旧刊時空漂泊

さまざまな本・出版物がランダムに現れます。

日本の鉄道 全駅一覧  「時刻表」4月号別冊付録

2012-12-30 12:38:43 | 日記
昭和62年4月1日発行
発行所 日本交通公社出版事業局

       

昭和62年4月1日現在で存在する、日本全国すべての鉄道を収録。
貨物鉄道、専用鉄道、索道(ロープウェイ・リフト)、長期休止中の会社は掲載していない。
縦18cm、横13cm、96頁と手ごろな大きさなので、使いやすいです。
ここに掲載されている駅のうち、消えたものはどれくらいでしょうか?
表紙はもちろん東京駅。
 


再現! 巨大隕石衝突 6500万年前の謎を解く 

2012-12-21 13:08:19 | 日記
1999年8月30日 第1刷発行
著者 松井孝典
発行所 株式会社 岩波書店

         

白亜紀と第三紀の境界である6500万年前のK-T境界層は巨大隕石の衝突によって形成された。
そのK-T境界層を調査するため、メキシコ、キューバへ。
巨大隕石の衝突による衝撃変成石英(ショックド・クォーツ)や津波の痕跡が見つかります。
著者は本書の末尾で次のように書いています。

        しかしこのような衝突による人類の絶滅を心配するより、我々が現在その恩恵を
        被っている近代文明が、その文明の内包する問題によって崩壊していくことを考
        えたほうが現実的です。現在のような文明のスタイルはあと一〇〇年くらいしか
        続かないと予想されるからです。      (113頁)
       
 2012年11月6日の朝日新聞に「木曽川に巨大隕石の跡」という記事がありました。
 約2億1500年前の岐阜県坂祝町の木曽川沿いの地層から隕石衝突の痕跡のような細かい球状の粒を
発見した。イリジウムや白金などが通常の100~千倍程度の濃度で含まれているという。
隕石の破片が飛んできたんでしょう。隕石が直接衝突しなくても衝突によって発生したガスや破壊された
岩石が地球上の広範囲に拡散するのです。 
     

微光のなかの宇宙   ―私の美術観―

2012-12-12 14:37:39 | 日記
昭和63年5月20日 初版発行
著者 司馬遼太郎
発行者 嶋中鵬二
本文印刷 株式会社精興社
図版印刷 日本写真印刷株式会社
製本所 大口製本印刷株式会社
発行所 中央公論社

       

    目次
裸眼で
密教の誕生と密教美術
わが空海
激しさと悲しさ――八大山人の生涯と画業
ゴッホの天才性
微光のなかの宇宙
八木一夫雑感
三岸節子の芸術
出離といえるような

「微光のなかの宇宙」は須田国太郎について、「出離といえるような」は須田剋太についての文章です。
この本に登場する絵画のなかで特に印象的なのは八大山人の『安晩帖』の魚の図。

        絵の中央よりわずかに左へかたよって、ただ一尾の魚が、前方の一点に目をこらし、凝然とし
       た表情で泳いでいるのである。絵というのは、それだけであった。まことに筆を惜しむことはな
       はだしく、わずかな線を用い、魚体を淡く暈しているだけの絵なのだが、省筆されている部分に、
       漁腹がある。当然ながら、白い。その魚腹の白さにぬめりまで出ているのは驚くにあたいしない
       にしても、あきらかにその白の内部に浮袋が蔵せられ、魚体の浮力がそこから出ていることが眺
       めていてありありとわかるのである。浮力まで絵画で表現しうることは本来不可能にちかい。
                (中略)
       ゆったりとしたその動きは、画面のなかの決定的な一点においておこなわれているため、画面は
       単に紙の膚質のみであるのに――つまり水についてのいささかの描写もないのに――魚は
       沈々として流れる長江の水中にあることを思わせる。      (88~89頁)

泉屋博古館(京都)にあるこの「安晩帖 魚児図」をぜひ見たいものです。

          

科学朝日 1953年1月号

2012-12-06 12:19:08 | 日記
昭和28年1月1日 発行
発行所 朝日新聞社

       
       日本に集まる航空会社のラベル

目次を見ていくとこの様な項目があります。
     ・サイクロトロンの再建成る
     ・自然改造計画の競争
     ・座談会 アメリカの飛行学校に留学して
     ・立体映画時代へふみ入る
     ・私の読後感 書評に代えて

           
          科学研究所のサイクロトロン 

「自然改造計画の競争」の頁にある図のアラル海のところにはシルダニア灌漑治水大系
という文字があります。アラル海縮小の始まりでしょう。
「私の読後感」では細井輝彦「蚊のいない国」が取りあげられています。
やはり戦後の再建時代の雑誌だという印象です。