なんという事だ…。私はこの状況を再確認して今ここにある危機を実感せざる得なかった。
五人武装して戦っていても、圧倒的に私達が不利である事は確かであった。
今までと同じ筈の妖邪に封鎖された新宿、それがこんなに苦戦を強いられる事とは私は思わなかったのだ。
「征士、この数はどうなっていると思う?俺には普通では考えられないと思うのだが…」
当麻が私に意見を求めてきた。
「分からん。私にもこのような数の妖邪兵は初めて見るからな」
私は当麻の問いにも気の利いた事も言えずにただ返事をするだけだった。
「そうだよな!こんなのわらわら妖邪兵が湧いてくるとしか言えない感じだよ」
シュウはひたすら攻めてくる妖邪兵をねじ伏せながら私と当麻に言った。
「しかしみんな、おかしいと思わないか?」
遼が疑問に思い私達に言った。
「どうしたの、遼。何か気になる所でも?」
伸は遼の言葉に返事をした。
「いつもの妖邪兵と攻め方のようなものが違うような気がするんだ…」
「確かに遼の言う通りかもしれないな。私も妙な違和感を感じている所だ」
私も遼に自分が思った事を言ってみた。
「とりあえず、今僕らの周りに攻め込んで来る妖邪兵の数を減らしてから妖邪兵の出所を探った方がいいんじゃないかな?」
伸は戦闘時にも関わらず、現在の戦況に合った助言をしてくれた。
「なるほど、伸の言う通りだな。私達にできる最大の防御という所か…」
私は伸の助言に感嘆した。
「そんな征士、僕は大した事は言ってないよ。僕はただみんなの為に考えただけなんだから…」
伸は私の言葉に照れながら応えた。
「いいじゃないか、今はとにかく目の前の敵を倒すって事でさ?」
シュウが妖邪兵を倒しながら言った。私達はそれから次々と現れる妖邪兵を出てくるだけ倒し、ようやく数も減り始めてきた。
「よし、妖邪兵も減ってきたことだし僕が偵察してくるよ」
伸が頃合いを見て私達に言った。
「待て、伸。お前一人を行かせる訳には行かない。私も一緒に行こう」
「征士も一緒か、それなら大丈夫だな」
遼も私の意見に同意してくれるようだ。
「ここで俺達三人がいるから何かあれば俺が援護する。だから心配するな」
当麻はこの場から離れる私と伸に声を掛けた。
「ありがとう、当麻。行ってくる」
私と伸は妖邪兵が湧いてくるであろう場所を探しに移動した。
「伸、二人で行動するのは初めてだな。そもそも、五人以外で動く事自体が珍しいか…」
「そうだね、征士。僕らが集まってからはバラで行動するのが少ないから」
私と伸で話しながら辺りを調べていると、途端に次元の歪みのような所からわらわらと妖邪兵が出てきているのが見つかった。
「征士、これは当たりだね!」
伸は妖邪の巣から出てくる妖邪兵を倒しながら言った。
「うむ、伸の思った通りだ。とりあえずここの妖邪の巣は潰しておこう」
私も伸と一緒に妖邪兵を倒しながら返事をすると、光輪剣を振り下ろし一刀両断にして妖邪の巣を消し去った。
「目の前のもやもやしてたものが消えた…」
伸は私の一連の動作を見てつぶやいた。
「伸。みんなの所へ帰ろうか」
「うん。まだ敵は出るかもしれないからね」私は伸に一声掛けるとみんなの元へ戻った。
「私の策に気付かずに、まだ小童共は周りを回っているか…。よかろう、仕上げに私自ら出て行くか」
螺呪羅は五人の様子を遠くからうかがうと、そう呟いた。
かなり遅れてしまいましたが、ようやくアップできました。(^_^;)ゆださんにカットも付けて頂いて載せようと思っていたら6月も終わり頃となってました。続きは8月中に遼を主役として書く予定ですが、8月はバタバタしてるので下旬になってしまうだろうと思いますが載せるつもりです。
