著者 今谷 明
2001年3月15日 初版第1刷発行
発行所 NTT出版株式会社
今谷明氏の学問遍歴、大蔵省官僚から日本史研究者への劇的転身。
嘉吉徳政一揆の張本(指導者)は武士か農民か
室町経済史上の奇蹟と言われる林屋辰三郎氏発見の『兵庫北関入船納帳』の読み解き
『上杉家洛中洛外図』は、いつ誰によって描かれたか(景観年代特定)
天皇家はなぜ、連綿と続いてきたのか (本書帯より)
その史料とは、林屋辰三郎先生が一九六四年に京都の古書肆で発見、購入された
『兵庫北関入船納帳』という、税関台帳である。
『兵庫北関入船納帳』(以下『納帳』と略す)とは、東大寺が領有していた兵庫北関
(現神戸市和田岬の北方)ににおける文安二年(一四四五)一年間の関銭(通航料)
の納入台帳である。 (中略)
林屋先生が購入された当初は、何しろ五百年以上前の冊子、紙魚が食い荒らして、
頁が開けられない状況だった。それを一頁ずつピンセットで剥がし、全頁が解読可能
となった私が助手に頃で、先生は私と、当時堺女子短大助教授だった小林保夫君(前
述のように名大大学院で佐藤門下であった)に釈文(文書の解説)の原稿作成を命ぜ
られた。
この納帳によって兵庫の物資流通の状況が14世紀のヨーロッパのリューベックをしのぐもので
あることがわかりました。日本中世のイメージが一変したのです。
2001年3月15日 初版第1刷発行
発行所 NTT出版株式会社
今谷明氏の学問遍歴、大蔵省官僚から日本史研究者への劇的転身。
嘉吉徳政一揆の張本(指導者)は武士か農民か
室町経済史上の奇蹟と言われる林屋辰三郎氏発見の『兵庫北関入船納帳』の読み解き
『上杉家洛中洛外図』は、いつ誰によって描かれたか(景観年代特定)
天皇家はなぜ、連綿と続いてきたのか (本書帯より)
その史料とは、林屋辰三郎先生が一九六四年に京都の古書肆で発見、購入された
『兵庫北関入船納帳』という、税関台帳である。
『兵庫北関入船納帳』(以下『納帳』と略す)とは、東大寺が領有していた兵庫北関
(現神戸市和田岬の北方)ににおける文安二年(一四四五)一年間の関銭(通航料)
の納入台帳である。 (中略)
林屋先生が購入された当初は、何しろ五百年以上前の冊子、紙魚が食い荒らして、
頁が開けられない状況だった。それを一頁ずつピンセットで剥がし、全頁が解読可能
となった私が助手に頃で、先生は私と、当時堺女子短大助教授だった小林保夫君(前
述のように名大大学院で佐藤門下であった)に釈文(文書の解説)の原稿作成を命ぜ
られた。
この納帳によって兵庫の物資流通の状況が14世紀のヨーロッパのリューベックをしのぐもので
あることがわかりました。日本中世のイメージが一変したのです。