大震災と第二次大戦の空襲という二度の大打撃を経験している。
「今度は自分の番だな」
と私は思う。東海大地震や未知の直下型地震が念頭にあるからだ。九九%の確率で、私は再び焼
け跡を見ることになると思っている。】 (175頁)
この本を読んでから、30年が過ぎました。
その間に、阪神淡路大震災、東日本大震災が起こりました。
「今度こそ自分の番だな」と考えています。
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