五人武装して戦っていても、圧倒的に私達が不利である事は確かであった。
今までと同じ筈の妖邪に封鎖された新宿、それがこんなに苦戦を強いられる事とは私は思わなかったのだ。
「征士、この数はどうなっていると思う?俺には普通では考えられないと思うのだが…」
当麻が私に意見を求めてきた。
「分からん。私にもこのような数の妖邪兵は初めて見るからな」
私は当麻の問いにも気の利いた事も言えずにただ返事をするだけだった。
「そうだよな!こんなのわらわら妖邪兵が湧いてくるとしか言えない感じだよ」
シュウはひたすら攻めてくる妖邪兵をねじ伏せながら私と当麻に言った。
「しかしみんな、おかしいと思わないか?」
遼が疑問に思い私達に言った。
「どうしたの、遼。何か気になる所でも?」
伸は遼の言葉に返事をした。
「いつもの妖邪兵と攻め方のようなものが違うような気がするんだ…」
「確かに遼の言う通りかもしれないな。私も妙な違和感を感じている所だ」
私も遼に自分が思った事を言ってみた。
「とりあえず、今僕らの周りに攻め込んで来る妖邪兵の数を減らしてから妖邪兵の出所を探った方がいいんじゃないかな?」
伸は戦闘時にも関わらず、現在の戦況に合った助言をしてくれた。
「なるほど、伸の言う通りだな。私達にできる最大の防御という所か…」
私は伸の助言に感嘆した。
「そんな征士、僕は大した事は言ってないよ。僕はただみんなの為に考えただけなんだから…」
伸は私の言葉に照れながら応えた。
「いいじゃないか、今はとにかく目の前の敵を倒すって事でさ?」
シュウが妖邪兵を倒しながら言った。私達はそれから次々と現れる妖邪兵を出てくるだけ倒し、ようやく数も減り始めてきた。
「よし、妖邪兵も減ってきたことだし僕が偵察してくるよ」
伸が頃合いを見て私達に言った。
「待て、伸。お前一人を行かせる訳には行かない。私も一緒に行こう」
「征士も一緒か、それなら大丈夫だな」
遼も私の意見に同意してくれるようだ。
「ここで俺達三人がいるから何かあれば俺が援護する。だから心配するな」
当麻はこの場から離れる私と伸に声を掛けた。
「ありがとう、当麻。行ってくる」
私と伸は妖邪兵が湧いてくるであろう場所を探しに移動した。
「伸、二人で行動するのは初めてだな。そもそも、五人以外で動く事自体が珍しいか…」
「そうだね、征士。僕らが集まってからはバラで行動するのが少ないから」
私と伸で話しながら辺りを調べていると、途端に次元の歪みのような所からわらわらと妖邪兵が出てきているのが見つかった。
「征士、これは当たりだね!」
伸は妖邪の巣から出てくる妖邪兵を倒しながら言った。
「うむ、伸の思った通りだ。とりあえずここの妖邪の巣は潰しておこう」
私も伸と一緒に妖邪兵を倒しながら返事をすると、光輪剣を振り下ろし一刀両断にして妖邪の巣を消し去った。
「目の前のもやもやしてたものが消えた…」
伸は私の一連の動作を見てつぶやいた。
「伸。みんなの所へ帰ろうか」
「うん。まだ敵は出るかもしれないからね」私は伸に一声掛けるとみんなの元へ戻った。
「私の策に気付かずに、まだ小童共は周りを回っているか…。よかろう、仕上げに私自ら出て行くか」
螺呪羅は五人の様子を遠くからうかがうと、そう呟いた。
かなり遅れてしまいましたが、ようやくアップできました。(^_^;)ゆださんにカットも付けて頂いて載せようと思っていたら6月も終わり頃となってました。続きは8月中に遼を主役として書く予定ですが、8月はバタバタしてるので下旬になってしまうだろうと思いますが載せるつもりです。